1914年7月28日各国時系列

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＜ドイツ＞ 早朝、ポツダム カイザーはセルビアからの最後通牒の返答のコピーを入手。 彼は、これはウィーンにとって偉大な道徳的勝利であり、これによって戦争を引き起こすあらゆる原因がなくなると考えた。 個々の点に関してセルビアが留保しているいくつかの点は交渉によって解決できる、と。 カイザーは、セルビア人が約束を実行するまで、オーストリアはベオグラードを保証として受け取るべきだと考えている。 これは「ベオグラードでの停止"halt in Belgrade"」提案として知られるようになる。 カイザーはヤーゴに、こうしたの見解をオーストリアに伝えるべきであるとのメモを送った。 朝 ベートマンとヤゴフはドイツ帝国の連合政府に回覧を送り、セルビアの返答は誠意に基づいて行われたものではなく（カイザーと正反対の解釈）、オーストリア＝ハンガリーには選択の余地がないと宣言した 「しかし、強い圧力を用いるか、必要であれば軍事的手段に訴えることによってその要求を強制することになる。」（英国が中立を保つという前提があった） 昼食時 カイザーのメモはベルリンに届いたが、夕方まで実行されなかった。 午後3時20分 ベートマンは、ロシアがオーストリア・ハンガリーに対して動員する場合には、ドイツが動員をしてロシアを脅かすという、ロシアに対するウィーンの初めての要請に応じたが、なおかつベートマンは、ロシアの軍事的措置に関する噂はまだ確認されておらず、軍事的対抗措置でロシアを脅すのは時期尚早だと述べた。 午後3時45分 リヒノフスキーからメッセージが届く。 リヒノフスキーはロンドンのオーストリア・ハンガリー大使館のメンスドルフとそのスタッフから、オーストリア・ハンガリーは他のバルカン諸国の間でセルビアを分割し、セルビアをオーストリア・ハンガリーの属国にするつもりだと聞かされたという。 7月危機が始まって以来、ドイツは他国に対し、オーストリア・ハンガリー帝国にはセルビアに関して領土的野心がないと主張してきたのだが。 午後4時 ドイツの軍事諜報機関は、オーストリア・ハンガリーに対するロシアの部分的な動員が、オデッサとキエフの2つの軍管区で進行中であると報告した。 しかし、ドイツとの国境を含む全土で「戦争準備期間」が実施されていた。 夕、ポツダム カイザーはヘンリー王子から、2日前にジョージ国王と会談したことを報告する手紙を受け取る。 カイザーは、ジョージ国王がオーストリアとセルビアの間の戦争を局地化するためにジョージ国王と英国政府が「あらゆる手段を講じる」と保証してくれたと述べた。 ジョージ国王は、ヨーロッパが大規模な戦争に近づいており、英国は戦争を阻止しようとするだろうと考えている。 午後6時39分 オーストリア＝ハンガリーのセルビアに対する宣戦布告の知らせがベルリンに届く。 夜 ベートマンはポツダムのカイザーに対し、ツァーリに個人的なメッセージを送ることを提案する手紙を書いた。 そうなれば、ドイツがオーストリア・ハンガリーとロシアの直接協議を支持していることが明らかになっただろうから。 彼は「この種の電報は、もし戦争が起こった場合、ロシアの罪に最も強い光を当てることになるだろう」と述べている。 これは、ドイツとロシア皇帝の間の一連の電報の中でカイザーからの最初のものとなった。 午後10時15分 ついにベートマンは、カイザーの「ベオグラードでの停止」提案を彼なりの解釈で行動を起こした。 彼はウィーンにいるチルシキーに電報を送り（電報174号）、まずセルビアに対する真の意図に関するウィーンからの情報が不足していると不満を述べた。 ドイツでは現在、セルビアの回答はオーストリアからの要求をほぼ満たしていると解釈しており、もしもオーストリア・ハンガリー帝国が妥協のない態度を続ければ、ドイツ国民の目から見ても世界大戦の責任を問われることになるだろう。 いかなる戦争の責任もロシアにあるべきはずであるのに。 ベートマンは、セルビアがオーストリア＝ハンガリーの要求に確実に従うようにするために、ウィーンにとって軍事準備がベオグラードの一時占領だけを目的としていると明確にすることが重要だと述べた。 駐墺ドイツ大使チルシキーはベルヒトルトとこの件について話し合うが、ドイツがオーストリアを引き留めよう(hold back)としているという印象を与えないよう指示された。 「ベオグラードでの停止"halt in Belgrade" 」が正しい政策であり、もはや戦争は不要であるというカイザーが強調した見解を、彼は（オーストリアには）伝えていなかった。 ＜オーストリア＞ Morning 7月25日に合意されたオーストリア＝ハンガリーの部分動員プランBが始まる。 オーストリア・ハンガリー軍の約5分の2はセルビアとの国境沿いの南に展開される予定だ。 予備軍１個軍団も動員されている。 ロシアに介入する理由を与えないために、ロシアとの国境沿いの北部では軍事準備は行われていない。 AM11時直前 Bad Ischl 84歳のフランツ・ヨーゼフ皇帝がセルビアに対する宣戦布告書に署名。 正午過ぎに宣言がニッシュに電報で送られる。 Ｌａｔｅ Morning 駐墺英国大使モーリス・ド・ブンゼン卿がベルヒトルトを訪ねる。 同氏は、セルビア政府がウィーンの要求に応えるために長い道のりを歩んできたので、グレイが提案した4カ国がオーストリア・ハンガリー帝国が受け入れられる解決策を考案することは可能かもしれないと述べた。 ベルヒトルトは,オーストリア・ハンガリーが軍事準備を遅らせることはできないと明言し、宣戦布告の可能性をほのめかした。 同氏は、より広範な欧州への影響は認識しているが、地域紛争を欧州危機に変えるのはロシアの介入だけだと述べた。 Ｌａｔｅ Morning チルシキーはベルヒトルトに、オーストリア・ハンガリー両国が、三国同盟に基づいてイタリアの領土補償を申し出るよう要請した。 イタリアが三国同盟を支持しない場合、ドイツの軍事計画が混乱することになったからである。 ベルヒトルトは、たとえ一時的であってもオーストリア＝ハンガリー帝国がバルカン半島の一部を占領した場合、イタリア政府と協議すると述べた。 イタリアはイタリア語を話すトレンティーノを帝国から迎え入れたいと考えているが、オーストリア＝ハンガリーはそれに完全に反対していた。 Afternoon ベルヒトルトは、ウィーンが宣戦布告する前に両国間の直接対話を提案するサゾノフの提案について議論したくなかったために意図的に避けていた、駐墺ロシア大使シェベコに会う。 ベルヒトルトはシェベコに対し、オーストリア・ハンガリー両国はセルビアの返答についていかなる交渉も拒否しており、セルビアの返答はすでに満足のいくものではないと拒否されていると語った。 ベルヒトルトは、セルビア側の回答が交渉の基礎となるというグレイの提案について考慮していた。 それはロシアが提案していることではなかった。 ロシアの提案は、サゾノフと駐露オーストリア大使ザパリがオーストリアのもともとの最後通牒を見直し、セルビアが無条件で受け入れられるようにするというものだった。 Afternoon 駐墺ロシア大使シェベコはサゾノフに対し、オーストリア＝ハンガリーは「最後通牒の協議に入ることはできない」と報告し、混乱をさらに悪化させた。サゾノフは、これはオーストリア＝ハンガリーとロシアとの直接対話の完全な拒否を意味すると解釈した。 Afternoon オーストリアの指導者らは、セルビアへの宣戦布告後の軍事情勢について話し合った。 ベルヒトルトは、オーストリア軍がセルビアを攻撃した場合、ロシアと戦争となってしまうかどうかを質問した。 ベルヒトルトがこのように尋ねたことは、彼が、宣戦布告がセルビアに対する圧力を高めることを目的とした外交的措置であり、軍事的な意味合いは持たないと考えていたからである。 （だが）それは悲惨な誤りであり、宣戦布告がサンクトペテルブルクに与える影響を無視していた。 コンラッドは、28日に部分動員が始まったことを会議で告げ、予備兵力をどこに送るかを決定するためにロシアとの戦争が起こるかどうかを8月1日までに知る必要があると述べた。 Afternoon 彼らは再びドイツに助けを求めた。 彼らは、オーストリア・ハンガリー帝国が対セルビア作戦に従事しているのであれば、たとえロシアがオーストリア・ハンガリー帝国に対してのみ動員するとしても、ドイツも動員すべきであると信じていた。 そしてたとえそのことが欧州戦争を惹起したとしても。 彼らは、遅くとも8月1日までに、これらの方針に沿って、ドイツがロシアに対して「友好的なメッセージ」を出すことを検討するよう、駐独オーストリア大使セジェーニに電報を打った。 Evening 駐墺ドイツ大使チルシキーは最終的に、ベルリンがウィーンで調停するというグレイの提案と、直接会談を望むサゾノフの願望について、ベルヒトルトの意見を求める27日月曜夜のベートマンの電報に応じた。 ベルヒトルトは、英国の動きは遅すぎると考えていたが、すぐにチルシキに意見を聞かせると述べた。 ベルヒトルトは、セルビアはすでに敵意を丸出しにしていると主張していた。 ベルヒトルトはまた、ベルリンがウィーンに転送する可能性のある英国の提案に関してヤーゴにメッセージを送ってくれたことに感謝するよう、駐独オーストリア大使セジェーニに依頼した。 ＜ロシア＞ Morning ウィーンが直接対話の提案に応じなかったため、サゾノフは心配し機嫌が悪かった。 駐露英国大使ブキャナンは彼を訪ね、セルビアの独立と統一に関するウィーンの保証をロシアが受け入れるかどうか尋ねた。 サゾノフは「オーストリアがこれら2点に関していかなる関与もロシアを満足させるものではない」と述べた。 彼はブキャナンに対し、オーストリア・ハンガリー軍がセルビア国境を越えたらロシアが出動するだろうと告げた。（Mc Meekin JULY1914　Count down to war　p247） Morning サゾノフはプルタレスに会い、彼が戦争を引き起こすオーストリア・ハンガリーとドイツの共同陰謀に加わっていると怒って非難した。 プルタレスは会議から退席したが、後で戻ってきた。 サゾノフは、セルビアの返答はウィーンにとって望むすべてを与えてくれたと述べた。 それが（オーストリアに）受け入れられなかった場合、それは単にオーストリア＝ハンガリーが戦争を望んでいることを証明することになった。 プルタレスは、ロシアの軍事準備が前日の保証で述べられていたよりもはるかに進んでいるとの報告があると述べた。 Morning サゾノフは、駐露オーストリア大使ザパリに会ったが、彼が望んでいた,最後通牒をめぐる話し合いについてのウィーンからの指示はまだなかった。 駐露オーストリア大使ザパリは、（オーストリアは）セルビア領土を併合しないとの誓約を繰り返した。 サゾノフはまた、暗殺におけるセルビアの共謀に関するオーストリア・ハンガリー政府からの完全な文書の閲覧を求めていた。 駐露オーストリア大使ザパリはウィーンに、サゾノフは、藁にもすがる思いで、セルビアを属国に貶めるべきではないというロシアの利益を強調した、と報告した。 午後3時 サゾノフはブキャナンに会った（Mc Meekin JULY1914　Count down to war　p247）。 サゾノフは、ロシアは決して,セルビア独立に関するオーストリア・ハンガリーの声明（宣戦布告）に満足していない、と述べた。 危機のさらなる拡大を防ぐためにロシアは何をするだろうかとのブキャナンの質問に答えて、サゾノフは、戦争を回避する唯一の方法はイギリスがロシアとフランスの側につくと言う事だと述べた。 そうすれば必要な抑止効果が得られるだろう。 ブキャナンはロシアに対し、ドイツを刺激して軍事準備をさせるような措置を自制するよう求めた。 午後4時頃 サンクトペテルブルクはオーストリア・ハンガリー帝国のセルビアに対する宣戦布告を聞いた。 サンクトペテルブルク オーストリア＝ハンガリー帝国の動員規模に関する軍事情報がロシア軍参謀本部に警戒感を与えた。 その規模は、オーストリア・ハンガリー帝国がセルビアに侵攻して制圧するために必要と彼らが計算した兵力よりも大きかった。 オーストリア・ハンガリー帝国は、北部国境におけるロシアの脅威を防ぐ準備をしなければならなかったからだ。 その後 パレオローグはサゾノフを訪ねた。 パレオローグは、前日のポアンカレとヴィヴィアーニのメッセージの全文を伝えておらず、両国が「全体の平和の利益のために」解決策に協力しているという部分が省略されていた。 彼はサゾノフに対し、「フランスが必要な場合に同盟国としての義務を果たす完全な用意がある」と語った（Mc Meekin JULY1914　Count down to war　p247）。 その後 サゾノフはヤヌシケビッチ将軍と話し、彼は軍の同僚のアドバイスに従い、唯一の実行可能な選択肢として総動員を強く主張した。 サゾノフは問題を理解していたが、依然として、ウィーンに圧力をかける手段として部分的な動員に傾いていた。 サゾノフは皇帝に会いに出発した。 午後6時　Peterhof サゾーノフは、オーストリア＝ハンガリーの対セルビア宣戦布告についてツァーリに話した。 また彼は動員問題について説明し、部分動員用と全体動員用の2つの命令を用意し、どちらを使用するかは最近の情勢を踏まえて、最後の瞬間に委ねられるようにすることを提案している。 ツァーリはこれに同意し、さらに翌日7月29日水曜日の部分動員の宣言に同意した。 ツァーリのさらなる承認がなければ、最終的には何も決定されなかったのだ。 ツァーリとサゾノフは部分動員の発表の効果を確認したいと考えていた。 After return from Peterhof サゾーノフはベルリンに電報を送り、ウィーン、パリ、ロンドン、ローマに繰り返し次のように電報を送った。「オーストリアによるセルビアに対する宣戦布告の結果、我々は明日（7月29日）、オデッサ、キエフ、モスクワ、カザンの地区への動員を宣言する。このことをドイツ政府に知らせ、ロシア側には、ドイツを攻撃する意図がないことを強調せよ。」 After return from Peterhof サゾーノフはさらに、駐英ロシア大使ベンケンドルフに電報で次のように述べた。「イギリスは調停を視野に入れてあらゆる行動をとっており、したがってオーストリアは、ただちにセルビアに対する軍事措置を停止する必要がある。そうでなければ、調停は問題の決定を遅らせる口実を与えるだけとなり、その間にオーストリアがセルビアを完全に殲滅することが可能になってしまうだろう。」 （Mc Meekin JULY1914　Count down to war　p245） 午前1時 サゾーノフの提案により、ツァーリは同盟国であるオーストリア＝ハンガリーの行き過ぎを阻止することでヨーロッパ戦争の惨禍を回避するようカイザーに電報を打った。 [N1] 翌日午前7時20分 ヤヌシケビッチは自らの発案で、ロシア全軍管区の司令官に電報を送り、7月30日に総動員が命じられるとの事前警告を与えた。 このようなメッセージは、ロシア軍がドイツと同様に文民指導者からいかに独立しているかを示していた（シビリアンコントロールの不良）。