時系列　7月26日

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＜英国＞ 26日 朝 イーストボーンに滞在している妹に会いに行く途中のヘンリー王子は、いとこのジョージ国王と短い会談をした。 彼は7月28日火曜日にドイツに戻るまで国王の発言をカイザーに報告しなかったが、ロンドンのドイツ大使館の海軍武官は、ベルリンに国王のコメントについて誤解を招く説明を電報し、英国はヨーロッパの戦争では中立であると述べた。 同武官はまた、スピットヘッドでの年次観閲式に参加していた英国艦隊が現在分散しており、乗組員は休暇を取りにいっている、と報告した。 実際、その日の後半に、First Sea Lordは分散をやめさせた。 朝 グレイ不在中の代理だったニコルソンは、ロシアの部分動員の差し迫った状況や、ロシアと協力しない場合のアジアにおけるイギリスの立場についてのサゾノフの脅迫など、最新情報を研究していた。 ロシアを別として、英独仏伊の手でオーストリア・ハンガリーとセルビアの間の問題を解決させようとしたサゾノフの発言に注目し、ニコルソンはグレイに、ロンドンでこれら4大国の大使会議を招集するよう提案することにした。 これは英国の２度目の調停提案であった。 このような大使会議は、1912年の第一次バルカン戦争から生じていた問題を解決するためにグレイが議長を務めた会議に似ていた。 朝 リヒノフスキーはベートマンからロシアが動員を宣言せずに予備役を召集する可能性があるというメッセージを受け取った。 「したがって、我々はエドワード・グレイ卿にサンクトペテルブルクでの影響力を行使するよう要請する。」 リヒノフスキーはグレイに宛てて、ロシアが予備兵力を召集すればドイツも動員するだろうとメモを書いている。 「ドイツ政府は、サンクトペテルブルクであなたの影響力を行使するよう要請するよう私に指示しました。」 彼はまた、ベルリンが英国の最初の調停提案を受け入れたことを伝え、「ドイツ政府は、あなたの提案した四大国提案を受け入れます」と述べた。 (この調停案はこの日には、ニコルソンの4カ国大使会議案に取って代わられていた。) 午後 グレイはニコルソンの会議開催の提案に電話で同意した。 パリ、ウィーン、サンクトペテルブルク、ベルリン、ローマの英国大使とニシュの公使に電報が送られ、混乱を避けるためにロンドンでの大使会議に同意するかどうか各国の外相に尋ねるよう指示された。 会議の開催中、すべての側は「積極的な軍事作戦」を停止するよう求められた。 午後 アスキスは友人のベニシア・スタンリーに手紙を書いたが、その一部は進行中のヨーロッパ危機についてのものであった。 彼は「ロシアが我々を引きずり込もうとしている」と考えていた。 しかし、最後通牒に関しては、「ほとんどではないにしても、多くの点でオーストリアに有利であり、セルビアは非常に部が悪い」と考えていた。 午後 ロンドンでは、ローマのロッドから電報が送られてきた。 同氏は、オーストリア＝ハンガリーとロシアの間で紛争が起こった場合、イタリアは中立を保つと述べた。 イタリアはオーストリア＝ハンガリー側からの協議は受けておらず、セルビアに対抗するような動きは、ロシアに対して意図的な挑発をするようなものだった。 イタリアはこうした状況を踏まえ、オーストリア・ハンガリーおよびドイツとの同盟である三国同盟はオーストリア・ハンガリーを支援する義務を負わないと考えていた。 午後 チャーチル不在の中、第一海軍卿であるバッテンベルク公ルイは、ヨーロッパ情勢の悪化を考慮して、艦隊の分散を止めて乗組員を全力で維持することを決定した。 チャーチルは夜遅くロンドンに戻った際に命令を確認した。 夕方 リヒノフスキーは彼のメモを外務省に持っていった。 グレイの不在中、彼はニコルソンとウィリアム・ティレル卿に会った。 二人の英国外交官はリヒノフスキーに（四大国）会議の提案について語った。 彼らはまた、オーストリア・ハンガリーがセルビアを攻撃すれば欧州戦争は避けられない、とリヒノフスキーに警告した。 そうなると、ベルリンで期待されていた紛争の局地化は全く不可能となる。 リヒノフスキーは会議のアイデアに喜び、彼がそのアイディアを支持し、イギリス側の発言を報告することを電報で伝えた。リヒノフスキーは、ベルリンは局地化の可能性をもはや信じるべきではないという自身の緊急警告を付け加えた。 ＜26日ドイツ＞ ベルリン ドイツ軍参謀本部はあらゆる事態に備えて計画を立てていた。 ドイツが軍事計画を実行し、ベルギーを通じてフランスを攻撃した場合にベルギー政府に最後通牒を与える準備をしていた。 ベルリン ロシアでは「戦争準備期間」が進行中で、ベルリンには、ロシアの軍事活動に関する数多くの報告が届いていた。 特に憂慮すべきは、一部の予備役が招集されたというニュースであり、参謀本部は独自の情報収集を開始することを決定した。 ベルリン ベートマンと副首相は、ドイツ最大の政党であるドイツ社会民主党（SPD）の指導者らと秘密会談を行った。 彼らの支持を確実にするために、ベートマンはドイツの政策が防衛的で平和的なものであることを彼らに納得させたいと考えていた。 ドイツの社会主義者は帝政ロシアに疑念を抱いており、ベートマンはロシアを悪者に陥れるためにあらゆる手を尽くしていた。 彼は社会主義者たちに、ドイツは平和を維持したいと考えており、ウィーンとサンクトペテルブルクの間で調停の措置を講じていると説得した。 ベルリン ベートマンはリヒノフスキーに電報を打った。 信頼できる情報源からの未確認のニュースによると、ロシアは数種類の予備役を招集しようとしているという。 このような動きは、ドイツが対抗措置を講じることにつながるはずだ。 ヨーロッパの平和を維持するには、紛争を局地化する必要があった。 ベートマンはグレイに対し、サンクトペテルブルクでこの意味での影響力を行使するよう要請する予定だった。 ベルリン Stummはドイツの小州の代表者らと話した。 最善の策は「静かな忍耐」であった。 英国は平和を望んでおり、サンクトペテルブルクでその意味での措置を講じていた。 ロシアは戦争の準備ができておらず、最近上院で明らかになったフランスの軍備の劣悪な状態では、パリも平和に傾くだろう。 ドイツがオーストリア・ハンガリーを支持する理由は、「オーストリア・ハンガリー国家が内側からセルビア人によって食い荒らされるのをもはや見ていられない」からだった。 午後 ベートマンは、オーストリア＝ハンガリー帝国がセルビアを併合すれば、ロシアは戦争になるだろうというサゾノフの発言を、戦争を回避したりロシアを非難したりする手段として利用した。 オーストリア＝ハンガリーはすでにロシアに対し、セルビアから領土を奪うつもりはないと表明していた。 彼はプルタレスに電報で、サゾノフに対して「ベルヒトルト伯爵がロシアに対し、オーストリアはセルビアでの領土獲得を計画していないことを宣言したとのこと。……ヨーロッパの平和の維持は全面的にロシアにかかっている」と伝えた。 夕方 ベートマンは再びプルタレスに電報を打った。 彼は現在、ロシアの軍事準備に警戒していた。 彼は、ロシアがドイツに対して何らかの形で向けた軍事準備措置を講じれば、ドイツは対抗措置と軍の動員を余儀なくされるだろうと、プルタレスがサゾノフに警告するよう望んでいた。 彼は動員とは戦争を意味すると言った。 彼はオーストリア・ハンガリー帝国がセルビア領土を望んでいないことを改めて強調した。 北海、早朝 カイザーはベートマンから電報を受け取った。 これは通信社の報道に基づいて、カイザーが艦隊に帰国の準備をするよう命令したことを示唆していた。 ベートマンは艦隊の帰還命令を控えてほしいと懇願した。 予想されていたように、イギリス海軍は予期せぬ措置を講じなかった。 カイザーは激怒した。 彼はベートマンの電報は「前代未聞」で「信じられないほど生意気」だと考えている。 彼はベオグラードでの動員に基づいて命令を下した。「私の艦隊はキールへ出航するよう命じられており、そこへ向かうことになる！」 北海 ベートマンからの、彼とイギリスがロシアを紛争から遠ざけるために紛争の局地化に取り組んでいるというニュースは、カイザーとそのスタッフに楽観的な見通しを与えた。 カイザーは次の休暇の場所に行くことについても話していた。 カイザーは、彼の余白の走り書きを続けていた。それは、グレイのコメントに関しての急送についてであった。すなわち、オーストリア＝ハンガリーの最後通牒を受け入れた国は独立国家ではなくなる、「セルビアはヨーロッパの意味での国家ではなく、要は強盗団だ」というものだった。彼はグレイが提案した四大勢力の調停に参加する気はなかった。 ＜26日ロシア＞ 朝 サゾノフはツァールスコエ・セローからサンクトペテルブルク行きの電車の中で偶然プルタレスに出会った。 二人ともツァールスコエ・セローの近くに別荘を持っていたのである。 サゾノフは、ロシアには平和的意図があり、オーストリア＝ハンガリー帝国に正当な満足をもたらす手段を見つける用意があることを示唆した。 彼らは調停の選択肢について話し合った。 プルタレスは、ウィーンの立場を多少修正する必要があるとしても、ロシアとオーストリア・ハンガリー間の直接交渉を提案していた。 サゾノフは、バルカン半島における勢力均衡はロシアにとって極めて重要な利益であり、ロシアはセルビアをオーストリアの属国に貶めることを容認できないと述べた。 午後 プルタレスからの言葉に従って、ザパリはサゾノフに会いに行き、二人はより友好的な雰囲気で会った。 サゾノフは、オーストリア＝ハンガリーの目的は正当だが、安全に遂行されていないと考えていた。 彼はセルビアに対する最後通告を見直したいと考えていた。ザパリは喜んでこれに応じたが、最後通牒を超えて行動するよう政府から指示はないことをサゾノフに念を押した。 彼らは最後通牒を逐一研究した。 サゾノフは、多くの点はわずかな修正で受け入れられる可能性があると考えていると述べた。ザパリは、サゾノフの見解をウィーンに報告すると述べた。 午後 プルタレスは、最後通牒は容認される可能性がある、というサンクトペテルブルクでの見解を、ベルリンに報告した。 ウィーンが要求を修正した場合、オーストリア・ハンガリーとロシアの間で直接協議が行われるべきであり、それが成功すれば、サンクトペテルブルクはベオグラードに修正文書を受け入れるよう「助言」する用意があるだろう。 プルタレスは、サゾノフの友好的な態度はパリとロンドンからのニュースの結果であるという印象を持っていると付け加えた。 だが彼は間違っていた（origin　p407）。 午後 サゾノフはウィーンのロシア大使館に電報を送り、ウィーン政府がザパリに「最後通牒の一部条項の共同修正」に向けた交渉を開始する権限を与えるよう提案した。 夕方 ドイツの武官エッゲリング少佐はプルタレスに対し、「キエフとオデッサで命令されたある種の動員がなされたと考えている。ワルシャワとモスクワも疑わしいが、残りはおそらくまだだ」と考えている、とベルリンに伝えるよう要請した。 夕方遅く プルタレスはサゾノフに会い、ドイツに対するロシアの軍事措置は簡単にドイツの対抗措置を呼び起こす可能性があるとベルリンから警告するよう告げた。 サゾノフは驚愕した。 彼はプルタレスを安心させようとし、オーストリア・ハンガリー帝国がロシアに対して敵対的な態度を取った場合にのみ、動員が命令されると告げた。 彼はまた、ザパリとの満足のいく会談についても話した。 その後 サゾノフはスホムリノフに、さらなる保証を与えるためにドイツの武官に会うことを依頼した。 ＜26日オーストリア＞ 昼休み ベルヒトルトは、解決を求める外交的圧力を避けるために、ウィーンは直ちにセルビアに宣戦布告すべきであるとベルリンは考えているとのセジェーニからの電報を目にした。ベルヒトルトはコンラッドを呼び、できるだけ早く宣戦布告したいと言った。 コンラッドは8月12日に動員が完了し、軍事作戦を開始できるまで待つことを望んでいた。 ベルヒトルトは、外交状況はそれほど長く待てないと考えていた。 コンラッドはまた、軍隊を投入する前にロシアの態度をよりよく理解したいと考えていた。 最終的な決定は下されていないが、宣戦布告の準備が整えられていった。 [もっと] 午後 ベルヒトルトはギースルに会い、国交断絶は決して戦争ではないと告げた。 オーストリア＝ハンガリーがおそらく無防備なベオグラード占領を含む限定的な軍事示威を行った後で、セルビアが最後通牒を無条件で受け入れる可能性があった。 ベルヒトルトにとって早期の宣戦布告は、セルビアに対する圧力を強め、ドイツに決意を示す一つの方法に過ぎなかった。 午後4時30分 ベルリン、ローマ、ロンドン、パリの大使らに電報が送られ、オーストリア・ハンガリー両国は「最も鋭い手段でセルビアに対して態度を根本的に変える必要性」に直面しているため、戦争が差し迫っていると伝えられた。（origin p386）