時系列　7月27日

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＜27日英国＞ 昼前（origin p410.　origin p442） グレイはリヒノフスキーに会った。 彼は、セルビアの返答がオーストリア・ハンガリーの要求に「彼が決して信じられなかったぐらいだが」同意はしていると思うと語った。 これはベオグラードにおけるロシアの融和的な影響の結果であった。 ウィーンでは今、節度が必要なのだ。 オーストリア＝ハンガリーが今侵攻すれば、最初からセルビアを潰すつもりだったことが証明される。 これはロシアに対する挑戦であり、ヨーロッパがこれまで見た中で最もひどい戦争につながるだろう。 グレイはドイツがこの問題を解決できると考えており、セルビアの返答が満足のいくものであるか交渉の基礎としてみなされるようウィーンでの影響力を行使するよう、ドイツに訴えた。 これは英国の３度目の調停提案である。 午後 リヒノフスキーはグレイの提案とコメント、そしてそれらの解釈を一連の電報でベルリンに報告した。 彼は、グレイがイライラしていると感じたのは初めてだと述べた。 もし今戦争が起これば、オーストリアの行動は善意の欠如を示しているとみなされるため、ドイツはもはやイギリスの支援を当てにできなくなる。 セルビア問題全体は、中央同盟国（ドイツとオーストリア）と三国協商（フランス、ロシア、イギリス）の間の力試しになりつつある。 「このような状況で戦争になったら、イギリスが敵対することになるだろう。」 午後 クロウは、「もしロシアが動員すれば、ドイツも同じことをするだろうと我々は警告されてきた。そしてドイツの動員はほぼ全面的にフランスに向けられているので、フランスはたとえ一日のほんの一部であっても自国の動員を遅らせることはできないだろう」と書いている。 「……二十四時間以内に、陛下の政府は、「何もせず脇に立つか、それとも味方するか」という問題に直面することになるだろう。 午後 グレイはメンズドルフに会い、彼がリヒノフスキーに言ったことを要約した。 セルビアに対する意見を強く示して、グレイは続けて「彼ら（オーストリア・ハンガリー）がセルビアと戦争をし、同時にロシアを満足させることができれば、それは良いことだ。しかし、もしそうでなければ、その結果は計り知れない」と述べた 。 彼はメンスドルフに対し、ヨーロッパ大火災の可能性を理由に英国は艦隊を分散させていないと語った。 このことについてのニュースが新聞に載っていた。 午後 グレイはベンケンドルフにリヒノフスキーとの会話について話した。 ベンケンドルフは、グレイの警告がドイツ政府の目を開くことを期待していると述べ、ドイツ政府は英国がいかなる状況においても中立を保つと信じているようだ。 グレイは、イギリスの中立に対するドイツの信頼を払拭するために、リヒノフスキーに対して十分に率直な態度をとったと考えている。 午後 野党指導者からの議会質問に答えて、グレイ氏は議会で自身の4カ国調停案と、ロンドンでの大使会議に関する最新の提案について語った。 問題が非常に重大かつ緊急であるため、受け入れられない可能性のある提案をするリスクを負わなければならないと彼は説明した。 同氏はまた、別の大国がオーストリア・セルビア紛争に巻き込まれれば、一撃でヨーロッパを襲う史上最大の大惨事になるだろうと警告した。 午後5時30分 閣僚会議 グレイは閣僚に対して自身の政策を説明した。 同氏は調停者としての英国の立場を可能な限り強力に保ちたいと考えていた。 同氏は、調停が失敗して戦争になった場合に、英国がどう出るかで、不確かな論争の中で、反対勢力が温存されている中で、こうした政策を行っていた。 ドイツはイギリスの中立を望んでおり、ロシアとフランスは、それぞれイギリスが自国を支持すると宣言することを望んでいた。 内閣はグレイの意図的な曖昧政策を支持していた。 このアプローチには、英国の協商パートナーを支持する者と中立を支持する者との間で大きく分裂している内閣が、当面は、英国がどう行動するかを決定する必要がないという大きなメリットがあった。 内閣はまた、艦隊を全力で維持するためにすでに下された決定を承認し、次回の会議で、ベルギーに対する英国の義務について話し合うことに同意した。 閣議後 数人の閣僚がハーコートの部屋で会合した。 彼らは何が起こっているかを懸念しており、ハーコートがその11人のうちのひとりである「平和党派」の結成について話し合っていた。 ハーコートが棄権のために必要であれば内閣を解散するために、約11名の閣僚のうちの1人になる可能性があると考えている「平和党派」の結成について話し合っている。 閣議後 チャーチルは海軍司令官全員に極秘電報を送った。それは警告電報ではないとされているが、「欧州の政治情勢により、三国協商と三国同盟勢力間の戦争は決して起こらないことではない」としている。 純粋に予防措置として、指揮官は必要に応じて敵対的な戦闘員を追跡できるように船の位置を検討する必要があった。 ＜27日ドイツ＞ 北海 キールの早朝、ベートマンはサンクトペテルブルクからのカイザー派遣に無線で、ロシアの軍事演習が中止され、軍隊が兵舎に呼び戻されたと報告した。 キールに到着したカイザーは、サンクトペテルブルクのチェルシウスから報告を受けた。 ツァーリの宮廷には非常に怒った雰囲気が漂っていた。 ツァーリの側近らは、オーストリアとセルビアの間の戦争はロシアとの戦争を意味することを明らかにしていた。 キール＝ポツダム ベートマンは、キールからポツダムの宮殿まで列車で向かう途中、カイザーに最新の報告書を電報で送信した。 オーストリア＝ハンガリーは8月12日まで軍事行動を起こすことができない。 セルビアは最後通牒のポイントのほとんどを受け入れた。 イギリス、フランス、イタリアは平和を望んでいた。 ロシアはまだ動員をしておらず、ウィーンとの交渉を開始する用意があった。 ドイツの立場は依然として、オーストリアとセルビアの紛争はこれら二国のみに関係する問題であるというものであった。 ロシアは、何らかの意味でドイツに向けられる可能性のある軍事措置の結果について警告されていた。 朝 ジュール・カンボンはヤーゴに会った。 カンボンは、もし戦争が起きた場合、英国はフランスとロシアを支持すると述べた。 ヤーゴは「あなたはあなたの情報を持っています。私たちは私たちの情報を持っていますが、それは全く逆です。私たちは英国の中立性を確信しています。」と答えた（origin p429　Fischer, Fritz Germany’s Aims in the First World War　p78）。 ヤーゴはロシアの軍事準備の初期の兆候を懸念していた。 彼はカンボンに対し、「ロシアが国境に動員するか、ロシア軍がオーストリア領土に侵攻する場合、我々は直ちに動員するだろう」と語った。 カンボンは直ちにこの情報をロシア首脳に伝え、ロシア首脳は、ドイツがオーストリア・ハンガリーに対するロシアの部分動員のみを受け入れたことを意味すると解釈した。 朝おそく ベートマンはリヒノフスキーの電報にグレイの四大国の大使会議提案について返信した。（Origin　p394） 彼はその考えを拒否した。 彼は、グレイの四大国の大使会議の開催は、セルビアとの係争でオーストリアを欧州司法裁判所に呼び出すこととほぼ同義だ、と述べた。 ドイツはオーストリア・ロシア危機となった場合にのみ、国際調停に同意することとした。 ベートマンはサゾノフの直接対話の提案の方が良い考えだと思っていた。（Origin　p403） ベルリン ツィンマーマンはベルギー特使との会話でドイツの立場を要約した。 オーストリア＝ハンガリーにとって、汎セルビア運動の弾圧は今や「存在するか否かという実存の問題」となった。 セルビアは「軍事遠征によって厳しく有益な教訓を受けなければならなかった」。 したがって、オーストリアとセルビアの紛争を回避することはもはや不可能となっていた。 ドイツは、オーストリア・ハンガリー帝国が「セルビアに模範的な懲罰を与える」ことを妨げない限り、オーストリアとロシアの衝突を防ぐための調停を支持するだろう。 午後、ポツダム カイザーは、首相とモルトケを含む軍事顧問らに新宮殿での面会を呼びかけた。 ベートマンは7月5日以来初めてカイザーに謁見した（Mc Meekin JULY1914　Count down to war p227）。 ロシアからの最新の報告は矛盾していた。 一部の軍管区におけるロシアの動員はほぼ確実だったが、プルタレスの報告によると、サゾノフはおそらくパリとロンドンからの情報のせいで神経を失っているようだという。 ロシア指導者らは動揺しているようだ（Mc Meekin JULY1914　Count down to war p225、227）。 ベートマンはまた、リヒノフスキーの最新の通信文書のコピーをカイザーに渡したが、ロシアがオーストリアのセルビア侵攻を許すはずがないというロンドンの警告を報告している部分を意図的に省略していた。 ベートマンはまた、ドイツの局地化政策は幻想であるとするリヒノフスキーの警告も削除した。（origin p433～4） 午後、ポツダム 会合ではいかなる決定も下されず、ロシアからのさまざまなニュースにもかかわらず、参加者は事態の推移に自信を持っていた。 ドイツの政治は機能していた。 オーストリア・ハンガリー両国は8月12日まで軍事行動を開始できないため、さらなる外交を行う時間はあり、サゾノフはウィーンとの対話を望んでいた。 そして、戦争が起こった場合、英国は中立を欲することだろう、とベートマンは述べた。 カイザーの海軍顧問は、それを「我が国の政策の傾向は…冷静さを保ち、ロシアを自ら間違った立場に置かせるが、それでも戦争にはひるまない」と要約している。 午後 駐独英国ゴシェンはロンドンからベルリンに戻り、ヤーゴにグレイの会議提案に従うよう、正式に呼びかけた。 ヤーゴは、会議は「仲裁裁判所」に等しいものであり、オーストリア・ハンガリー両国はそれを受け入れないだろうと述べた。（Orgin p394 ） ヤーゴは、ドイツはロシアの動員に応じなければならないとの警告を繰り返したが、カンボンと同様、「ロシアが南部のみ（つまりオーストリア＝ハンガリーに対してのみ）でのみ動員するのであれば、ドイツは動員しないだろう」と警告している。 ヤーゴは、ロシアの制度は非常に複雑なので、何が起こっているのかを判断するのは難しいかもしれず、ドイツがロシアに有利なスタートを切ることを許すわけにはいかないとも付け加えた。 午後 ジュール・カンボンはヤーゴを訪ね、ヤーゴはグレイの四カ国会議提案を拒否する理由を繰り返した。 ドイツはオーストリアとロシアの間の紛争にのみ介入する意向であり、オーストリアとセルビアの間の紛争には介入しない。 ジュール・カンボンは、ロシアが関与する紛争はオーストリアとセルビアの間の紛争の結果であると指摘した。 ヤーゴは、サンクトペテルブルクとウィーンの間で協議が進行中であり、良い結果が得られると期待していると述べた。 カンボンは、セルビアはいくつかの詳細を除いてオーストリアの要求を受け入れており、ドイツはウィーンで節度を保つよう助言すべきだと述べた。 ヤーゴはセルビアの返答を読む時間がなかったことを認めた。 午後4時 ドイツ参謀本部情報委員会は、ロシアが「戦争準備期間」を実施し始めていると結論づけた。 午後4時37分 チルシキーからの電報がベルリンに届き、ウィーンがあらゆる介入の試みを阻止するために、翌日か遅くとも翌日にはセルビアに対して宣戦布告を発することを決定したことを知らせた。（origin p449　p456～7） 夕方 その朝のグレイとの会話を記録したリヒノフスキーの電報が届いた（origin p442、449）。 英国は、ドイツがウィーンの行動の鍵を握っていると考えており、その影響力を利用して、セルビアの返答が満足のいくものであるか、交渉の基礎としてみなされるようにすべきであると考えていた。 グレイは、ロシアが、オーストリア・ハンガリー帝国の軍事行動をセルビアに対しての直接の挑戦としてとらえ、それが最も恐ろしい戦争につながるだろうと信じていた。 リヒノフスキーの意見では、英国はフランスとロシアが欧州戦争に参加することを支持するだろう。 ベートマンの承認を得て、ヤーゴはリヒノフスキーの電報をポツダムのカイザーに転送した。 午後9時15分 （origin p445） セジェーニはウィーンに、以下の電報を流した。 ヤーゴは、ドイツ政府は英国が近い将来（in the immediate future）オーストリア政府に提出するいかなる調停案にも反対する、とセジェーニ伝えた。 ドイツがそれらをpass onするのは、英国がフランスやロシアの側に立たないようにすることが重要であったため、英国の要求を確認するだけのためであった。 午後9時30分 ヤーゴは、オーストリア＝ハンガリーの最後通牒に対するセルビアの返答のコピーを特別使者でポツダムの皇帝に送った。 ドイツがこの文書に関心を持つようになったのは今になって初めてであった。 ヤヤーゴは朝遅くからセルビアの代理公使からコピーを渡された。 非常に夕方遅く ベートマンは、ドイツはイギリスの最新の調停案をむやみに拒否すべきではないと判断した。そうすればイギリスが切り離され、ドイツが紛争の責任を問われることになるからである。 彼はウィーンにいるチルシキーに電報を送り、ドイツは戦争を強いられている側として登場しなければならないと伝えた。 彼はチルシキーに対し、ドイツがウィーンで仲介すべきであるという最近の英国の提案と、ウィーンと直接交渉したいというサゾノフの願望についてベルヒトルトの意見を聞くよう求めた（origin p444）。 非常に夜遅く ベートマンはリヒノフスキーに「我々は直ちにウィーンでエドワード・グレイ卿の望む方針に沿った調停の動きを開始した」との電報を送った。 ＜27日ロシア＞