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それは完全に狂った軍国主義だ... イングランドが同意すればいつでも、フランスとロシアはドイツとオーストリアに食指を伸ばすだろう.
-ハウス「大佐」1914年5月29日

サゾーノフは、[ロシアの]動員命令を覆すことはもはや不可能であり、オーストリアの動員は非難すべきであると説明した.
- フリードリッヒ・プールタレス、1914 年 7 月 29 日～3 日

陛下、それはできません。何百万人もの配置は即興ではできません...これらの取り決めは、完了するのに丸1年の複雑な労力を要し、一度決定すると[それら]を変更することはできません.
-ヘルムート・フォン・モルトケ、1914 年 8 月 1 日

1914 年 6 月 28 日の日曜日、中世セルビアがコソボポリェの野原でトルコ人に悲惨な敗北を喫してから 525 周年(訳注；聖ヴィツスの日。1389年6月28日にセルビアがコソヴォ平原でトルコに敗北した）を迎えた日、ガブリロプリンシプという名前のセルビア人の若い農民が、オーストリアのフランツフェルディナンド大公とその妻の身体に 2 発の銃弾を発射した。ボスニアの首都サラエボを視察しており、二人とも致命傷を負った。フェルディナンドはオーストリア＝ハンガリー帝国のハプスブルク家の王位継承者であったため、自身が物議を醸す見解を持っていた大公は、「サラエボの怒り」から反響していった。この事実はすぐに知られるようになり、ヨーロッパの首都全体に急速に反響していった。べオグラードとウィーンの間で告発と反論が飛び交い、そこからベルリン、ペテルスブルク、パリ、ロンドンに二次、三次的に波及し、うわさ、悪口、半ば真実、不明瞭化の山が成長し、犯罪の真の性質が急速に覆い隠された。サラエボについての嘘は、真実がゆっくりと明らかになるまで何年もの間広まり続けた.

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　今では、サラエボ陰謀の基本的な概要はよく知られており、ほとんど議論されていないが、まず第一に、プリンツィプが単独で行動したのではないことは明らかである。暗殺者と彼の 6 人の共犯者 (そのうちの 1 人は大公の車列に爆弾を投げつけた) は、セルビアの軍事情報部長であるドラグティン・ディミトリイェビッチ大佐 (暗号名「アピス」) が率いる秘密組織、黒手組 (「統一か死か」) の分派である青年ボスニアに所属していた。

黒手組はプリンツィプと彼の仲間の共謀者を訓練した。彼らに銃、弾薬、爆発物を提供した。彼らと彼らの装備を国境を越えてボスニアに密輸するのを手伝った。アピスが陰謀を知っていて支持したことは、セルビア亡命政府によって法的な意味で確立され、1917年にサロニカでディミトリイェビッチを裁判にかけ、公然と犯罪を自白した後、彼を処刑した。これは必ずしも彼が有罪であったことを証明するものではないが、戦後、セルビアの政界のほぼ全員が、アピスの有罪を巡って彼を擁護したことは注目に値する。

ある意味、諜報局長（ディミトリイェビッチ）のスケープゴート化は、他のセルビア指導者がサラエボの怒りを計画することに加担している（または少なくとも防止するために何もしていない）ことから、歓迎されない注目をそらすために計画された可能性がある。

ベオグラードへの陰謀の糸をたどる詳細が1920年代に現れ始めて以来、情報に通じた観察者らのほとんどは、アピスの、したがって半ば公的セルビアによる犯罪の責任を疑っていなかったが、今日の歴史家はそうは思っていない（訳注；実はかなりの当局の関与があったのだろう、ということ。だからこそ、オーストリアは後に強気に出たわけだし、またそれが世界各国でも支持されたのである）.4。

　しかし、サラエボでのセルビア人の共謀について現在基本的なコンセンサスがあると言っても、1914年にこの件に関して合意のようなものがあったとは言えない。将軍が「戦争の霧」の中で迅速な戦場の決定を下さなければならないことが多いのと同じように、政治家は、関連するすべての事実を通常知ることができるわけではないだけでなく、事実であると推定される多くのことがまったく真実ではないという意味で、不完全な知性で危機を乗り切らなければならない。したがって、1914 年 7 月にヨーロッパの各首都で下された決定を評価するには、実際に何が起こったのかだけでなく、関連する政策立案者が何を知っていた (または彼らが知っていると思っていた) か、いつ知ったかを解明する必要がある。

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　こうした作業は、通常、ドラマの中で有罪の当事者として描かれているオーストリア=ハンガリーとドイツの両国に関して、かなりの範囲ですでに行われている。何十年にもわたる研究と分析により、ベルリンとウィーンでの意図と意思決定の両方のかなり信頼できるタイムラインが確立されてきた。

重要な出来事は、歴史の辞書に入った。最初に、ベルリンへの「ホヨス伯爵（オーストリア外相ベルヒトルトの官房長）の任務」（c.f.夢遊病者たちｐ619）があり、悪名高い「白紙の小切手」がもたらされた。つまり、1914 年 7 月 5 日、ドイツ皇帝ヴィルヘルム 2 世は、オーストリアがセルビアを攻撃した場合、ドイツはオーストリアを支持すると約束した。（翌日、ベートマン・ホルヴェークドイツ首相がその役割を担った）。

この保証の後、ドイツの指導者たちは休暇を取った。カイザーはノルウェーのクルーズに出発し、ヘルムート・フォン・モルトケはカールスバッドで毎年恒例の治療を続け、ベートマン・ホルヴェークはブランデンブルクのホーエンフィノウにある家族の邸宅で夏を過ごし、そこでクルト・リーツラーは「ロシアの力の成長」についてのテオバルト・フォン・ベートマン・ホルヴェーク首相の発言を耳にしている（c.f.p6)。それらはまさに、「傷ついた無知」のパレードであった。5

次に、一種の「記録の空白」が7月中旬からあり、その間、主要なドイツとオーストリアの共謀者の文書は沈黙し、続いて1914年7月23日にウィーンから48時間限定の計画的な最後通牒がセルビアに送られた。それは、間違いなく拒否されるような、ベルリンとの共同作業だった（訳注；実際はそうではなかった？；ロシアの介入はないと無責任な約束をしたドイツ――第一次世界大戦史(2)参照）。

最後に、オーストリアは 7 月 28 日に、ベオグラードに宣戦布告し、ロシアの動員とドイツの対抗措置を促し、ヨーロッパを全面戦争に突入させた。

＜フィッシャーのドイツ戦争責任論の誤り‐戦争局地化を模索していたドイツ＞
　1919 年のヴェルサイユ条約で宣言されたドイツの戦争犯罪の問題は、1920 年代のサラエボの暴動におけるセルビア人の共謀に関する自白の洪水と、戦後にソビエト政府によって明らかにされたロシア帝国のアーカイブからの啓示によって再開されたが、フリッツ・フィッシャーのベストセラーによる、世界強国に対するドイツの起訴 (Griff nach der Weltmacht) は、再び（ドイツ冤罪説の）扉をほぼ閉ざした。

予想通り、フィッシャーはドイツで多くの批判を受けたが、大部分の西洋の歴史家は、少なくとも彼の論文の修正版は支持している。たとえば、デビッド・フロムキンは、Europe's Last Summer: Who Started the Great War in 1914? (2004年)で、彼自身の質問に答えている。すなわち、「簡潔かつ大まかに言えば、その答えはオーストリア=ハンガリー政府がセルビアとの局地戦争を開始したのに対し、ドイツの軍事指導者が、第一次世界大戦または世界大戦として知られるようになったフランスとロシアに対する世界規模の戦争を開始したということです。」ということである。6(同書ｐ286）

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　それは表面的には説得力があるように見えるがしかし、ドイツが意図的に世界大戦を開始したという極端なテーゼには、常に深刻な問題があった。

その支持者でさえ気づいているように、セルビアを孤立させ、罰するためのオーストリアとドイツの下手糞な実演（最後通牒）は、華麗な「冷血的な」計画（世界大戦）を示唆するようなものではなかった。

7月初旬のホヨス伯爵の訪問中にベートマン・ホルヴェークが考案した当初の計画は、大国が反応する前に（訳注；動員が行われる前に）オーストリア軍によるセルビアへの懲罰を与えるという既成事実（fait accompli）を築き上げることであった。（c.f.夢遊病者たちｐ768）

Bethmann Hollweg は、紛争を局地化するという目的について、最初から明確であった。悪名高いペシミストであるモルトケは、戦争の範囲を制限する見通しについてあまり楽観的ではなかったが、カールスバッドから「オーストリアはセルビアを打ち負かし、すぐに和平を結ぶ必要がある。」と言われていた（c.f.夢遊病者たちｐ605,766）。7

　（紛争を局地化するという）ドイツの戦略は、7月のオーストリア自身の主張でもあった。ハンガリーの首相であるシュテファン・ティサ伯爵は、ウィーンがまず外交的に準備を整えることができない限り、懲罰的な侵略の考えには特に冷静であった。外務大臣のレオポルド・フォン・ベルヒトルト伯爵がセルビアに対して慎重な言葉で最後通牒を作成することを余儀なくされたのは、主にティサを説得するためであり、ティサの満足のためにベルリンとウィーンは貴重な時間を費やしてしまった。

Berchtold と Bethmann Hollweg は、「フランスは、戦争の現実の可能性から後退して、ペテルスブルクの平和について助言することだろう」と期待して、もともと7 月 20 日から 23 日に設定されていたサンクトペテルブルクでのフランス大統領サミットの前にセルビアへオーストリアの条件（最後通牒）を送りたかったのである。(Riezler の言葉で言えば、Bethmann Hollweg を介して)。（訳注；c.f.Mc Meekin JULY1914　Count down to war p121）8

しかし、ティサはサミットが始まる前日の7月19日まで文書を承認せず、（サンクトペテルブルクでのフランス大統領サミットの前にセルビアへオーストリアの条件（最後通牒）を送るという）計画はおじゃんになった。すなわち、レイモンド・ポアンカレ大統領が実際にサゾーノフと会談している間(7/20～23)に最後通牒を発行するということになってしまう。そして（恐ろしい内容の最後通牒を知って）、ツァーリが、フランスとロシアが（サミットの）その瞬間の情熱の中で戦争対策を練ることを許容してしまう危険があった。（訳注；c.f.夢遊病者たちｐ639、）

それを避けるために、ポアンカレがロシアを去った直後の 7 月 23 日に（最後通牒が）公開されたのは、すべての中で最悪のシナリオであった。それは計画的であったように見えた (実際そうであった)。

さらに、ロシアはフランスの支持を完全に信頼して行動することができたが（訳注；フランスが抑制的に行動すれば、ロシアが総動員することもなかった）、フランスの大統領からは、あるいはおそらくもっと重要なことに、直近の選挙で左派が勝利した後、明確な平和主義的傾向を持つ急進派であり、首相と外務大臣を兼任したルネ・ヴィヴィアーニからも、わずかな抑制的助言もなかった。

1914 年 7 月 25 日に最後通牒が動き出すまでに、サラエボの殺人事件からほぼ 1 か月が経過していたため、セルビアに対するオーストリアの宣戦布告は (特にロンドンに対して) 皮肉を込めて計算されたように見えた。（訳注；夢遊病者たちｐ657～）

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知っての通り、ロシアがセルビアを、フランスがロシアを、そして最後に英国がフランスとロシアを支持するという、物語の結末はわかっている。しかし、その結末は世界大戦だったのであり、ドイツが望んでいたような展開にはならなかった。Bethmann Hollweg は協商国の力のはったりを呼びよせた。Bethmann Hollwegが非常に失望したことには、彼らは驚きもしなかったのだ。9

　戦争の起源に関する現在の理解の真ん中にあるさらに大きな穴は、7月の危機におけるロシアの役割に関連している。修正されたフィッシャー論文は、オーストリア=ハンガリー帝国とドイツの両方が、7月の危機を自分たちの目的のために利用した方法と理由をうまく説明しているが(計画の実行を失敗させたとしても)、フランスやロシアの行動については何も説明していない。

7 月の危機における最大の記録のギャップは、一般に信じられていることとは反対に、ベートマンホルヴェークの行方不明の書類ではない。 (彼の考えの要点は、1914 年 7 月までさかのぼるリーツラーの日記と他の多くの文書の両方で明確に解明されている)。そうではなく、1914年7 月 20 日から 23 日までサンクトペテルブルクで行われたツァーリと外務大臣との重要な 4 日間のフランス大統領会談に関する記録である。

戦争の勃発に関するソビエトの学者と公式のフランスのドキュメンタリーコレクションの編集者の両方による広範な研究にもかかわらず、このサミットからのかけらは1つも浮上していない。10

同様に、サンクトペテルブルクのフランス大使であるモーリス・パレオログの派遣にも、大公暗殺後丸 1 週間続く顕著なギャップがある。パレオログは、サラエボからのニュースに対するサゾーノフの反応を 1914 年 7 月 6 日まで報告せず、20 日から 23 日までの大統領サミットの全期間をオミットした。

2 番目のギャップは、7 月の大統領サミットの計画が 6 か月前からあったことを考えると、特に疑わしい。どういうわけか、パレオログは、ペテルゴフ宮殿でのツァーリの晩餐会で行われるポアンカレの大統領乾杯の正確な文言に関連する7月中旬に8通以上の「緊急」電報をパリに送るのにふさわしいと考えた。（7 月 19 日、empresseの代わりにcordialという言葉を使用することが規定されたが）その後、大統領とツァーリが実際に話した内容について、彼は何も言わなかった。11

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(当時のアレクサンドル・ミラーランド国防相は後に、ロシア人らがパリに戻った後、ポアンカレに「ロシア人たちに何と言ったのですか?」と尋ねたことを思い出した。ポアンカレは言った。「私は彼に言わせることに成功しなかった。」)12

仏露の同盟内での選択的な記録管理の全体像を締めくくると、1914 年 7 月にパリとベオグラードで行われたロシア自身の使節との外交的書簡においてかなりのギャップがある。ベオグラードの場合、6月28日に大公が暗殺された後、丸10日間である。13

　ロシアは何かを隠していたのか？　記録の空白は、1914年以降にかなりの量のパージが行われたことを強く示唆している。ロシア帝国の外務省からの行方不明のファイルは特に注目に値し、価値がある。10 月革命後、ソビエトの研究者は、最もやばい文書を公開することに良心の呵責を持っていなかった。そうした文書を彼らは、旧体制の暗愚な「帝国主義」を告発するために見つけることができた。14

＜漏れていた最後通牒＞
サゾーノフの回顧録はほとんど役に立たない。典型的なやり方では、ロシアの外務大臣（サゾーノフ）は、7 月の重要な出来事を語るとき、おしになる。たとえば、1914 年 7 月 24 日にオーストリア大使フリードリッヒ・サパーリ伯爵から公式に知らされるまで、彼はセルビアに対するオーストリア＝ハンガリー帝国の最後通牒をまったく知らなかった、などと。15（訳注；夢遊病者たちｐ640）

　これはほぼ確実にウソである。ちょうどドイツ政府が、ウィーンが最後通牒をベオグラードに通達する以前にはその内容を知らなかった、と虚偽の主張をしたように、オーストリアの条件が最終的に発表されたとき、そうしたドイツの振舞いは、無知を装ったロシアとフランスの利益に役立った。ロシアの暗号学者らがオーストリアの外交暗号を解読していたことが明らかになった後にも、誰もがこんなことを信じていたのは、不思議である。16
16. 確かに、すべての歴史家がサゾーノフのふりにだまされたわけではない。 Albertiniはそうではなかった。 Holger Herwigも同様で、Decisions for War, 1914-1917, ed. Hamilton and Herwig (p. 106) で次のように述べている。「オーストリアの解任に先立つ24時間の間に、サゾーノフはオーストリアの政策がこれから取ろうとしている方向性についての6つの警告指標を受け取っていた。」

ロシア外務省のcamera noir暗号技術者がオーストリアが使用した暗号のほとんどを解読していたことを考えると、サゾノフがそのような警告を受けていなかったとしたら驚くべきことだろう。

それにもかかわらず、サゾノフの「唖然とした無知」の行為は、驚くほど多くの歴史家、特に協商側の観点からこの物語を語る人々を魅了した。たとえば、~~John F. V. Keigerは『 France and the Origins of the First World War』の中で、「サゾーノフは7月24日の朝にオーストリアのメモの内容を知った」と書いている。~~

サゾーノフの知らないふりは、カサブランカでのルノー大尉の有名な発言に少し似ている。彼はショックを受けた!　ショック！オーストリアがサラエボの怒りのためにセルビアを罰することを計画していたことを知って。

同様に、最後通牒に対する協商国側からの抗議は、事後にドイツが最後通牒を公に支持したことから判断すると、ウィーンとベルリンが非常に厳しい条件をめぐって共謀していたに違いないという事実を常に強調した。もちろん、オーストリアとドイツはその非常に厳しい条件をめぐって共謀していた。彼らは緊密な軍事同盟国であったのだ。

　同様に、フランスとロシアは、セルビアの最後通牒の前後ともに、共謀した。関連する記録の多くが失われているため、それらがどのように失われたかを正確に文書化することは容易ではないが。

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しかし、こうしたことは、私たちが持っている資料を使って試みない理由にはならない。ロシアのアーカイブが公開された今では特に、ドイツやオーストリアのファイルと同じくらい豊富であり、（おそらく改ざんされた）ドイツの「計画性」を主張するために使われたリーツラーの日記よりも信頼性が高い。

いかなる結論も必然的に慎重でなければならないが、7月の危機におけるロシアの意図の基本的な物語を再構築するのに十分な証拠がある。

＜ロシアは皇太子暗殺計画を知っていた？＞
　手始めに、サラエボでの出来事への対応から始めよう。暗殺計画に関する予知をロシアが否定することには、常に何か疑わしい点があった。ロシアのベオグラード駐在武官ヴィクトル・アルタモノフ将軍は1914 年 6 月 28 日に町を離れており、都合のよいなアリバイがあったが、フェルディナンド大公のボスニアへの不運な訪問の全体的な目的は、ヘルツェゴビナでのオーストリアの軍事作戦の火蓋を切ることであり、セルビアにおけるロシアの公式軍事監視員にとって大きな関心事であったことを考えると、（そのアリバイは）奇妙なことであった。

アピスに近いセルビア陸軍大佐は後に、アルタモノフがアピスにサラエボでの作戦に青信号を与え、「先に進め！攻撃されたら、助けてやる」と言ったと主張した。アルタモノフは、後にルイジ・Albertiniから尋問されたとき、この発言を明確に否定したが、町にいるときはいつでも「実質的に毎日ディミトリイェビッチ（アピス）と連絡を取り合っていた」ことを認め、さらに、彼が町にいるときはいつでも、「当時の小さなベオグラードでは、公共の生活がごく少数のカフェに限定されていたため、陰謀を秘密にすることはできなかった」と述べた（これらの最後の言葉はAlbertiniの言葉であるが、アルタモノフの言葉を表している）。（訳注；夢遊病者たちｐ618）

Albertiniは、すべての首謀者らに広範なインタビューを行った後、「アルタモノフは、ディミトリイェビッチから直接ではなくても、他の情報提供者から陰謀について知らされていた」と結論付けた。

アルタモノフとは違って、ロシアの悪名高いセルビア担当大臣であるロシアのセルビア担当大臣Nikolai Hartwigは 6 月 28 日に街にいたが、少なくとも、歴史家L. C. F. Turnerは、ロシアのセルビア担当大臣Nikolai Hartwigが「セルビア政府の常時の指導者であり信頼できる相談相手」であったことは「ありえない」、バルカン戦争を通して「彼は相談を受けなかった...そして進行中のことについて詳細な知識を持っていなかった.」と考えている。 17
17. Albertini, Origins of the War of 1914, vol. 2, pp. 82-86; and Turner, Origins of the First World War, p. 81　ロシアの著名な外交史家であるD.C.B.Lievenは、アルタモノフとHartwigが黒手組の目的に敵対的であったため、これらの結論はありそうにないと考えている。

それにもかかわらず、Lievenですら、興味深い二重否定で「ソ連政府が発行したロシア文書は、Hartwigとアルタモノフが陰謀について何も知らなかったということを証明していない」と認めている(p.139)。これはしかし、彼らロシア人は、何かが進行中であることは知っていたに違いないが、彼らが陰謀に加担したという意味ではない。

　サラエボの陰謀に関する以前の我々のロシアの知見についての真実が何であれ、当時のロシア当局者の反応は、そのニュースが彼らを大いに驚かせたことを示唆するものではなく、ハプスブルク家の相続者（フランツ・フェルディナント）の暗殺後のオーストリア人に少なくとも同情的だったことを示唆するものでもない。犯行の数日後、バルカン半島全域のオーストリア外交官は、ロシア側外交官から明らかに哀悼の意が表明されていないことを報告した。.18

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ローマでは、ロシア大使館は、殺害された大公に敬意を表して半旗で旗を揚げなかったすべての大国の唯一の1つであった。.19

同様に、ベオグラードの皇帝公使館は、フランツ・フェルディナントの公式の葬式の間でさえ、半旗を掲げることを拒否した。.20

ロシア公使館の書記官は、オーストリアに哀悼の意を表すどころか、フランツ・フェルディナントの死は、大公の戦争挑発的な（実際には完全にありえないことだったのだが）評判を考慮して、「君主制にとって恩恵とみなされるべきである」とブルガリアの駐在武官に語った。.オーストリアのベオグラード駐在代理公使ヴィルヘルム・リッター・フォン・シュトルクは、このロシア外交官がサラエボ殺人事件を明らかに支持していることを報告せざるを得ないと感じた.21

＜Hartwigの怪死（c.f. Mc Meekin JULY1914　Count down to war p119）＞
　第一次バルカン戦争を開始した略奪的な連合軍を独力でかき集めたと通常は信じられている（それが正しい言葉であれば）ロシアのセルビア担当大臣であったロシアのセルビア担当大臣Nikolai Hartwigは、寛大ではなかった。陰謀を知っていたかどうかにかかわらず、ロシアのセルビア担当大臣Nikolai Hartwigは 1914 年 6 月 28 日のサラエボ殺人事件のニュースに動揺することはなかった。彼はその夜、ブリッジパーティーを主催した。ベオグラードのイタリア領事によると、ロシアのセルビア担当大臣Nikolai Hartwigは町のほぼすべての人に、オーストリアは大公をうまく排除したと語った。.22

前の冬に表明されたボスニア問題に関するロシアのセルビア担当大臣Nikolai Hartwigの見解に照らして、彼が.オーストリアのベオグラード駐在代理公使ヴィルヘルム・リッター・フォン・シュトルクに哀悼の意を表することを拒否したことは驚くべきことではない.。「トルコの問題の後」バルカン戦争でのウィーンの屈辱の波の中で、ロシアのセルビア担当大臣Nikolai Hartwigは当時次のような意見を述べていた。「今度はオーストリアの番だ。セルビアは私たちの最高の武器になるだろう。セルビアがボスニアとヘルツェゴビナを取り戻す日が近づいている.」23

1914 年 7 月 10 日の午後 9 時、サラエボでの殺人事件から丸 12 日後になって初めて、、ロシアのセルビア担当大臣Nikolai Hartwigはやっとオーストリア公使館を訪れ、その日早くウィーンから帰国したハプスブルク家の大臣、ギースルフォンギースリンゲン男爵に哀悼の意を表した。ロシアは 6 月 28 日のブリッジパーティーの開催を否定し、ロシア公使館が大公の追悼式で半旗を掲げることを拒否したというのは真実ではないとギーゼルに語った (ただし、ギーゼルのイタリア語と英語のカウンターパートは後に、旗に関する元の話は正しいことを確認した)。

その後、ロシアのセルビア担当大臣Nikolai Hartwigとハプスブルク家の大臣、ギースルフォンギースリンゲン男爵の2 人の間に 10 分から 15 分続いた短い和解があった。ヨーロッパの平和に対する自身の罪を贖うかのように、その夜の午後 9 時 20 分頃、悪名高い好戦的なロシアの大臣（ロシアのセルビア担当大臣Nikolai Hartwig）は倒れ、心臓発作で死亡した (訳注；夢遊病者たちｐ646　倒れていなければ、彼は公使館内でオーストリア人によって殺害されていたかもしれない、とセルビアのマスコミの多くは即座に結論付けた)24。

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＜サゾーノフの見立て＞
　サゾーノフは、サラエボへの反応において、ロシアのセルビア担当大臣Nikolai Hartwigよりも巧妙だった。彼が追求した方針は、（サラエボでの）殺人は恐ろしいことであったが、ロシアが政治的暗殺の最初で最大の犠牲者であったことを忘れてはならない、というものだった。サゾーノフは7月初旬にオーストリアの代理大使に次のように語っていたのだ。「外国領土で準備された暴動によって、ロシア以上に苦しんだ国はありません。我々が、オーストリアの新聞がセルビアを脅迫する手順をどの国に対しても採用したと主張したことがありますか?」25

サンクトペテルブルクとパリの間で見事な連携を示したポアンカレ大統領は、1914 年 7 月 4 日、駐フランスオーストリア大使のシェクセンフォンテメリン伯爵と同じ方針に沿って主張し、1894年にイタリアのアナキストによってカルノー大統領が暗殺された後にフランスを席巻した反イタリア的な熱狂を思い起こさせようとした。（訳注；夢遊病者たちｐ615。ポアンカレはしかし、シェクセンフォンテメリン伯爵の意見に反対し、セルビア政府の関与を否定し続けた）

サラエボの犯罪へのセルビア政府の共謀に関するウィーンからの継続的な啓示の洪水を無視して（その多くは、確かに、時期尚早または不正確であった）27、サゾーノフは7月中ずっとこの路線（ロシアはサラエボ事件の犠牲者である））に固執し、ある時点で、ペテルブルク駐在ドイツ大使フリードリッヒ・プルタレスに、オーストリアがセルビアに対して正義を要求することは、ロシアがスウェーデンやスイスに侵略するのと同じ（くらいあり得ない）ことだと語った。そこには非常に多くのロシア人革命家たちがうようよいたのだから。.28
27. 奇妙なことに、オーストリアは、黒手組よりもかなり「正当な」セルビア政治組織であるNarodna Od-branaに対して（捜査の）焦点を当てていた。黒手組について優れた情報を持っていたにもかかわらず。なぜウィーンがこのような戦術的ミスを犯したのか、これまで十分に説明されたことはなかったが、疑いなく、そうしたミスが、パリとロンドン（サンクトペテルブルクではないにしても）における多大な同情を得た。そこでは、黒手組（実際、サラエボ事件を組織化した罪があった）が犯人であることを示すの信頼できる証拠があったのであろう。

サラエボ事件の後、ロシアがテロの真の犠牲者であると主張するのには、相当なの厚かましさが必要だった。 サゾーノフは明らかに挑戦的だった。

　1914年7月13日にペテルスブルクからベルリンに報告されたペテルブルク駐在ドイツ大使プルタレスの報告によると、サラエボの殺人事件に続く数週間のオーストリア・ハンガリーに関するロシアの「公式サークル」の態度は、「そこに蔓延している状況に対する際限のない軽蔑」の1つであった。「マスコミだけでなく社会でも」とドイツ大使は述べた。「殺害された大公に対しては、ほとんど非友好的な評価しかありません。」29

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サラエボの車列の緩い警備は、ハプスブルク家の軍事的効率性をほとんど語らなかった。バルカン戦争は、ロシアの将軍たちに、オーストリア＝ハンガリー軍は張子の虎であると教えた。1914 年 3 月のドイツとロシアの報道戦争の最盛期に、サンクトペテルブルク駐在ドイツ大使プルタレスは、（ロシアの）反ドイツのヒステリーはフランスに触発されたものであるとベルリンを安心させた。対照的に、「（ドイツが）オーストリア・ハンガリーとの関係を清算したいという願望」は、彼の見解によれば、「間違いなくはるかに広まっている。」.30

さらに、ロシアの反オーストリア感情が、それを後押しする力を持っていた。なぜなら、その.3月に、すべてのメディアがベルリンに対して、（ロシアは）軍事力の使用も辞さないと暗に威嚇をしており、ロシアはドイツではなくオーストリアの国境で威嚇的な軍事演習を行っていた。.31

1914 年 4 月までに、カイザーヴィルヘルム自身が懸念し、ロシアの騎兵将校がハンガリーで 30,000 頭の馬を購入したという「本物の情報源から」彼が拾った噂をベートマンホルヴェークに伝えた。カイザーの懸念は、ロシアがセルビアまたはモンテネグロを反オーストリアの代理人として利用して、ヨーロッパ戦争でドイツを罠にかけることであった。32

ロシアの先制攻撃に対するカイザーの恐れには根拠がなかったわけではない。思い起こしてみよう。オーストリア・ハンガリー帝国の解体のその月のNome Vremyaの擁護。「オーストリア帝国の崩壊は時間の問題にすぎなかった」という前年のツァーリの予言。「今度はオーストリアの番だ。セルビアは私たちの最高の武器になるだろう。セルビアがボスニアとヘルツェゴビナを取り戻す日が近づいている」というハートヴィッヒの最近の発（🅟48）。 1914年5月初旬、機会があればすぐにロシアがガリツィアを占領するというクリヴォシェインのパレオローグへの誓い。

フィッシャー論争と 1939 年に第二次世界大戦がどのように始まったかについての私たちの知識の両方によって彩られた最近の歴史的著作は、常に 1914 年のドイツを当然の侵略国として描いているが、それは当時のほとんどの中立的な観察者らの戦略的状況の見方とは異なっていた。

1914 年 5 月 29 日に、ヨーロッパの「軍国主義は完全に狂乱する」と語ったことで有名なアメリカ大統領特使のハウス「大佐」は、深刻な危機が発生した場合、「フランスとロシアが、ドイツとオーストリアに食指を伸ばしていくことだろう」と予想した。（フィッシャーの見方のような）その逆ではないのだ。（c.f.p41)

＜最後通牒への反応＞
　オーストリアに対するロシアの指導者たちの軽蔑的な態度は、ロシアの指導者たちが最後通牒の危機にどのように対処したかを検討する際に心に留めておかなければならない。「ショック、ショック！」の公式の反応のトーンにもかかわらず、ペテルスブルクの誰もが、（オーストリアから）セルビアに与えられた条件に少しも驚かなかった。

サゾーノフ、または少なくとも彼の首席補佐官であるモリッツ・シリング男爵が、オーストリアの要求の基本的な要点を（正式通告の）1週間前から知っていたという説得力のある証拠がある。(c.f.Mc Meekin JULY1914　Count down to war p131　サゾーノフは、一見ベルリンのすべての人と同じように、1914 年 7 月 14 日から 18 日まで休暇をとっていた。)　

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駐在ウィーンロシア大使ニコライシェベコは、7 月 16 日に電報でサンクトペテルブルクに、「調査の結果、オーストリア＝ハンガリー帝国政府はベオグラードに対して特定の要求を行うつもりである」と報告し、どうすれば彼がそのような要求を未然に防げるかについて、緊急の指示を求めた。33

同日、シリングは駐ロシアイタリア大使カルロッティ・ディ・リパルベッラ侯爵からも同様の警告を直接受けた.34

シリングはこれらの警告に動揺し、サゾーノフが 7 月 18 日の朝にペテルスブルクに戻った際に、サゾーノフに状況を知らせるために駅に駆けつけた [35]。

その日遅く、サゾーノフはサー・ジョージ・ブキャナンに、「ベオグラードに対するオーストリアの最後通牒のようなものは、ロシアと無関係であるわけにはいかない」と語った。これは、サゾーノフがそのような最後通牒が来ることを正確に知っていたことを示唆している。.36

オーストリアの最後通牒の基本的なタイミングは、おそらくロシアには知られていた。.7月14日から17日の間に、大統領サミット後にポアンカレがロシアを去る日付を尋ねる3つのオーストリアの電報を暗号学者が解読していた。.37

ポアンカレがペテルスブルクに到着する前夜(19日)の外交ゲームの状態を要約してみよう。オーストリアとドイツはセルビアに提示された条件で共謀し、（ハンガリー首相ティサ伯爵をなだめる必要性によって引き起こされた遅れに続いて）ウィーンは、フランス代表団が1914年7月23日の夜にペテルスブルクを去るとすぐに最後通牒を発することを計画した（c.f. Mc Meekin JULY1914　Count down to war p122）。オーストリアは、ポアンカレがいつロシアを離れ、その後何をするかを知っていた。ロシアは、オーストリアが何をするか、そしていつそれを行うかを（少なくとも大まかには）知っていた。

　では、ポアンカレ、ツァーリ、および彼らの外務大臣（パレオログとサゾーノフ）は何について話したのか?　当たり障りのない公式コミュニケにもかかわらず、彼らは明らかに、今後の最後通牒について詳細に議論し、ある種の共同応答を用意したに違いない。

問題の期間中にペテルスブルクに出入りした手紙や電報から、そしてパレオローグの出版された「日記」のエントリからでさえ（それがなくても、サゾーノフの回想録から）、我々は、会議の雰囲気と主題（正確に言われたことではなく、議論中であったものも含めて）のかなり正確な描画ができる。.

まず第一に、ペテルブルク駐在ドイツ大使プルタレスからの悪名高い 7 月 21 日のベートマンホルヴェークへの手紙があり、カイザーヴィルヘルムは彼の有名な余白メモを走り書きし、ペテルブルク駐在ドイツ大使プルタレスはサゾーノフの強硬な態度についてベルリンに警告した。（c.f. Mc Meekin JULY1914　Count down to war p187～）

p52
「もしオーストリア・ハンガリー帝国が和平を破る決心をしたのなら」とサゾーノフはペテルブルク駐在プルタレスに語った。「その時はオーストリア・ハンガリー帝国がヨーロッパのことを考慮しなければならないことを、オーストリア・ハンガリー帝国は認識すべきです。」　(このメッセージに反対して、カイザーヴィルヘルム 2 世は「いいえ! でもロシアとなら、はい!」と走り書きしていた)

サゾーノフは、オーストリアが実際に何をしようとしているのかを正確に知っていることを示して、セルビアの権利は尊重されることになるだろうというペテルブルク駐在プルタレスの抗議に対し、ウィーンに対する彼自身の脅しで応えた。「何が起こったところで、”最後通牒の話があってはならない”」.38

　これが大統領サミットの初めのサゾノフの心の状態であったとすれば、フランス代表団との数日間の会談と乾杯の後、彼の立場がさらに固まったことは驚くべきことではない。

ポアンカレ大統領は、多くのロシアのナショナリストと変わらず、バルカン戦争中のサゾーノフの従属的な態度を鋭く批判した、大胆さと確固たる信念を持つ人であった。.39

ポアンカレの親しい友人であるパレオログ大使は、サゾーノフをより強力な反ドイツ路線に押し込むために、ペテルスブルクに明示的に任命されていた(訳注；パレオログは反ドイツ意識がきわめて強かった。ｃｆ.夢遊病者たちｐ654）。.当時のガストン・ドゥメルグ首相は、ロシアに出発する前の 1914 年 1 月に、パレオローグに以下のように指示していた。「戦争は日ごとに勃発する可能性が出てきている。...私たちの同盟国[ロシア]は私たちの援助に駆けつける必要があります。フランスの安全は、私たちがいかに彼らを戦いにプッシュするかを知って、そのエネルギーと迅速さにかかっています。」40.

確かに、サゾーノフの帰国のちょうど1日前にペテルスブルクに戻った、通常は温厚なハンガリー伯爵フリードリヒ・サパリーオーストリア大使と最初の好戦的な突っ込みをしたのは、サゾーノフではなく、ポアンカレとパレオログであった。そこでは7月18日に、サゾーノフはサパリーが「子羊のようにおとなしい」と語った。41

ポアンカレは、3日後に彼に会ったとき、ハンガリー人をはるかに厳しく判断した。「私はこの会話に満足していません」とポアンカレはハンガリー伯爵フリードリヒ・サパリーオーストリア大使と話した後、パレオログに語った。「ハンガリー伯爵フリードリヒ・サパリーオーストリア大使は明らかに何も言わないように指示されている・・・オーストリアは私たちのためにとどめの一撃を用意している（訳注；最後通牒のこと）。サゾーノフは確信的に違いなく、私たちは彼を支持しなければならない.」42

ハンガリー伯爵フリードリヒ・サパリーオーストリア大使自身は、ポアンカレの口調に落胆し、「ポアンカレ大統領の威嚇的な態度は...サゾーノフの慎重な態度とは対照的であり、ポアンカレ氏は、ここで心を落ち着かせる影響以外の何物でも行使するだろうという期待を確信している.」とウィーンに報告した.。43

p53
　ハンガリー伯爵フリードリヒ・サパリーオーストリア大使は、フランス代表団が到着する前にサゾーノフの「周到な態度」にだまされたかもしれないが、ロシア外相サゾーノフに対するポアンカレの妥協のない態度の影響を恐れたのは正しかった。7月22日から23日の夜、サゾーノフは駐在ウィーンロシア大使ニコライシェベコに次のように報告した。「[ポアンカレ]との私の議論から、フランスも...セルビアの屈辱を容認しないことが明らかになりました。」　

サゾーノフは、「オーストリアはセルビアに対して措置を講じる計画を立てていた」という信頼できる情報をすでに持っていたことを指摘し、駐在ウィーンロシア大使ニコライシェベコに、「セルビアにとって受け入れられない性格の措置に従わなければならない危険な結果」について「心から、しかし断固として」ウィーンに警告するよう指示した。サゾーノフは、駐オーストリアのフランス大使とイギリス大使も、同じ意味でまもなく声明を出すだろうと付け加えた.44

　悲しいかな、サゾノフの警告――我々が彼の反最後通牒の最後通牒と呼んでいるもの――は最終通牒であったが、翌日の実際の最後通牒の発送を未然に防ぐのには間に合わなかった。45
45. オーストリア外相ベルヒトルトの秘書は、ロシアの臨時代理大使が7月23日の午後3時から4時の間にオーストリア外務省を訪れた時に、ベルヒトルトは忙しいと言って、彼を無視した。

このタイミングは興味深い。Rauchensteinerによると、最後通牒は実際には正午頃にウィーンからベオグラードに発送され、ベオグラード駐在オーストリア＝ハンガリー公使ギースルフォンギースリンゲン男爵には午後遅くまで開封しないよう指示があり、午後6時にセルビア政府に渡すつもりだったという。したがって、ロシア側は3時間ほど遅れたことになる。――もちろんベルヒトルトは、セルビア側に最後通牒をまだ発していなかったとしても、ロシア側代表を無視したかもしれない。 Rauchensteiner, Tod des Doppeladlers, p. 82.

それはしかし、フランスとロシアの首脳会談で何が秘密裏に解決されたかについて、我々に非常に良い考えを与えてくれる。反最後通牒の最後通牒は明らかに一方的なロシアの考えではなかった。サゾーノフの警告は、1914 年 7 月 24 日付けの、フランス号での出航後の最初の通達で、フランスの駐ウィーン大使アルフレッドデュメインに宛てたフランス首相ヴィヴィアーニ自身の指示の中でほぼ逐語的に繰り返された。

この文書について興味深いのは、フランスの代表団がペテルスブルクを去るまで待つというオーストリアのトリック（c.f.p44)のために、ヴィヴィアーニは、その指示を書いた時に7月23日のセルビアの最後通牒のテキストをまだ知らなかったということである。「どんな道も残しておかなければならない。」　ヴィヴィアーニはデュマインに忠告した。「（オーストリアが）報復を要求したり、主権や独立の侵害と見なされる可能性のある（セルビアに）強要された一連の条件を防ぐためには」。46

準平和主義者であるヴィヴィアンが、ポアンカレやパレオログよりもはるかに穏やかな気質を持っていたことを考えると、サゾーノフの反最後通牒の最後通牒も、ポアンカレやパレオログの明確な支持を受けていたと安全に結論付けることができよう。

　もちろん、フランスとロシアの指導者たちがサンクトペテルブルクで共謀して（失敗に終わった）、セルビアに対するオーストリアの最後通牒を先取りしたと言うのは、彼らが戦争に行く決心をしたと言うのと同じことではない。　しかし、明らかに、ポアンカレとサゾーノフは、セルビアに対するオーストリアの要求を受け入れることを拒否することで、戦争の危険を冒すことをいとわなかった。そして、彼らは最後通牒の実際のテキストを読んだ後ではなく、読む前にこの決定を下した。パレオログの日記は、フランス訪問中のペテルスブルクの雰囲気を伝えており、「平和」はそれを説明する言葉ではない。以下は、7月23日の彼の日記である。

p54
　今朝、クラスノイエ・セロでレビュー。六万人が参加した。力と威厳の壮大なページェント。歩兵は、マルシェ・ド・サンブル・エ・ムーズとマルシェ・ロレーヌの緊張を通り過ぎて行進します。

　ロレーヌの息子である同盟国共和国の大統領の前で、全ロシアのツァーリによって動かされたこの軍用機には、なんと豊富な提案があったことでしょう！ ... ポアンカレは、テントの前の皇帝の妻か未亡人の右側に座っていました。彼が私と交わしたいくつかの視線は、私たちの考えが同じであることを私に示しました。47.

パレオログとポアンカレだけが熱狂的な戦いに巻き込まれたわけではなかった。前夜、大公ニコライによって催された晩餐会で、パレオログは、大公の妻アナスタシア・ニコラエヴナ・ロマノヴァ大公妃（モンテグロ王女）から次のように言われたことを思い出した。「戦争が起こるだろう。オーストリアには何も残らないでしょう。アルザスとロレーヌを取り戻すつもりです。私たちの軍隊はベルリンで会うでしょう。ドイツは滅びる！」48（訳注；夢遊病者たちｐ671）

確かに、これはモンテネグロの王女の言葉であり、ロシア政府を代弁することはほとんどなかった。それでも彼女は、まもなくロシア軍の最高司令官となる男の妻であった。.彼自身も似たようなことを言ったにちがいない。49
49. 大公妃の影響力は夫を超えて広がった。ロシア宮廷の二人の「モンテネグロ王女」、アナスタシア・ニコライエヴナとその姉の「ミリティーザ」は、皇后アレクサンドラをラスプーチンに紹介したことで有名であった。したがって、皇帝に対する彼女らの影響力は相当なものであった。

彼女が表明した見解は、確かに 1914 年のロシア民族主義者の一般的な見解とよく一致している。それは、オーストリアの時代はもはや終わった、ということだ。それは、これまで見てきたように、ツァーリ、ノーム・ヴレミア紙、Nikolai Hartwig、そして大臣評議会の上級メンバーであるA. V. クリヴォシェインによって顕著に共有された見解であった。

＜ロシア、動員へ＞
　サゾーノフ自身も同様に好戦的であった。オーストリアの最後通牒についての1914年7月24日10時の最初のサゾーノフの反応は、まさに有名である。「それはヨーロッパ中の戦争になる！」50

サゾーノフがこの発言をしてから数時間後の彼自身の行動の重要性を考えると、これは自己達成された予言のような雰囲気を持っている。7月18日、サゾーノフはブキャナンに対し、オーストリアがセルビアに「最後通牒のようなもの」を出した場合、ロシアは「無関心」でいられないと述べた際、もしオーストリアがそうすれば、ロシアは「何らかの予防的軍事措置をとらざるを得なくなるかもしれない」と不気味に付け加えた。51

その言葉通り、7月24日午前11時までに、サゾーノフはすでにロシア軍参謀総長ニコライ・ヤヌシケビッチに、「軍隊を戦闘態勢に置くためのあらゆる手配」を行うように指示していた。部分的な動員計画を作成し、その日の午後3時に予定されている大臣評議会の会合に間に合うように準備するためである。52

p55
　サゾーノフは明らかに、1912年11月の第一次バルカン戦争中にツァーリの上級大臣らによって議論され（そしてほぼ実行に移された）、スホムリーノフ陸軍大臣のオーストリアだけに対する部分的軍事動員計画の発想を取り入れており、大臣評議会の開催日とその後1週間、ロシアはオーストリアに対してのみ、軍隊を事前動員（そしてその後動員）できると主張した。すなわち重要な必然的帰結は、東プロイセンのドイツ人第8軍の指揮官を警戒させないために、ワルシャワ地区の動員は行わないことであった。

実際、ロシア軍動員部門の責任者であるセルゲイ・ドブロロルスキー将軍は、上司のヤヌシケビッチ参謀総長がサゾーノフにその実行が可能であると約束した数分後の午前1時から正午の間に、そのような命令は「愚策」だと語った。一般的な意味では不可能であったのだ。プラン19 ではドイツとオーストリアに対する動員を同時に要求しており、両者を隔てるものは何もなかったし、より具体的な意味では、ワルシャワ鉄道のハブを広範囲に使用せずにオーストリア国境に向けて動員することは物理的に不可能であり、必然的にドイツ人を警戒させることになる。

　（動員可能であるとした）ヤヌシケビッチ参謀総長の誤りが、もしそれが事実であったとしても、それが世界大戦につながる悲惨な出来事の連鎖を引き起こしたのではないかと示唆されている。ドブロロルスキーの上司（ヤヌシケビッチ参謀総長）は、わずか5か月前にこの役職に昇進したばかりだったため（ヤヌシケビッチは2月8日、21日の運命の戦争計画会議に出席していなかった）、動員プラン19の詳細については十分に精通していなかった可能性がある。

「もしヤヌシケヴィッチ参謀総長が最初からサゾノフに対し、部分動員を宣言する際に犯す間違いについて警告していたとしたら」とAlbertiniは主張し、サゾーノフは大臣評議会に出席することもなく、計り知れない結果をもたらすこの案をツァーリに承認させることは決してなかっただろう。54。
54.Albertini, Origins of the War 1914, vol. 2, p. 294

L.C.F.Turnerは、Albertiniの議論にいくつかの重要な新機軸を付け加え、サゾーノフ（民間人）とヤヌシケビッチ（無能）の両者が、スホムリーノフの部分動員計画の真の戦略的意味を知らなかったことを示唆している。すなわち、その発動は、必ずオーストリアに総動員命令を強い、そしてさらにそれは二国間条約の義務に従って、ドイツ軍の動員を誘発するのである。

Turnerはさらに、オーストリアがセルビア戦役に完全に巻き込まれることを可能にするためには、まだ動員しない方がロシアにとって有利だったと述べている。（彼ら自身の動員バリアントBによると、「バルカン半島」を意味し、Rは「ロシア」を意味する）。（ロシアの）動員がなければ、（オーストリア軍はお望みの通り(c.f. Fromkin, David. Europe's Last Summer p299～)、セルビアのみに進軍して）オーストリア領ガリツィアはほぼ無防備となり、中央同盟国は「協商国のなすがままに」になったことだろうから。

p56
興味深いことに、フランス参謀本部は1912年にポアンカレに対し、オーストリアによるプランB（訳注；夢遊病者たちｐ637）発動の有利な戦略的影響を明確に説明していたが、パレオログもサンクトペテルブルクのフランス武官ラギーシュ将軍も「ロシア参謀本部を啓蒙するために何もしなかった」。間違いなくそれは、Turnerが説明しているように、フランス自身の軍事計画立案者たちが、ベルリンへのロシアからの即時攻撃を主張しており、ロシアに事前に反論する口実を与えたくなかったからである。５５
55. Turner, Origins of the First World War, p. 93.

　ロシアの無知と無能な能力に関するAlbertini＝Turnerの話は興味深いが、サゾーノフ自身も、スホムリーノフの「部分動員」計画を政府に提案したとき、自分が何をしていたのか、つまり、意図的にロシアを戦争に突入させていたことをよく知っていた。

そもそも、サゾーノフは、1912年11月23日にツァールスコエ・セローで開催された非常政府大臣評議会に出席しており、その時ココフツェフ議長は、オーストリアに総動員の命令を強制する「部分動員」計画は、ヨーロッパ戦争を招かざるを得なくなる、と警告をしていた。

ココフツェフが魅力的弁論を締めくくったように、「計画された措置をどのような呼び方にしようと、動員は動員であり、敵対者が実際の戦争で対抗するものであることに変わりはない。」　ココフツェフの理由付けに印象を強くしたサゾーノフは、したがってロシアは、最初にフランスと相談せずにそのような運命的な動員を命令すべきではなかったと主張した[56]。（訳注；夢遊病者たちp717)

　1912年11月とは異なり、今回はロシアはフランスと、大使だけでなく大統領や首相（後者は外務大臣でもあった）とも協議をしていた。好戦的なポアンカレ、彼の自発的な道具であるパレオログ、そして左翼のヴィヴィアーニさえも、サゾーノフがウィーンの最後通牒に対して命令するかもしれないあらゆる対抗策に自らの命令を下したばかりだった。

今回、大臣評議会には、サゾーノフを支配するココフツェフはいなかった（訳注；ココフツェフは同年２月に皇帝から解任されていた）。サゾーノフは「白紙の小切手」を持っており、それをいよいよ現金化するつもりだった。

ロシア財務大臣ピーター・バークの回想録には興味深い一節があり、その中でバークは1914年7月24日の朝に外務省を訪問した際に何が起こったかを説明している。

p57
サゾノフ自身は不在で（おそらく彼は部分動員計画について話し合うためにヤヌシケビッチと会っていたと思われる）、そのためバークは代わりにサゾーノフの首席補佐官であるシリング男爵と話をした。バークは即座に「戦争の可能性はあったのか？」と尋ねた。シリングは即座に「”サゾーノフは戦争は避けられないと考えていた”」と答えた、とバークは回想した。

もちろん、この発言は偽りである可能性がある。しかし、その真実性は確固たる証拠によって裏付けられている――実際、ベートマン・ホルウェグが欧州戦争、つまりロシアの財政を整えるための土壇場での工作を計画したという証拠として最近提出された証拠と全く同じ種類の証拠である。

私は（シリング氏に）事態が迅速に進むと思うかどうか尋ねた。その場合、私はベルリンに預けられているロシア財務省の資金を確実に移管するために直ちに措置を講じなければならないからである。シリング男爵は私に、その趣旨で直ちに手配するようアドバイスした…私は、[ベルリンに]預けられていたロシア国家資金のロシアへの返還を手配する外務省職員のベルリンへの即時出発に必要な書類に[署名]した。私は（シリング氏に）事態が迅速に進むと思うかどうか尋ねた。その場合、私はベルリンに預けられているロシア財務省の資金を確実に移管するために直ちに措置を講じなければならないからである。シリング男爵は私に、その趣旨で直ちに手配するようアドバイスした…私は、[ベルリンに]預けられたロシア国家資金のロシアへの返還を手配する外務省職員のベルリンへの即時出発に必要な書類に[署名]した。さらに、私はニキフォロフに、ベルリン特派員との当座預金残高をペトログラードとパリに送金するために、すぐにベルリンに電信するように言いました。私はシポフ国立銀行総裁にも同様の指示を出しました。これらの措置により、我々は敵対行為や関係が勃発する前に、1億ルーブルに達するロシア国家資金とロシア財務省の残高を取り戻すことができた。57

　この決定が7月24日午後に大臣評議会が開かれる”前に”下されたという事実は極めて重要である。サゾーノフが閣議前に部分動員の準備を始めるようヤヌシケビッチに指示したという事実も同様である。

戦争のための財政資金を一掃し、段階的に軍隊を動員するこれらの行動は、その日の午後に大臣評議会で可決された5つの決議のうち3つをまとめて構成された。最初の2件はどちらも議論の余地のない内容で、セルビアへの最後通牒期限の「一時的延期」交渉と、セルビアが自制を示す必要性を扱ったものだった。

はるかに重要なことに、決議3により4つの軍管区で「戦争準備期間」が開始され（これについては以下で詳しく説明する）、サゾーノフはすでにヤヌシケビッチに準備を開始するよう指示していた。

決議4は「陸軍のための戦争物資の備蓄を加速するよう、遅滞なく陸軍大臣[スコムリノフ]に請求した」。

決議案 5 は、バークに対し、サゾノフの命令ですでに行ったこと、すなわち、間もなく敵国となる国に保持されている資金を本国に送金することを正確に行うよう指示した。

p58
これらの重要な 3 つの決議は、サゾーノフ自身によってすでに決定されており、サゾーノフ自身も、（より不正確であるとしても）長年の評判により、評議会の中で最も好戦的ではないメンバーの 1 人なのであった。

好戦的で悪名高いドイツ恐怖症のクリヴォシェインがサゾーノフの強力な立場を支持することには、何の疑いもなかった（重要なことに、クリヴォシェインはサゾーノフとココフツェフによって却下される前に、1912年11月23日のスホムリーノフの部分動員指令を支持していた）。58

議会に喩えると、ロシアの外務大臣は、可決を確実にするための票があることを知った後にだけ、法案を議場に提出したようなものである。

　バークの回想録は、その日の午後に話された内容について私たちが知る主な情報源である。戦争の準備を開始するという決定は、大臣評議会の前にサゾーノフによって下されたのはほぼ間違いないが、会議に関するバークの回想は、なぜその決定が下されたのかを理解するための貴重な情報源となっている。

サゾーノフ氏は、7月危機を、サラエボ殺人事件やオーストリアの最後通牒などの直近の不測的出来事のせいにするどころか、「中央同盟諸国と協商諸国との間の紛争にその根深い原因があった」と主張した。

日露戦争以来、各危機におけるロシアの脆弱さがドイツの攻撃的な行動を引き起こした。セルビアの最後通牒は（ロシアにとって）「武力行使によって自国の優位性を証明できる口実」にすぎなかった。ロシアのサゾーノフは、大臣評議会の他のメンバーに次のような思いを呼び起こさせた。

スラブ民族が意図的に踏みにじられている間、受動的な傍観者でいることはできなかった。1876年と1877年、~~ロシアはバルカン半島のスラブ民族の解放のためにトルコと戦った。~~我々はその目的を見据えて多大な犠牲を払ってきた…もしロシアが歴史的使命を果たせなかったとしたら、ロシアは退廃国家とみなされ、今後列強の中で２流にならざるを得なくなるだろう…この重大な局面でセルビア人が運命に見捨てられれば、バルカン半島におけるロシアの威信は完全に崩壊するだろう[59]。

p59
クリヴォシェインは次にほぼ同じ調子で語り、ロシア政府は毅然とした態度をとらなければならず、さもなくばその卑劣さのために国民によって磔刑に処せられるに違いない、という主張で内閣に「深い印象を与える」圧力を加えた。

クリヴォシェインは「世論や議会の意見は、ロシアの重大な利益に関わるこの重大な瞬間に、なぜ帝国政府が大胆な行動に消極的であるのか理解できないだろう」と語気を強めた。スホムリーノフとグリゴレヴィチからそれぞれロシアの陸軍と海軍の準備が整っているとの安心を得た評議会は、セルビアの運命を「ロシアを無関心にしておくわけにはいかない」と、オーストリアに厳しい警告を出すことを決議した。上記の財政的および軍事的措置を含む大臣評議会が採った決議は、翌朝午前11時にツァールスコエ・セローで開催された王室評議会で皇帝ニコライ2世によって署名され、成立した60。

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