TUDAR　MUSIC9

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Choral and Instrumental Pitch in Church Music 1570-1620 ｐ１３ この記事の出発点は、この15年間に渡って、この期間の音楽における歌手であり器楽奏者である私の経験である。特に、私はBrompton Oratoryの聖歌隊でJohn Hobanの指導の下で歌っていた。そこではルネサンスの様々な神聖な音楽が演奏されている。私はプレーヤーとして当時の管楽器の大部分に慣れ親しんできた。そして個人的な経験が欠けていたところで、私はロンドンと海外の他のミュージシャンの寛大な援助とアドバイスから恩恵を受けた。 現代の混声合唱団にとって最も快適なピッチは、現代の証拠によって示されているピッチ、特に現存する楽器のピッチからそれほど離れていないことを実証することを私は意図している。 　この論文のエッセンスは、choir pitchがchamber pitchより低かったことを、Praetoriusから受け入れることにおいて誤っているということである。教会音楽に関わっていた楽器は、Praetoriusが暗示しているようなピッチでは演奏できなかった。 1610年のモンテヴェルディのVespersの演奏ピッチに関する長期にわたる議論の解決につながる、high church pitch の意味が調査されている。 　現代の聖歌隊が、少なくともさまざまな音楽の相対的なピッチを確立できることを明確にすることが、まず、重要である。 これはもちろん、合唱団が国ごとに歌う方法に根本的な違いがなかったと仮定している。 教会音楽に共通の音域があったという仮定のもとで、ピッチが場所によって異なっていたという発想で混乱すべきではない 。 考慮しなければならない2つ目の要因は、教会音楽の多くが楽器、特にコルネットやサックバットを伴っていたという仮定である。 16世紀から17世紀にかけて、ヨーロッパ全土の教会で使われてきた楽器に関する現存の文学的および芸術的記録は非常に多いので、この文脈でそれを主張するのは適切ではないと思われる。 私は現存楽器のピッチ、特に最小の変動を可能にするもの、そしてまた様々な楽器の技術的限界のピッチに対する意味についての何らかの考えを与えるためにいくつかの表示を試みるつもりである。 　表を使って、この時期の音楽のさまざまな癖を説明するのが最も簡単であろう。もちろん、それは包括的なものではない。なぜなら私は当時の多くの音楽に精通しているが、常にグレイな部分があるからである。 p１４ 私は一番下のバスの音符から一番上の音符までの3オクターブの範囲内にある音楽に限り、そして男声または高い声だけで演奏することができるより狭い範囲のために書かれた音楽を除外する。リストの任意性を守るために、特に聖歌隊が一定の音域に慣れてきたとき、聖歌隊はわずかな変化にかなり敏感になることがあると言わなければならない。 Brompton Oratoryで、John Hoban は常に、聖歌隊が譜面とは異なるピッチで歌う準備をしなければならないと主張してきた。このやり方の結果として、さまざまなソースや時代の作品で同じ効果を達成するのに必要な移調にパターンが現れることが明らかになった。 音楽の種類を定義する際に、私は音楽が低い音部記号のどこにあるかを示した。すなわち、 ソプラノ（Ｃ１） アルト（Ｃ３） テノール（Ｃ４） バス（Ｆ４） である。 高い音部記号は トレブル（G2）、 メゾソプラノ（C2）、 アルト（C3）、 テノール（C4）、 バリトン（F3） となる。 同じタイプと起源の音楽では、高低の音部記号は四度の間隔で設定されている。ただし、17世紀初頭のイタリアの音楽はその間隔がわずか短三度で例外である。この違いを受け入れるための有益な手段と学術的理由があることを示すことは、この論文の目的の一つである。 表１ a'=440Hz前後の半音順の教会音楽のためにBrompton Oratoryで使われた相対的ピッチ。 　表1から、当時の教会音楽に一定の音域が採用されていた場合に使用されていたはずの広範囲のピッチがわかる。 ｐ１５ 四度離れで設定されているピッチの2つの主要なグループがある。下のグループ（a '+ 2とa'-3）は、上のグループ（a' + 3とa'-2）の半音下である。 オルガンピッチのソースには四度の差があるという多くの証拠がある。それが高い音部記号であるとき、しばしばオルガンパートに対して、ad quartam inferiorem（四度下に）という指示がある。ピッチがこのパターンに適合しない領域は、a '+ 1グループである。このグループの音楽は、時々特殊の楽器を特定するオブリガートパートを含むことが多いので、絶対的なピッチを決定するのに最も役に立つ。 　EX1は、a '+ 3、a' + 1およびa'-2グループ間の音域の違いを説明するための声域の例を示している。低い音部記号で設定されたビクトリアの Missa Laetatus は、1610年のモンテヴェルディのVespersからのDixit Dominus と比較することができる。また、低音部記号には、1641年のモンテヴェルディの Selva Morale からの Memento a 8 voci da Capellaがある。 Dixit Dominus は、ソロのような音楽のクオリティに由来する、より広い声域を持っているが、Mementoでは、ビクトリアに関する声部の声域での明確なトーンの違いを見ることができる。 　EX.2は、高い音部記号での音楽の比較である。曲目は、ヴィクトリアのMissaSalve、VesperからのLauda Jerusalem,そしてSelva MoraleからのMagnificat a 4 voci in genere da capellaである。 こうした密接な相互関係は、それらが異なったピッチで演奏されたことはあり得ない、ということを示している。使用されたピッチの相対的位置を受け入れれば、モンテヴェルディの低い音部記号の音楽は、実際、a' + 1で演奏された証拠があれば、その他の相対的なピッチが以下のようになるであろうことは明白である。すなわち、ヴィクトリアの低い音部記号の音楽に対しては高いa '+ 3のピッチに、そして、両方のタイプの高い音部記号の音楽に対しては共通のa'-2のピッチに。 　Vespersの低音部記号作品のオブリガートコルネット部分の音域は、演奏される可能性があるピッチが1つしかないことを示している。つまり、Gの典型的な楽器であり、より低い６穴の音符としてのaを伴う。当時の楽器の精査を通したピッチを確立することができれば、他のより高いかつ低いピッチが続くべきである。 ｐ２３ 鍵盤楽器 この時期のヨーロッパでのオルガンのピッチやその変異についてはかなりの議論がある。そのような複雑な問題に対処することは、この短い論文の扱うところではないが、古いオルガンの精査と本物の仕様へのパイプの再現を試みることが不正確な結果を生む可能性があるのには、おそらくいくつかの理由がある。 最初に、オルガンが地域で作られ、調律されたという事実を考慮する必要がある。オルガン調律者は、、教会が使った管楽器の調律、あるいはStadtpfeifferや（祭りなどのために教会で雇われていた）待機者の調律を守らなければならなかったであろう。 管楽器は、ヨーロッパのさまざまな都市、特にニュルンベルクの金管楽器やヴェネツィアのリコーダーとコルネットで作られた。木管楽器は一つの固い塊りで作られていて、ほとんど再調律を要しなかったことだろう。 木管楽器作者の保守性や半音の何分の一かではあっても楽器のピッチが変わることに伴う技術的な困難さは、オルガン調律者にとっては、他の方法よりも、楽器奏者とマッチすることの方がより容易であったことを意味するであろう。 Praetoriusは、すべての調子で確実に演奏できるように、一度にすべてのリコーダーを購入することを勧めたが、壊れた楽器や紛失した楽器を交換したい場合は、常に音楽家グループが直面する問題を考慮する必要がある。 チューニングフォークの前の日に、標準とは異なるピッチへの置き換えを指定することは不可能だろう。ピッチ標準の国際的な性質は、1549年にグアテマラ大聖堂用の一連のリコーダーへの順序によって最も根本的に実証されている。 　ただし、Ephraim Segermanによる最近の2つの論文は、表1のモデルを支持するかもしれない。Ephraim Segermanは、１６６５年のナタナエル・トムキンズの書き物を引用している。彼は、1614年にウィンチェスター大聖堂に建てられた父親のトーマス・トムキンズのオルガンについて書いている。そのオルガンは、「長さ10フィートのオープンパイプ」を持っていて、「そのピッチは F fa ut の2倍下になる。（訳注；下図参照）」 http://machikun.la.coocan.jp/musicandreform111.htm 通常、イギリスのオルガン契約では後者のシステム、つまりCには10 'パイプ、cには5'パイプを使用していたことが明らかである。したがって、トムキンズのオルガンは四度低く（または1オクターブで移調されていた場合は五度高く）調律されていたようである。 Segermanは、オルガニストが、' quire pitch 'や10フィートピッチ上の五度だけでなく、四度上、あるいは の5分の1のピッチで指を鳴らすだけでなく、これら2つの基本的な指の上下でも演奏できたに違いないと説明します。これにより、オルガニストは、初見で、4つの異なるピッチで演奏することを余儀なくされていたことになる。すなわち、低い10フィート、一音高く、四度高く、そして五度高い' quire pitch 'である。 結論 結論として、16世紀から17世紀の初めまでの教会音楽のピッチは、およそ半音離れた2つのピッチに基づく2つのシステムを含んでいたことがわかる。 コレクションで現存しているリコーダーやコルネットのピッチが高いほど、全音に近くなり、現代のピッチより半音低くなった。 これらのピッチは、多くの現存のトロンボーンの最初の閉じた位置によっても一致している。ヨーロッパのいくつかの地域では、高いピッチは、a '+ 2で低音部記号の音楽に使用されていたが、ヴェローナでのようなコレクションからわかるように、多くのプレーヤーは両方のピッチで楽器にアクセスした。