Albertini THE ORIGINS OF THE WAR 1914 p290-304 VIII. RUSSIAN REACTIONS, ITALIAN RESERVATIONS, THE ABSENCE OF THE FRENCH LEADERS, ENGLISH INACTION.

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p290 1. Sazonov foresees a European war and proposes partial mobilization 　 7月23日午後9時、ポアンカレのお別れの晩餐会の後、サンクトペテルブルクのイタリア大使館参事官モンテレアーレ伯爵は、ロシア外務省職員ブツォフに対し、イタリア大使がイタリアから、オーストリアがまさにその日、ベオグラードに対して受け入れがたい最後通牒が突き付けたという知らせを受け取ったところであると語った。 これは、ベルヒトルトからの指示に従ってアンブロジがその日ローマで実行したdemarche の内容を、コンサルタが即座にカルロッティに伝えたことを示しているが、これについては後で検討する。１ その同じ23日夜、オーストリア大使の駐露オーストリア大使ザパリは、翌日のサゾノフとの面談を要請した。 しかし、サンクトペテルブルクは夜遅くまでそれ以上のことを何も知らなかった。 そして24日午前7時にベオグラードから電報が届き、モンテレアーレ伯爵の発言が確認された。 そこでシリングはイズヴォルスキーとシェベコをパリとウィーンのそれぞれのポストに戻すよう命じ、24日金曜午前1０時にサゾノフがツァルコエ・セローからロシア外務省に戻った際に、シリングはその知らせをサゾノフに伝達した。 「C'est la guerre europeenne!」 というのが、は彼の衝撃的な答えであった。（Mc Meekin JULY1914　Count down to war. p176） p291 彼は即座に駐露オーストリア大使ザパリを呼び寄せ、その知らせをツァーリに電話で伝え、ツァーリは「これは気がかりだ」と叫んだ[1]。 　C'est la guerre europeenne!　サゾノフの心のうちにサーチライトを当てたこの言葉は、後に何が起こったかを説明している。 数時間前にに出発したばかりのポアンカレとの会談のことを考えると、サゾノフが深夜、宴会や演説、一連の式典、前日の全体的な熱狂と興奮から神経質な緊張に見舞われていたのは間違いない。 しかし、セルビアに対してなされた要求の性質、無条件受諾に認められた短い期限、ポアンカレがロシア海域を出ようとしていたまさにその瞬間に声明が提出されたこと、これらすべてが、今回オーストリアがドイツと共謀し、保護国ロシアの威信、感情、利益を顧みずに、スラブ人の小さな隣国セルビアを、物質的・道徳的を問わず極端な破壊を実行する決意を固めたことを示している。 ロシア国内でも民族主義的傾向が優勢となり、1909 年のように鎮静化することも、1912 年から 1913 年にかけてのような平和政策を追求するよう説得することもできなくなった。 味方同士のオーストリアとドイツが政策転換をすることはほとんど期待できなかった。 したがって、おそらくヨーロッパは戦争の瀬戸際にあった。 これがサゾノフの状況の要約であり、彼はそれに応じて行動したのだが、彼には特徴的な性急さと衝動性があり、それが致命的な結果をもたらした。 　彼の最初の行動は、オーストリアの声明について公式に知っていた駐露オーストリア大使ザパリを迎えることであり、ベルヒトルトがサンクトペテルブルク、パリ、ロンドン、ローマ、コンスタンティノープル2（Oe-U, VIII, 10399, 10340）のオーストリア代表に回覧した2通の電報で述べた議論によってそれを正当化することであった。そして次のように述べた。 間もなくセルビアの有罪を証明する文書一式が提出されるだろう。（この文書はまだ準備ができていなかったので、数日後に各国政府に回覧された時には、もう手遅れで、関心を引くものではなかった。） インタビューの報告書の中で駐露オーストリア大使ザパリは、サゾノフは「比較的冷静」に自分の話を聞いてくれており、「興奮というより落胆の方が強い」印象を与えたと述べたが、サゾノフの実際の発言は、実はそうではなかった。最後通牒の非常に厳しい要求は、サゾノフを抗議の念に駆り立てていたのだった。 　それが何であるかはわかっています。 あなたがた（オーストリア）は、セルビアに戦争を仕掛けるつもりなのだ。 ...あなたがたはヨーロッパに火を放っているのです。 あなたがたが負っているそれは大きな責任であり、それがここ、ロンドン、パリ、そしておそらく他の場所でどのような印象を与えるかがわかるでしょう。 不当な侵略行為とみなされます。 。 、。 なぜセルビアには発言の機会が与えられず、なぜ最後通告という形になったのか? 。 。 。 君主国オーストリアの意図は理解されない。 。 。 。 事実は、あなたがたは戦争を意図しており、（セルビアと）絶縁したということです。 。 。 。 あなたがたがヨーロッパに火を放ちながら、どうやって各国はあなたがたが平和を愛しているなどと理解しましょうか。 p292 ザパリの4度目の電報が次のように結論づけているのは驚くべきことではない。 （サゾノフ）大臣の比較的冷静な態度にもかかわらず、彼の立場は、そうでなければほとんど予想されなかったように、明らかに不利で敵対的でした。 1（Oe-U. VIII, 10616-9） ザパリが想像していたよりもよっぽどに敵対的だったのだ！ サゾノフには、それまでの数日間に芽生えた固定観念があった。 すでに指摘されているように、すでに7月18日に彼は英国大使ブキャナンにこう言っていた。 ベオグラードでのオーストリアの最後通牒のような性質のものは、ロシアを無関心にしておくわけにはいかず、何らかの事前警戒的な軍事措置をとらざるを得なくなるかもしれない。 2（BD. XI, 60.） 　最後通牒を伝達した後、彼はオーストリアに対する部分的動員について閣僚とツァーリの同意を求めることにした。この措置は必要な時に実行に移せるだろうし、もしオーストリアが単なる措置の発表に応じずに撤退し、動員の対象ではなかったドイツが同盟国を牽制して外交行動が成功する可能性を開くのであれば、実行する必要は決してなかったことだろう。 この目的のため、ザパリが休暇を取るとすぐに、サゾノフはロシアの参謀長ヤヌシュケビッチ将軍を迎え、オーストリアに対する部分的な動員について話し合った。議論の本質は、当時動員部門の責任者だったドブロロルスキー将軍によって与えられた。 彼は7月24日の午前11時から正午の間にヤヌシケビッチ将軍に呼び出され、状況は非常に深刻であると告げられ、さらに尋ねられた。 （ヤヌシケビッチ→ドブロロルスキー） 　我が軍の出動宣言の準備は万端ですか？ 。 。 。 1時間以内に、あなたは軍隊を戦時態勢に置くためのすべての手配を私に持ってきてくれるでしょう。その意図は、必要が生じた場合、オーストリア＝ハンガリーに対して部分的な動員のみを宣言することです。 したがって、この動員に関しては、ドイツに、自国に対する敵対的な意図を察知する機会を与えてはなりません。 3 　この取り決めは午後３時に召集される閣僚理事会に提出されることになっていた。 　少し立ち止まって、オーストリアだけに対する動員というサゾノフのこの聡明な考えについて考えてみたい。これは、後でわかるように、すでにその時点で、致命的な結果をもたらすことになった。 ロシアがオーストリアを攻撃すれば、ドイツは同盟国を助けに行き、ロシアはドイツに対しても動員しなければならない、つまり総動員を実行する必要があるので、オーストリアに対する動員だけでは意味がなかったのだ。 オーストリアを直接紛争に引き込むことではなく、オーストリアを単に威嚇し、ドイツに圧力をかける手段としてのオーストリアに対する動員は、必要であると判明すれば、その後のドイツに対する動員を誘発する（部分的動員から総動員へ）、という反論もあるかもしれない。 p293 そのためには、ロシア軍参謀本部が、（動員）準備の中にオーストリア単独に対する動員計画を含め、必要に応じてドイツに対する残りの軍隊を動員する計画を含める必要があっただろう。 しかし参謀本部は、戦争になった場合、ドイツとオーストリアが共通の大義を立てるだろうという理解に基づいて計画を立て、両帝国に対する総動員計画を練り上げていた。したがって、オーストリア単独に対する動員計画は用意されておらず、そのような提案に必要な詳細な作業を数時間以内に実行することは、できなかった。これは、部分的動員は不可能であることを意味した。 ロシアは全く動員してはならない、あるいはオーストリアとドイツの両方に対して動員しなければならない、ということだった。 　不運なことに、ヤヌシケビッチはわずか5か月前に参謀長に就任したばかりで、動員計画の詳細を知らなかった。この理由のためか、あるいは彼があえてサゾノフに反対しなかったためか、実際には、彼はその場で計画が実行不可能であるとは言わなかった。。 ドブロロルスキーは、これ（部分的動員が不可能なこと）が実情であることを長官に指摘することを忘れなかった。その理由は、何の計画も立てられていなかっただけでなく、1892年の時点で仏露同盟交渉の最中に、戦争の場合には、戦略的要件により、両中央同盟国と戦う必要があるということを、ロシア参謀本部がしっかりと協定を結んでいたからでもあった。 1914年になっても状況は同じだった。 サゾノフのアイデアは、キエフ、オデッサ、モスクワ、カザンの4つの軍管区のみを動員するというものだった。 これにより、13軍団（110万人）が与えられることになるが、対オーストリア作戦計画では15軍団の使用が含まれていた。 さらに、オーストリアに対して作戦を遂行するには、これらの軍団の一部がワルシャワ地区を通って行軍しなければならないが、ドイツを警戒させることを恐れてこれは実行できなかった。 さらに、ワルシャワ地区が動員に含まれなかった場合、3個軍団が不足するだけでなく、ポーランドに面したオーストリア国境もカバーされないままとなるだろう。 そしてその後、ドイツの参戦に伴って総動員が必要になったとき、とりわけ動員計画に基づいて一部はモスクワ地区とカザン地区から集められるはずだったワルシャワ地区の予備が剥奪されることになるため、その結果は完全な混乱となるだろう。 　こうした議論は非常に明白であったため、内部知識のない人に対してでも説得力があるように見えたかもしれない。しかしヤヌシケビッチ参謀長にはサゾノフを怒らせたくない何らかの理由があり、部隊の受け入れを拒否したのだろう。 　ドブロロルスキーは書いている。ヤヌシケビッチ参謀長は、すでに命令したつもりで、私に1時間以内に報告するよう再び命令した、と。 1（Dobrorolski, p. 18.） p294 　これは返す返すも不幸なことだった。 もしヤヌシケビッチ参謀長が最初からサゾノフに部分動員を宣言することは間違いであると警告していたら、サゾノフは7月24日の閣僚会議には参加せず、7月25日に、ツァーリに部分動員を原則として承認させることは決してなかっただろう。また、7月28日の夜に、それを宣言しなかっただろう。 （The RUSSION ORIGINS of the First World War p55） もし、中央同盟国に対して動員をしないか総動員のどちらかを選択するよう求められたら、サゾノフは真っ向から意見を言う事をためらっただろうが、一方では、ドイツを刺激せずにオーストリアを脅かすことができると信じていたサゾノフは、部分動員が不可能であることを知るのが遅すぎた。 このように、ヤヌシケヴィチが自分の考えを受け入れたこと（部分動員ができるはず）をは致命的な結果をもたらしたのであった。