FAUXBOURDON 1

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INTRODUCTION
現在、広く宣伝されているフォーブルドンの主題に全体の論文を捧げている作家は、彼の仕事を正当化するために特別な苦労をしなければならない。

Old French WordsのFaulx bourdonの謎は、長い間専門家の間で、ポピュラーな主題であった。専門的な研究は、スタイルの起源と派生を探求し、Faulx bourdonという言葉の意味について熟考している。

音楽史や鑑賞のテキストなどの専門性の低い本では、不一致は考えられていない。 fauxbourdonは、通常、平行三度と六度がが西洋（大陸）音楽に導入された主要な道の一つとして提示されている。

教科書の作者によって証明されたfauxbourdonにおけるほぼ世界的な関心のために、すべての音楽学生が、少なくとも彼らの人生のある時点では、fauxbourdonの考えに向けられていると言っても過言ではない。

このような理由でfauxbourdonが有名になっていることには、不平もあるかもしれない。何が起ころうと、音楽的特徴の一般的な単純化がしばしば起こり、そして音楽スタイルはその名声によって知られるようになる。

このように、fauxbourdonの場合、落胆するほどに、多くの学徒が、本物のフォーブルドンの構図について分析したことは一度もなく、平行六度の平易なプレインチャントの和声設定としての抽象的な用語において、fauxbourdonを考えているように思える。いくつかの極端な例では、fauxbourdonのような用語は、六度和音それ自体と同義語となっている。

　熟考的読者は、どうしてそんなに本質的な単調なスタイルがそれほど多くの考慮を払われるべきなのか、時々不思議に思うかもしれない。特に、15世紀初頭の最も偉大な創造的アーティストの何人かは、なぜ、最初の反転和音の機械的な進行に関心を持つべきなのか？そのような退屈な和音の工夫が、あらゆる時代の偉大な作曲家の想像力に長い間関与するとは思われないだろう。

歴史的様式は純粋な六度和音以上のものから成り立っていなければならない、というのが、論理的帰結なのである。

この推論は、カタログ、目録、および特別な研究を通して、そして同僚から提供された特別な情報の結果として辿ることができたすべての本物のフォーブルドン作品の収集のための推進力を提供した。

この結果として生じたコレクションは間違いなく、完全ではない。完全なコレクションを集めるには、ヨーロッパの図書館のすべての資料を個人的に調べる必要がある。現時点ではプロジェクトの検索はできないが、私たちのコレクションはほぼ完成している。そしてそれは確かに理解できそうである。こうしたコレクションが以前に作られたことがなかったことには驚く。

これらの作品が現代の記譜法でtranscriptionに利用できるようになっていれば、fauxbourdon研究にとって,非常に有益であろう。

　作品は、16世紀初頭の4声のFaulsobourdonの様式の変容を通して、1430年以前の音楽を保っているFaulx bourdonなる用語の最初期の文献的出現によって限定された時代に書かれた。

我々は、175の異なるテキストの172の異なるfauxbourdon設定を収集することができた。それらのほとんどすべては典礼的なものである。 Faulx bourdonの刻印を持った172の音楽設定うち、25作だけが全体として近代的な記譜法で出版されている。他の1作は部分的なtranscriptionが有用で、通常は最初の数小節だけである。

公表された数は少数ではあるが、興味ある学徒はさらにその出版にあたり、ハンディを負うことになる。それは、hymnsの一形式であり、Dufayというひとりの作曲家のものしかない、ということである。

　公表されたfauxbourdon作品集と完全なレパートリーとの間の正確な関係を決定するために、典礼の機能に応じて175のテキストのグループを分類し、発表された作品を現存する作品と比較することができる。

以下では、各典礼形式の数量にひき続いて、括弧内には公表されたtranscriptionの数が続いている。（この目的のために私達は部分的なtranscriptionと完全なtranscriptionを組み合わせている）。

賛歌46（19）;
詩篇31（1）;
Magnificats 20（1）;
Introits 19（0）;
Antiphons 14（4）;
Kyries 14（2）; Kyrie itanies3（1）;
グロリア2（1）;
Agnus dei 2 (1);
Benedicamus domino 1 (0);
Sequence 11 (0);
Versicle and Response 1 (0);
Communions 2 (1);
St. Matthew Passion 1 (0);
Preface 1 (0). In addition ，

さらに、4つの非典礼的な作品がある。

Motets 2 (2);
Carol 1 (1);
Chanson 1 (1).

現代のtranscriptionが歴史的なfauxbourdonの本当の姿を提示しないことは、容易に理解される。賛歌の半分でさえ、これまでのところ最もよく表現されているのだが、編集されていない。 IntroitやSequenceのようないくつかの重要なタイプは、まったく再現されていないが、数値的に少ないもの、exempli gratia motet ， carol and chanson はすべて出版されている。したがって、最も有益で興味深い作品の大部分は、写本の形でしか入手できない。

　fauxbourdonの様々な作曲家は、ほとんど思慮深く示されていない。 172の音楽作品の作曲家は、次のように印刷版で表されている。

作者不詳96 (6);
デュファイ２４（１５）。 N. de Merques 6（1）;
Binchois 6（5）; Brasart 6（0）; '
Roullet 6 (0);
Antonius Janue 5 (3);
Johannes Lymburgia 5 (2);
Benoit 2 (1);
Feraguti 2 (0);
Sarto 2 (0);
Hermann Edelawer 2 (0);
Reginald Liebert 2 (2); C.
Merques 1 (0);
Ray . de Lan 1 (0);
Johannes Martini 1 (0);
Christoferus Anthony 1 (0);
Fede 1 (0);
Grossin 1 (0); '
Arnulphus' 1 (0);
Busnois 1 (1).

Dufayの出版された作品は数多いが、 fauxbourdonでのBinchoisの総作品は近世が良く取れて、現代の出版物ではよりよく示されている。匿名の作品は過小評価されたものである。同様に、 Ray. de Lan ， Johannes Martini ， Grossin and 'Arnulphus' 'は利用価値がない。できません。現代のfauxbourdonのイメージは、このように、過去の真の鏡とは限らない。

　作曲家や作品のかなり不完全な描写に加えて、これまで出版されたtranscriptionは時系列の連続を表すものではない。1900年のDenkmaler der Tonkunst in Oesterreichでのトレント写本からの作品の出版では、音楽学者たちは、完全に組織化されたレパートリーから無作為に選ばれたわずかなfauxbourdonにしかなじみがなかった。

その後、1937年の合唱作品の第49巻に、デュフェイの賛歌が出版され、また同じ年には、Jean s Marieによる Binchois のものが出版された。レパートリーの範囲は拡大されたが、Biblioteca di G. B. Martini ， Q/ 15 (BL)とModena ， Biblioteca Estense lat. 471 (ModB)という２つの別のソースからのfauxbourdonの説明がなく併置されたことにより、時系列はさらに混乱した。

後で明らかにされるだろうが、Biblioteca Estense lat. 471 (ModB)がコンパイルされた時までに、顕著な様式的変化がfauxbourdonで起こっていた。さらに悪いことに、1937年頃の主な専門的研究は理論的論文に基づいていたが、そのいずれも、15世紀の第４四半期までには書かれていなかったものだった。

　カオスから抜け出す最初の理解可能な試みは、Heinrich BesselerのBourdon und Fauxbourdonによってなされた（Leipzig、I 9 5 0）。この作品のおかげで、Besselerの他の貴重な音楽ソースの研究と結びついたとき、こうした研究の可能性が出てきた。

　Bourdon und Fauxbourdonは、LudwigのRepertorium organorum recentioris et motctorum vetustissimi stiliのように、非常に影響力のある著作の1つと思われる。タイトルは限られた関心を示唆しているが、Besselerは実際には15世紀の音楽の基本的な要素の機能的な発展を扱っている。調性と和声、音色（声または楽器）、韻律とリズムなどのように。それは、fauxbourdon、循環ミサ曲、モテット、歌曲定型、コントラテノールなどと同様の初期の15世紀的現象である。

　Besselerは、彼の序文で、Dufayの創造的想像力の豊かさにどのように魅了され幻惑したか、そして出発点として、最も謎めいたポイント、fauxbourdonを扱うことによって、彼の研究を始めかを書いている。Besselerによれば、この問題（fauxbourdon）は、Guilielmus Monachusと 'Pseudo Chileston'の論文に基づいた理論の解釈と解釈のおかげで、事実よりも神話になった。ベッセラーは続けて次のように述べている。

単独でその神話の基礎となっていた2つの分野の代わりに、何百、何千もの作品を持つ音楽ソースの圧倒的な権威がついに認識され、一度完全に使用されるべきである。したがって、主な問題は、より良く作られた図画によるフォーブルドン神話の解決であった。著者は、13世紀と14世紀の資料の研究と比較すると、明らかによく知られている主題についての内なる偏見から自分を解放することは非常に困難であるという印象を持っている。

　fauxbourdon神話は、現存のソースの純粋な機会的読み込みが、いかに運命的であるかの例を提示した。統制や評価の可能性なしに、彼のケースを支持する人は誰でも、新しい事実がすぐに彼のケースを破壊する危険を冒すことになる。

この警告はよく受け取られている。fauxbourdonのように、一群の関連する作品を扱う際には、統制の問題を解決することはそれほど難しくはない。これらの作品は常に、Faulx bourdonという刻示によって簡単に認識できる。これは作曲家自身によって課される統制要素であり、歴史的様式の真の範囲を確立するために絶対に必要である。

我々は、研究された作品の信憑性を保証するために、この制限を採用した。我々は、2声部が平行六度和音における平行六度あるいは三度で書かれたという理由だけで、作品がfauxbourdonであるとは考えない。

この程度の解釈は、望まれるほど科学的ではないfauxbourdonの概念につながる。定義を作らずに、私たちは、fauxbourdonとして分類された作曲家（または書記）に含まれるものすべてをそれとして受け入れ、そのように示されていない作品を当面は拒否する。

歴史的なfauxbourdonは、我々が見出すであろう、ある種の平行六度和音だけでなく、他の様式上の特徴も持っている。最も重要なことは、謎のキャノンやデュエットスタイルの歴史、広範囲にわたる和声的指示を伴うコントラテノールバスの進化、そして、固定された音程間の公式に基づいた自由な即興の体系としての15世紀の音楽のその他の興味深い側面と密接に関連していることである。

fauxbourdonはまた、合唱ポリフォニーへの15世紀のトレンドの一部であり、3声ではなく4声からなる規範の確立に向かっていた。要するに、fauxbourdonの主題は、成長と変化に対するその刺激的な音楽的能力のために、そしてその特徴の多くの発展が、一般的に15世紀の音楽において行われている大きくて重要な変化を反映するために重要かつ綿密な研究の価値があるのである。

　構成の目的のために、我々は、素材をいくつかの一般的なトピックに分けた。この巻では、レパートリー全般と主なソースについて説明している。このシリーズのさらなる巻は、二次ソース、fauxbourdonの contratenores、falsobordoneの進化、即興のfauxbourdonおよびfalsobordone、fauxbourdonに関する理論書の引用の評価、およびfaulx bourdonという用語の意味に関係している。

p6
THE REPERTOIRE IN GENERAL
faulx bourdonという刻印を含む作品は、わかる範囲において、、実際に演奏に使用されていた約26の写本で現存している。２つの英国の写本を除いて、これらのソースはすべて、15世紀から16世紀初期において、ヨーロッパ大陸で複写された。

fauxbourdonの80％以上が、写本中の50％以下に集中している。fauxbourdon作品の大部分を含むこれらの後のソースは、次のとおりである。BL， Em， Ao， Tr t7 ， Tr 92 ， Tr 90 ， FM ， ModB ， ModC and CS 15

これらはすべて、イタリア北部、ドイツ南部、またはおそらくオーストリアで、約1430年から1500年の間に書かれたものである。これらは主要なfauxbourdon 写本を構成している。 10の主要な写本のうち、３つは、非常に信頼できる解釈の体系的な形で、fauxbourdonのの包括的なコレクションを持っているという点で基本的であるように思われる。

これらの３つの主なソースには、BL、ModB、およびModCである。レパートリーを後でもっと詳細に精査し、概観から、基本的なソースから残りの主要なソース（我々はこれを二次ソースと呼ぶ）を通して周辺ソースまで調べる。しかしそうする前に、関連することを概説したいと思う。

　15世紀と16世紀の多くの理論家が、fauxbourdon について言及してきた。これらの作家の中から、我々は、15世紀後半から17世紀初頭にかけて、伝統の一定の連続性を維持するために、我々が考え、そして一緒にされるものを選択した。

これらの論文からの様々な作品や実例には、ここで示したfauxbourdon作品の列挙は含まれていない。これらは実際のfauxbourdonとしての傾向はなかったからである。言い換えれば、それらは創造的感覚において、真の作品とは考えられず、演奏もされなかった。

したがってそれらは、音楽作品としてのfauxbourdonの研究における主要なソースではない。しかし、これらの理論的説明は非常に貴重であり、実際のソースで暗示されているあいまいな慣行についての裏付けや説明を提供する上で重要である。以下にこれらの11の論文を示す。

p8
fauxbourdonは、175のテキストと172の異なった音楽設定で実際のソースで見出されている。これらの作品のどれもがほとんど独立しておらず、イソリズムのモテットや循環ミサ曲のような自己完結型の作品ではない。

172作のうちのおよそ半分がfauxbourdonとしての記載がされているが、それらは必ずしも、そのようには実行されなかった。多くの場合、それらはfauxbourdonがテクスチャのコントラストのために使用された、より大きな典礼デザインの一部を形成している。

たとえば、単一のfauxbourdon antiphon だけが記されていた場合、書かれた状態である必要はなかったが、関連した(モノフォニックの)詩編の演奏が暗示されていた。

他の例では、賛歌は、音楽的記譜に伴う第2節とともにのみ、記譜がなされていた。これは、少なくとも最初の、そしておそらくすべての奇数番号のstrophesがモノフォニックに演奏されるべきであることを意味していた。したがって、すべての選択がfauxbourdonで演奏されることは非常にまれであった。

　172の作品の半分は、部分的のfauxbourdon と記載されているか、あるいは代替声部としてのfauxbourdon tenor を示している。代替声部としてのfauxbourdon tenor 作品は、コントラテノールの章で議論されることだろう。

Table 1は、26の写本それぞれにおけるfauxbordon の数を示す。

（略）

p10
　fauxboiudon と称される作品の主な典礼的機能は、写本ごとに異なる。 BL、ModB、F M、CS15などのイタリア北部の資料は、特定のタイプの設定に特化している。 BLとC15では、fauxbourdon hymn が多数派であり、それぞれ13：6と14：4の比率である。

ModBには、主にBLから複写された8つのfauxbourdon hymnが含まれる。しかし、fauxbourdon antiphon にもまた７作が集中している。

特定の典礼機能のためのfauxbourdon設定への好みに注目したイタリア北部の、創造性の地理的な中心に近いその他の資料の間からは、Tr 87 with 5 sequences and Ao with 9 introits を取り出すことができる。それぞれは、全体的にあるいは部分的にfauxbourdonである。

EmやTr90などのドイツの資料は、このようなスタイルと機能の同じ関連付けを示していない。例えば、Emは、7つの賛美歌、2つのmagnificats、4つのkyrie、1つのsancuts、１つのbenedicamus domino、1つのantiphon、2つのsequence、1つのpreface、１つのcommunion、1つのmotet、1つのintrots、1つのdeus in adiutoriumを含む多様性を示す。

　写本はまた、特定の作曲家に対する一定の好みを示している。 DufayはBL、ModB、Tr y2、CS IJで最もよく現れる作曲家である。一方、RoulletはTr 87で、JanueはFMで、BrassartはAoでよく現れる。

Table3は、10の主要な写本のうちのfauxbourdonの作曲家の分布を示す。

　上記の10の主要なソースは、すべての作品の合計とfauxbordon の銘記のある作品との間の揺れる関係を明らかにしている。表4は、資料が年代順におおよそ昇順に並べられており、主な資料に含まれる作品数に対する fauxbourdon 設定の割合を示している。

p11
　1430年の直前に初めて登場した頃の、fauxbourdon の人気の急上昇に関する2つの最も良い予測は、写本BLとEmにある。ＢＬの主体は、ＢＬ全体の2／3ほどもあるが、２つの fauxbourdon しか含んでいない。Nachatrag（N)の方は、faulx bourdonとして、17もの作品を含んでいるのに。

同様に、Emの前半部分は、黒色記譜法で書かれた写本の約半分で、5つのfauxbourdonしか示されていないが、白色記譜法の後半部分は、それよりも多い21を含んでいる。

Fauxbourdonスタイルは、あきらかにゆっくりとでしか成熟していなかったが、最初の登場後、すぐに人気が出た。

　1450年以降、 Fauxbourdonスタイルはかなり専門化された写本ModCとCS 15を除いて、かなり急速に衰えた。これは、1435年から1470年の間に書かれたTrent Codices の6つの主要な巻によって示されている。

巻は時系列に番号が付けられていないが、、Tr 87と92は最も早い巻である。さらに、Tr 87の第１セクション（No. 1-162）とTr 92の第２セクション（No.1510〜1585）は、元々同じ種類の紙で、同じ書記であり、互いにもともとは同じ起源であったが、最後には、別々の素材となった。推論されたTrent Codices 時系列配列がTable 5で示されている。

　最後のcodex のNo. 91では、fauxbourdonのデバイスがもはや使用されていないことがわかる。イタリア北部の fauxbourdon の創作の中心地近くで書かれたTr 92 (I) が、最も多くの.fauxbourdonを含んでいるのに対し、Tr 87（II）は、そのテキストが St. Ciney in Namur (Nos. 189 and 193)を示す作品を含んでいる。そこは、かなり周辺的であり、短い fauxbourdon の間奏のを持つ2つの作品のみを含み、これらは粗雑でわかりにくい方法で記されている。

p13
THE PRIMARY SOURCES
BL -ModB -ModC
fauxbourdonとfalsobordoneの全レパートリーを調査することで、fauxbourdonが他のタイプの作品がそうであったように、成長し変化したことを観察することができる。しかし、それは厳密な対位法的デヴァイスであったので、その成長は、顕著な変化によって特徴付けられなかった。

そのために、３拍子から２拍子へといったような、非常にわずかな技法革新に、大きな相対的な意味がある。

こうした制限にも拘わらず、16世紀の変わり目ごろに、4声の和音スタイル（ファルソボルドーネ）がいくつかのソースに規則的に登場するようになったとき、大きな変化が起こった。

段階的に進歩し、連続した写本からのfauxbourdonを例証することによって、革命的というよりは小さな変化の積み重ねの結果として、歴史的観点において、falso bordone への変化を見ることができる。

機能的な低音部を伴ったnote-against-note的な動きからなる和声スタイルに対するfauxbourdonの進歩は、ルネッサンス初期のより包括的な枠組みにおける機能的和音スタイルの成長を反映している。

このセクションでは、ごく初期のfauxbourdon作品の特性を分析し、目録化た後、その後の数十年間におけるスタイルの進化を中心的な資料でたどっている。

p14
　全体として、イタリア起源のソースは、音楽創造性の中心が北部イタリアにあったので、15世紀の間において、非常に重要である。概して、遠く離れた宮廷や王室礼拝堂は、この音楽をより遅くなって受け取り、作曲家たち自身は、ポピュラーなスタイルの独自の解釈を書いた。しかしながら、これらの周辺のソースは、大きな助けとなっている。なぜなら、それらは時々、中央のソースから即座に実行されたものの部分を、記譜しているからである。さらに、周辺のソースは、技術的に制限されたスタイルで使用できる驚くべき多様な作曲技法を示している。

BOLOGNA， BIBLIOTECA DI G. B MARTINI， Q/15 -BL
（最初のソース）
これまで発見されている真のフォーブルドン作品の最初のソースは、 codex BLである。この写本における作品の合理的な配置は、スタイルの機能を理解するのに重要である。写本は3つの大きなセクションに分けられる。

stageI: Masses and Mass Movements
stageII: Motets
stageIII : Hymns and Magnificats

時系列的には、、最初の fauxbourdon は、ミサ曲セクションにある。しかし最も多くは賛歌とMagnificatsにおいて見つかる事だろう。対応するセクションの fauxbourdon の数はＩが2、IIが 2、そしてIIIが 15である。（13の賛歌と、2つの最後のセクションのMagnificats）。１　最初から、短い作品あるいは楽章に典型的な工夫がみられる。
1 ln the Analytical lndex ， the numbers of the fauxbourdon repertoire of BL are as follows : 2 ， 5 ，6 ，7， 8， 10, 11 ，18 ，21 ，26 ，27 ，35 ，46 ，85 ，86 ，128 ，132 ， 166 , 168.
Besseler ， opere citato ， p. 21 ， includes BL (N) 320 ， Magnificat， Lymburgia as a fauxbourdon although the inscription is lacking. The tenor is very difficult to read but not impossible; measures 3, 4, 12 ，15 ，25 ，29 ，41 and 51 have unresolved 10ths ， and measures 25 ， 31 and 35 have unresolved 5ths between treble and tenor ; thus ， in addition to the fact that fauxbourdon is not indicated ， a strict fauxbourdon contratenor altus is impossible.

すぐに確立することができるもう一つの特徴は、音楽的依存のそれである。演奏では、 fauxbourdonのセクションは、通常、モノフォニックパートと3声の対位法のためのセクションと交替する。

BLの最初の fauxbourdon、DufayのVos qui secutiは、2、3、4声のセクションを持つミサ固有文の最後の楽章である。2
2 BesselerはVos qui secutiが今までに書かれた最初のフォーブルドンであると信じている。この考えを支持する理由には、二重に規範が刻まれているという事実や、カデンツがむしろ、その声部の通常の段階的な降下ではなく、テノールの四度の降下であること、不協和音がかなり自由にそして浪費的に使われていること、そして、cantusと tenor が他のfauxbourdonにおいてよりも独立していること、である。

Bukofzerが「最初のfauxbourdon」の称号のための競争相手として提出する作品は、比較できるような資格を持っていない。たとえば、Binchoisの賛歌Ut queant laxisの設定は、Bukofzerが信じていたほど珍しいことではない。なぜなら、それはまた、通常のcantus と tenor 記譜のある写本Emにも見られるからである（fauxbourdonの記載はないが）。

写本　　
楽譜

Missa Sancti Jacobi: IX. Communio, Vos qui secuti estis me

p15
Vos qui secutiの後の次の fauxbourdonは、デュファイのBL（N）123Kyrie,である。それは、KyrieI,Christeのみからなる。最後のKyrieは、3声の対位法設定である。

さらに進んでいくと、デュファイによる3声モテットBL（N）168 Supremum est mortalibus人にとって最もよきもの (423/697)におけるインタールードでの対照的なテクスチャーに使用されたfauxbourdonが見出だされる。

写本

Dufay Supremum est mortalibus

　しかしながら、モノフォニーの単純な聖歌との交替におけるBLでfauxbourdonを使用する最も一般的な方法が見出されるのは、賛歌とmagnificatsの設定においてである。より精巧な交代方法は、DufayのBL（N）304 Ave maris stella（ModB 19/279)、によって説明されている。プレインチャントとfauxbourdonの設定に加えて、contratenor sine faulxbourdonと書かれているので、完全な賛歌の演奏は、交互の3つのテクスチャ、すなわちプレインチャントとfauxbourdonと３声対位法の交替となるだろう。設定の概略図、節によるスタンザは、以下のとおりである。

写本（６５４）

BLは、どの節がfauxbourdon なしで歌われるべきであるかを示していないが、それは偶数番号のスタンザがプレインソングで歌われるべきであることを示す。

私たちのスキーマは可能性の一つを単純化する。LymburgiaのアンティフォンBL I99 Regina celi、およびLymburgiaとFeragutiによる2つのMagnificats BL（N）319および324のみが、全体を通してFauxbourdonを連続的に使用している。 Fauxbourdonは、対照的な質感を提供するために、最も共通に使用されていた。

　BLで最初に遭遇したスタイルの分析に目を向けると、音楽に直接アプローチする前に、解明されなければならないある種のあいまいな記譜法の実践にすぐに直面する。通常の3声のFauxbourdonでは、2声だけ、cantusとテノールだけが、何らかの方法で、 faulx bourdon という言葉を使った銘記と共に記されていたことは、よく知られた事実である。

オリジナルの記譜法の典型的な例は、Die Musik in Geschichte und GegenwartにおけるBLとModBからのファクシミリに示されている。銘記がなければ、fauxbourdon作品は、単純なデュエットのように見えることだろう。

p16
この決定的な用語は、現存する例の半分程度のテノールのincipitにおいて、見出され得る1。BLの2人目の書記による典型的なエントリーは次のとおりである。
Tenor christe redemptor Au faulx bourdon2。
1 このポジショニングの説明の1つは、15世紀の半ば以前には、テキストが欠けていたテノール部分に、空きがあったということであろう。しかし、cantusはそうではなかった。後の作品では、テノールはcantus同様、テキストがつけられ、この銘記は別の場所に移された。

2 Besselerは、tenor au faulx bourdonの使用は、より一般的であると考えられるtenor a faulx bourdonより重要であると、と指摘している。これは、テノールパート自体がfaulx bourdonではなかったことを示しているが、Besselerが結論しているように、必ずしも、コントラテノールがfalse voiceであったということを示す必要はない。

Bukofzerは、”おそらく「最初の」 fauxbourdon 作品には、aもauも含まれていなかった”と指摘し、この特殊性を書記に帰した。最初のfauxbourdonを含む最初の書記によって筆写された3つのfauxbourdon作品のすべてにaもauもないが、2番目の書記によって筆写された16の作品のうち15 は、Auを含んでいる。（テノールのincipitから離れるために、4回大文字が使われた）

後のモデナ写本、Biblioteca Estense、lat.471（ModB）では、銘記文字はテノールにも見られるだけでなく、Die Musik in Geschichte und Gegenwartのファクシミリで見られように、それはincipitから始まっている。

テノールテキストを持つModBのいくつかのfauxbourdonでは、銘記文字は、単純に、テノールの段の低い部分へとテキスト上に移動している。

15世紀後半のモデナ写本、Biblioteca Estense、 lat. 454/455（ModC、Vols.1およびII）のような、テノールが共通にテキストを持っているソースでは、、一般的にテキストを持っているソースでは、faulx bordon（sic!）の銘記文字は、音楽記譜上に、そして上側の余白に移されている。

BL、ModB、またはModCほど整理されていない他のソースでは、それらの銘記の配置に一貫性がない。 cantusの段の下、テキストの上に直接並べて書かれている使用例がいくつかある。ある写本の書記は、テノールパートの後で、 Tenor per faulx bourdon ， Contra in faulx bordon ，あるいは単純に fabourd(on)というような個々の文言や綴りを使っていた。

時折、 fauxbourdonで書かれた作品において、こうした銘記は、演奏されることを意図した音符のためだけに使われた。

　テノールのフランス語の銘記に加えて、BLの最初のfauxbourdon vos qui secuti のcantusには、補充的なラテン語のcanonがある。それは特に、2番目の歌手がcantusの歌手と同時に始めるように指示しており、また完全四度低くするような指示である。

規範で書かれた（auxbourdonの）パートの歌手は、ピッチレベルを除いて、cantusからの読みを行うことができ、彼は明らかに、リズム、テキストおよび旋律の輪郭のあらゆる点で、この（cantus）声部を映すと期待されていた。

この作品の戦略的重要性はおそらく、最初のfauxbourdonとしては、過大評価され得ない。他の明瞭な規範や説明の欠如によって、これらのラテン語の指示の重要性が増している。

p17
　実際には、理論家Tinctoris ， Guilielmus Monachus ， Adam von Fulda そして Gaffuriusらが15世紀の最後の四半世紀にfauxbourdonについて書いてから初めて、この主題に関する書かれた示唆が出現したのである。

こうした遅い日付で、fauxbourdonのcantusやtenorはほぼ完全に、平行したnote against noteであったので、cantusの下四度はほぼ常に、テノールの上の三度と同じであった。これは、理論家たちを、cantusの四度下＝テノールの三度上というわかりやすい方程式に導いた。そしてこれ以後、この発想は、fauxbourdonについての多くの近代的transcriptionや書法への道を見出した。

音程のこの想定上の同等性と、コントラテノールが即興であり厳密な規範（canonic)的なパートではないという発想は、四度下のcantusまたは三度上のテノールのどちらかに従うようなむしろ自由な方法において、fauxbourdon のコントラテノール書法の近代的実践につながった。

15世紀後半のfauxbourdon では、リズムの違いはほとんどなく、cantusとtenorの間のほとんど連続した平行六度や、自由なあるいは厳格な実践は、コントラテノールでの明かな相違は作らなかった。

しかし、初期のfauxbourdon では、cantusとtenorは、はるかに独立しており、（cantusの）四度下と（tenorの）三度上の同等性は、歌手（または転写者）に選択の余地を与えないことが多い。これはデュファイがVos qui secutiで明らかにしていることである。1450年以前の作品にI475年以降の思想を課すことは時代錯誤であり、私はそれが断続的であると信じている。含まれるアナクロニズムに加えて、解釈において不可能な問題は、計量的記譜法の観点から生じている。

コントラテノールは、cantusからではなく、cantusとテノールの双方から解釈されねばならない。この方法はスコア記譜法を使って実行されて成功しているが、これはパートを分離し、小節線を欠くクワイヤーブック記譜法では、まったく不可能である。 つまり、cantusとテノールの間を片目だけで見ることは不可能なのである。ゆえに、我々は、コントラテノールがおそらく、１パート、cantusからだけ読み取られたと推定することができよう。

＜FAUXBOURDON NOTATION＞
　さらに、現代の編纂者は、コントラテノールパートに、より複雑な装飾をいくつか残している。

一般に、不完全音程、すなわちコントラテノールとテノールの間の三度を強調するために、そして、cantusとテノールの間の六度を強調するために、コントラテノールに対して、静かな努力がなされるように見える。

これは、前述のように、近代のfauxbourdonの概念に従っている。一方、作曲家や演奏者の考えは、明らかに、より厳しいように見える。彼らは平行完全四度をさらに強調した。

残念なことに、教訓的な目的のために記され、実際は、規範canonの解決resolutioを説明した1450年以前のフォーブルドン作品は、まだ発見されていない。しかしながら、faulx bourdon の銘記に加えて、記譜されたcontratenor altus が少なくともその作品のバージョンの1つの中に見いだされることができる以下の３つの作品がある。１
1 FM、ModB、およびTrent Coclicesには、fauxbourdon声部をシミュレートするいくつかの3声作品があるが、その銘記はない。我々は、真のfauxbourdonとして銘記された作品のみを選んだので、これらは疑似fauxbourdonまたはfauxbourdon疑いと呼ばれるかもしれない。バンショワは特に、このスタイルで書く傾向にあった。さらに、これらの作品は、六度やオクターブ以外の音程を、協和音程としている。
p18
1. Ut queant laxis， Binchois -Ven 25 and Em (W) 171.
2. Salve sancta ，parens ，Binchois -Ao 2 and Tr 90 852 (93 1664).
3. Et exultavit ， Anonymous -FM 39

これらの作品については、後で詳しく説明されるが、ここでは、 （Vos qui secutiのように）cantusと tenor が独立している場合は、記譜されたコントラテノールはcantus には続くが、テノールには決して続かない、ということ言えば十分であろう。

これらのコントラテノールは作曲されていたので、我々は、それらが規則から逸脱すると大いに期待するが、それらはほとんどすべての場合に、四度低く、cantusに続いている。しかし、文書でのあらゆる証拠によれば、 fauxbourdon altusは、cantusの四度下に、解釈によって厳密に加えられることが意図されていた。Vos qui secutiに対するcanon（規範）による規定のように。

　この種の記譜法を使用することによって、Dufayはfauxbourdonと中世の規範の伝統との間の直接的なつながりを確立した。

中世とルネッサンスの音楽ではかなり一般的に使用されていた（最も広い意味でruleまたはmode of procedure）カノン的記譜法はよく知られており、実際に、16世紀のレベルに到達した出版過程の発展を通して、音楽の普及が広がるまで、残っていた。そのあいまいさと困難な記譜法は、挑戦というよりは障害となった。

14世紀から15世紀にかけて、少数の高度に訓練された芸術家的作曲家にとって音楽の実践がより重要になったとき、ある種の不必要な困難が記譜法に追加された。おそらくそのために、演奏者（しばしば作曲家も）は、彼らの創意工夫を行使し、記譜上の問題を解決するために、彼らのスキルを示すことができた。

このよく知られた実践は、その極端な部分のいくつかは非難されるかもしれないが、完全に自然な活動だったようだ。謎やミステリーは常に人気があり、そうであり続けている。

この特定の謎は、最初にVos qui secutiにおいて、二重の規範canonを示しているが、すべての続く fauxbourdonにおいてではない。これらはフランス語の銘記だけを持っている。「faulx bourdon」という用語は、フランス語の謎のcanon規範である。

　canon規範では不可避のラテン語の代わりに母国語が使われたという事実は、驚くほどに目立っている。 Bukofzerは、（Vos qui secutiの）補足的なラテン語のcanon（Si trinum queras ...）がスタイルに尊厳を与えるために使われたと提案したが、尊厳があったとしても、慣習については何も言わず、望まれるもの、faulx bourdonそれ自体がラテン語に翻訳されない理由が、望まれていたのだろうか？

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作曲家は、明らかに、意識的に、canonの中で自国語を使用する伝統に反対し、さらに、正統派のcanonであると表現することによって、その事実を強調した。自国語のcanonは、Dufayに生じた賢く、悪意的な発想さえしていたようである。

非正統的な用語の使用は、faulx bourdonが究極的に言及していることや発想の正統性を疑うようにしている。非正統的な用語の使用が、ラテン語の用語が使われていた音楽（または典礼）に関連している場合は、ラテン語の用語は使用されていたことだろう。

それゆえ我々は、faulx bourdonは、Dufayの古典的な典礼と音楽的教義の具体性の外にある何かを指していると考えるだろう。つまり、faulx bourdonは、おそらく、Dufayの非公式の名、そして間違いなく他の名が、珍しい音楽的要素、あるいはそれ以上の非音楽的要素をも記述するために使用していたものであった。

もしもfaulx bourdonが、当時の音楽理論のどこにもなければ、faulx bourdonは、そのscholastic eraにはラテン語の名は持たず、そして、ラテン語に翻訳して威厳を持とうとしたあらゆる試みは失敗したと考えるのが論理的である。

　我々は、15世紀の音楽と絵画の両方において、特別な方法で使われている自国語を見いだす。例えば、Richard L. GreeneによEnglish manuscript ， British Museum ， Egerton3307 (Lo M)に関連した記事の中で、 'high favor enjoyed by punning mottos ， canting arms and punning rebuses or badges' という興味深い言及がある。1
1　Two Medieval Musical Manuscripts: Egerton 3307　ｐ16-19

LoMのFolio 15に見られるmotto「mieulx en de cy」について、Greene は言う。'lts compressed cryptic French is exactly in the fashionable style' (about 1450 in England)。

その文字通りの意味は「これから良いこと」であり、その隠された意味合いはおそらく、フランスの同じ名前の修道院とは対照的に、「ここにMeauxがある」で、イギリスの「Meaux Abbey」を指している。

もう1つの例は、faulx bourdonの早期の使用への時と場所に近接して、1432年10月10日付けのDijonで開催された、 Jan EyckによるPortrait of a Young man Manである。

（描かれた）絵の一番下には、フランスとラインラントにたくさんある古いGallo-RomanとGermano-Romanの墓石への考古学的な暗示が彫られている石のタブレットがある。このタブレットにはJan van Eyckによる絵画の中で唯一のフランスの碑文、leal souvenir（忠実な思い出）が刻まれている。

肖像画の男の（寓意的な）名前、Tymotheos（of Miletus？）によって示唆されているように、彼は明らかに音楽家だったので、肖像画とモットーはこのアナロジーへの提言である。

Binchoisはディジョンのブルゴーニュ宮廷でも有数の作曲家だったので、Panofskyによってすでに示唆されているように、これはその作曲家の肖像画をよく表しているかもしれない（訳注：言うまでもなく、今日では、デュファイの顔とされている）。

　肖像画の主題のアイデンティティは非常に興味深いが、絵画におけるフランス語の碑文の方が,現在のところ我々にとってはより重要である。形式においては、leal souvenir はfaulx bourdonと同じである。

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どちらの表現も、文字通り翻訳可能な圧縮された隠れたフランス語であるが、その意味はすぐには明らかにならない。両者の違いは、Jan van Eyckに続いて他の芸術家によって模倣されて、leal souvenirと呼ばれる絵のタイプが,(faulx bourdonという音楽のタイプと違って)普及しなかったということである。

最初の現存例Vos qui secutiはそれほど重要ではなく、Missa Sancti Iacobiの最後の短いミサ固有文として使われていたので、オリジナルなfaulx bourdonはその血縁を見出すことを意図していなかったと想像できる。１
１　St. James the Greater ， Apostle (July 25)、またはセント・ジェームズに捧げられた教会の祝祭日のために書かれたミサ曲にfaulx bourdon を含めることは、明らかに、St. James ， the Patron Saint of Travellersが、常にキリスト教の図像で表されるbourdon（=旅行者のスタッフ）に対する駄洒落のようである。

たとえば、Praetoriusは、彼の Syntagma musicum(videlicet ， Tomus III ， p. 11)において、Jacobstab を Pilgerstabの同義語として使った。BLにおいて, Missa Sancti Jacobiの最初の光彩は、彼に親しいbourdonと聖徒を著していた。

ミサ曲のポリフォニー部分は、faulx bourdonの銘記を担ってcommunioとともに終止し、この関係において何が重要なfaulxであるのかについての説明をしない。

　当面の音楽的な目的は、アメリカのジャズを a new soundと呼ぶことを達成することであったようだ。声楽と楽器のテクスチャのコントラストはこのMissa Sancti Iacobiで重要な役割を果たしている。

その公式な性質とその包括性の両方から、この明らかに最初のFaulx bourdonの使用では、重大な深刻さの欠如、そしておそらく軽い「やさしさ」さえもの存在を検出できる。

ちなみに、DufayがこのFaulx bourdonのテクニックを、大きなモテット（Iuvenis qui puellam）で使っていたこと、そしてBusnoisが彼のシャンソンTerrible dameで同じことをしたことに気づくかもしれない。

おそらく、Dufayはこの様式が人気になったことに驚いた。 Faulx bourdonが導入されたかなり偶然の方法から判断して、それはDufayが実際に新しい様式を見つけることを期待していたということではない。

　fauxbourdonのカノン的な意味は、1937年にLaurence Feiningerによってすでに認識されていたが、この概念はごく最近、Besselerによって始めて発展させられた。３
3 Besseler は、fauxbourdon canonの中心的な目的は、連続音程での理論家の制限を回避することであったと述べている。確かに、その音楽的有用性の上のカノンには理由があった。それでも我々は完全には、Besselerの説明を受け入れることはできない。

Feiningerの分類では、フォーブルドンは、テノール機能を持つ1つの自由な声部の伴奏を提供するカノンのグループに属し、2つの声部が（異なる音程で）1つの記譜されたパートから演奏される。

それから、faulx bourdonの碑文は、規則を守ることによって、書かれていないパートの抽出を要求した。技術的には、fauxbourdonは、したがって、 interval succession canon.である。

Vos qui secutiを含むラテン語のカノンは明確ではないので、記譜のないパートが何と呼ばれたのか、正確にはわからない。名前を省略した理由はすぐには明らかにならない。 Dufayは、他のカノンを書いているが、そこには記譜されていない声部が挙げられている。

このようなケースは、4声のBL（N）の作品Gloria ad modum tubaeに含まれている。そこでは、記譜のない声部は、triplumと呼ばれ、その名前は、4声の音楽のパートのひとつに一般的に適用された。

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3つの声部のために書かれた作品では、3番目のパートは通常contratenorと呼ばれていた。そしてそれは、様式的に言えば、テノールに対する対位パートであった。それは通常、テノールと同じ範囲で同じ音部記号で書かれ、必要に応じてそれと共に、上下に移動した。しかし、fauxbourdon作曲では、記譜されていない3番目の声部は常に、テノールの上に留まり、テノールに似せるのではなく、cantusに似せて作られている。

fauxbourdonの記譜に関するもう一つの曖昧な点は、cantusに言及している銘記が、声部が器楽的である限りにおいて（すなわちテキストがなく）、cantusにおいてではなく、テノールパートに書かれていたという事実である。

銘記の位置づけのもう一つの理由は（16ページの脚注1で提案されているものに加えて）、テノールとコントラテノールの慣習的な関連から導かれるかもしれない。コントラテノールの歌い手は、通常、彼のパートに対するより下の位置に音部記号が付いている声部を見て、そしてそこからcantusパートに向けられるであろう。

ここで疑問が生じてくる。cantusがテキストを持っていることで、演奏者は即興パートを歌うと期待されるであろうか？　それとも彼はそれを楽器で演奏するのであろうか？　現時点でこの疑問に答えるのは難しいが、テキスト（cantus）を持つ書かれたパートから演奏する音楽家がテキストを歌うのは論理的に思える。残念ながら、この推論を裏付ける具体的な証拠はない。

この後者の2人の作家は、この声部（contraまたはcontratenor）に言及するにおいて、まったくその名前を使っていない。

大英博物館、Lansdowne MS 763（Pseudo Chileston）のFaburden部門の作者不明の英国作家は、trebleあるいはmenes(=contrtenores)としてではなく、プレインソングとしての平行進行におけるプレインチャントに続くすべてのパートに言及している。

3番目に記譜された、fauxbourdonの声部を含む非常にまれな作品を含む写本のほとんどではないがすべてが、即興パートをcontratenorと呼んでいる。全員一致の意見ではないが、この即興パートをhigh contratenorと呼ぶことを正当化することができる。おそらく、この部分の完全な名前は、 parallel contratenor altus of fauxbourdon であろう。

いわゆるars novaのcontratenorとは異なり、平行なcontratenor altus はテノールの下を横切ることはなかった。 altus はcantusを複製したので、それは装飾されたプレインチャントも連れてきた。厳密に言えば、fauxbourdonは実際にはcantusとcontratenorで重複されて装飾されたプレインチャントを持っているので、fauxbourdonが、cantusにおいて装飾されたプレインチャントだけを持っていると言うのは正しくない。

　fauxbourdonの contratenor は珍しい。それはカノン的で高いからである。カノンとは、それが記譜されていないことを意味し、他の記譜された声部からの規則によって即興化されていることを意味する。

Besselerが指摘したように、15世紀の標準的な3声作品は、cantus、contratenor altus et bassusおよびtenorのために書かれた。 15世紀初頭の contratenor altus et bassusは、より重要なテノール声部との関係で、間違いなく補助機能の声部であった。

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　contratenor altus et bassusはテノールの上下の両方に移動し、主にハーモニーを埋めるために使用された。 15世紀の間に、その機能は、それが真の機能的なバスとなり、そして「不可欠な和音の担い手」になるまでに、徐々に変化した。

cantusと平行移動するfauxbourdonのcontratenor altus は、進化する和声のこの進歩的な図式には、あまりうまく収まらない。それは、contratenor bassus et altusから分離したが、それは下よりもむしろ音域の上の部分に向かって逆に引き寄せられた。

fauxbourdon の3声は、ある意味では、15世紀後期の典型的な4声作品の上3声部に対する同じようなスキーム的代表である。そこでは、contratenor altus et bassusは２つに分かれ、cantus、（contratenor）altus、tenorおよび（contratenor）bassusの近代的（四声の）ディスプレイを形成した。２
２ fauxbourdon、falsobordoneが4声となったことが、3声のfauxbourdonにバスパートを単純に追加することに起因していると考えられてきた理由は、おそらくこれである。fauxbourdon、falsobordoneのレパートリーを分析すると、しかし、この変容はそれほど単純ではないことがわかってきた。　

様式的に進歩するために、fauxbourdonは、15世紀の間にcontratenor bassusを開発し始めた。以下のページでfauxbourdonのレパートリーを検討しながら、私たちはこれを覚えておくべきである。

即興とは、準備や予見なしに即座に何かをすることを意味する。したがって、作曲されたパートの単純な移調がすでに即興を構成していると言うのは、やや誤解を招く。

これを別の方法で表現することができる。音楽を移調することはできるが、音楽パートを即興で演奏するのは非常に難しい演奏者がたくさんいる。本物の即興演奏は、それがより恒久的な、書かれた形式ではなく、パフォーマンスで表現されることを除いて、書かれた作曲に必要とされるのと同じタイプの創造的な活動を含んでいる。

音楽を移調する能力は、その一方で、単なる技術的な妙技であり、創造的なプロセスはそれほど含まれていない。したがって、我々は、本物の即興のfauxbourdon（そこではどんなパートも書かれていない）と作曲されたfauxbourdon（ cantus ， contratenor and tenor は完全に作曲されている）を区別しなければならない。つまり、cantus and tenor だけは記譜されたが、作曲されたfauxbourdonは、用語のもっとも広い意味で規範的ではあるが、即興的ではない。

最初のfauxbourdonが作曲されてからしばらく経つと、その方法がクワイヤーブックから簡単に即興で作れるようになる方法が発展した。この実態は、リズムや韻律、カデンツの構造、フレーズの長さ、そして移調に加えられた適切な単語の配置に関して、演奏者の判断や思想を含んでいたので、このタイプはまさしく「即興性」と呼ぶことができる。

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それゆえさらに言えば、即興的声部と規範的声部の区別がなされるべきである。即興的声部と規範的声部の双方は、音楽が記譜されていたわけではないものとしての関連性があるが、それらは一方が前もって作曲され、他方がそうした見込みがなかったという感じなのではない。

規範的な声部は、厳密に確立された方法で、すでに作曲された声部から規則によって得られる。つまり、実際には記譜されていたわけではないが、作曲されていた。しかし即興的な声部は、明確な音楽的指針に従って、あるいはある記憶公式を用いて演奏された。ある程度の音楽的判断と作曲は、演奏者の即興性が必要なのである。

即興的な技術とカノン的な技術の両方が、その発展のさまざまな段階で、fauxbourdonの作曲と演奏に利用された。即興的な習慣から生まれたその他の作曲様式(exempli gratia ，various types of organum)とは別に、即興的なタイプのfauxbourdonが発展したように思われる。 1
1 ここで我々は、E.Ferandには不同意を与えねばならない。彼は、デュファイやバンショワらのブルゴーニュ楽派（およそ1430年より後）のfauxbourdon作品が、2つの外側の声部だけが記されている3声作品に対して、即興によって単純に加えられることになっている記譜されていない中間声部のための繰り返しの指示（「per fauxbourdon」または「falux bourdon」など）における即興演奏の明確な跡がある、と主張しているのである。