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Age chapter8 p231～p２４８ p231 The Early Minnnesinger 1156年9月、フレデリック赤ひげ王は、ベアトリス1世 (ブルゴーニュ女伯)と結婚し、神聖ローマ帝国皇帝として、初代ホーエンシュタウヘン朝の王となった。 トロヴェール、Guiot de Provinsは、ベアトリス1世 (ブルゴーニュ女伯)のお供となり、ふたりはドイツ語におけるフランス語やプロヴァンス語の影響を与えることになった。Guiotの歌Ma joie premeraineとそのドイツ語模倣Ich denke underwillen（Friedrich von Husen(d.1190)作）は、両者とも現存している。模倣の方は音楽を欠いているが、西側のメロディに完全にフィットする。 同様に、フランス語やプロヴァンス語のメロディにフィットする他のドイツ語詩は、やはりFriedrich von Husen作のDeich von der guoten schietである。そのverseはBernart de VentadornのPois preyatz me senhorと極めてよく似ている。 ドイツ後は、当時すでにネイティブな発展段階にあり、von Husenを通してフランス語の影響は、広く浸透した。こうしたネイティブな発展は、フランス語においてラテン語の歌が生じたように、そして母国語における産生のように、フランス語におけると同様にドイツ語において、ラテン語資料のoutgrowthであった。 ネイティブな芸術は、外国の影響を受け入れたが、その分、アイデンティティを失っている。２つのもっとも古い非典礼的なドイツ語歌のひとつ、Gallusliedは、10世紀に作られたが、ラテン語テキストとして現存している。もうひとつは、ドイツ語で書かれた９～１０世紀の写本中にあるPerusliedである。 １２～１３世紀のドイツ人詩人‐音楽家は、Minnesingerと呼ばれた。かれらは主に南部からやってきた。特にオーストリアから。彼らの音楽的遺産は主として彼ら自身の時代よりかなり遅れた時代の写本中に遺されている。１４世紀のJena Song 写本は91のメロディを含み、１５世紀のColmar写本はMinnesingerのアプローチの点からのコレクションが保存されている。その写譜は、改訂されたものも含んでいる。Colmar写本は、およそ107のメロディが保存されている。その他の現存のものには、Heidelbergの写本があり、ヘンリー６世（赤ひげ王の息子）による２つの歌が含まれている。Munsterの断片は、Walther von der Vogelweideによる１つの完全な、および４つの不完全なメロディを含んでいる。Vuebbaの写本はFrauenlobその他の作品を含み、２つの写本はNeidhart von Reuenthalの歌が含まれ、特別な関心を惹く。 p２３２ Minnnesingerには、ロマンス語に相当するもののように、リズム解釈の問題が存在していた。この時期のロマンス語とドイツ語のverseのprosodyにおける基本的相違は、前者はシラブルで計量できるのに対し、後者は、強いアクセントがあることで（アクセントから外れた数は必ずしも一定ではない）、モードの解釈がしばしば適切であるとしても、リズムモードが一貫してMinnnesingerに適用されるとする仮定を除いて、トロバドールとトロヴェールとMinnesingerのリズムの間の十分な相違を示している。Minnneliederは、テキストの性質により、２拍子にも３拍子にもtrascribeされている。 初期のMinnnesingerは、３つのグループに分けられる。最初は、1150‐90年で、movementの勢いがあり、フランス語の影響が強くなる前の時期である。第２は、１２世紀最後と１３世紀初期の時期で、von HusenやReinmar der AlteやWalther von der Vogelweideや、有名なnarrative poem Der arme Heinrichを書いたHartman von der Aueらが活躍した時期で、ある。第３の時期は、heinrich von Meissenが亡くなった1318年頃にまで及ぶ相当に長い期間である。なお、Meissenは" Frauenlob"とも呼ばれるが、それは、ライバルのMinnnesingerであったRegenbogenとの”歌の闘争”において、彼が、Weibの代わりにFrauを用いて勝利したためと言われている。 p２３３ この期間は、（Minnnesingerから）Meistersingerへの遷移期であり、Frauenlobをその最初の人と看做す向きもある。Neidhart von Reuenthal（c.1180-1240)は、その夏と冬の歌は民謡調であり、このグループの初期メンバーに属している。Tannhauser ,Wolfram von Escenbachは、ワーグナーの楽劇で示されたように、1207年の実際に歌合戦に参加していた。Wolframの叙事詩Parzivalは、彼の最後の作品として、まさにワーグナーのために作られたようなものであろう。 Minnnesingerによってつかわれた詩の形式は、Lied(=Provencal canso), the Tagelied(Provencal alba),the Leich(=lai),Spruch("proverb")等である。 Liedにおいては、愛の取り扱いは一般的に、プロヴァンス語やフランス語の歌よりも”理想的”であった。歌手たちは、特定の女性への愛や自然、宗教的問題について歌うより、騎士道的愛への献身をした。ワーグナーは、彼がTristanでBrangaeneの警戒の呼び声を書いた時に、Tagelied（あるいはWachterlied)の伝統を裏書した。トリスタンの物語は、偶然にも、トロヴェールとドイツ人にとって好まれる話題だったのである。Sprucheはしばしば、物語形式であり、時に、政治は社会問題も扱った。 音楽に関しては、あらゆる旋法が使われているが、ミキソリディア旋法は一番好まれていない。多くのメロディは５音音階の特徴を持っているが、頻繁の短三度の使用よりも純粋な５音音階は少なく、このような特徴が介在する音は、それがpien-toneとして解釈されるかもしれない。 ２つのStollenとAbgesangの構造はすなわち、Bar形式であるが、好まれてはいたが、その他の形式が排除されていたわけではなかった。１３世紀の単声歌に適用されて、この構造は、重要なディティールの取り扱いにおいて、かなりの可変性を許容することとなった。 p２３４ あるメソッドが、Walther von der Vogelweideによる美しい歌で説明される。それは明らかに、１２２８年の十字軍に関連してのものである。Walther は下層貴族出身であるが、ミンストレルとして数年間、雇用されていた。ドーリア旋法はrouded chanson形式を説明する。すなわち、Stollenの部分のメロディは、最後に繰り返され（しかしrefrainではない）、それゆえにrouds offの歌と呼ばれる。  Stollenのメロディ素材部分の繰り返しは、Abgesangのcourseにおいてかつて歌われたが、多くのMinneliederに現存している。この原理のもうひとつの適用は、Stereitgedicht（プロヴァンス語でcanso)において示される。それはイエナ写本の”Der Unvurzaghete"である。 この作品においては、２フレーズのStollenメロディが、４フレーズのAbgesangの第２、３フレーズにことごとく関連している。”Der Kunic Rodolp" とはルドルフ１世のことであるが、最初のハプスブルク家の皇帝であり、テキスト上彼の徳、判断は音楽家への厚情は含んでいない。メロディは長調であり、あまりに近代的に鳴り響く。 p２３５  同じMinnnesingerによる別の歌（これもまたイエナ写本に含まれる）は、”20歳若い男”にその若さを浪費しないように訴え、名誉ある生活や婦人を尊敬するよう導いているが、減じられた有節lai形式の例である。すなわち、Abgesangは最後でのStollenの音楽素材すべての単純な繰り返しである（cf．p２２７）。これはWitzlav von Rogen（d．1325)が、自身が、よく知られた歌の多くのcharmを使った選好を示したものである。彼は言う、一晩中の悲しみで、メイドは彼に影響力を及ぼした。しかし彼は、彼女のキスによって、喜んでその苦痛を忍ぶだろう。 それは、Maytimeの巡りを歓迎する２つの歌において、Neidhart von Reuenthalによって礼儀正しく使われた。以下の例は、Meyster Rumelantが処女マリアの全能性の神話的愛を丁寧に歌ったものである。  14世紀から１５世紀初頭に、Minnnesingerの芸術はポリフォニーの実践に徐々に向かっていった。 The Laude and Geisselerlieder トロバドールたちのイタリアへの影響は、十分に証明されている。Sordello（d.after 1269)は、イタリア人のトロバドールであったが、その詩は現存している。Reimbautz de Vaquieras,Peire Vidal(d.c.1215),Gaucelme faidetは、プロヴァンス人のトロバドールであったが、同時に、イタリア半島を旅していた。ダンテはプロヴァンス地方の詩人‐音楽家を崇拝し、そうした作品を収集していた。彼は、たとえばArnaut Daniel(d.1199)のsestinaの形式を借用したりした。しかし、イタリアにおけるトロバドールたちの直接の影響は、音楽よりもむしろ詩にあった。世俗音楽は、それを”世界的”と見るのであれば、14世紀まではイタリアにおいては、芸術的な運動には及んでいなかったと言えよう。 p２３７ しかし、”世俗”の意味を”非典礼的”と解釈するのであれば、イタリア語の宗教歌については、フランス語やプロヴァンス語の宗教歌と同様に受け取ることができる。こうした歌はすでに、アッシジの聖フランシスの時代（1182-1226)のイタリアには存在していた。 アッシジの写本は、アッシジの聖フランシスの有名な太陽賛歌を含んでいるだけでなく、また、以前に供給され、私たちには空白ともなったメロディのための空間もあった。現存するその歌は、奇妙な資料にその起源がある。1259年頃、悔悟の団体が北イタリアに拡大していった。団体は鞭打ち刑を実践し、行列を持って旅をし、時代の罪に対する贖罪を求め、戦争や疫病に打ちのめされることを恐れていた俗人の多くの人たちと一緒になった。 彼らが旅をしながら歌った鞭打ちバンドの歌は、laude spiritualiとして知られている。100ほどの作品がFlorenceのlauda写本で、４６が１３世紀のCortona写本で、いくつかがケンブリッジの写本にある。 laudaの文字通りの形式は純粋に世俗的なballataの形式と密接に関連している（フランス語のvirelaiに相当する）。しかし、その形式は不変ではない。事実、laudaはformよりもむしろstyleを示している、と言われている。このタイプの外形的な特徴は、３つの部分に分けられる。すなわち、ripresa(refrain),２つのpiediと１つのvoltaからなるstanza,ripresa(refrain)の繰り返しである。voltaはしばしばripresaと同じメロディとなる。Liuzziによれば、多くのスタンザ中のlaudeにおいて、refrainはそれらのそれぞれのあとではなく、一番最後に出現する。この３部分のフレームワーク内でさまざまなvariationがある。 ２つのpiediは時に同じになり、そうするとドイツ語のStollenと似ることになる。その場合、voltaは、Abgesangに相当する。こうなると、その音楽形式はvirelaiと同じことになる。Cortona写本中のlaudaの１３はこのパターンである。 p２３８ 音調は長調や短調的であり、リズムは通常２拍子であったと考えられている。 Ｆｌｏrｅｎｃｅ Ｍ Ｓ Ｍ ａｇｌ. II I写本中には、第２節の最初までの音楽を伴ういくつかのlaudeがある。第２節は最初の節の変奏となっている。これは興味深いことである。なぜなら、基本的メロディは、中世の有節作品において、繰り返しで変奏されるからである。 Cortona写本中のメロディは単純な傾向にあるが、Ｆｌｏrｅｎｃｅ Ｍ Ｓのそれは、全体的に精巧である。ここでは前者のlaudaを示す。パターンは以下である。  p２３９ penitential maniaは、アルプスを超えて、北ヨーロッパへと拡がり、特に1349年のドイツにおける黒死病の時には、猛烈に拡大した。ドイツ語のGeisselerlieder体部はいくつかの写本中に現存している。 主な写本は、Hugo（c.1285-c.1360の”Chronikon"である。Hugoは街で、Geissler(鞭打ち）の到着に際しての儀式に出くわした。こうした行動はLiederと呼ばれるグループを伴っていた。こうした歌の基本形式は４行スタンザであった。スタンザのいくつかにおいて、最初の３行は押韻し、ドイツ語のverse形式は、イタリア語のlaudeのverse形式によって影響され、あるいは借用されていた。 音楽に対しては、Geisselerliederは”宗教的民謡歌”であった。数少ない音調は、儀式全体で使われた古い巡礼歌から取られていた。その配列は、基礎的なメロディパターンa a b bであり、laudaの豊かで可変的な音楽的繰り返しと比べると初歩的であった。導入行列のより長い節はa b c b c bとなり、連祷の影響を受けていた。 メロディの概観、形式において、Geisselerliederはルター派のコラールを先取りしている。1666年のLiederの一つは昇天日の行列歌であるが、以下の譜はもっとも有名なGeisselerliederである。。  北部よりもイタリアにおいて、ほどなく、penitential maniaは死滅した。おそらくは、教皇による不承認がより容易にイタリア半島に浸透したためであろう。しかし、spiritual songsの歌い方は続いた。ある種の団体はイタリアで生き残った。しかし、こうした初期の実践の後、Laudistiは16世紀になるまでに、こうしたやり方は根本的に修正された。パレストリーナへ影響を及ぼしただけではなく、オラトリオの創造を準備した。 p２４０ English Monody トロバドールの歌をイングランドへ導入する試みが行われた。1152年のフランスのルイ２世とアキテーヌ公エレアノールの結婚は無効となった。そして彼女はアンジュー公アンリの妻となり、イングランド王のAngevin lineの領主となった。イングランドでは、疑い無く彼女は、すでに北フランスのアキテーヌでで行ったようなトロバドールの作曲活動を奨励した。Bernartde Ventadornの詩の一つは、彼が海峡を渡り、イングランドで時を過ごしたことを明らかにしている。 しかし、トロバドールの花をイングランドに移植する試みは成功しなかった。StａＥ ｌ と ＥＥＨ Ｉという初期イングランドのファクシミリ中の２つの雑多なコレクションに、トロバドール起源のAnglo-Frenchソングはいくつか現存する。しかし、イングランドには、フランスに匹敵するような、トロバドールの楽派は存在しなかった。英語の初期の単声の歌にはトロバドールやトロヴェールの痕跡はない。唯一の例外が”Prisoner's Prayer"であり、これはフランス語と英語の１３世紀の歌である。フランス語のテキストは写本中にあり、注意深く記譜で整えられているが、もともとオリジナルなものと考えられている。このことが正しければ、英語がある点において、同様な音楽形成に陥る韻をもっていることは価値があることである。そこでは、対応するフランス語テキストにおいては、韻は存在していない。  もしも単純な翻訳であるならば、英語のテキストははるかに音楽に忠実であり、最初に写本を見ると、英語のテキストの方がもともとのオリジナルに近いと思われる。 ネイティヴな英語では、より古い伝統が芸術音楽において続いていた。アングロサクソン時代、音楽は、兵士や教会人の間で広く実践されていたが、特に、scopsとgleemenの地域でそうであった。両者の間の古典的な区別だが、scopsは、王子のホールに定住していたが、gleemenは旅をしていた。両者はしばしば混同されるが、理想化されたscop Widsith("Far Traveller")のフィクションの自伝で示されているように、それは、最も古い現存する英語の詩である。scopsもgleemenも音楽家としては離れて考えられており、あるいは彼らはむしろ詩人や歴史家の概念のものとにあるが、我々は、彼らの音楽の現存例がないために、真贋を決めることができない。 ノルマン征服後、scopsとgleemenは、minstrelsにその地位を譲り（その機能は名前の変化ほどではなかったが）、両者ともに、封建領主の宮廷に定住し、街道を旅するようになった。彼らはハープの伴奏でもって、長いnarrative 詩を唱え続けた。チョーサーの”Troilus"のようなゆっくりとした引き伸ばされた詩は、唱えるというよりは、歌われた。 典礼音楽は、トロバドールたちの同じような資料に負った芸術よりも、ネイティヴな英語の音楽作曲に、大きな直接的影響を与えたものと思われる。ノルマン征服後の英国のもっとも早期の現存する叙情詩は、北英国のサクソン人の隠者で1170年に死んだSt.Godricのものである。彼は北英国の洞窟に住んでおり、これらの歌は天使のvisionを通して書き留められた、と言われている。たとえば以下の歌は、天使たちが脇にいて、彼の死んだ妹の魂によって、妹がどのように他の世界で振舞うかを知るために神への絶え間ない哀願に答えながら、彼に対して歌われたと考えられていた。  p２４２ 英語の歌のメロディを分析すると、歌に先行して、あるいはその後に、精巧なKyrie eleison定式が出現してくることがわかる。テキストをベースにして、この歌は、初期の記録されていないアングロサクソンの有名な歌の特徴を示しているということが論議されている。しかし、音楽的観点からは、むしろ、典礼の母国語的なoutgrouwth、笑劇であるように思える。その他のGodricの歌もまた、典礼的な資料を持っている。ひとつは処女マリアへの祈りで、もうひとつは、聖ニコラスへの祈りである。 教会の礼拝から、音楽を伴う局所的な歌、In Rama sonat gemitusが発展した。これはトーマス・ベケットの生存から追放にまで言及している。それゆえ、この歌は、1164年と1170年の間に書かれた（但し、写本の日付は１４世紀である）。 ベケットは1164年に英国から逃れ、殉教の年、1170年までフランスで過ごした。テキストはマタイによる福音書第２章第１８節より由来している。ベケットの一生は、英国の多くの単声のantiphonで取り上げられている。彼の死後3年の列聖前に、英語のantiphonが、Godricの歌のインスピレーションを呼び起こすやり方で、Norfolkの司祭に対して、天使のグループによっておそらく書き留められた。１３世紀の写本は、聖トーマスに対するラテン語のantiphonを記録している。音楽的には、それらはまったく様々であるが、大部分は、写本中のGloriaのメロディを使っている。 半典礼的な歌から離れて、我々は、純粋に世俗的で、1225年頃の日付で、断片的な歌である、Mirie it is while sumer ilastを見出す。この叙情詩の音調は、アングロサクソン詩に近く、 より純粋に世俗的であり、かつしかしほとんど快活ではないのは、断片的な歌である、Mirie it is while sumer ilastである。これは悲しく、予言的な歌である。そして各行の下降するメロディは、こうしたムードを表現している。 13世紀または14世紀初期の別の孤高な歌は、Byrd on brereで始まり、下降メロディやrewe("have piy")のテキストに色彩化を持つ、魅力的な愛らしい叙情詩である。これは、12世紀の教皇大勅書の裏に筆写されている。 予言の音調は、この時代宗教的道徳的の歌、Worldes blis ne lasで、数少ない現存作品である。音楽は、２つの若干異なった版が残されている。もうひとつの激しい性格を持つ13世紀の歌は、Man mei longe him live s weneである。  p２４３ それは、快活で強くリズミカルな、13世紀の英国に遺された音楽作品である。それは、悲しい曲でも同様である。実際、中世の英語文化に詳しいKenneth Sisamは、この世紀のmoodを、“S ｕme ｒ is ic ｕ ｍ ｅｎ ｉｎ. ”のそれ、としている。 Ｄ ｏｕcel39 写本中の器楽ダンスは、はっきりとした”長調”の性格を持っている。作品は、初期のダンスよりも注意深く分析され、何度も再生産されたりtrascribeされたりしてきた。その音楽的重要さは、我々が、より古い楽器の性質を持つ３つの現存するダンスがあることを理解することによって、部分的に評価される。 構造的には、この英語のダンスは、非常に重要である。なぜなら、最初のパートはことごとく単声であり、陽気なクライマックスとなるにつれて、突然３声のハーモニーとなって 爆発して終わるからである。明らかにこのダンス形式の多声化は、英語の発展であった。なぜなら、その他の３つの器楽ダンスはもまた英語で書かれており、すべて多声だからである。 しかし、Douce139写本のダンスは、これらの他の３つの英語のダンスよりも注目すべきである。なぜなら、その作曲者は、単声と多声の両者を使いこなすことによって、良い効果を出しているからである。 p２４４ 一般的に、１３世紀の英国は、偉大な文化的複合体の一つであった。初期音楽の学徒に関する事実が、Arundel248の5ページを見やるだけで、EEH（Early English Harmony From the 10th to the 15th Century)Ⅰにおいて再生産されたことは印象的ではない。ここでは、ラテン語、フランス語、英語の歌が並んでおり、単声、２声、3声の作品がある。Angelus ad Virinemは、英語へ翻訳された単声歌として現れる。複数の作品は、さまざまな系列からのcontrafactaである。 その他の英語の音楽の重要な写本として、Hａrley 978がある。その中には、興味深い多声作品がある（”Sumer is icumen in"や３つの多声ダンスを含む）。それは興味深い単声作品、Samson dux fortissime（劇的性格のラテン語のplanctus(lament)を含んでいる。そこには、SamsonとDelilahのためのソロパートがある。冒頭と終了部分は、解説者や合唱によって歌われる。planctusは現在、ドイツ語のライブラリーにて、２つの写本中に表れるが、その版は、Hａrley 978ほど完全ではない。１つには音楽がなく、もう１つには、合唱とサムソン役のソリストがいる。しかし、英国におけるこのような作品の存在は、おそらくは、ギリシャ語の合唱同様、Samsonのテーマであり、中世の劇を取り扱ったこの主題に対する我々の先入観に合わせることは難しい。ギリシャ劇の再発見の熱狂のもとでSamson Agonistesを書いたミルトンははたして、中世のこのHａrley 978を見たことがあったのだろうか？ 英語の音楽おいて13世紀は、私たちに断片的な遺産を遺していた。単声作品だけでなく、多声作品も。１３世紀は、音楽的なインパルスも強烈であった。息つく暇もなく、世俗音楽が文学、道徳、神学的関心にその場を与えた。地方まで政治的、社会的、宗教的、経済的統一性が成し遂げられることはなかった。15世紀とともに英国は再度その音楽的能力をフルに示すようになったのである。 p２４５ Spanish Monody : The Cantigas 13世紀まで、スペインでは音楽的主導権が取られるような世俗音楽は、ほとんど知られていなかった。我々はすでに西ゴート王国のlamentや、Song of the Sibylについて述べた（p198）。12世紀の年代誌は、音楽が王室の祝祭や貴族の城、有名な祈念で歌われたことを示しているが、こうした音楽は一切現存していない。 もっともよく知られていた例は、半島的な世俗単声音楽の例であろう。それらは、母国語の点において、ガリカ語の歌、Martim写本、ジョングルールやトロバドールに帰する。Siete canciones de amorである。７つの歌のうち、６曲が現存している。メロディは３つの要素からなり、ひとつはrefrainとなている。写本中の作品素材間の類似性やモザラベ聖歌のpreces（応答祈願）のメロディのある種の傾向は、後者が「それらが世俗歌由来であることを示す」。 もっとも偉大な中世のスペインソングの遺産は、ガリカーポルトガル語のテキストで、アルフォンソ賢王によって収集されたものである。このコレクションはCantigas de Santa Maria(聖母マリアのカンティガ集）として知られ、400以上の歌ああつめられ、「中世の元も偉大な記念物の一つ」tされている。”カンティガ”とは、ガリカーポルトガル語文学の宗教・世俗詩に適用される一般的な用語である。 アルフォンソ賢王は、多くの点において、不満足な君主であったが、母国語でのスペイン語の史料編纂を確立し、カスティリヤ語散文の父と呼ばれている。彼は音楽を好み、多くのトロバドールたちの庇護者となり、Salamanca大学での音楽コースを確立した。Guiraut Riquierは最後のトロバドールであったが、アルフォンソ賢王の宮廷で過ごしたことがあった。 しかしGuiraut Riquierは、スペインで活動した最初のプロヴァンス語の詩人‐音楽家ではなかった。Ｍ ｏｎｋ ｏｆ Ｍ ｏｎtａｕｄｏｎやG ｕirａｕt ｄｅ Ｂｏｍ ｃｌｈは、より早期の時期に活躍したトロバドールである。プロヴァンス地方の支配者やイベリア王は、相互訪問をし、トロバドールやジョングルールは、彼らの旅に従い、もともとあったverseや音楽のcross-fertilizationと呼ばれたものをアシストした。それゆえ、聖母マリアのカンティガ集中のトロバドールたちのそれと同様のアシストがあったことがわかっても、驚くには値しない。 p２４６ Riberaは、カンティガがトロバドールやトルヴェールの時代の全盛期よりも後であることから、アラブの影響による産生が、プロヴァンスからスペインへという流れ以前に大きく、決してプロヴァンスからスペインへという流れではない、と主張している。アラビア語のzajalは、固有のスタンザの前後のrefrainの出現によって特徴づけられた詩形式であるが、その発展期間後の12世紀の前半には、高い文学的ランクに挙げられていた。カンティガの多くのパターンは、zajalのそれである。すなわち、節はrefrainに先立ち、あるいはフォローされる。（strophe→refrain)。そして、TrendやWestrupは、Riberaの主張に反対し、カンティガの形式がzajalから来ているという説に同意している。zajalはvirelaiやballade（refrainの欠如がronddeauと区別される）に非常に良く似ており、そして、Riberaの理論は、アラブの形式がスペイン語の模倣を促し、スペイン語詩の影響がプロヴァンス語や西・中央ヨーロッパに広まったとするものである。現存する作品はないが。 ムーア人の影響という自身の主張を支持する中で、Riberaは、カンティガの写本は、きれいに彩画で彩られており、そこの音楽家はアラブの衣装をまとい、アラブ起源の楽器を奏でている。アラブの楽器のヨーロッパへの影響は、広く受け入れられている。luteという名前は、アラビア語のaludから由来している。そして、東洋が起源の楽器は、十字軍の頃には西洋に知られるようになった。 ここで疑問が生じる。もしも詩がムーア人のモデルから由来するのならば、そして、カンティガを飾る彩画がアラブの音楽家や楽器を示すのであれば、そのメロディもまたムーア人と関連しているのではないか？ そして、もしもピレネー山脈の北部からの歌がスペイン語のそれに似ているのであれば、アラブからの影響はなく、直接に、スペインからのものなのではないか？ Gennrichらの答えは、アラブからの音楽写本がまったくない中で、ヨーロッパの世俗音楽へのアラブからの影響は投機的とみなさねばならない、ということであった。こうした仮定は、、Gennrichがすでに示しているように、連祷、セクエンツィア、hymn,すなわち実際に役立つ素材と比べて世俗形式グループとの顕著な平行を示すには頼りないところがある。 多くのカンティガの音楽形式のvirelaiパターンに関しては、Anglesがラテン語のconductiとRipollのカタロニア修道院のvirelaiの音楽形式を比較している。こうしたconductiは、カンティガを100年ほども先取りし、その原型を早くも作り出していた。教会が、virelaiやballadeの概念を生じさせた十分な素材を差し出していたために、こうした形式の源がzajalに求められるべき理由は何もなかった。 多くの人は、キリスト教芸術へのムーア人の影響を探ろうとしており、それは確かに存在していた。しかし、状況はzajalに関しては、特に変化はしていない。つまり、それはキリスト教芸術によって示唆されなかったのか？ということである。あるいは、zajal-virelai-balladeという考えは確かであり、簡単にいくつかの場所でそれぞれ独立して発生したのであろうが、我々はなぜそれぞれのやり方の影響を探さなければならなかったのだろうか？Riberaによって推論された証拠は、新たな発見もなく、状況証拠にとどまっている。 Riberaはまた、ヨーロッパの世俗単声音楽は、そのリズムと長調への傾向がアラブ由来であると主張している。彼が挙げた疑問は、論争中であり、ここでは取り上げない。 ４つの写本に現存しているカンティガはそのうち３つに音楽がつけられている。4番目あ譜表はあるが、空白のまま残されている。Aubryらによるtranscriptionは、リズムモードを適用している。Anglesは、2拍子と３拍子を採用しているが、混合モードと考えられる。Riberaは独自の道を行き、そして彼のtranscriptionは、drawing room acoompanimentsとともに、非常に魅力的である。 詩は音楽同様、さまざまなソースから取られている。アルフォンソ自身もそのひとりである。多くのcanticleは聖母マリアの奇蹟を語るが、それぞれ１０番目の作品は賛美の歌である。修道院から逃げ出した修道女に取って代わった聖母マリアの伝説‐私たち自身の時代の劇作家に奉仕した物語‐が、闘牛の歴史に属しているcanticle同様、登場する。 形式は、zajalのように、最初と最後にrefrainsを持ち、virelaiのようなデザインがしばしば表れる。以下のようなパターンである。 ABccdbAB これは、p２２３で示した３つのballade形式のうちの最初の２つに相関する。作品を構成するメロディ的な韻の使用に関して、すでに論じられている。記譜は計量的特徴を持ち、すでに普及していた第３リズムモードからは逸脱している。  |