p424
6. Berlin presses for the ’localisation of the conflict’

　私たちはすでに、紛争解決に向けたイギリスとイタリアの提案に対するベルリンの態度を検討した。私たちは今、オーストリアによるセルビアに対する宣戦布告に先立つ時期のドイツ指導者たちの考えと行動をより詳細に見なければならない。それは、こうした指導者たちが、オーストリアとセルビアの紛争が「局地的」にとどまる可能性があるという幻想に陥り、この提案が他国に受け入れられるだろうと確信していた時期であった。私たちはこの幻想の愚かさを上記で示した。 4

しかし、7月24日と25日に入ってきたニュースは、パリとロンドンが従順であり、その時に両国がサンクトペテルブルクに圧力をかければ、ロシアは自分たちが支持されていないと感じて、セルビア支援をこれ以上進めないだろうという印象を与えた。

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グレイとビアンヴェヌ＝マルタンの、政策の欠如と無防備な言動がもたらした悲惨な結果については、どれだけ強調しても足りない。

ティルピッツは、グレイが（露仏独墺）四大国戦争に言及したことによる弊害について書いている。すなわち、そこに英国は含まれていなかった。このことは宰相ベートマン、ヤーゴ、ストゥムらの英国中立への期待を強め、彼らは自分たちが選んだ間違った道を大胆に突き進むことになった。 1

オーストリアとセルビアの間の紛争に干渉するつもりはない、というグレイの繰り返しの発言も同様にいたずらだった。それは、紛争の局地化に対して彼は何も言うことはないと宣言したに等しかった。

　しかし、もしもドイツの主張（局地化）が優勢であれば、一刻の猶予も与えられなかった。外交的緊張が長引くと、それが危険にさらされる可能性があったからである。 グレイはすでにドイツに期限の延長を提案するよう要請しており、ベルリンは順守のフェイントを行っていたが、明晰なクロウとニコルソンは、それにだまされることはなかった。 2

次にグレイは、ウィーンとサンクトペテルブルクで四大国の調停を提案したが、ドイツはこれもまた悪意を持って、オーストリアのセルビア攻撃、すなわち局地戦に支障はないとして、25日夜に同意を表明した。３

しかし、ベルリンはこのダブルゲームをバレずに無期限に続けることは望めなかった。パリはある時点でそれ見抜いたが、シェーンの至急報は安心材料だった。しかし、ポアンカレとヴィヴィアーニは国に帰るや、その後態度を変えた。さらに、オーストリアが時間をロスすることなくセルビアへの侵攻を進めなければならないことがわかった。

　一方、オーストリアは眠っていて決心がつかないようで、これまで見てきたように、ヴィルヘルム通りはオーストリアの意図が堅固であるかどうかずっと疑問を抱いていた。 4

7 月 24 日にベルヒトルトがメンスドルフに次のような電報を打ったとき、これらの疑念が再燃した。

ベルヒトルトはエドワード・グレイ卿に対し、ベオグラードでの昨日のdemarcheは正式な最後通牒とみなされるべきではないことを明確にしていた。これは期限付きの外交交渉であり、閣下が内密にE. グレイ卿に伝えた通り、結果が出ずに期限が切れた場合には、当分の間は外交関係の断絶と必要な外交関係の開始のみが行われることになっている。軍事準備[戦争ではない]。 ……もしセルビアが我々の軍事的措置の圧力によってのみ期限切れ後に屈服したとしたら、我々はそこから生じる我々の出費の償還についてセルビアに責任を負わせなければならないはずである。 5

　ベルリンは、この動きの動機は何なのかを自問した。それはウィーンが考えを変えて戦争を避けようとしていたということだろうか？事が起こった後、ベルリンはこれが起こり得るとは考えなかった。ドイツの威信はオーストリアの威信と結びつくことになった。したがって、駐独オーストリア大使セジェーニは25日に召喚され、適切な会談を与えられたが、その内容は次のように要約されている。

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　昨日の閣下の電報の結びの文章 [E. グレイ卿に対するメンズドルフ伯爵の回答] について、ここで申し上げておきたいのは、セルビアが最終的に否定的な返答をした場合、直ちに我が国からの宣戦布告と軍事作戦が行われることになることは、一般に当然のことであると考えられているということです。軍事作戦の開始が遅れることは、他国の干渉を招くため大きな危険とみなされます。彼らは私たちに、既成事実 fait accompli を持って世界に対峙するよう緊急に忠告しています。私も外務省のこの意見に全く同感です。 1

　この電報自体が、オーストリアをセルビアとの戦争に駆り立てる上で、ドイツが果たした役割を十分に明らかにしている。親ドイツ派の歴史家らは同様の文書を突き付けられ、逃げ込んで駐独オーストリア大使セジェーニが誤解と誤報を行ったと非難するが、今回は沈黙させられる。

彼らのいつもの言い訳は通じない。なぜなら、ベルヒトルトはすぐにチルシキーにその至急報を読み上げ、彼はその内容をベルリンに繰り返したからである。2　これから見るように、そこでは否認されるどころか、オーストリアの軍事作戦の開始が現実的な理由から8月12日まで延期されなければならなかったのを遺憾に思うという、27日のヤーゴからのメッセージによって、それが確認された。3

このようにして、ボールプラッツの人たちがためらい、国交断絶の後、まだ思い浮かばなかった考えで自分を慰めている間に、ヴィルヘルム通りでは宣戦布告と軍事行動を求める声が高まった。

セルビアの返答に対するベルリンの行動ほど、ベルリンの意図を明らかにしているものはない。セルビアの返答をめぐるベルリンの行動は、これが即時外交関係断絶とその後の交戦開始を正当化するものであることは当然のことと考えており、ベオグラードは最後通牒に完全には従わないだろうという暗黙の想定があった。

もしベルリンの人々がオーストリアとセルビアの間で戦争が起こることを意図していなかったのならば、彼らはすぐにセルビア書簡のコピーを見せてもらい、その意味と起こり得る影響を研究しただろう。その後になって初めて、彼らはどのような行動を取るべきかを決定することになったであろう。

彼らは何もせず、後述する状況で最後通牒は彼らの手に渡ったのである。彼らのやり方は、彼らが、その後の国交断絶がセルビアの態度によって本当に正当化されるかどうかということを一切気にしていなかったということを示している。彼らが知りたかったのは、最後通牒が全面的には受け入れられなかったこと、その結果ギースルが辞任したこと、したがって今や、既成事実fait accompliを持ってヨーロッパに対抗できるのは銃である、ということだけだった。

　それでも、25日と26日の朝にベルリンに届いたニュースは、完全に満足のいくものではなかった。カサンドラやリヒノフスキーからの訴えや嘆きを除けば、イタリアの態度は決して確実なものではなく、イタリアの支援はモルトケにとって絶対に不可欠なものであると考えられていた。

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これを知ったベートマン・ホルウェグは、イタリアに事件の全容を知らせないというベルヒトルトの提案に同調し、26日にチルシキーに電報を送ることで、この間違いを埋め合わせられると考えた。

　ウィーンとローマの間の理解が必要です。ウィーンは、条約の疑わしい解釈によってこれを回避するのではなく、状況の深刻さを踏まえた決定を下さなければならない。 1

　サンクトペテルブルクからも、24日にサゾノフが最後通牒に激しく憤慨し、プルタレスに敵対的な態度をとった（訳注；その後、26日になって、サゾノフの態度は一変した）という不穏なニュースが届き、その後26日にはドイツのチェリウス将軍から25日に次のように告げる電報が届いた。クラスノエ・セローでの演習は突然中止され、連隊は駐屯地に戻り、オーストリアのdemarche を巡って司令部では大きな興奮が支配し、そして彼の意見では、オーストリアに対する動員の準備はすべて整っているとのことだった。２

これにより首相は救命ベルトを求めて出発したが、ベルヒトルトがロシア臨時代理大使に自身を訪問するよう要請し、オーストリアがセルビアから領土を奪うつもりはないと確約したウィーンからの7月24日のチルシキーからの至急報でそれを見つけたと思った。3

これは、それ以前のベルリンの考えや期待とは真っ向から矛盾しており [4]、実際、これから見るように、ベルヒトルトにはヴィルヘルムから「ロバ（間抜け）」というあだ名が付けられた。

しかし、24日のサゾノフとの会話を報告したプルタレスの至急報は、サゾノフの言葉をそのまま引用していた。すなわち、「もしオーストリア＝ハンガリーがセルビアを飲み込んだら、われわれはセルビアに戦争を仕掛けるだろう」[5]、そして、それらからサゾノフが言いたかったのは、おそらく「ロシアが武器を取るのは、オーストリアがセルビアを犠牲にして領土を獲得しようとした場合のみだ」という意味合いである。

このことからベートマンは、ドイツ側の期待の一部を放棄することで「局地化」という安全な場所にたどり着くことができると考え、ベルヒトルトの領土的無関心desinteressementの宣言を利用して、7月26日午後にプルタレスに次のような電報を打った。

　ベルヒトルト伯爵がロシアに対し、オーストリアはセルビアでの領土獲得を計画しておらず、平和と静けさを取り戻すことだけを目的としていると宣言した今、ヨーロッパの平和の維持は全面的にロシアに依存している。私たちは、ロシアがヨーロッパの平和を深刻に危うくするような措置を講じていないことに、平和を愛するロシアと長年にわたる良好な関係に信頼を置いています。６

　同時に、これまで見てきたように、ベートマン首相はロンドンとパリに対し、オーストリアの領土的無関心を理由にサンクトペテルブルクを抑制するよう要請し、さもなければドイツが対抗措置を取ると脅した。 7

その後、プルタレスへの前回の電報では温厚すぎて十分に明確でなかったのではないかと懸念し、今度は（26日午後7時15分）、別の際立った「緊急」のメッセージを送った。

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（26日午後7時15分）
　ロシア側が何らかの形で我が国に対して向けた準備軍事措置を講じた場合、我が国は軍の動員による対抗措置を講じざるを得なくなる。しかし、動員は戦争を意味し、さらにフランスとロシアの関与はよく知られているため、ロシアとフランスに対して同時に向けられる必要がある。ロシアがこの種の欧州戦争をさせるつもりだとは信じられない。オーストリアの領土に対する無関心desinteressementを考慮すると、我々はむしろ、ロシアがオーストリア・ハンガリーとセルビアの間の問題に対して待機的な態度を取ることができるという見解をとっている。オーストリア＝ハンガリーがセルビア王国の誠実さに疑問を投げかけるつもりはないと述べている以上に、セルビア王国の誠実さに疑問を持たれたくないというロシアの願望は、我々の支持を得ることができるだろう。これは、今後の事件の進行においても共通の合意基盤となる可能性がある。 1

　この至急報の目的は明らかである。すなわち、サンクトペテルブルクとパリを刺激することである。ベルヒトルトが単純明快に約束していたオーストリアの領土的無関心desinteressementを保障することで、サンクトペテルブルクに逃亡の道を提供することであり、結果として可能な限り利益を引き出す方が得策である。しかし、「問題」[戦争の婉曲表現]の解決が外部の介入なしに行われることを主張し、こうして中央同盟国とビューローの後継者であるベートマン自身にとって、1909年に王子が獲得したものよりもさらに輝かしい勝利を手に入れることになった。

これらすべては、イタリアの予備軍、サゾノフの抗議、ロシア動員の脅威にも関わらず、ベートマン首相がパリとロンドンの態度を決定的要因とみなし、したがって7月26日になってもなお、「局地化」できるという幻想を抱き続けていたことを示している。だった。 25 日にカイザーに電報を打った彼は、「パリとロンドンは紛争の局地化に向けて積極的に取り組んでいる2」と26 日にさらに伝えた。

　ロシアがオーストリアとの紛争の用意をした場合、イギリスは調停を試みるつもりであり、フランスの支援を期待している。ロシアが敵対的な行動を取らない限り、局地化に対する我が国の態度は冷静でなければならないと私は考えています。 3
3 DD. I, 197.-—7 月 25 日のホーエンツォレン号の船上（カイザーの考え）では、ベートマンホルウェグのような楽観的な見方はまったくなかった。カイザーの巡航に随行した軍内閣長官リンカー大佐は、その日妻に次のように書いた。「今日のニュースはかなり深刻だ。予想通りロシアはセルビア側につき、ベオグラードのオーストリア公使は、最後通牒に対する返答が満足のいくものでなければ、今夜出立することになろう。それは間違いなく戦争を意味します。私たちはすぐに（船上からドイツに）戻るする用意ができており、実際そうすべきです。なぜ（カイザーが）そうしないのか、私には想像もつきません。

同日午後5時、リンカーはさらに妻にこう語った。「カイザーはベオグラードからの至急報に基づき、1時間以内にここからキールに向けて出発することに決めた。」　どうやらセルビア政府はオーストリアの要求に従うことを拒否し、ニシュに移るつもりのようだ。かなりひどい状況になりそうだが、私たちは皆、帰りの途に就くことができてうれしく思っている。おそらく、この帰りの旅は、私たち自身にとっても戦争への第一歩なのかもしれない』（バッハ、19-20ページ）。

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　パリとロンドンが局地化に積極的に取り組んでいるというのはむしろ誇張だったが、ベートマンには、彼の主権者が彼以上に楽観主義を鼓舞し続けていたという理由があった。特にこの楽観主義は、ロンドンの海軍武官からの26日午後の報道での裏づけがあった。

その朝、プロイセンのヘンリー王子はジョージ 5 世と朝食をとり、ジョージ 5 世は彼に次のように言っていたのだ。「私たちは干渉しないように全力を尽くし、中立を保つつもりです。」　この実際の引用は、28日にカイザーに宛てたヘンリー王子自身の手紙から来ている。海軍武官は次のようにも報告していた。

　英国国王は、プロイセンのヘンリー王子に対し、大陸列強間で戦争が勃発した場合にはイングランドは中立を保つと述べた。艦隊は計画に従って予備役を解雇し、乗組員を休暇に送った。 2

　この最後のニュースは 7 月 26 日の朝には真実であったが、午後には第一海卿が艦隊に分散しないよう命令を出したので、真実ではなくなった。 3

しかし、ベルリンはそのことを知らなかったので、安堵感を覚えた。ドイツ海軍武官からのこの電報のおかげでかえって、イギリスはフランスとロシアを支持するとの確信を表明したジュール・カンボンに対し、ヤーゴが次のように答えたのは、疑いの余地がなかった。

　あなたはあなたの情報を持っています。私たちには全く逆の私たちのものがあります。私たちは英国の中立性を確信しています（時系列7月27日）。 4

7. German intransigence and Gichnowsky’s warnings

　この楽観論をさらに裏付けるのは、26 日にサンクトペテルブルクから入ってきた、より良いニュースだった。その朝、プルタレスはサゾノフに電話をかけ、彼が「ずっと穏やかで、より融和的だった」と電報を送った。

彼は、事件の責任者の訴追に直接関係する限り、正当なものであると彼が認識するオーストリアの要求を満足させるため、橋渡しを見つけるのを手伝ってほしいと我々に懇願している。

しかしながら、セルビアの主権に対する直接攻撃となる一部の要求（第5，6項目）は、トーンダウンさせる必要があるだろう。。。。列強側によるオーストリア側の捜査の修正については特に何も言わなかった。その代わりに、ドイツとイタリアが役割を果たすかもしれないという調停についての考えが彼の頭の中にあるようだ。 5

　もちろん、この考えはベルリンには受け入れられなかった。ヴィルヘットム通りが望んでいたのは、オーストリアの最後通牒については議論すべきではないこと、そしてサンクトペテルブルクはオーストリアが開始しようとしていた戦争に反対せず、ウィーンの領土的無関心desinteressementの保証で満足すべきであるということであった。

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一方、サゾノフの口調の変化が、コンプライアンスへの道に沿った他のステップの前兆である可能性があることが十分に示された。この至急報をウィーンのチルシキーに転送する際、ベートマンは、実行された最後の文章を抑制した。

　私が特にサゾノフの注意を引いたのは、もし彼の考え通り、オーストリアが本当にセルビアを攻撃する口実を探していたとしたら、オーストリアの行動開始の知らせがすでに届いているはずだ、という事実である。この指摘はサゾノフ大臣を安心させることに貢献したようだ。 1

　この抑圧の理由は、期待されていたように、オーストリアがプルタレスの言葉を戦争を避けるための抜け穴として受け取ってはいけないということであった。

　　プルタレス自身がこれらを書いたのは、彼が上官たちの隠された意図を察知できなかったためであり、実際、平和への彼の誠実な努力によって彼らとは相容れないものであったからである。

26日夜の電報で27日の朝に到着したプルタレスは、サゾノフとザパリが最後通牒について友好的に話し合ったこと、そして、プルタレス自身が私的な立場で、要求の一部を和らげるために、ウィーンと直接連絡を取るようサゾノフに助言したと述べた。 2

これはヴィルヘルム通りが望んではいなかったものであった! 　ベルリンを満足させる唯一のものは戦争だった。しかし、プルタレスが良いニュースとみなしたものは、目隠しとして有用な目的に使用される可能性があった。ヤーゴは7月27日、四カ国会議に関するグレイの提案を拒否する際に、彼がゴシェンに対し、「サンクトペテルブルクから彼が受け取ったばかりの知らせは、サゾノフ側に、ベルヒトルト伯爵と意見交換する意図があることを示す」ことを話した時に、このやり方を用いた。 3

そして同じ日にジュール・カンボンにも同じ半分の真実を語った。 4

ロンドンにドイツが調停に努力していると思わせるため、ヤーゴは適切な省略や修正を加えてプルタレスの電報をリヒノフスキーに伝えた。 5

彼が慎重に避けたのは、オーストリアの同盟国（ドイツ）に、プルタレスの提案に従い、サンクトペテルブルクとの直接対話を開くよう助言することであった。

7月27日、ロシアのブロネフスキー臨時代理大使が、ウィーンに、直接対話をするというサゾノフの提案を採用するという願いをもって彼に接近したとき、ヤーゴは、ザパリがサゾノフとの会談を継続する可能性があると考える点で、プルタレスに同意すると答えた。

　ブロネフスキーの報告によると、自分の代わりにウィーンにこの融和的な方針を採用するよう促すという私の要請に対し、彼は、オーストリアに屈服するよう助言することはできないが、プルタレスの電報をウィーンに伝えただけで、むしろ状況から抜け出すこの方法を推奨することを意味すると答えた。

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　この偽善的な答えは、ランボルドがグレイに以下の電報を打った前日にすでに任務を遂行していた。

ツィンマーマンから私に電話があり、ウィーンのドイツ大使が、セルヴィアの返答がベオグラードの電報第52号に含まれる予測と一致する場合、好意的に受け止められるかもしれないというあなたの希望を、オーストリア・ハンガリー政府に伝えるよう指示されたとのことです。国務長官のもとで、、彼らがオーストリア・ハンガリー政府にこのような連絡を行ったこと自体が、彼らがあなたの希望にある程度共感していることを意味していると考えています。 1

　実際には全く逆のことが起こっていた。サゾノフの直接対話の提案がコメントなしにウィーンに伝えられたことは、その拒否を勧告したに等しかったのある。

　実際ドイツが、同盟国（オーストリア）に対して、即座に（セルヴィアを）攻撃し、既成事実fait accompli を持って世界に対抗するよう求めたときに、他のどうすることができただろうか？

これは、歴史家が 7 月 25 日から 28 日までのベルリンの外交文書を解読する際の唯一の鍵である。同じ鍵は、26日午後8時25分にリヒノフスキーからの電報でベルリンに予告された、グレイの提案した四カ国会議が拒否されたことを説明している。その26日日曜日、彼はニコルソンとティレルとともにロシアの動員の問題について話すために外務省に電話しており、グレイは週末は不在だった。

＜リヒノフスキー→ベートマン　25日＞
　二人の紳士（ニコルソンとティレル）は、E.グレイ卿の提案が、全面戦争を回避する唯一の可能性であると考えており、セルビアは、オーストリアからの脅しよりも・・・列強国からの圧力の方が、それに屈する可能性が高いため、この提案がオーストリアに完全な満足をもたらすことに成功することを期待している。。。（オーストリアが）セルビア国境を越えてしまえば、ロシア政府はこれを容認できないため、すべてが失われることになる。。。。戦争の局地化を望むベルリンの希望は完全に不可能であり、現実の政治選択肢から除外されなければならない。

もし私たちが、つまりカイザー陛下とその政府および代表者らが、E. グレイ卿と協力してヨーロッパの平和を救うことに成功すれば、英独関係は永遠に強固な基盤の上に置かれることになる。

　リヒノフスキーの至急報は、荘重な言葉で締めくくられている。

　私は皆さんに、局地化の可能性をもはや信じないよう緊急警告を発したいと思います。そして、私は、ドイツ国民を、得るものも失うものもない闘争から救い出す必要性によって、われわれの態度が全面的に決定されるべきであるという、非常に謙虚な訴えを表明したいと思います。 2

　リヒノフスキーの感動的な訴えは、適切であると同時に勇気のあるものだった。彼は戦時中にわかった同胞らののろいに苦しむことになったが、ドイツの支援を受けたオーストリアが祖国をさらす危険を、最初からはっきりと見ていた。

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私たちは、この事業全体が計画されていたまさにその時期に、彼がベルリンにいたことを見てきたが、任地に戻っても、彼は不安を決して隠さなかったのである。

7月18日、ヤーゴが、オーストリアはセルビアに対して思い切った手段をとらなければならないと説得するための手紙を書いたとき１、リヒノフスキーはビスマルクの警告として、ドイツは、オーストリアがロシアとの紛争につながるようなバルカン半島紛争に自身を引きずり込むことを決して許すべきではない、と答え、そして続けた。

　紛争の局地化に関しては、if it does come to a passage of arms with Serbia、これがすべての敬虔な願い通りになることにあなたも同意するだろう。したがって、最も重要なことは、オーストリアの要求は、サンクトペテルブルクとロンドンからベオグラードにある程度の圧力をかければ受け入れられるように明文化されることなのであり、必然的に大規模な戦争につながるようなやり方であってはいけない。ad majorem illustrissimi comitis de Bercktold glortam（最も高名なベルヒトルト伯爵の偉大な栄光に敬意を表して）。 2

　結局来たのは、オーストリアからの最後通牒だった。

　「それによってロンドンで生じた一般的な印象は、まったく壊滅的なものである」とリヒノフスキーは25日に報告している。 3

そして、同日の後の発信で、彼は次のように警告した。「もしフランスが関与すれば、イギリスが無関心でいられるとは思えない。」4

　26日にも彼はこう警告した。

　サー・E・グレイが、提案された意味合いにおいてロシアに影響を与えることができるとは思えない。なぜなら、オーストリア要求の発表後、戦争が局地化する可能性を信じている人は誰もいないからである。オーストリアの手続きが世界大戦につながることを、疑う人は誰もいない。 5

　しかし彼の言葉には誰も耳を貸さなかった。バイエルン首相ヘルトリングに対するレルヘンフェルトの言葉を引用すれば、ベルリンは、四カ国会議の提案は「当分の間、敵対行為を停止すべきであるというその要求のため、オーストリア・ハンガリーにとっては受け入れられないため、全く不適当である」とみなした。 6

それは公式に策定される前、27日に否決された。 [7]

ベートマンもヤーゴも、リヒノフスキーがそのような悲観的な見方をする理由を何も考えていなかった。彼らにはフランスとイギリスがそれほど懸念を示しているようには見えず、ジョージ5世がプロイセンのヘンリー王子に何を言ったかを彼らは知っていた。さらに、サゾノフとザパリとの会談を伝えた26日のプルタレスの電報は、「おそらくパリとロンドンからの知らせのせいで、サゾノフはかなり意気消沈し、今は逃げ道を模索しているような印象を持っている」という言葉で終わっていた[8]。

同じ日の少し前の別の電報でプルタレスは、サゾノフが「動員命令は発令されていないこと、オーストリア・ハンガリー帝国がロシアに対して敵対的な態度をとるまでは動員命令を発令しないと閣議が決定したこと」を保証したと述べた。

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「セルビアに向かって」ではなく、「ロシアに向かって」。サゾノフが認めたのは、「サプライズを防ぐために現在、特定の軍事準備が行われている」ということだけだった。 1

したがって、ベルリンは見通しがあまりにも暗く、灰色であるとは考えられず、断固として「ノー!」と言うことができなかった。一方、オーストリアにはフリーハンドが与えられ、ドイツは「紛争の局地化」を迫った。　

　そのため、セルビア側の返答が重要性がまったくないものであると解釈されることなく、ウィーンはサゾノフの直接対話の提案に従うべきであるという勧告を無視した後、首相とヤーゴはこの問題を四カ国会議に提出することを拒否した。ベートマンは26日、ホーエン・ツォレルン号上のヴィルヘルムに「サンクトペテルブルクは明らかに躊躇している」と打電し、27日の電報で状況を次のように説明した。

＜ベートマン→カイザー　27日＞
　オーストリアは8月12日まで戦争作戦を開始できないようだが、セルビアは完全に受けて立つつもりのようだ。最後通牒に対するセルビアの返答は、その文面はまだ入手できていないが、上級指揮官を除く全将校の処罰を含むすべての点を受け入れたと言われている。コラボレーションも可能ですが、一定の条件があります。

外交情勢は全く不透明だ。イギリスとフランスは平和を望んでいるが、イタリアも同様であり、この問題は不人気であり、イタリアの国益に反するとされている。最新の報道によると、ロシアはまだセルビアが満たしていない要求のわずかな修正に関してウィーンとの交渉に積極的ではないようだ。これに対するウィーンの態度は今のところ不明だ。私はすべての閣僚に対し、オーストリアとセルビアの紛争はこの二国のみに関する問題であると考えており、いかなる形であれ、我々自身に向けられた軍事的措置の結果に、ロシアの注意を喚起するよう伝えた。 3

8. Kaiser Wilhelm's frame of mind; the Potsdam meeting of 27 July ,

　読者は、カイザーに多くの啓蒙を与えることはほとんど考えられていなかった、この報告書の怠慢で平凡なスタイルに衝撃を受けただろう。さらに次のような記述がある。

①電報が発送されるまで、つまり午前11時20分 27日月曜日まで、ベルリンは25日午後6時にギースルに手渡されたセルビアの返答の本文をまだ読んでいなかった、ヤーゴは、この電報がカイザーに送信されてから 10 分後まで、チルシキーに電信で届けるよう頼まなかった 4 、と。この点については、後で戻ることにする。

②この電報とその前の電報では、遅滞なくセルビアを攻撃するようウィーンに加えられた圧力については全く触れられていない。

③グレイによる四カ国会議の提案やベルリンがそれを拒否しようとしていたこと、そして実際に午後1時に打たれた電報で拒否したことについては何の言及もない。 5

これらの省略は、ゆるくて情報のないスタイルと同様に、すべて意図的なものなのであった。

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それは明らかに、カイザーを動揺させず、すべてがうまくいったと思わせることを意図したものだった。そうしないと、突然の戦線変更によって、ベートマンとヤーゴが自分たち自身の栄光のために忙しく建てていた美しい城を倒してしまうことを恐れていたからである。

これと同じ理由で、カイザーに送られた至急報はしばしば削除された。したがって、26日のリヒノフスキーの電報からは、ロシア政府は、（オーストリアが）セルビア国境を越えることを許容することはなく、そのような場合には、ロシアはオーストリア攻撃をせざるを得ないだろう、という、ニコルソンとティレルの意見を述べた部分と、紛争の局地化は幻想であるというリヒノフスキーの警告が省略されていた。（時系列７月27日） 1

　しかし、カイザーは自分が暗闇の中にいることに気づき、ヴィルヘルム通りが何をしているのかに不信感を抱き、突然命令を出し、閣僚らを大いにおどろかせた。（ヤーゴは26日にランボルトに「遺憾の意」を表明し2）、彼は27日午後1時頃にワイルドパーク駅に到着し、朝の至急報を持ってきたベートマンに出迎えられた。

ヴィルヘルムはどんな気分であったか？私たちは、クルーズ中に彼に届いた文書への彼の欄外メモの一部を知っているが、それらはすべて彼の最も荒々しく威圧的なスタイルで、オーストリアが全速力で恐れることなく前進することを叫んでいた。 7月24日のシェーンからの通信は、「最後通牒というものは、は受け入れられるか、受け入れられないかのどちらかなのだ！　議論などない！だからこそ、最後通牒、なのだ。」３DD. I, 154

それがカイザーが問題を解決した方法である。もう少し政治的な常識が、7月10日のチルシキーの至急報への彼の欄外メモに含まれている。

　サンジャクは、セルビアとモンテネグロの連合とセルビア人が海に到達するのを防ぐために、オーストリアが絶対に取り戻さなければならない地域である(1878年のベルリン会議によってオーストリア＝ハンガリー帝国軍のサンジャクへの駐留が認められ、1909年まで続いたが、1912年10月、バルカン戦争においてセルビアおよびモンテネグロの軍に制圧され、セルビアとモンテネグロによって分割された)。4（DD. I, 29. See pp. 259-60）

　そして、ベルヒトルトがクダシェフに、オーストリアの領土的無関心desinteressementを約束したというニュースに対して、彼のコメントはこうだった。「この間抜けが！彼らはサンジャクを取り戻さなければならない、さもなければセルビア人はアドリア海に到達するだろう。」　バルカン半島における力の均衡を変えるというオーストリア側の意図に対するベルヒトルトの但し書きは、次の言明を引き出した。

　それは自動的に起こるし、そうでなければならない。オーストリアはロシアを出汁にして、バルカン半島の他の小規模諸国に対して優勢にならなければならない。そうでなければ平和はない。 5

　予想通り、四大国の調停に対するグレイの提案を、ヴィルヘルムは好まなかった。「私は参加しない。もしもオーストリアが明示的に要請した場合でも、その可能性は低いであろう。」　In questions of honour and existence one does not consult others’ runs a marginal note to Lichnowsky’s dispatch of 24 July’.6

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　カイザーの欄外メモにも関わらず、調停はヴィルヘルム通りによって受け入れられたが、それは電報がホーエン・ツォレルン号に届いたのが遅れ、コメントがベルリンに無線で送信されたのが午後 1 時だったためかもしれない。 ヤーゴの調停受諾は25日の夜にリヒノフスキーに電報で伝えられた。1

ヴィルヘルムがどれほどの権限を行使したかは、次のエピソードで分かる。首相は、海軍参謀長から、「ヴォルフ電報の結果、カイザーが艦隊に直ちに基地に戻る準備をするよう命令した」と聞いた。そこで彼は、陛下が当分の間、艦隊の早期帰還を命令すべきではない、とあえて敬意を込めて提案した5。

ヴィルヘルムは激怒し、彼の欄外コメントはこう続いた。それは、関連文書が返還された際に、外務大臣がいつものように承知していたことであった。

　信じられないほどの憶測！前代未聞！そんなこと考えたこともなかった！！！それはドイツ大使がベオグラードでの動員（25日PM3時に開始）を発表したためだった!! これにはロシアの動員が関係する可能性がある。オーストリアの動員も関係するだろう！この場合、私は陸と海の軍隊を一緒にしなければならない。バルト海には船は一隻もない!! さらに、私はヴォルフ電報に基づいて軍事的措置を講じることには慣れていないが、一般情勢を考慮して、文民首相がまだ理解していないことを考慮している。 2

　26日、ロンドンの海軍武官から、英国艦隊が予備兵を解雇したという知らせが入ったとき、ベートマンは本題に戻った。

　これを考慮して、私は謙虚に、陛下が大洋艦隊に当面ノルウェーに留まるよう命令することを提案したいと思います。そうすることで、目に見えて行き詰まっているサンクトペテルブルクで計画されているイギリスの調停が大幅に軽減されるからです。 3

　ウィルヘルムのメモは次のように続く。

　ロシア艦隊がいる！バルト海では現在、ロシアの水雷艇小隊５隻が演習を行っており、１６時間以内にその全部または一部がベルト地帯の前に位置し、ベルト地帯を通じた通信が遮断される可能性がある。ポートアーサーは演習に入るべきだ！私の艦隊はキールへ向かうよう命令を受けており、キールへ向かうことになる！ W.

　実際のところ、気性の激しい君主は、これほど多くの危険な合併症のただ中にいて、じっとしていられないと感じていた。ベートマンが26日、紛争を局地化するというドイツの目的を考慮して、ロシアが敵対行為に訴えないよう平静を保つ必要があると電報を送ったとき、ヴィルヘルムは「局地化」という言葉に対して感嘆符を打った。そして「落ち着いてください」という言葉には、「静かにすることが最も重要な市民の義務です！ただ静かに、いつもただ静かに!! 静かな動員は確かに新しいことだ。」」と注釈が付けられた。 4

そして彼は、出来事を間近で見守るために急いで家に戻った。

p436
　この点において、少なくとも彼自身の観点からは、彼は完全に間違っていたわけではない。事態は戦争に向かって進んでいたのだから。どうして人は予防策を講じずに、首相のようにバラ色の眼鏡を通してすべてを見続けることができようか？すぐに明らかになるが、ヴィルヘルムが戦争を望んでいたわけではない。ビューローは彼について次のように書いている。

　ウィリアム２世は戦争を望まなかった。彼はそれを恐れた。彼の好戦的な欄外メモは何も証明しない。彼の誇張は主に外務省の枢密顧問官の耳に響くことを目的としており、彼のより威圧的な主戦論は、外国人にここにもう一人のフリードリヒ大王かナポレオンがいるかのような印象を与えることを目的としていたのと同じである。。。。ウィリアム 2 世は、本当に危機的な状況の緊張下でも屈しないという自身の神経を信頼していなかったという理由だけで、戦争を望んでいなかったのだ。危険が迫った瞬間、陛下は自分が野戦で軍隊を率いることは決してできないと、否応なく悟るだろう。。。。彼は自分が神経衰弱で将軍としての実際の能力がなく、海軍の趣味にもかかわらず戦隊を率いたり、船の艦長を務めることすらできないことをよく知っていた。 1

　他の者たちが恐れることなく（カイザーに）自らの立場を堅持していることを示したとき、とりわけ不実なアルビオン（ヨーロッパ外交史では、17世紀から18世紀にかけての列強が当時の信用ならないイギリスを揶揄をする語として「不実のアルビオン」（フランス語: perfide Albion、英語: Perfidious Albion）という表現を用い始め、近世におけるイギリス人およびその国家の異名となった）が声を上げたとき、カイザーは慎重に角を引っ込めた。それは1906年にアルヘシラスで、そして1911年のアガディールの後に起こったことであり、従って、もしヴィルヘルムの側に、訓練されておらず、無能で、頭の鈍いベートマン・ホルウェグよりも無能な宰相がいたならば、戦争は1914年7月にすでに起こっていたであろう。ティルピッツも同様の結論に達している。

　カイザーは、平和が脅かされているとは考えていなかったとき、有名な祖先の思い出を自由に語ることを好んだ。一方で、危機的であると認識した瞬間には、彼は並外れた慎重さで作業を進めた。もしカイザーがベルリンに留まり、通常の政府機構が働いていたなら、カイザーは外交政策に断続的にしか注意を払っていなかったにもかかわらず、おそらく7月半ば頃には戦争の危険を回避する方法や手段を見つけていたであろう。しかしその頃には、参謀総長、陸軍大臣、海軍参謀長、そして私がベルリンから遠ざけられていたため、業務全体は、より大きなヨーロッパ世界の一員である経験のなかった首相によって独占された。彼は、外務省の同僚の価値を正確に見積もることができませんでした。 2

　ビューローはこう書いている。

　ベートマンは、自身の「外交上の傑作」の達成に邪魔されないよう、いつもの北海旅行を断念するよう、君主に何の理由もなく進言した。３　

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　さらに・・・

　ついに7月27日、カイザーがベルリンに到着したとき...首相は非常に謙虚で、青ざめて惨めな顔で壇上で彼を待っていた。彼の主権者は。。。質問をした。。。「どうしてこんなことになったんだ?」。。この現場にはアウグスト・オイレンブルク伯爵も居合わせていた。。。。後で彼が私に語ったところによると、ベートマンは完全に怯えて、ずっと騙されていたことを認め、カイザーに辞任を申し出たという。陛下は、「あなたはスープを調理したので、今度はそれを食べなければならない。」と答えました。

同様のことが、27日ではなく（27日のヴィルヘルムのベートマンへの挨拶はあまり友好的ではなかったかもしれないが）、ティルピッツによれば、彼が軍首脳らを呼んで「完全に崩壊した」首相との意見交換について伝えたときのことである。2

27日の時点では、ヴィルヘルムはまだ状況が救いようのないものであるとは考えていなかった。

　26 日の午後、ベートマンから送信された情報により、ホーエンツォレルン号の乗組員は状況を楽観的に推定した。午後4時リンカーは妻に次のように書いた。

首相はカイザーに対し、戦争の局地化に彼（ドイツ）と英国が協力していることを発表した。つまり、二大国に限定する、言い換えれば、ロシアをそれに参加させないようにする、ということ。私たちにとって、すべてはこの成功にかかっています。だがロシアの報道機関の見解によれば、それは疑わしい。

　午後6時リンカーはまたこう書いた。

　どうやら自分自身のもつれが解け始めているようだ。プラテン伯爵は、カイザーがたった今、皇后に無線で、ベルリンの状況を把握し次第、Wilhelmshöheに行くつもりだと、無線で伝えたと私に話した。ヨーロッパで戦争が勃発しようとしていたようには見えない。おそらくカイザーは今朝、戦争が起こるだろうと考えていたが、その間にもっとそれを確信するようなニュースを持っていたのだろう。 3

　一方、最後通牒通知後のサゾノフとの最初の会話を報告したプルタレスの電報4は、26日夜にホーエンツォルン号に転送され、「ロシア政府は直ちに戦争をするつもりはない」という印象を与えた。このようにして、ベルリン外交が列強間の紛争をなんとか回避するだろうという希望を抱かせることになった。

　27日にポツダムに到着すると、皇帝はただちに首相と陸軍長官らを午後3時10分に会議をするよう呼び掛けた。

　前夜にポツダムに到着していた陸軍総司令官モルトケは27日、妻に宛てた書簡で「状況は引き続き極めて不透明である。 ...明確なことが分かるか語られるようになるには、あと2週間ほどかかるだろう。」と述べた。 6

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このことから、オーストリアがセルビアに対して宣戦布告したかどうかはまだ不明であり、そして、君主国オーストリアは8月12日までに作戦を開始する準備が整わないことが理解されており、モルトケの書簡は、ポツダムでの会議前の27日の午前中に書かれた。

　この会議で何が起こったのか、またどのような決定がなされたのかは、議事録が存在しないため明確には知られていない。同席したプレッセン将軍は日記に次のように記している。

　最初に帝国首相との長い個人的な会談があり、その後に我々軍人との会談が行われた。オーストリア人はほとんど準備ができていない！作戦開始は8月初旬となる。戦争を局所化することが期待されています！　英国は中立を保つつもりだと宣言している。全部吹っ飛んでしまいそうな印象です。イングランドは中立を保つつもりだと宣言。全部吹っ飛んでしまいそうな印象です。 1

　当時陸軍大臣だったファルケンハインはこの会議に出席しなかった（ベートマン・ホルウェグの意向に反して自らの意志で27日にベルリンに戻った海軍大臣ティルピッツと同様だった）。ファルケンハインは――彼の伝記作家によると- どんな犠牲を払ってでも「事業を徹底的に戦う」ためにその決定が下されたことを横風（密かに）で知ったという。２

このことから、Bernadotte Schmitt は、7月27日のポツダム会議では、オーストリアが戦争に巻き込まれる可能性があるにもかかわらず、オーストリアに対するドイツの態度を変える決定は下されなかったと結論づけている。 3

　筆者（Albertini)はこの質問を元皇帝ヴィルヘルムに書簡で行い、1936年3月11日に副官から次のような返事を受け取った。

　ファルケンハイン将軍は、7月27日に「どんな犠牲を払っても事業を戦うための決定が下されたことを密かにunter der Hand知った」と述べたが、文書には何の裏付けも見つからなかった。そして実際には一貫性がありません。おそらくこの発言は、協商国による介入の脅威に直面しても、7月5日以来追求されてきたオーストリア・ハンガリーに対する無条件支援政策を正直に継続するという意図だけを意味したものであろう。この意味での決定は7月27日には下されなかった。

このことの最良の証拠は、オーストリア・ハンガリー間書簡への返答であるセルビア書簡に対するカイザーの欄外コメントである。この欄外メモの直後に国務長官ヤーゴに宛てたベオグラードでの停止Halt in Belgrade提案を記した陛下（カイザー）の書簡が続き、これがドイツの対オーストリア政策の変化の始まりとなった。さらに言えば、ファルケンハインのこの発言の出典には疑いの余地があるという事実は別として、それゆえ彼さえも単に「密かにunter der Hand」と引用しているが、「durchzufechten」という表現は、当時の用法では、追求される目的が武力によって達成されることを意味するものではない。この言葉はむしろ、特定の状況にもかかわらず、その時点までに追求された政策路線が維持されることを意味します。

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　ファルケンハインの日記には、彼がその場にいて積極的に参加したときのことについて語るときでさえ、多くの不正確さが含まれており、したがって彼の声明には何の権威もないと言わなければならない。 1

さらに、この決定が最終的なものであるかどうかは依然として不明である、と彼は付け加えた。実際のところ、もしその決定が実際に行われていたなら、ファルケンハインはそれを公式に知らされていたであろうし、密かにそれを知ることはなかったであろう。 7月27日時点でもベルリンはこの立場が満足のいくものであると考えていたことを忘れてはいけない。アウグスト・バッハは次のように説明している。

　その理由は、サンクトペテルブルクからの心強いニュースだった。特に、サゾノフが受け入れたプルタレス伯爵の提案は、サゾノフが「オーストリアの要求の緩和に基づいてウィーンと直接交渉すべきである」というもので、緊張緩和の見通しを提供し、エドワード・グレイ卿の提案よりも大きな成功を約束するものであるように思われた。首相と外務省は同日、会議への出席を拒否した。 2

　したがって、宰相のカイザーへの報告が楽観的な調子であったことは疑いなく、プレッセン将軍の日記の記述はこの楽観主義を正確に反映している。バッハは次のように説明している。

　オーストリアによるセルビアに対する作戦の開始はあと数週間は考えられなかったため、7月27日の時点でベルリンの政治・軍事責任者らは外交交渉を行うのに十分な時間があると考えていたことは明らかである。 3

　ひとつ確かなことは、27日午後、ヴィルヘルムはセルビアからの返答文を持っていなかったということである。問題は、そのことがヴィルヘルム通り全般に受け入れられていたかどうかである。ベートマンもヤーゴも、あえてウィーンにすぐにそれを要求しなかったことはすでに見た。そんなことを考え始めたのは27日の朝からだった。彼らは、カイザーがオーストリア政府からではなく、報道機関からそうしたことを知って激怒していたことを知っていたのだ。 4

さて、カイザーは27日には帰ってきたが、セルビアの返答の正確な条件を誰も彼に伝えることができなかった。したがって27 日午前11時30分に、ヤーゴは駐墺ドイツ大使チルシキに電報を打った。「（オーストリアから）セルビアの返答を電報で送ってください。」5

忘れてならないのは、この要求が、ウィーンでは、ヤーゴが、駐独オーストリア大使セジェーニに、セルビアの返答への要求が、「セルビアの回答が多くの点で我々の要求にかなっていた英国で作られた声明の間違いを証明するために」必要であるという再保証を急いでいたのだ、という心変わりの兆候とみなされるかもしれなかったことである。 6

しかし、セルビアの返答文は25日夜すでに、セルビア政府からベルリンのセルビア臨時代理大使に電報で送られていたのだった。

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ベルリンのセルビア臨時代理大使はセルビアの返答文を26日の夕方に受け取り、27日にヤーゴに預けた。（27日の）何時に？ヤーゴからその事実を知った駐独オーストリア大使セジェーニは、午後5時50分に発出した至急報の中でその時間を「正午」としている。1

ジュール・カンボンは27日のオルセー通りへの至急報で、彼がヤーゴに、セルビア側の返答は「セルビアの臨時代理大使が今朝彼に手渡し」、「時間がない」という返答を受け取っていた [2]
2LJF。 74; CDD.、191-2ページ。 DF。 3. XI、367.—
J. カンボンは答えた。「残念だ。細部のいくつかの点を除いて、セルビアが完全に譲歩したことがわかるだろう。そうすると、オーストリアはあなたの支援によって満足を得たようですから、あなたは今日、オーストリアを満足させるか、あるいはセルビアの返答の条件をセルビアと検討するようアドバイスするかもしれません。」

カンボンはグレイの会議提案に同意するようヤーゴに圧力をかけたところ、ヤーゴは「オーストリア・ロシア紛争解決のための行動は拒否しなかったが、オーストリア・セルビア紛争には介入できない」といういつもの返答を受けた。 J・カンボンは彼に「ドイツは戦争を望んでいるのか」と尋ね、もしそうでないのであれば、ヤーゴはそれに応じて行動しなければならないと述べた。ヤーゴは「イギリスとフランスと共同の取り組みで団結する用意はあるが、この介入については受け入れられる形を見つけなければならない」と語った。それから彼はいつもの偽善ぶりでこう付け加えた。「さらに、ウィーンとサンクトペテルブルクの間で直接の対話が締結され、進行中である。私は彼らから非常に良い結果を期待しており、期待しています。」

したがって、このセルビア側の返答は、ヤーゴがウィーンに電報を打った後、その内容を調べるためにセルビアの臨時代理大使の手によってヤーゴの手元に残されていた可能性がある。これにより時刻は「正午」に非常に近づくことになる。一つ確かなことは、ヴィルヘルム通りのアーカイブにその文書が27日の午後に到着したものとして記録されていることである。 3
3　DD。 I、270、271。—ジュール・カンボンはルチアーノ・マグリーニに、ヤーゴが午前11時にセルビアからの返事を受け取ったと書いた。そして、彼自身とヤーゴとの会話は同じ日に午後4時から5時に行われたと述べた。

しかし、もしヤーゴが正午までにそれを持っていたなら、なぜ彼はそれをポツダム会議に持って行かなかったのであろうか?

　Deutsche Dokumente の脚注には、「やや判読不能な」電報が 27 日の日中に随伴する声明とともに渡され、正確な時刻は特定できなかったと述べられている。しかし、ヤーゴが問題にしたのはセルビア側の返答の判読性でもなく、その内容を要求したセジェーニへの電報中のそのような判読不能性でもなかった。[5]。

ではカイザーに提出するために、それはどのようにして判読可能になったのか?　それはウィーンから返送されたコピーによって達成されたのか?

この質問に対する答えはノーである! なぜならウィーンは、急いでそれを送らなかったからである。駐墺ドイツ大使チルシキーは、28日午前1時45分にやっと回答した。マッキオから「事務局の負担が多すぎて長いセルビア側の返答のコピーをすぐに準備できない。しかし、今晩（つまり27日）にセルビア側の返答を私に届けられるよう、あらゆる手段を講じたいと思います。」と言われたことで。

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　　駐墺ドイツ大使チルシキーは午後11時30分にセルビア側の返答を受け取った。しかしセルビア側の返答は、その日の夕方（午後4時37分）に報道陣に渡されていたので、電報を送る価値はないと彼は考えた。 1

ウィーンでの遅れは、明らかに意図的であった。しかし、現在の目からすれば、ヤーゴがセルビアの声明をカイザーの前に提出するのが遅れたのも、同様に意図的なものだったようだ。

仮に27日午後３時に、（ポツダム会議にセルビア側の返答を）個人的に持ってくるのは不可能だったとしても。なぜ彼はベルリンを午後9時半に出発する特別使者（訳注；それも電信ではなく民間宅配便で）によってポツダムに送るまで待ったのだろうか？

この文書は確かに、すでに見てきたように、ベルリンに午後4時37分に知らされたように、オーストリアがセルビアに宣戦布告する予定だった28日の朝までカイザーがこの文書を読めないようにするために、あまりにも遅い発表を意図されていたかのように見える。（Mc Meekin JULY1914　Count down to war p230）

首相は翌日も同様の戦術を用いて、カイザーからの命令の到着が遅すぎるようにする予定だった。ヴィルヘルム通りは、衝動的な君主の予期せぬ動きを回避するかなりの技術を習得したに違いない。この場合、偶然にも彼は顧問よりも早く真実の状況を認識し始めた。　

　27日の朝、王室列車に向かうカイザーを捕まえるために送られた電報には、26日にオーストリア・ロシアとセルビアの紛争全体を大使会議に付託するというグレイの提案については何も書かれていなかったことはすでに見た。 2

しかし、ポツダムでベートマンがこの事実を（カイザーに対して）隠し続けることは非常に困難だった。カイザーが何を言ったか、私たちはわからないが、カイザーに会うためにワイルドパーク駅に行く直前に、ベートマンはリヒノフスキーにグレイの提案を断る電報を打っており、ヤーゴからゴシェンに伝えられた正式な拒否ではないにしても、そのことをヴィルヘルムに伝えたに違いない。

こうしてヴィルヘルムは、取り消すことのできない既成事実 fait accompli （グレイ提案の拒否）を突き付けられることになった。では、もしそれができたとしたら、彼はそうしただろうか？

その答えは、ローマから午後1時28分にベルリンに到着し、セルビアが受け入れるであろう条件を大国に言わせる、というサン・ジュリアーノの提案の概要を説明した27日のフロートウの至急報に対する（カイザーの）欄外メモにある。

セルビアがそんなことをするなんて。それはカイザーによって「くだらない」と評された。そして、大使会議へのグレイの提案に関するフロートウからのニュースのほかに、彼は次のように書いた。「私はそのようなこととは何の関係もありません。」 3

しかし、首相からカイザーに送られた電報は28日一番に到着するようになっていた 4。そこでは間接的に、ポツダムでは、英国の提案をもっと尊重することが決定されたことが示されている。なぜなら、ドイツがウィーンを抑制しない（ドイツがグレイの言うことを聞かない）ことが、ロンドンで不信感を引き起こしている、とリヒノフスキーが報告していたためである。 5

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