Mozart's Requiem1（Simon P. Keefe)
4　Mozart's work ontheRequiem: sounds and strategies

レクイエムの伝説とレクイエムの音楽は、自筆譜の素材において、鋭く、強く、交わっている。神話とリアリティは、残酷に、美しく、奇妙に衝突する。モーツァルトの手によるLacrymosaでの突然の終焉とEyblerによる２小節の中断。Hostiasでの漸減的な終焉。'quam olim Dacapo'の指示と続く空白のページ。セクエンツィアにおけるモーツァルトとアイブラーの協力。Walseggに用意されたKyrieのフーガとDies iraeの間の突然のモーツァルトの手による突然の3ページに及ぶ空白。

多くの聴衆もまた、その存在を感じている。Walseggの弁護士のオフィスで書かれたセクエンツィアにおけるモーツァルトとアイブラーの手稿を区別するペンの記入において。1（Wolf Mozart's Requiem pp21,164-5)　そして、1958年のブリュッセルにおけるワールドフェアの間に、右下の'quam olim d: C:'がモーツァルトが生涯に書いた最後の音だと疑うことなく信じた見知らぬ熱狂者によって破られたHostiasの最後のページの縁に（その破れは上品なものである。ただの１小節でさえ影響がない。破くにあたって、あたかも、モーツァルトのスコアに深い敬意を示しているかのように）。

自筆譜の素材は、モーツァルトの手によるイントロイトとキリエから成り立っており、残りはジュスマイヤーの手によるものである（キリエの器楽部分を除き、その他は不明な人物による）。セクエンツィアは、モーツァルトとアイブラーの部分的完成である。Domine JesuとHostiasはモーツァルトだけの手になるものであり、第７小節以降のRex　tremendaeのスケッチがあり、Amenフーガのはじめのためのものは、Lacrymosaのためのものとされている。2 レクイエムのために書かれたこうした素材を熟読することは、しばしば、非常に激しい体験となる。

2　L.Nowakは、Kyrieの器楽部分は、Jacob Freystadlerが書いた、と提案している。しかしこの説は疑問視されている。Maunder Mozat Requiem p125-9

　レクイエムの自筆譜は、ある意味、 Tintern Fountains、Furnessの各修道院の美しさである。これらの修道院を訪問すると、そこにあるものに驚き、ないものを想像する。両方の内面の美しさは、瞑想によって明らかにされる。もっとも情報のある学者に対してさえ、多くは隠されている。しかしモーツァルトによって残されたレクイエムの自筆譜は、シトー派の遺跡が死によって中断されたその断片的な状態によって妨げられるのではなく、そして、おそらく、人間の介入や怠慢（そして悪天候）に邪魔されるのではなく、むしろ増強されているかもしれない何かを私たちに提供している。自筆譜は、作品の存在の不完全な段階で、創造者の世界を彼の思考プロセス、優先順位、戦略に至るまで洞察している。

モーツァルトによって完成されたキリエ、セクエンツィア（Lacrymosaの第８小節まで）、オッフェルトリウムのための声部やバスラインとともに、それは、Sequence や Offertoryにおける弦楽器や管楽器に対する彼の断片的な器楽への指示である。すでにわかっているように、 Introitのさまざまなインクの色は、モーツァルトが、それを完成させるために戻って書いたものから、その起源の最初の段階を区別することを可能にする。こうした指示のインパクトは、Domine Jesuのように、視覚的にも聴覚的にも注目すべきことである。モーツァルトのスコアの下三分の一に集中する声部と器楽のバスラインのみの７ページ分の後、pパッセージ句が引き伸ばされた後、f記号付きで2小節半にわたる第１ヴァイオリンパートが、雷鳴のように、先立つ物体から離れた音の世界のように、ページのトップに出現する（下譜）4。

自筆譜。Domine Jesu 第42－46小節

4

ヴァイオリンの急激な飛躍と鋭い跳躍は、’in lucem sanctam'の終わりから 'Quam olim Abrahae'、fugue（bars 43-4）への連結として作用する。そして直接、フーガの伴奏のための音調となる。それは、第４３小節で始まったようにすばやく、第４６小節で終わる。モーツァルトはおそらく、楽章を完成させてスコアに戻ったときに、それをどのように続けるのかを覚えておくために、この部分を書いておいたのだろう。もっとも客観的な指向をしたモーツァルト学者のThomas Bauman は、基本的に保守的な集団が音とイメージの組み合わせによって心動かされないことはない、としている。必ずしもモーツァルトの「信仰を弱体化させ、ここで恐怖に直面する」必要はなく、あるいは、ヴァイオリンパートが「この楽章のオーケストラでは絶対的に言われなければならなかったことだった」最初のことを示しているとは言えない。しかし、彼は私たちに魅力的で緊急で爆発的な音を与える。

Confutatisの第６小節は、特に、Confutatis maledictis'と 'Voca me' passagesのコントラストの強い接合部に位置している（（Example 4.2））割には、音響的にはそれほど目立つことはない（しかし、モーツァルトの自筆譜へのEyblerの補筆に惑わされるが）。テノールとバスの声部が、第６小節でフレーズの最後まで大声で続き、２拍目でE音のユニゾン上で終止する。チェロとコントラバスは、同じ拍子と同じ音高で「Voca me」のpへのリンクを4音符で開始する。フォルテとピアノとが直接並置している。

Confutatis 第6小節～

無論、フォルテからピアノへのエントリや並置がオーバーラップすることは、モーツアルトの声楽や器楽作品では珍しいことではない。。しかし、ここではより珍しく、、次のフレーズの最初ではなく、テノールとバスの存在とリードインの最初との間でオーバーラップがある。モーツァルトが小音量の声楽や楽器でE音上に楽器を追加しようとしていたのかどうかは分からないが、彼は大きな声楽に対して、器楽のpianoで十分に聞こえると思っていたに違いない。それゆえに、モーツァルトが意図した "Voca me"への単純なリードインは、Eyblerには受け入れられても、Sussmayrには反駁されたのであり、2拍のフォルテとピアノが単純に並置することとなったのである。モーツァルトがそれによって意図した効果と彼がそれを加えたかどうかの効果のミステリーは魅力的である。完成時にどのように最終的な響きが彼によって実現されたかにかかわらず、モーツァルトがこの接合部で効果を創出したいと欲したという事実は重要である。

アイブラー版

ジュスマイヤー版

p111
　我々は、18世紀後半の文書から、そして彼のウィーン時代の作品の自筆譜スコアとの調整から、モーツァルトが個々の響き、音響効果、音に関連した環境、たいして目立たない内容においてさえ細心の注意を払っていたことを知っている。彼の姉のナンネルは、子供の頃、彼は完全にオーケストレーションされた音楽でさえ、その軽微な間違いに気づき、音楽作品の微妙なノイズにさえ怒りを覚えた、と記している。Niemetschekは、「彼の聞く能力は非常に繊細であり、彼は音における正確性の違いを理解していた。彼はわずかな間違いや大オーケストラの不調和にも気づき、使われた楽器も正確に示した。音楽中のおしゃべりやいたずらほど彼をいらだたせるものはなかった」と説明している。

　18世紀後半～19世紀の批評家たちは、Domine Jesuと Confutatisを例にとって、モーツァルトの響きの美学的貢献、音響効果、オーケストレーション、そしてオーケストラ効果を認めた。Niemetschekはモーツァルトは「楽器の性質や音域をもっとも鋭敏に判断」し、管楽器の効果を出すための併用技法において彼の能力は並ぶ者がない、と記している。モーツァルトがいかに管楽器を主題提示に参加させているか、いかにそれらを声楽とブレンドし、いかにコントラストを作り出しているかを賞賛し、彼は続ける「学期は決して無駄に使われることなく、間違って使われることも余分もない。モーツァルトは最小限の努力で、もっとも大きな効果を示す経済性を理解していた。しばしば楽器の単独音によって、和声、トランペットの吹奏、ドラムによって。

Ignaz Arnold（1803）は,Niemetschekの議論に直接的に基づいており、適切に配置された効果と単音効果のマジック（そして他の言い換えも）についてのNiemetschekの句を引用している。結果としての”楽器の節約”は、Arnold が全体の章に貢献し、ゆえに、モーツァルトの様式の基本的なインジケータとなっている。彼は言う。「モーツァルトはオーケストレーションの技術において並ぶもののないマスターであり、皆から学ばれるべきである。たとえば、”魔笛”の3人の少年のための音楽（（Zum Ziele fuehrt dich diese Bahn））の音は、賢明なアレンジであり、、正しく計算されたものである。

モーツァルトの個々の楽器の使い方は、以下のようである。

トランペットやティンパニのために。「我々はそれらを持ち込まなければならない場所は見つけられないが、他の人たちによって持ち込まれたかもしれない時期を見つける。そして、モーツァルトだけが、賢い倹約のために、それらを放棄する。」　オーボエは、アーノルドによると、特に誤用されやすい傾向にあるが、ごく少ない間違った音符でも、作品全体を破壊する。モーツァルトの効果は、「適切かつ賢明に経済的なソロ」のために、非常に成功である。たとえば、モーツァルトはc-b-b♭-a-a♭-g-f（in the Introduction of Don Giovanni）というソロオーボエで、死せる騎士団長の苦痛を描いている(下譜１）。それぞれの音符は心への新しい傷となる。レクイエムにおける節約的なオーケストレーションは、当然に以下のように賞賛される。「トランペットとティンパ二はいかに節約されていることか。そして、トロンボーンとの組み合わせにおいて、いかに恐るべき美しい効果があるか。特に、Dies iraeにおいて素晴らしい。そして、introitにおける最初の６小節の休止後で、トロンボーンがトランペットとティンパ二の始まりを予告すること（下譜２）が、いかに背筋が寒くなることか。18 Breitkopfの審査員Friedrich Rochlitzもまた、「Intoritの第７，８小節における３つの音符の力強い影響に際して、すぐれたトランペットとティンパニーの節約への賞賛を挙げた。

譜１

譜２

p113
　彼の本の中の他の場所で、Arnoldは、モーツァルトの伴奏書法についての章で、彼の「節約的オーケストレーション」の概念への賛意を求めた。Nemetschekを反映し、彼は、モーツァルトのオーケストラのレシタティーボの１つの単一の伴奏トランペットが、Don Giovanniの第１幕のDonna Annaの' Don Ottavio、son morta！ '第３－４小節、15－16小節を引用して、著名な効果を示したことを説明している。

ひとつの作品の彼の伴奏書法のあらゆる変化に対して、モーツァルトは「全体の統一」を妥協することはなく、伴奏形を目立たないように変え、新しいものが常に前のものからの自然な連続に見えるようにしている。モーツァルトの楽器伴奏は、いつでも、全体を支配する感情の精神を呼吸している。

　ArnoldのNemetschekの解説についての充当は、モーツァルトのオーケストレーションと楽器効果に関する彼の著作と彼の先人の発言との間のいくつかのリンクの中で最も顕著なものにすぎない。意図的にせよ、そうでないにせよ、Arnoldは過去の肯定的な議論を拡大し、是とはできない存在に出会う。”イドメネオ”、”後宮への逃走”、”ドンジョバンニ”といった多くのモーツァルトのオペラは、もともと器楽パートが”厚すぎる”、と批判されてきた。Arnoldの見解は、モーツァルトはオーケストラを厚すぎることはない、というもので、その理由は、楽器はそれが絶対に必要なところにしか使われていないから、ということである。

KniggeのDramaturgische Blatter（1788）にとっては、”後宮への逃走”におけるモーツァルトの管楽器がメロディーとハーモニーを複雑にしているが、最高のイタリアの作曲家が決して陥らない欠点は正確に織り込まれているので、それなしでは誰も幸福を想像もされず、 ”Don Giovanniと”皇帝ティトの慈悲”のスコアのフルパワー（Volkraftigkeit）は、ドイツとイタリアの残りの「薄さ」（ 'Magerheit'）のスコアよりも優れている。

Theater Zeitung fur Deutschland（1789）は、”後宮への逃走”はとても個性的であり、１回聴いただけでは、では訓練された耳でさえ完全には理解できないが、結果として... [繰り返し聴くごとに新しい魅力を生み出す]、と主張している。 Arnoldはさらに、モーツァルトの楽譜を購入して勉強するよう若い作曲家に強くアドバイスしている。「すべての中で、モーツァルト自身を見て、聞いて、感じなければならない。それは一度にすべて行われていない。巨大な豊かさは一目で分からない。訓練された目は、最初は美しさを逃すが、くりかえしの勉強で明らかになる。彼の伴奏は、熱心な勉強により、コメントすることが可能となる」　オーケストレーションの詳細へのArnoldの注目は、、この概念上の前提の実際的な実現である。

1791年初めの、Don Giovanniのベルリンでの初演についてのあいまいな記述について、Chronik von Berlin'は、劇場音楽においては「楽器の厚さではなく、心や感情、熱情が作曲家によって語られるべきである」、と報告している。さらに続けて、モーツァルトはこうした基準には適合しておらず、批評家は、彼は（預言的に）壮大な教会音楽を書くのに適している、と結論づけている。

対照的に、 Arnoldにとっては、モーツァルトは常に、楽器を、賢明かつ創造的であるだけでなく、情熱の表出（そして観客の表情に対する評価）への直接的な導管としても利用されている。騎士団長の死に際してのオーボエの旋律は、聴く者の胸を自然ときゅんとさせることとなり、死せる騎士団長の墓地への行動は、他の世界からの声を聞き、幽霊を信じる「聴衆に冷たい震え」を送る。

ｐ115
　以前のあまり公式化されなかった論議とともに音楽的詳細や前衛戦への密接な注目、instrumentationの問題についての長引いた考察のために、ArnoldのMozarts Geistは、モーツァルトのオーケストレーションの初期の受容における総括的なポイントを表している。それはモーツァルトのレクイエムの部分における音響効果にもとづいた、歴史的な再評価という価値観を強調し、解釈的枠組みを提供するものである。

Armoldは、楽器演奏が孤立しているのではなく、音楽素材やイヴェントを支え、取り巻く組み合わせにおいて聞いた時に、楽器演奏が成功することを明確にしている。位置や時間や内容が正しければ、楽器の１音符は、モーツァルトの偉大な効果のひとつである。レクイエムにおける楽器の効果は、一連の効果の一環として最もよく評価される。

したがって、Armoldが築いた歴史的、理論的、審美的な基礎は、レクイエムにおける楽器効果を、「節約的な」瞬間やオーケストレーション自体の特徴として、そして周囲の素材や出来事の中で理解することを奨励する。低頻度かつ節約のおかげで、Sequence や Offertoryにおけるモーツァルトの器楽の使い方は、特に、こうした効果を研究するための適当な材料を供給する。

　モーツァルトが声楽音楽において戦略的に配備された音や効果を意図しているのは、オーケストレーション（さらに再オーケストレーション）が彼の主要な仕事である作品、すなわち van Swieten男爵からの依頼による編曲、Handel's Acis and Galatea（K.566,1788）、メサイア（K. 572,1789）、Alexander's Feast（K。 591,1790）と聖セシリアのオード（K. 592、1790）によって示されている。　例えば、Acis and Galateaでは、モーツァルトがヘンデルのオーケストレーションを編曲することは、へンデルよりも多くの管楽器を補完することになり、その結果、より多くの楽器の音色をより幅広く勢ぞろいさせる。デュエットNo. 7 （「Wohl uns」）と合唱Nos.8（「Wohl uns」）とNos.9（「Arme Hirten」）は、メサイアの「Every Valley」や「O Thou that Telleth Tionings to Zion」のようなケースである。

ヘンデル原典版

Musical strategies also underscore Mozart's instrumental decisions; he builds directly on Handel as well as on procedures he initiates himself。Thus、Poliphemus's aria No. 11（Fleh 'nicht mehr zur stolzen Schonheit'）follows Handel's scoring of two oboes and strings（with violas added)、but deploys the oboes more strategically、that is as semi-independent lines in transitions between vocal statements rather than as instruments doubling the violins at all times、thereby focusing colouristic use of the oboes on isolated segments of the aria.

音楽戦略はまた、モーツァルトの器楽的決定を強調する。彼は彼自身が始める手順だけでなく、ヘンデルに直接つながる。したがって、PoliphemusのアリアNo.11（Fleh 'nicht mehr zur stolzen Schonheit'）は、ヘンデルの2つのオーボエと弦（ビオラを加えたもの）のスコアに従ったが、オーボエをより戦略的に用い、常なるヴァイオリンのお供としての存在以上に、それゆえに、オーボエをアリアの独立した部分に色彩的な使用を集中させて、声楽の間の間奏部分では半ば独立した存在となっている。

５６分０７秒より　No.11（Fleh 'nicht mehr zur stolzen Schonheit'）

In contrast、Acis's larghetto aria No. 3 (Wo、such 'ich sie, die Holde Nymph?）、expanding Handel's wind contingent from a single oboe to two oboes,two clarinets and two bassoons、introduces a new octave sustained-note figure for all winds（bars 1-3-5-7 and 13-15), and reintroduces it for the bassoon a few bars before the da capo（bars6l-2) both to fill a textural gap and to foreshadow the re-appearance of the material at the onset of the da capo; and Damon's Andante aria No. 4（ "Schafer、was suchst du so angstlich'）adds semi-obbligato bassoon parts that include links and new points of imitation throughout、lending new fluidity to the aria and providing dialogue with Handel's string lines。

対照的に、、Acisのlarghetto aria No. 3(Wo、such 'ich sie, die Holde Nymph?）は、管楽器が、ヘンデルのもともとのオーボエ１本から、2本のオーボエ、2本のクラリネット、2本のファゴットに拡大され、すべての木管楽器による新しいオクターブの持続音形（1-3-5-7と13-15小節）を導入し、テキストのギャップを埋め、ダ・カーポの始まりでの素材の再現を予言するために、それをダ・カーポ前（bars6l-2)の2小節を、ファゴットによって再導入している。

aria No. 3(Wo、such 'ich sie, die Holde Nymph?）　１５分２３秒より

　
DamonのAndante aria No. 4（「Schafer、sost du so angstlich」）は、全体的模倣の連結と新しい点含むセミオブリガートのファゴットパートが加わっている。新たな流動性をアリアに与え、ヘンデルの弦の流れに伴う会話を提供している。

aria No. 4（「Schafer、sost du so angstlich」）　１９分１５秒より

The long instrumental introduction to 'What Passion Cannot Music Raise and Quell'、from the Ode for St Cecila's Day captures in a nutshell Mozart's combined strategy of adhering to Handel's original material and exploiting the potential of his own、new material、with constant ebb and flow between them。Handel's introduction indudes an obbligato cello part to which Mozart makes additions sustained upper string at the opening（bars 1-12）、a bassoon line that is interweaved with the cello line in the Andante（bars 13-25）; and pizzicato upper strings that accompany the cello（bars 26-30）。

”St Cecila's DayのためのOde”からの「Passion Can not Music Raise and Quell」の長い器楽導入は、ヘンデルのオリジナル素材へ固執し、自分の新しい素材の可能性を絶え間なく変えていくというモーツァルトの組み合わせ戦略に嵌まり込む。ヘンデルの導入は、オブリガートチェロパートを含むが、モーツァルトは冒頭に持続する弦楽器を加えている。ファゴットの旋律は、アンダンテのチェロの旋律とともに織り込まれている。そして、ピチカートの上部弦がチェロに伴っている（bars 26-30）。

Mozart's pizzicato figure is then passed to his entering flute（bars 31-4) while the bassoon is again given its own material、interleaved solo Mozart's lines（Handel and Mozart）co-existing with a dialogued accompaniment （Mozart only）。The sustained note heard concurrently in Handel's bass（bars31-4）then migrates to Mozart's bassoon after the pause（bars36-9）; Mozart lends the sustained notes of Handel's bassi greater audibility at the opening, reinforcing them with upper strings、just as he now makes a musical feature of exchanging the sustained notes between the bassi and the bassoons。In sum、Mozart integrates his own sounds and strategies with Handel's sounds and strategies。

モーツァルトのピチカートのフィギュアは、フルート（bars 31-4)に渡される。一方、ファゴットは再び自身の素材があてがわれ、対話された伴奏とともに、モーツァルトの旋律に入り込んでくる。ヘンデルのチェロバス（bars31-4）における保持音は、（bars36-9）の休止後のモーツァルトのファゴットに対して迷い込んでいる。モーツァルトは冒頭で、ヘンデルのバスの大きな可聴性のある保持音を使い、上部弦パートとともにそれを補強し、バスとファゴットの間の保持音を交換する音楽的特長をを作っている。つまりモーツァルトは、ヘンデルの響きと戦略でもって、彼自身の響きと戦略を統合したのである。

ヘンデル原典版

モーツァルト編曲版　１３分１０秒より

　モーツァルト自身の音楽における器楽の響きと効果についての結論は、ハーモニー、メロディー、リズム、ダイナミクス等に関する結論と別のものではなく、レクイエムの必然的に作品のこれらの他の要素も考慮に入れる必要がある。しかし、サウンド、効果、音色、オーケストレーションに焦点を当てることは、レクイエムの不完全さから結果的にその伝説への解釈学的インスピレーションを描く研究においては究極的には適切である。

不完全なモーツァルトの自筆譜が、創作行動の中でモーツァルトに洞察力を与えるならば、それは彼の音の世界に支配的な洞察力である。なぜなら、彼が前景にある響きは、ほとんどすべてのページから飛び出すからである。モーツァルトのスコアを通時的にたどると、私はモーツァルト自身の初期の教会作品（モーツァルトの心の中では、1791年でもおそらくは新鮮であった）を見ることになる。シュテファン大聖堂での死の直前の作曲あるいはその存在（や演奏)のおかげで、組織された音と効果が、レクイエムに注意を向けさせるずっと前から、教会音楽のための彼の様式的な語彙の基本的な特徴であったことを実証している。