| THE REFRAIN
AND THE RISE OF THE VERNACULAR IN MEDIEVAL FRENCH MUJSIC AND POETRY |
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| 1 Relocating the
Refrain 中世後期の詩に対するルフランの重要性ははっきりしている。しかし、その起源の問題は、紛争中であるた。 ルフランは通常、引用として機能し、中世の作曲家や詩人は、所与のルフランの著者や出典をほとんど引用していない。 このように、ルフラン使用法の原点は、19世紀と20世紀初頭のロマンス学者の文学史にあらわれ、学者たちは、フランス語の文学と言語の起源を突き止めようとしていた。これらの学者たちは、ルフランの現存体が、現在では失われた口承伝承歌のレパートリーからの引用の概要を代表していると信じていた。 1870年に、たドイツ人学者Karl Bartschは、ルフランは、「民謡歌の歴史への貢献と、多様な自然への、人々の性格への正確な反映」を供給したと主張した。同様に、長い間忘れられていた口承文化を推論させる能力を確信したフランス人学者Alfred Jeanroyは、後に「monophonic poetic folkの伝統の最後の残照である」と言った。 p9 Jeanroyの意見では、ルフランをrondet de caroleと呼ばれる歌の分野の一局面として考えている。4 短いverseよりなる単声部歌とルフランやrondet de caroleは、もともとは口頭で伝承され、round dancesを伴って使われていた。5 4 Christopher Page， Voices and In slr uments of the Middle Ages: In strumental Practice and Song 1100-1300 (Be rkele y and Los Angeles: University of California Pre ss ，1986) ， 78 -81. 5 現存している初期rondet de caroleは、形式的には一貫していないけれども、多くはaAabAB構造6行歌である。13世紀後半のこの型の版は、通常、rondeauxと名づけられ、形式的には一貫していなかった。ルフランはまた、最初の２行で歌われ、ABaAabABとなっている。こうした用語の使い方には、特にはっきりとした学問的コンセンサスはないが、多くの初期例にとっては、ロマンスに見つかり、より後の例としては、Adam de la Halle and Guill aume d'A mienのそれのようなrondeauに残されている。 rondet de caroleの最も初期の例としては、Jean RenartのRoman de la Roseのような抒情詩の内挿を伴う物語ロマンスがある。こうした状況により、Jeanroyは、独立したルフランが新しい作品で引用されたとき、それはこの分野の断片や、書かれた形で現存していなかったものを代表していた、と論じた。ルフランは、rondetの内部で構造的に繰り返され、その元の文脈から離れ、新しいものへと移された。新しいものでは、もともとのところの記憶の糸口を残している。 もともとは、Jeanroyの理論は、重要な反対者があった。例えば、Joseph Bedierは、現存のルフランは、fetes de mai.の祝祭から由来した、完全な歌であると信じていた。両学者は、ルフランが断片的であるか完全であるかについては同意していなかったが、両学者はそれが失われた口承の歌の伝統に起源であるとは信じていた。 JeanroyとBedierは、ロマンス体からほとんどのエビデンスを引き出している。ロマンス体では、ルフランがダンスに内挿されることがよくあった。彼らはまた、Jean RenartのRoman de la Roseのプロローグにも影響を受けていた。その著者は、テキスト相互関連性にあるルフランを引用するための動機の一つが、”思い出のために”書くことにおける口承歌の伝統を保護するためであると説明している。 p10 20世紀.を通して、、ルフランの起源における中世の音楽と詩における評価についてのこれらの早期の論拠のキー要素が続いた。特に、現存のルフランが、、失われた口承歌文化の断片をしめしているという見方、rondet de caroleへのルフランの強い結びつきという概念、ルフランが新しい歌や諸他の分野に口承で伝播していったという信念は、長く続いていた。 たぶんJeanroyの考えに影響されて、Gustav Groberは、ルフランが、「新しい歌から離れた、キャッチフレーズのように有名になった歌からの作品として見られるに違いない」と後に断言した。12 Pierre Aubryによれば、ロマンスが、rondeauの一部として別の資料に現存するルフランに移行したいくつかのケースでは、その他の資料に代替されたロマンスにおける”失われた”音楽とテキストを再建できるという。13 ルフランの研究が民謡歌の歴史に貢献したと信じていたBartschのように、Jacques Chailleyは、さもなくば完全に失われてしまっていた伝統の跡によって、ルフラン体が13世紀の口承歌の真のflorilegiumであるとした。14 彼はまた、ルフランは、中世の読者が記述されたrondet de caroleの音楽やテキスト以外の部分を即興で補ったことを知っていたincipitを示した、最初期の内挿されたロマンスにおいて見られる、と提案している。15 p11 ルフランが有名なrondet or rondeauに深く結びついていた、あるいは起源があったというJeanroy'の概念は、より最近の考えにて再度現れるようになった。16 Nico H.J. van den Boogaardは、13世紀のrondeauｘについての版で、２つの分野の間の硬い結びつきとして、ルフランについての彼のconcordanceを公開した。Jeanroy'を反映して、Nico H.J. van den Boogaardはまた、 「13世紀の文学において、我々はこうした同じルフランをrondeauｘから見い出し、その他の文脈においても使用した」と説明し、ルフランはこの分野ondeauｘが起源であった、と主張した。17 Gordon Andersonは、ルフランをrondeauルフランとして言及し、rondeauをルフランの起源の一般点と断定した。18 いくつかの意見は、ルフランの口承伝播とrondet de caroleの伝統における起源の両者を主張している。The Owl αnd the Nightingaleにおいて、Christopher Pageは、13世紀のモテット作曲家たちは、ルフランを、彼らが若い女性がSt.Germainの壁の外で歌うのを聞いたrondet de caroleの記憶から直接引き出した、主張している。「caroleｓからモテットへの音楽とverseのパッセージ（の移行）は、自然な過程であっただろう」。19 Christopher Pageの論述は、rondet におけるその起源やルフランを主張するだけでなく、orality with women and literacy with men.に関連したfamiliar mappingをも反映する。一方でJohn E. Stevensは、るfランはrondet de carole起源ではない、と主張し、彼は、ルフランと舞踏歌との間の結びつきを主張する。20 Music， Richard Taruskinは、rondet de caroleの歌の伝統を、ルフランへの起源のいくつかのポイントの一つであると主張する。そして、その伝承を口承文学の古典的タイプに比較している。 ｐ１２ ルフランの使用法とrondet de caroleの間の結びつきは、どれほど強いのか？ ルフランは現在では失われた音楽の断片的証拠を供給しているのか？ 現存している書かれた内容への口承的な過渡的なものなのか？ 独立したルフランがしばしば、現存のrondet de caroleやrondeauｘとその構造的なルフランから区別し難いために、それらの関連は、おそらく自然なことであり、いまだにほとんどの意見は両者の強い関係は主張してはいない。 過去30年以上、学者たちは、所与の詩の状況にあわせる必要から、いくつかのルフランは「新しく作曲された」という結論に達している。これは、それらが引用のように見られ、機能するために書かれたがしかし、実際には、初期の資料からのものではないようであるということである。 Paul Zumthorは、こうした見方を長く信奉してきた。そして、Eglal Doss-Quinby， Maureen Boulton， and Ardis Butterfieldもまた、最近これを繰り返している。Judith A. Perainoは、提喩法へのルフランの機能を文字通りに比べ、ルフランは、失われた歌の引用あるいは断片には必ずしも関係しないより長い歌を示すために使われたと説明している。23 Butterfieldは、ルフランを、言葉として独立したものとして、rondet de caroleや内挿されたロマンスの双方の一般的特徴として再度考えている。 The verbal independence of the refrain within a rondet， and musically， its function as the primary generating element ofthe dance-song， shows that to think of an isolated refrain as a fragment of a rondet carries with it misleading assumptions . . . If we accept that the re 合ain is indeed autonomous then ， in attempting to describe an isolated refrain ， there would be little point in general in trying to find a specific surviving context from which it could have originated. 24 さらに、Suzannah Clarkは、いくつかの中世のモテット作曲家がルフランを、それらの公式の特徴がトロヴェールの歌に非常に似ているやり方で変えていったことを証明している。そして、ルフランとその他の単声歌の分野の間の結びつきが、直接の伝播や起源というよりもむしろ、one of representationあるいは作曲上の巧妙さであることを提案している。彼女の見方は、モテット作者が時々、ルフランを、必ずしも、モデルとしての実際の歌において使われるのではなく、小スケールのトロヴェールの歌のように見え、機能するように配慮していたことを提案している。25 こうした最近の見方は、 叙情の内挿や、narrataive内の歌の遂行を特殊化する直接の言説の例がしばしばテキスト相互関連性的な印象を持ってくることに使われたことを理論化する引用として、ルフランの起源や状態についての疑問を避けている。 こうした理論は、ルフランが引用であるかどうか、そうならば、何を引用しているのか、という疑問を回避させる。彼らはまた、rondet de caroleのレパートーへのルフランの関係の疑問もそのまま残している。上記の結論の大部分は、個々の例やルフラン体の小さなサンプルを元にしてきている。 続いて私は、流布パターンの点において、あるいは全体のテキスト相互関連性ルフラン体において、現存のメロディこうした疑問の再評価をしたい。テキスト相互関連性ルフランは、多くの現存資料が存在し、それゆえそれらは、テキスト相互関連性ルフランとrondet de caroleの間の関係の調査をするための理想的な出発点となっている。 さらに、テキスト相互関連性ルフランの調査は、ルフランが異なった作品間で口承的に伝播されたかどうかを明らかにする。音楽学者は、テキスト相互関連性ルフランに適用された比較できるレパートリーにおいて、口承伝播のマーカーを特定する。 驚くべきことに、一般的な文脈を横断するルフランの流布パターンの分析は、テキスト相互関連性ルフランとrondet de caroleの間の強い結びつきを示さない。さらに、システマティックなルフランのメロディ伝播の考察は、その同一性はしばしば相互に、テキストや音楽を通して定義づけられる、そして、その伝播はしばしば、その資料を横断して注目すべき正確性を持っているということを明らかにしている。 我々は、ルフランの音楽の伝播パターンがそれゆえ、口承で伝承されたと信じられた当時のレパートリーとは異なっていると見ることができる。事実は、ルフランが書かれた人工物の間を循環していたかもしれない可能性を示している。こうした発見は、失われた口承歌の文化との仮定された関係を超えたルフランのレトリックな機能を強調することにさらに重みを増すことだろう。 より適度な文化的文脈内でのルフランの再置は、我々を、その動機付けや中世の音楽や詩における意味合いについての我々の感覚に導き、それぞれの章が詳細を示すことだろう。我々は、ルフランと口承舞踏歌の間の長い間の関連が、ルフラン使用と引用の博学な実践の間の強い結びつき、特にauctoritas（権威）の概念を曖昧にすることを見るだろう。 ルフラン使用の理解に対するこの異なった文脈は、街角の舞踏歌だけでなく、むしろ、中世の学校の知的伝統へ、あるいは、大学や俗文化のじゅうようなインパクトへと我々の注意を引くことだろう。 Refrain distribution and the rondet traditions もしも“tight bonds"がrondet de caroleやrondeauのレパートリールフラン引用の実践にを結びつけるのであれば、その他の歌、モテット、ロマンスに広く引用されているBoogaardのカテゴリーにおけるrondeauルフランを期待できるかもしれない。rondet de caroleとrondeauルフランの一致の調査による結びつき程度をたどるために、自身のカテゴリーを使うことは可能かもしれない。 p14 198のrondet de caroleとrondeauｘのうち、67だけが テキスト相互関連性ルフランを持っていることは、いくぶん、驚くべきことかもしれない。これは、残りの131のrondet de caroleとrondeauｘの大多数が、個々の歌の構造的構成物として機能するルフランを持っているが、その他の現存する単声歌において、相互作用的な借用への素材として使われたとは思えないことを示している。 さらに、このいくぶん粗い数の評価は、rondet de caroleとrondeauｘとテキスト相互関連性ルフランの結びつきを過大評価するかもしれない。他の作品を広く循環したrondeauルフランは、Adam de la Halleや Guillaume d' Amiensによるrondeauルフランである。これらの13世紀後半のrondeauｘの多くは、ルフランのその他の現存する内容よりも遅れたものとなっている。rondeauｘをルフランのオリジナルな資料とするのは困難である。 たとえば、Adam de la Halleのrondeauｘのひとつとして認められている，“He，Dieus， quant verrai" (refrain 823)は、Gerbert de MontreuilのLe Roman de la violette にも現れる。このロマンスは、in the early thirteenth century from 1204 through 1228のものであるが、作品のもっとも後の日付においてさえ、Adam de la Halleのrondeauよりも早い時期である。 rondet de caroleとrondeauｘを伝えるシャンソン集において、我々は、ルフラン循環の比較的少数の例を見出す。39のrondeauｘのうち、５つのルフランのみが、Oxford， Bodleian Douce 308のシャンソン集に伝わっている。28 28 興味深いことに、あるrondet由来のルフランが別のrondetに使われているのは、非常に稀である。Boogaardのカタログにある２つのrondetsのみが、同じルフランを使っている。 我々は、同様の状況を、ロマンス体内に見出す。ルフランは、rondet de caroleからのルフランのどれもが、Cleomades (1285年前に書かれた) ，Baudouin de Condeの Prison d'Amours ( 1280年より前)、あるいは the Roman du Chastelain de Couci (1285年後に書かれた) に内挿されてはいないが、たとえば、他の現存する文脈には現れる。29 rondet de caroleのルフランがその他の文脈に広く循環する唯一のロマンスは、Jean RenartのRoman de la Roseである。そこでは、lean Renartが内挿している16のrondet de caroleのうちの９つのルフランは、その他の文脈に現れる。上記の資料から判断して、13世紀後半までに、テキスト相互関連性ルフランとrondet de caroleの間に存在したであろういくつかの結びつきは、フェードアウトしていったように見える。 全体的に、その他の資料におけるrondet de caroleとrondeauｘルフランの分配は、これらの分野の間の強い結びつきを示唆せず、テキスト相互関連性ルフランが、rondet de caroleに起源を持っているという概念のみしかない。 モテットのレパートリーはまた、テキスト相互関連性ルフランや rondet de caroleやrondeauｘの間の関係においても光を当てている。Everistは、もともとの構造設定を辿り得たモテット、クラウズラモテットで見出されたルフランを調査した。Everistの分析は、数少ないルフラン族において、そのモテットが最古の現存版であり、そのメロディは究極的にはオルガヌムから由来することを明らかにした。この発見は、いくつかのルフランがその他の分野において引用されたポリフォニーに由来していたことを示し、すべてのルフランがrondet de caroleや、単声歌のその他の分野での起源であるという概念を打ち砕いた。30 30 Refrains 237 ， 287 ，1157 ， and 1361. See Eve rist ， French Motets ， 66-71（French Motet in the Thirteenth Century6）または（それ自身がモテットを作り上げた）クラウズラに対してフランス語の歌詞を付け加える過程においてrefrainが最初に始まったか、である。その結果、refrainは次第に、多様な他の分野に引用されるようになっていった。 起源の問題は置いておいて、モテットレパートリーにおけるルフランの流布は、テキスト相互関連性ルフランと単声部歌分野の間の関係への疑問を投げかけている。単声部歌への関係が現存せず、モテットレパートリーの間でのみ循環する37のテキスト相互関連性ルフランがある。31 31 These reｆrains are number s 36 ， 54 ， 78 ， 148 ，230 ，232 ，237 ，287 ，329 ，523 ，587 ，604 ，664 ，673 ，750 ，796 ，824 ，835 ，996 ，1032 ，1059 ，1084 ，1157 ， 12 33 ， 1237 ， 1327 ， 1346 ， 1354 ，1361 ，1535 ，1540 ，1671 ，1691 ，1699 ，1731 ， 1739 ，and 1894 こうしたモテットルフランはこれまで注目がなされていなかった。Everistは、こうしたうちの４つのルフランを記したが、そのレパートリーにおける広汎性については示していない。32 32 Everist ， French Motets ， 66-71 Robyn Smithは、そのモンペリエ写本の第2，5，7冊子におけるモテットのテキストについての版において、テーブルリストで、これらのモテットのみを示している。彼女はこれらを”その他のモテットにおいてのみ見出された可能なルフラン”とリスト化している。ルフランとしての分類のために必要な単声部歌への結びつきと断定して。33 33 Robyn E. Smith ， French Double and Triple Motets in the Montpellier ManuscriptTexlual Edition ， Translations， and CommentatJI (Ottawa: Institut 巴of Mediaeval Music ，1997) ，354 これらは高いメロディの安定度や視覚的類似性を示している。しばしば、同じメロディ、同じピッチであらわれ、音楽の借用の分野特異的な実践を示しながら。34 34 28個が、同じメロディを持つ２あるいはそれ以上のモテットにおいて、現れる。これらのルフランのうち、４つは、現存版の間で、異なったメロディで伝播されている。54 ， 148 ， 1354 ， and 1739 p16 興味深いことに、こうしたテキスト相互関連性のモテットルフランのいくつかは、クラウズラ資料と結びついている。トータルでは、６つがクラウズラモテットである。35 35 These refrains are as follows: ①“Bele dame m'a mande" (237) in L'autrier (M402)/C'est la jus (M403)/Pro Patribus ， ②“Bone amour ai" (287) in Ne m'oublies mie (M754) /Benedicamus， ③“G'irai toute la valee" (1157) in L'autrier (M83)/Demenant grant joie (M84 )/ Manere， ④“Ne m'oubliez mie" (1 361) in La plus bele riens vivant (M567)/[Pacem]， ⑤“Sej'ai demore " (1671) in Quant voi (M236)/En mai (M237)/[I mmo]latus， ⑥ “S'ele ne m'aime" (1699) in Mout soloie chant et joie (M233a)/[I mmo]latus これらのモテットは、F写本におけるクラウズラと関係している、こうしたケースでは、問題のルフランが、その起源においても、循環においても、モテットレパートリーにおいてのみ、流通している。36 36 これらは クラウズラモテットと単声部歌の両者に現れるルフランの例である。たとえば、ルフラン（vdB338）“C'est la fin，la fin，que que nus die，j' a merai”は、２つのchansons avec des refrainとGui1laume d'Amiensによるrondeauに現れる。See Everist，French Motets，66-7（French Motet in the Thirteenth Century6） Boogaarｄは、ルフランが独立した分野である、と主張したが、彼がパラサイトとして定義したひとつは、その特定をその他の分野との関連に拠っている。37 37 Boogaard，Rondeaux et refrains，17 Sarah Kayは、最近、 引用とテキスト間の関係は、パラサイトとホストの間の破壊的関係と言うよりは、（つぎ木の）若枝と接木された木の株との間の一般的関係と同様であると論じている。 もしもまったく、こうしたルフランが、ポピュラー歌とまったく直接関係がないのであれば、それらは、その起源について統一する分野と構築としてのルフランの定義に固執する困難さを照らし出す。非常に少ないが、その流布パターンにおいて見出されたエヴィデンスは、実践の多様なセットの一部分として、個々の基礎をおいたルフランを評価する必要性を主張することだろう。38 38 Everist，F rench Motets，149 49. Smith at one point describes refrains as“plural and diverse phenomena，" yet overall，he r study is devoted to the development a new set of generic criteria for accurately classifying refrains. Smith，“Gennrich's Bibliographisches，" 76. る。 p17 Refrain transmission: stability of music and text 現存の伝播パターン内でのルフランの状況は、すでに、rondet de caroleとrondeauの分野へのルフランの仮定的な結びつきについての懐疑的な態度に出会っていた。音楽的伝播の調査は、別の広まった仮定について、ルフランの仮定的な口承伝播について、何を表すことができるのか？ もしもテキスト相互関連性ルフランが、口承伝播された有名な歌の記憶から引用されたのであれば、現存の書かれた資料は、音楽学者らが典型的に、中世の口承歌の伝統について書かれた痕跡において発見したその流動性についてのマーカーとなるべきであろう。同時代のトロヴェール歌のレパートリーは、交渉伝播の問題についての参照となるリーズナブルなポイントを提供する。 トロヴェール歌とルフランの間には重要な相違がある。特にその長さにおいて、しかしトロヴェール歌についての口承伝播の研究は、強要概念の枠組と、 歌の資料と口承伝播へのそうした関係の間のメロディのヴァリアントを論じるための明らかな語彙を差し出す。 Hendrik van der Werfは、異なったシャンソン集に集められたトロヴェールのメロディの間の変異の高い程度において、口承伝播の証拠とした。彼は、そうしたシャンソン集を、書記のエラーを通して、エラーがより大きくなった、と論じた。39 39 Hendrik van der Werf， The Chansons ofthe Troubadours αnd Tro !l veres: A St !l dy o.f the Melodies and their Relation to the Poems (，1972) ，26-34. Van der Werfは、同じようなテキストで同じ順序で筆写したR and Tにおける単一の著者の歌のグルーピングを比較した。こうした要素は、歌のグルーピングへの共通して書かれた資料を示し、メロディはしばしば、異なったメロディ解釈を構成するために、互いに十分区別された。 彼は、こうした変異を、演奏者や書記が歌のメロディの流れる概念を評価し、演奏における解釈の自由を認めた口承伝播の実践の証拠と見た。さらなる見方は、トロヴェールの最後の世代の歌の分析を通して、確信された。 こうした活動期間がシャンソン集の編纂と一致し、より書記の歌のようなより大きな変異として、口承伝播やレパートリー内のメロディの再発明の継続する文化を示して、歌の権威ある手本を得るために編纂者に許容したと思われる要素は、保持した。40 証拠は、テキストの伝播と写本の筆写において、そしてメロディの口承伝播において観察されたように、書かれた伝播の組み合わせを指摘した。 これらの発見を基にして、Maｒy O'Neillは、こうした変異の正確な性質を探求し、トロヴェールの伝統内におけるメロディの再発明の日付のもっとも詳細なものを供給した。41 41 Maｒy O'Neil Courtly Love Songs of Medieval France: Transmission and Style in the Trouvere Repertoire， Oxford Monographs in Music (Oxford: Oxford University Pr ess ，2006)，53 -79 Maｒy O'Neillは、van der Werfの基礎的方法に従い、単一の著者の歌のグルーピングを比較した。Audefroi le Bastardの歌に焦点を当てながら、O'Neillは、メロディの変異の３つのタイプを特定した。 p18 結局、Maｒy O'Neillは、こうした歌におけるもっとも一般的な変異は、大規模変異であることを見出した。 van der Werf and O'Neillの両者がトロヴェールのメロディの口承伝播の指標、あるいはメロディの再解釈の文化あるいはトロヴェールが育てた再生として見出したのは、こうした大規模な変異であった。重要なメロディ変異はまったく、固定した作品の安定した伝播に伴って先取りされたことよりも、音楽的伝統の強制的証拠である。 ルフランは、トロヴェール歌によって増幅された口承音楽文化の種類における彼らの参加のシグナルとなったであろうこの種のメロディ変異を示したのであろうか。 トロヴェールの作品に対して、van der Werf and O'Neillのようなルフランメロディの大規模分析はない。Boogaardのカタログは、ただルフランのテキストをリスト化しているだけで、現存メロディは省略している。そして、モテットの多くの研究は、個々の例に対するルフランの伝播のメロディの比較を含むが、それらはただ、ルフランの記譜された部分の小さなセグメントをカバーするに過ぎない。45 45 See Everist ， French Motets 101-4， 音楽の記譜は、モテットのレパートリーにおいて、テキスト相互関連性ルフランの大部分のために現存している。追加的なルフランのメロディは、シャンソンのレパートリーにおいて現存し、いくつかのロマンスは、それらが引用するルフランのための音楽的記譜を供与している。46 46 これは、Renart le Nouvel， th e Roman1 de la Poire， and the Roman de Fauvelについて正しい。音楽はまた、Adam de la Halleの俗的な劇、theJeu de Robin et Marion and the Jeu de la Feuilleeにおいて、ルフランのために保存されている。 ２つの作品において、現存するメロディを持つ136のルフランが存在する。こうした証拠は、ルフランの起源と伝播の問題に影響させられることだろう。たとえば、もしもこれらのルフランがトロヴェールのレパートリーにおいて見出されたものと同様の伝播パターンを示すのであれば、これは、ルフランがまったく口承的な音楽の伝統からの引用を代表することを示している。 p19 文献学者たちは、ルフランのメロディは、トロヴェールシャンソンのメロディのように、可変的であることを強調する傾向にある。Doss-Quinbｙは、”一般的に今日では、ルフランのテキストと単一のメロディの間の連関は、それ自身の存在として考えられ、必ずしも維持される必要はない、と認められている。ルフランは、異なったメロディを伴ったいくつかの文脈において見出される”と説明する。47 ある研究において、Butterfieldは、ルフランのメロディはしばしば「絶えず分かれている”ということに注目した。しかし彼女はさらに最近、特に、ルフランが異なった音楽的詩的文脈を横断して使われた時、それらの音楽資料の精査は、音調においてかなりの変異があることを示す、と論じている。49 ３つのテキスト相互関連性ルフランのネットワークについての彼女の分析において、彼女は、ルフランのメロディがルフランのテキストには強く結びついてはいない証拠としてのヴァリエーションを見出している。50 こうした見方は、ルフランのテキストとメロディの間の強い関連についてのより初期の主張とは対照的である。Jeanroｙは、ルフランのメロディとテキストは分離しがたい、と考えていた。さらにHans Spankeは、多くの文脈に見出されたルフランのメロディは、すべて同じである、と主張した。52 Butterfieldが使った証拠への深い見方は、ルフランのメロディの変異度が、ひとつには異なった結論に達し、ひとつにはさらに、Jeanroy and Spankeの結論を保っていることを示している。３つのルフラン族について、彼女は、異なったルフランのテキストに付属していたメロディーのうちのすべてが、1つの例に存在することを、調べている。53 その他の2例のうち、最初の”Cui lairai ge mes amors,amie,s'a vos non?”(ルフラン387）は、7つの異なったテキストにおいて同じメロディを持っている。2番目のルフラン“Ne vos repentez mie de loiaument amer" (refrain 1375)は、同じメロディが、７つのテキストのうちの５つにおいて現存している。こうしたケースにおいて、変異が見つかるというのは真実であるが、Butterfielｄの例は、実際には、同じメロディを持った多数のテキストに現れるルフランの確固とした現存を示しているに過ぎない、と論じる人もいるかもしれない。 さらに、モンペリエ写本の第2，5，7冊子において見出されるルフランについての、Robyn Smithの研究は、ほとんど2/３のルフランが、少なくとも２つの資料において、同じメロディで伝播されたことを明らかにした。54 最低限でも、こうした曖昧さは、ルフランの音楽伝播とメロディの安定性についての重要な問題についての広い研究を必要とする。55 55 Numerous scholars have stressed the need for such a study. See Everist French Motets ，101 実に、13世紀の作曲家たちはしばしば、メロディ内容、あるいは、テキスト相互関連性ルフランの音程構造の維持には、どんな努力も惜しまなかった。ルフラン237，“ Bele dame m'a mande k'elle sera m'amie，"の伝播を考えれば、モテットルフランは、４つの資料に保存されている。このルフランは2つの異なったモテット声部の最後に出現する。1つはL 'autrier quant me chevauchoie (M402)， from a two-voice motet on the tenor Patribus in F and T， そしてもう１つは、 Se longuement ai (M406)， from a two-voice motet on Benedicta in W2(3番目の付加的なtriplum ， Mout loiaument l'ai refusee，が Cl.に現れる）である。 Example 1.1 が示すように、ルフランは、それぞれの資料にて、同じピッチレベルで現れ、リズム解釈の若干の違いを伴っているが、ほとんど同一の音楽的レンダリングを持っている。56 56 Full modem editions ofthese motets appear in Hans Tischler ， ed. ， The Earliest Motet (to circa 1270): A Complete Comparalive Edilion (New Haven: Yale University Press ，1982) ，2:1180 and 1515 . ルフラン間のピッチの変異は、すべて同じタイプであり、たがいに予期し、異なった資料に共通のピッチに従う隣り合う形である。これらは、beleについてle,dameについてda,等の生じている。57 57 直接のポリフォニーの内容はおそらく、変異のいくつかにその責がある。M402においては、シラブルm'aはDから始まる下降音型にセットされる。M406においてはしかし、ルフランの同じシラブルは、Cから始まる下降音型でセットされる。もしもこのモテットで、メロディ形がM402で使われたならば、DはtrimpluにおけるCに対抗した2番目のアクセントのある不協和音を生じたことであろう。  音程構造やリズム解釈への対応がなされ、ルフラン237，“ Bele dame m'a mande k'elle sera m'amie，"の異なった資料は、同じメロディとして認められている。O'Neill'の基準を使えば、我々は、変異は、彼女がトロヴェールの伝統において口承の指標とした大規模なものではなく、局所的と考えることだろう。O'Neill'の研究は、大規模変異が個々の行内に生じている多くの歌を含んでいる。それらの行は、このルフランにおいても、長さにおいて、同様である。ルフラン237の伝播は比較的正確で文書的であると言える。 比較的正確なメロディの特定とともに多くのテキストに現れる別のテキスト相互関連性ルフランネットワークは、“Vous me le defendez l'amer， mais ， par Dieu! Je I'amerai " (refrain 1859)であろう。このルフランは、３つの異なったテキストにおいて音楽が残されており、モテットとロマンスの分野に広がっている。①単声部モテットM1074，“ Vous le mi deffendez l 'amer" (R)、②Qui Amors (M880)/Li dous pensers (M881)/Cils a qui (in Mo， Ba， Bes， and Tu)のテノール内、③ロマンスRenart le Nouvelにある。そこでは３つの写本がルフランのための音楽を供与している）。58 これらの現存するメロディは、Example 1.2.59にて供与されている。 p22 ルフランは、この現存テキストのいくつかにおいて、異なったピッチレベルで現れる。M1074のルフランは、Fよりはじまり、Renart manuscripts β、γは、CとFでそれぞれ始まり、Cils a qui、Renart manuscript W写本は、双方、B♭で始まる。こうした移調にもかかわらず、半音の置き方は、厳密にそれぞれの例で維持されている。Cils a qui、Renart manuscript W写本において、これはB♭で始まる必要がある。Renart manuscripts βにおいて、“dieu! Je"のところでは、半音の動きを供与するために、F♯が必要とされる。  再度、局所変異を示したい。Re frain 1859は、refrain 237の資料において見出されたのと同様の隣形を含んでいる。しかし、音程保持やそれぞれの現存版のあらゆるリズム構造は、ルフランの統合に対して、認められ得るべき引用への希望を可能な限り反映して、作曲家あるいは書記の部分の明らかな役割を示している。 さらに、２つの作品の相互的性質について自明でありながら、引用の過程におけるテキストとメロディの間の関係に注意を払っているようなその他の例がある。たとえば、“Je sent les max d'amer por vos，s entez les vos por moi?(I feel the pains of love for you，do you feel them for me?)" (refrain 1127)，は、ソング、モテット、ロマンスの幅広い範囲に見られる。それは、現存のシャンソン集にあまねく伝播されたThibaut de Champagneによるソング“Chancon ferai，q ue talent m'en est pris"(R1596)に現われる。 ２つの２声モテットがルフランを使用している。①He，douce darne (M508)/Et speravit in R and Tと②Hier main (M492)/Domine in Moである。こうした音楽資料に加えて、ルフランは、ことわざ集と Li Confrere d'amoursに現われる。メロディは、４つの異なったテキストに現存している。ルフランは、それぞれのテキストにおいて、同じ基本的な意味を持っているが、その族はテキスト的変異がある。その感覚は、それぞれのルフランにおいてと同じである。(I feel the pains of love for you，do you feel them for me?) しかし、R1596 and M508における版のみは、互いに言葉どおりにマッチしている。特に、冒頭フレーズは、おおくのテキスト的な変異を含んでいる。もっともテキスト的に安定なルフラン部分は、最後の疑問文、“ sentez les vos por moi?の終わり部分である。そこでは、example 1.3.で示されたルフランの記譜された版のすべての３つのうちに一貫して残されている。  p25 興味深いことに、テキストとして安定しているルフランの後半部分は、音楽的にも安定している。すべての３つのルフランは、異なる冒頭メロディを持っているが、我々がその他のルフランにおいてすでに観察したものと同様の局所的変異を別としても、後半は互いに、はっきりと合致している。63 63 第4のテキスト、R146は、メロディとそのテキストの両方でこれらの3つの歌から大きく異なっている。 興味深いことに、そのテキストはLi Conji'ere d'amoursで引用されたルフランと同じである。 同一のテキストを持っている２つの版であるR 1596 and M492（訳注M508？)はまた、同じピッチレベルで、音符対音符で全体のメロディを分有している。M508 のルフランはAではなくDで始まる(訳注；シが♭になっているためと思われる）が、はっきりと合致している。M508は、シラブルvousの部分で、そこから戻ってくるA音を持つことにより、その他のルフランと異なっている。そして、この音型の最後はG音となっている。G音への下降は、‘pour moi上のカデンツ的な４つの音符となる。 M508はまた、シラブル”les”と”vous”の間が、その他２つのルフランにおけるような短三度ではなく、長三度となっている。全体的な輪郭は保存され、ルフランは認識可能である。 このルフランは、音楽テキストの引用の具体的な例を提供するように見える。 メロディーが同じであるという事実は、テキストとメロディーの間の相互相関の一種であり、非常に異なる音楽的状況、異なるジャンル、異なる写本に現れても維持される。 さらに、この関係は、テキストの2つのパッセージの意味が同じであるが構文が異なる場合には、維持されないようである。 64 64 いくつかの関係した、しかし構文的に区別されたいくつかのルフランについての彼女の探求は、は、そうでなければテキスト的に異なるルフランの範囲内で、より小さい旋律単位の間の旋律輪郭に対応を示した。 た。 これらの旋律単位には、ピッチ、リズム、および層間構造の違いが含まれていた。 我々は、"Dies,je n'i os aler! Coment avrai merci?"（ルフラン532）におけるテキストとメロディの間に、同様の関連性を見る。このルフランは、chanson avec refrains（R549.III)において現存しており、３つの異なったモテットに現存している。①Je m'en vois (M11)/Tels a mout (M12)/Omnes (in Mo and Ba), ② Dieus! Je n 'i os aler (M554)/Amors qui (M555)/Et super (Mo) ，③ Si com aloie (M288)/Deduisant com fins (M289)/Portare (Mo)。 M288において、フレーズ"a mon ami"は”coment avrai merci."の前に出現する。M554において、感嘆文”Aimi!"は、最後のstatamentに先立つ。例1.4が示すように、ルフランのメロディとテキストは、それぞれの例でほとんど同一である。同じピッチレべルで生じて、前の例における局所変異の同じタイプとともにある。65  p27 しかし、いずれの場合も、挿入されたテキストフレーズは、音楽的知性としても機能する。 作曲者は、挿入されたフレーズに対して異なるメロディーを提供し、同じ音楽で続行する。 このような例は、ルフランの音楽とテキストの関係を維持するために慎重に取り組んでいる作曲家が、ルフランがテキストと音楽のコンテンツで相互に定義されていることを示すものである。 これらの例が示す旋律的安定性ははるかに広範である。 これらの例が示す旋律の安定性は、これまでの研究が想定していたよりもはるかに広範である。今説明されている基準によれば、2つ以上の異なる作品で、同じピッチレベルで同じメロディーで伝播される74のルフランがある。67 さらに、39のルフランは、同じ旋律が異なるピッチレベルに転置された、少なくとも2つあるいはそれ以上のバージョンを有する68。 2つのテキストでルフランが安定している例はたくさんあるが、族全体が変異のあるメロディを含んでいる。しかし、多くの例で旋律的な一貫性を見出すことは、多くの場合、ルフランが明確な旋律のアイデンティティーを持つ別個の音楽エンティティとして扱われるという見解を招いている。 同じ音程レベルで、言葉そのままに再生された、または同じメロディ的輪郭で移調されたテキスト相互関連性ルフランの優位性も、伝播の問題を引き起こす。 上で議論されたルフランは、トロヴェール歌の口承伝播の証拠として見られたより大きいスケールの変異を欠いている。 同じピッチレベルを維持することに重点を置いている、特に多くのルフランのメロディーの安定性は、すべてのルフランが口承伝播されたという考えに疑問を投げかけるはずである。転記のための慣例が、音楽の記譜に特有のスタートピッチを持つ可能性はあるかもしれないが、記憶からルフランを転記している間に、筆記者と作曲家は、ルーチンとして、同じスタートピッチを選ぶだろう。 伝播の口承システム内では、特定のピッチレベルで歌が生ずるとは推定されず、むしろメロディ形が歌のアイデンティティを構成し、異なるバージョンで認識可能となる。 p28 ルフランが、異なる資料にまたがって、同じ音程レベルで記譜されて現れることはよくある。 Ann a Maria Busse Bergerは、記憶からの推論でそれが生じる時でさえ、文字通りの、言葉そのものの伝承が、しばしば、書法のあり方のシグナルになる、と論じた。 音調の編纂における音楽記譜の影響についての彼女の議論の中で、彼女は、ars memoria（記憶芸術）が、どのように、書かれた資料とともに、歌手をチャントへとリードするかについて記述している。 一度cantor が書かれた資料を記憶するや否や、彼は、写本の物理的存在なしで、彼の心の目の中で、メロディを見ることができた。69 同じような音程レベルのテキストやメロディーをリピートする文字通りの繰り返しを見つけることは同様に、ある曲から別の曲に転写することを示唆している。70 これは、ルフランが記憶から引き出された可能性を必ずしも排除するものではないが、そうであれば、Bergerが描写したことと同様に、書かれた情報源の視覚化された記憶であったようである。 テキスト相互関連性ルフランの引用の実際が、トロヴェール歌での口承伝播の時期とおおむね一致し、書かれていたことを含んでいたかもしれないということは、驚くべきことではない。 口承の実践は、しばしば書かれた伝達様式と共存する。Johon Hainesのトロヴェールシャンソン集における抹消についてのコメントは、いくつかのトロヴェール歌が、失われてしまった書かれた模範から忠実に転写された可能性を示唆している。Hainesは言う。 時代遅れの筆記者のステレオタイプは誇張されるべきではない。 音楽書記が機能する口頭で書かれた枠組みの中で、より文字通りのアプローチが時として先行する可能性がある。 言い換えれば、notatorは、書かれた資料から注釈のために苦労して転写することができた。：2、3の逸脱も、その場で頻繁に訂正されていて、問題はありませんでした。71 71Hainesは、トロヴェール歌の転写には、失われた模範が含まれていたと主張している。 彼は、トロヴェール歌の羊皮紙ロール、音楽記譜からのvielleの音楽家の演奏の図像表現、Thibaut de Champagneのような個々の作曲家に貢献した本の存在のような芸術作品を指摘している。 私たちが見たテキスト相互関連性ルフランは、Hainesが記述した文字通りのアプローチによって支配されたことだろう。 ルフランの伝播のこうした観点に注意する私の目的は、口承と記述の間の単純な二分法を蒸し返すことではない。上記のすべての研究は、これらのプロセスが中世にどのように相互依存しているかを示している。むしろ、この本は、多種多様なジャンル間で音楽的およびテキスト的な統一性が維持された別個の実体として循環している大規模なテキスト相互関連性ルフランの可能性の含意を探るであろう。 これらの時間的、社会的、および物質的境界を越えてルフランのテキストとメロディーの安定性は顕著である。何十年も時代の離れた別々の写本で一般に循環したこのような分野（ロマンス、単声部歌、モテット）は、さまざまな社会的集団からの作者によって書かれ、非常に異なる聴衆のために頻繁に意図された。 私は、ルフランと人気のある歌の領域との間の永続的な関係が、中世の音楽や詩やその可能な文化的意味の広がりを照らし出す可能性のある他のテキストをあいまいにしていると主張している。 中世の書法における引用の広範な使用の中での、テキスト相互関連性ルフランの再置は、これまで見過ごされてきた、すなわち、中世の書法での権威の概念であるルフラン使用の実践のための知的なフレームワークを明らかにする。 引用はおそらく中世の作曲の基礎であった。中世の著者は時々一緒に収集のプロセスを介して新しいテキストを作成し、権威を（古典と聖書の作者からの引用）再解釈し、それらを解釈学の４つのモード（historia,allegoria,tropologia,anagoge)に従わせる。72 さらに、新たな作品そのものは、引用と引用の過程を通して権威あるものとなった。他の著者の作品で繰り返されただけで、権威を得ることができたことだろう。73 しかし、我々の目的のもっとも重要なことは、13世紀において、中世の抒情詩が、古フランス語を文学的言語の地位に昇格させようとする試みにおいて、母国語表現の解釈学のラテン語の伝統的を適用する新しいやり方で試していたことである。それは、ルフラン使用が究極的にもっとも明瞭に響くであろう知的な枠組みの中にある。 Quatation,auctoritas,and vernacularity Charles Vの時代までに、フランス語は一種の新しいラテン語として登場したことだろう。古典的遺産がかつてギリシャからローマに渡されたのと同じように、translatio studiiの過程は、知的・制度的力とともに、フランス語へのラテン語の権威の文化的移行を可能にした。74 ラテン語の制度としての権威は問題ではない。ラテン語は引き続き文字、科学、学問の言語であった。しかし、13世紀の終わりまでに、フランス語は国際的コミュニケーションと外交の言語になった。75 そして、13世紀初期には、古フランス語はラテン語正典に匹敵する威力を持つ文学的言語として提起され始めた。 Alastair J. Minnisは、支配的な集団によって占領される可能性がある、非支配的な集団または階級によって使用された表現の一形態として母国語を記述している。 13世紀の間、中世の聖職者階級は、古フランス語の母国語性を充当し、それを文学の熟練した様式に適合させることによって言語を変えた。 Minnisが説明しているように、「世俗的なエリートのための奉仕において作用する”聖職者文化”は、私が母国語文化、社会的威厳をそこに与え、つまりは権威化するような構造改革とはならなかった」。76 この変容は、作曲のモードやラテン語分野の母国語への適用、模倣を通して、ゆっくりと大規模に生じた。この発展の最も明白な例は、13世紀のラテン語のauctoresの母国語への翻訳の豊富さである。77 これらの翻訳は、ラテン語の言語と文化の権威を、母国語へと明示的に置き換えるものであり、母国語はラテン語のソーステキストに取って代わって学問的伝承に参加し、参加することができる。78 さらに、13世紀にはverseの百科全書的出現の目撃者となった。知識のラテン語の大要は、11世紀後半から存在していた。母国語での百科全書の出現は、ラテン語が知識伝播のための唯一無二の媒体ではないことを示唆していた。79 さらに、母国語詩人は、詩のテキスト相互関連性のauctoritasの哲学的・神学的同様に、解釈学的モードを充当していた。80 Richard de Foumival のような母国語の著者、そして特に、Jean de Meunは、どちらも大学の訓練を受けており、両者は、学術的なプロローグやロマンスにおけるaccessus ad auctoresを充当することによって、母国語テキストを権威づけるための説得力のある解説に変えた。Guillaume de Lorrisによる、フランス中世の文学的な伝統の中で最も広く読まれ模倣されたロマンス、Roman de la Roseの継続において、Jean de Meunは、ラテン語風の戦略を用いて、オヴィディウスを愛の奉仕者（magister amoris）と位置づけ、オヴィディウスの作品の解説に焦点を当てた文学的伝統を作り出している。 13世紀の聖職者のあるいは俗人の様相の混合は、聖職者やトロヴェールたちによって単独で生みだされた詩的な領域の間のズレの程度において、さらに明白である。フランスの詩の初期の歴史のなかで、トロヴェールたちは、 1 人称の愛の歌を独占的に作り出していた。そのレパートリーは、Roger Dragonetti がla chanson courtoiseとして言及していた。 82 ロマンスの語り部は、逆に、聖職者であった。聖職者のロマンスの語り部は、過去時制と3人称で書き、ラテン語資料の母国語翻訳としての彼の作品の位置づけた83。 聖職者の語り部と宮廷の主題との格差は、しばしば彼の主題を構成する貴族の文化からある程度の距離を保っていたロマンスの重要な要素だった。84 聖職者の語るロマンスと宮廷でのトロヴェール歌の間の分化と産生における緊張は、Roman de la Roseにおいて急激な変容を引き起こした。narrative romanceであるにもかかわらず、Roman de la Roseは、後続のルーブリックでl'Amantとして識別された語り部の一人称体験として書かれた。重要なのは、このnarrativeが、主唱者の夢を再度語るものとして構成されていたことである。恋人が彼自身の個人的恋愛経験を詳述することを可能にする工夫であったが、過去の時制を使うことで、聖職者のロマンスの語り部を、トロヴェール歌の1人称主題とともに接合している。85 p32 引用は、Roman de la Roseの権威化の内部戦略の中心であった。テキストは、性に関する権威ある論文として、auctoresの解釈の扱いに根ざした戦略として母国語作品に合うように、古典的引用とexemplaを用いた。86 ロマンスは、母国語の言説についての聖職者の充当を主張して、学者たちが中心であった。母国語の権威の問題に音楽を結びつける人はほとんどいないが、音楽学者は、ラテン語と母国語の両方の音楽レパートリーにおいて、注釈の存在を認めている87。 例えば、Nancy van Deusenは、セクエンツィアとトロープスのような チャント分野の解釈機能を探求してきた。彼女たちの主張では、こうしたチャントは、解釈学の4つの様相を通して最もよく理解されている。トロープスは比喩的語法解釈を実行するのに対し、セクエンツィアは寓意的および象徴的な解説を提供する。 88 彼女たちの主張では、解釈の様相の採用は偶然ではなく、「レトリック、注釈、音楽の間の重要な関係を指摘する」としている。89 チャントにおける解釈の様相の存在は、ミサの音楽部分自身が聖書由来として供与されたのであれば、驚くべきことではない。90 １つのジャンルとしては、12世紀初頭にトロープスはなくなったが、比喩的語法および寓意的な様相は、Aquitanian versusと初期のモテットレパートリーに再度現れる。学者らは、このversusは、修道院的な敬虔な読書、すなわちlectio divinaの文脈の中で培われたことを示している。versusのテキストは、Song of Songsについての当代の修道院的解釈や聖書の寓意的な解釈において支配的であった神学的な問題を探求している。91 p33 トロープス化は、ラテン語モテットの記述を支配した。そこでは、ディスカントクラウズラからのモテットのまさにその進化が通常、トロープス化の形式として、記述されている。ラテン語モテットの上声部は、ほとんど常に、チャントテノールをトロープス化し、典礼的言及の説明と精密さを供与している。93 ラテン語の解釈的様相は、ラテン音楽分野に限らなかった。それらはまた、12世紀から13世紀の母国語音楽にも登場した。トロバドールの歌と12世紀のAquitaineの”新しい歌”あるいはラテン語versusの間の結びつきはよく知られている。94 重要な研究では、Margaret Swittenは、ラテン語のスタンザと古オック語のスタンザの間で交互に使用されるバイリンガルなversus「in hoc anni circolo」を記述している。このversusオック語のスタンザは、ラテン語テキストのうわべを飾っている。95 Swittenはまた、トロバドール歌とversus分野の間の構造的なルフランの使用法の類似点を列挙する。ラテン語とオック語の相互関係は、ポワティエの宮廷の知的環境と同様、Dukes of Aquitaine and the Abbey of Limoges の間の頻繁な接触を考えれば、驚くべきことではない、と彼女は説明する。そこでは、修道院の歌とトロバドール歌ｇまじりあったのである。96 Dolores Pesce、Gerald Hoekstra、David Rothenbcrgによる綿密な研究では、ラテン語モテットに対するトロープス化の風合いが、フランスのモテット体に存在することが示されている。 97 Emma Dillonは最近、中世の聖務日課本とバイリンガル・モテットの結びつきに光を当てている。これは同様に、母国語の献身と祈りを可能にするかもしれない、と彼女は主張している。98 さらに、Sylvia Huotは、同様に、フランス語モテットの根本的な寓意的な性質を広範に扱っており、ラテン語テノールに基づいたフランス語モテットの寓話の存在を実証している。 99 これらの研究はすべて、13世紀の文学と同様に、ラテン語の解釈実践が、母国語の音楽分野へとその歩みを見出したことを実証している。 次の章では、多くの匿名の作家の作品におけるルフランの使用を調査することによって、注釈的様相と母国語表現の間の関係を追ってみたい。我々は、テキスト相互関連性ルフランが、母国語のauctoritatesとして働いて、これらの作品をしばしば循環することを見出すことだろう。 これらの作品をしばしば母国語のauctoritatesとして働き、母国語の知恵と、母国語の分化における文学的な論評を支持し、権威ある蒸留を提供していることを見て取るであろう。 口承伝播 Roman de la Rose rondet de caroleとrondeauｘ rondeauルフラン テキスト相互関連性ルフラン 単声部歌 トロヴェール歌 rondeauｘ ルフラン rondet de carole Jean RenartのRoman de la Rose Champagne ， as eviden ， as eviden |