| THE MASS ORDINARY SETTINGS OF ARNOLD DE LANTINS:
A CASE STUDY IN THE TRANSMISSION OF EARLY FIFTEENTH-CENTURY MUSIC
5 Jean Widaman |
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その前
| p162 Tonal Organization アーノルドの通常文設定の時系列を確立する際の最後の検討事項は、設定のリズム的側面よりもむしろ音調に関連した様式的特徴、すなわち、カデンツ、調号、カデンツの種類、声部間の関係、および不協和音の取り扱いを含む。 これらの要素は、メンスーラの特徴ほど容易に体系的な取り扱いに向いていないが、それらは上で示唆された暫定年表のさらなる洗練された証拠を提供している。 表3.14は、各セクションの開始および終了ソノリティとともに、Arnoldの各設定の最終結果を示している。部分サイクル、BL 2/3/6/7のために示されたカデンツのゴールは、それぞれの楽章のテノールに埋め込まれたチャントメロディに依存するので、我々の目的のためにはあまり役に立たない。 その他の設定の中で、BL 38は（カデンツの）トーン構成に関しては、ほとんど首尾一貫したものではない。設定の各セクションは、Fのソノリティで始まっているが、Cの最後のカデンツまでA、G、Fの間でカデンツが切り替わる。   p167 冒頭動機から、この楽章（BL38 ）は高度なトーンの曖昧さが特徴である。それは、 cantus/contratenor のデュオのあるFソノリティで始まり、第３小節のテノールの入りで、Gソノリティにシフトする。そして、第12小節でAにおいて、カデンツとなる。 一方、BL 39は、C,Gの間の両極を強調したカデンツのゴールの明確なパターンを示している。それはグロリアで見られたcantusメロディで始まるが、モットーはFではなくCによってサポートされており、Cが終止であるという明確な感覚で続いている。   アーノルドの通常文設定が、より明瞭なトーンの明瞭さへの進行を示すと仮定するならば、これはクレドがグロリアより遅く作曲され、ペアを形成するために加えられたことを示している。 BL 38の後、最大のバラエティに富んだカデンツのゴールを示しているミサ楽章は、BL 138、すなわちKyrie of the Massサイクルである。 この場合のカデンツパターンは、Christe IIIよりもKyrie IIIおよびVIに大きな終止を与える知性的な調性プランを明確に示している。 ミサの残りの楽章のカデンツは、F,G,Cを強調している。59 59Booneは、Dufayの最初期の曲における二度上と三度上の内側的カデンツから、後のOxで編纂でコピーされた曲の五度上への進行を発見した。 （Boone, "Dufay's Early Chansons," p. 265、159頁、241〜245頁） アーノルドの内部カデンツは、通常の設定ではそのような進行を示していない。 例えば、ミササイクルのSantusは2度上Gと3度上Aでカデンツとなるセクションを持っているが、Agnusの真ん中のセクションは5度上のCでカデンツとなっている。 アーノルドの通常文設定におけるそのような進行の欠如は、検討中のジャンル間の違いに起因するかもしれない。 音調の構成という点でアーノルドの通常文設定の中で最も興味深いのは、グロリア/クレドのペアBL 90/91である。このペアはまた最も多くの疑問を投げかける。両方の楽章とも、Cから2つの♭調号とリズム（いわゆるドリアン旋法の2回移調）を含んでいるが、それらはB♭のソノリティで始まる。さらに顕著なのは、異常に低い音部記号と音声範囲である（表3.15を参照）。 しかし、これらの設定の最も問題のある側面は、BLの調号の意味である。 スクライブは、BL 90 and 91の下の声部にb-flatと（推定）e-flatをを指定しながら、それぞれのcantus の譜表の初めには、はっきりと、b-flatとd-flatと書いている。 p169 BUバージョンでは、3つの音声すべてに.b-flat、e-flatの調号が使用されている。 BL のcantusの臨時記号にd-flatがあることは、不可解である。このようなinflectionは、声部の間で耐え難い衝突を引き起こすだけではない。それはまた、cantusにおける二度と三度の間の増二度という結果をもたらすことであろう。 我々はここで、EフラットとDフラットを区別できなかった無能なまたは不注意なスクライブを取り扱うことはない。 彼がBLの他の場所で使った調号と署名された臨時記号の調査から、彼が、BL 90と91のcantus声部のdフラットによって何を意図したのかを決定することは可能であるかもしれない。 p170 14〜16世紀の部分的な調号の存在は、音楽学的文献におけるかなりの論争を刺激した。この議論の概要を説明することはここでの私の目的ではないが、以前の議論の特定の要素は、BL 90と91の謎のd-フラットe-フラット臨時記号の問題に関連しているかもしれない。 1953年、Richard Hoppinは、「部分的臨時記号とは、5段階（五度）離れたピッチレベルの表示であり、移調された位置と移調されていない位置での2つの旋法を同時に使用すること、または同じ旋法を使用することを意味する」というTuBの孤立レパートリーからの証拠を導入することによって、部分臨時記号の意味に関するApelとLowinskyの間の論争を解決しようとした。 Hoppinの解釈は最近の研究に取って代わられたが、彼の1953年の研究では、TuB、OH、Oxの作品における調号、音域、およびそれらの推定された旋法分類の対応関係を示す興味深い表がいくつか含まれている。 旋法と移調された旋法、あるいは終止音と移調されたヘキサコードの観点から考えているかどうかにかかわらず、これらの表からいくつかの顕著なパターンが現れている。 3つのレパートリーすべてにおいて、次のようなパターンがある。 どの声部にも調号のない作品の多数は、D音で終止する。 多くの作品は、上声部に臨時記号を持たないが、低声部に１つの♭は、その終止音として、FあるいはGを持つ。 上声部に♭を一つ持ち、下声部に♭を２つ持つかなりの作品は、終止音として、B♭、C,Fを持つ   p171 したがって、少なくとも15世紀初頭の作曲家、少なくともHoppinの調査で出典に示された作曲家は、彼らの作品に対して、限られた数の終止音を使用する傾向があった。すなわち、 F（最も頻度が高い）、D、G、C、そして、ごくまれに、Bフラット、である。 Hoppinの表で明らかにされたパターンは、Arnold de Lantinsによって作曲された通常文にも現れる。表3.15に示すように、署名なしのArnoldの唯一の通常の設定はBL 2と3であり、両者は、テノールのプレインソングメロディの第２旋法と一緒になっている。 上声部には臨時記号はなく、下声部にひとつの♭がある作品は、BL6，7，47、48そして終止音にFを持つMissa Verbum incarnatum 、そして終止音にCを持つBL38,39,である。２つの♭を持つ唯一の楽章は、低声部に問題を持つ、Cで終止するBL 90/91である。 アーノルドのグロリアとクレドのペア、BL 90/91は、その調号だけでなく、非常に低い声域、つまりテノールとコントラテノールの両方で低いGまたはFにまで至る、珍しいものである。 これは、モテットスタイルでの3声部設定のための音部記号が主にc1 c3b c3bで設定され、テノールとコントラテノールの最低音が通常fである15世紀初頭のミサ曲の残りの部分とははっきりと対照的である。 GまたはFに及ぶ範囲も、Dufayの作品の中では珍しい。 Fallowsは（この曲が）、その低い音域で別格とされているDufayの初期の作品He compaignons と関連する可能性について指摘している。その低い音域で Arnold's and Dufay's の作品が結びついていると考えることは、魅力的なことである。 p172 Besselerは、その音部記号や音域がテノールに相当するものよりも低かった1420年代の「深い音部記号」のコントラテノールから、彼が1430年頃と位置付けた6行譜表を要求した広い音域まで、音域の幅とコントラテノールの役割の段階的な拡大を辿った。 深い音部記号と6行のコントラテノールのBesselerの表の例のほとんどとは異なり、BL 90と91は、同じ音部記号とほぼ同じ範囲のテノールとcontratenorを有している。しかし、それらの低い音域にもかかわらず、BL 90と91のコントラテノールは、Arnoldの初期の設定を超える範囲の大幅な増加を見せていない。 部分サイクルのコントラテノール、BL 38/39、およびBL 47/48はすべて、九度または11度の音域を占めている。 すなわちBL 90/91の音域はそれぞれ11ドと九度である。完全なサイクルのコントラテノールは、AgnusのオクターブからCredoの11度までの音域がある。 しかし、BL 90/91のコントラテノールとミサ曲は、アーノルドの初期の設定を超える範囲の大幅な増加を見せておらず、それらはオクターブ跳躍の数と、直接の進行感覚の顕著な増加を見せている。コントラテノールの1オクターブの跳躍の数は、部分サイクルでは0から6、BL 39/39とBL 47/48では3から5、BL 90/91では18と21、ミサ曲の最初の３つの楽章では12から14まで変化している。そして最後の2つの楽章ではそれぞれ6まで落ちる。 これらの楽章のコントラテノールにおける進行の量の減少は、音声の導音手順の増加や、アーノルドの最新の通常文設定で示されたリズム的柔軟性の向上と同時に起こったように思われる。 アーノルドが使ったカデンツのタイプは、時代によって変化した。再度表3.15を見てみると、ランディー二カデンツやオクターブ跳躍は、部分サイクルや、二重導音カデンツが、中間カデンツでもセクション最後のカデンツでも優勢なBL38，39のGloria/Credo では稀であることがわかる。 p173 一方、BL 90/91とMass cycleでは、ランディー二カデンツの数は、1430年頃の使用に伴って増加したオクターブ跳躍カデンツの使用と同様、顕著に増加している。SanctusとAgnusにおけるオクターブ飛躍リズムの発生率の低さは、これらの楽章とは対照的に、オクターブ飛躍の数の一般的な減少と一致しており、さらに、彼の最新の設定でのアーノルドの声部の導音の増加した流動性を示している。 一般的に言えば、BL 90/91とMass cycle は、部分サイクルとBL３８，９の2つのグロリア/クレドのペアよりもはるかに多様な種類のカデンツタイプを示している。 二重導音カデンツのほとんど独占的な使用からさまざまなカデンツタイプへの進行と並行して、我々は、声楽と不協和音の取り扱いの進行のタイプにおける相応な変化を見出す。 Ars subtilior、部分サイクル、そしてBL38 のグロリアのリズム的な複雑さに近いような設定は、cantusとテノールの間、そしてテノールとコントラテノールの間での逆行が優勢であることを示している。 プレインソングのテノールが上声部より遅い音価で動く部分的なサイクルでは、コントラテノールは時々、テノールと共に、時にはcantusと共に動いている。 BL 38では、コントラテノールは、CとOのテノールと協調したデュエットを形成している。そこでは、ホモフォニー的なリズム進行が優勢である。 部分サイクルとBL38 におけるメンスーラの間の対比もまた、平行する完全音程の多さや、ほぼprolatio majorのセクションにおいてのみ生じているアクセントのある不協和音で示されている。 p174 BL 39では、 cantusとtenor との間の平行進行の時折の例と、3つの声部すべてでの下降する平行6/3進行の数少ない例が見つかる。この設定のprolatio majorでは、コントラテノールは時々、cantusと一緒に動き、時にはテノールと一緒に動く。それはCとOの滑らかなデュエットでテノールに加わる。いくつかのアクセント付きの不協和音程は、特に3つすべてのメンスーラに見られるますが、BL 38および部分サイクルで見られる程ではない。 アーノルドの通常文設定における最大の平行6/3の動きは、彼の最もシンプルでパフォーマンスの良い設定、BL 47と48で起こり、全体的にCで記譜されている（表３．１１参照）。 このメンスーラで予想されるように、テノールとコントラテノールは、継続的なデュエットを形成し、アクセントのある不協和音程はほとんど完全に欠けている。平行6/3進行の量は、アクセントのある不協和が  でまだ生じている、より複雑なBL 90/91ではあまり一般的ではない。
（例3.1の冒頭動機には3つの例がある。p103）しかし、この場合、 contratenor/tenor のデュエットはとOの両方のセクションに広がっている。ミサ曲の最初の3つの楽章は、声部の間の同様の関係を示している。それらは でやや活発さを保っていますが、下の声部はこれらの楽章のそれぞれにおいて調整された2声デュオを形成している。特にカデンツでは、平行6/3進行がかなりあるが、ここでは、通常は、繋留音の形で、リズミカルな変位によって偽装されている。、perfectionの始まりでの準備のない不協和音の種類は、アーノルドの初期の設定のprolatio majorのセクションで流行していたが、ここでは全く欠けている。 p175 これら3つの楽章の質感と不協和音の扱いにおける一般的な類似性は、Kyrieが実際にミサ曲のグロリアとクレドよりも早い時期に作曲されたならば（上記p.159参照）、それははるかに早かったはずがないことを示唆する。サイクルの最後の2つの楽章には、スムーズなcontratenor/tenor のデュエットと、すべてのメンスーラにおけるカデンツでの平行進行のリズミカルな変位も含まれている。 表3.16は、アーノルドの通常文設定の音調構成に関するこの議論の結果をまとめたものである。表3.13のように、リズミカルな特徴とメンスーラの特徴に基づく暫定年表や設定は、部分的なサイクルが最初で、最後の2つの楽章が最後になる6つのグループに分類される。 しかしながら、この表は、グループIIからVの内容を改訂したものである。BL47と48は、平行進行量の増加とCの比較可能セクションでのアクセント付きの不協和量の減少によって、BL 39と区別されている。 BL 138は、BL 139および140と非常に近い時期であり、BL 90/91には先行していなかったようである。 ＜結語＞ ミサ曲通常文のためのアーノルドの作品がBLでコピーされた順序は、それらが作曲された順序にかなり近いものであったように見える。 Bentによると1420年以前に始まったBL Massセクションの最初のエントリーは、Lantins / Ciconia compcsite cycleであり、そのIntroit、Kyrie、Sanctus、およびAgnusは、Ars subtiliorにスタイル的に負っている。 BL編纂のステージIには、Arnoldによる2つのGloria / CredoペアであるBL 38/39、とBL 47/48が含まれている。 前者は様式的にはより早期のGloriaと幾分後のCredoであり、後者は、より後の様式のものである。 これらの設定はすべて、BentのステージIの完成の terminus ante quem 、約1425年より前に作曲された。 p177 アーノルドは、ミサの最初の楽章の前に、第3のグロリア/クレドの組、BL 90/91を作曲したかもしれないが、そのコピーは編纂の第2段階でやや遅れて起こった。完成したミサは、ステージIIで最も初期のエントリーの1つであり、おそらく1420年代後半に作曲され、デュファイの Missa Sancti Jacobiよりも古い可能性がある。 アーノルドが彼のミサ曲通常文設定を作曲した順序と、BLのミサ曲でのそれらの外観との間の対応は、音楽に関して、関係する通常文楽章の熱心な収集者であったBLスクライブが.、直接的に作曲家（most involved in forging such relationships--Guillaume Dufay and Arnold de Lantins）の作品にアクセスしたことを示唆している。 p178 この章の冒頭で述べた疑問に戻ると、組になった楽章動き、部分的なサイクル、そして完全なサイクルは、必ずしも循環ミサ曲の歴史における不連続な段階を表しているわけではないと結論づけることができる。 Arnold de Lantinsは、1420年代のミサ曲音楽の作曲に積極的に参加したもっとも活動的な作曲家の一人であり、彼の現存のGloria/Credoを作曲する前に、当時存在したグロリアとクレドの設定（彼はチコニアのBL 4と5を念頭に置いていたかもしれない）と一緒に使用された Mass IXのテノールに基づいた4つの楽章を書いた。 Arnoldが、Dufayのように、完全なサイクルを作成した後に、別のGloria / Credoペアを作曲したかどうかはわからない。また、教皇礼拝堂での1431年から1432年の任期中に、彼が alternatim 的演奏のための設定を書いたのか、それともsuperiusのチャントのパラフレーズとともに設定をしたのかを判断することもできない。 p179 CHAPTER 4 THE TRANSMISSION OF ARNOLD'S ORDINARY SETTINGS 中世末期およびルネサンス期の音楽の伝達は、近年音楽史家の間で関心が高まっているトピックであり、最近完成した博士論文のタイトルによって証明されている傾向がある。1 テキスト批評の原則は、著者が最初に書いたものにできるだけ近いクリティカルテキストを確立するために、その著者の死後何世紀にもわたってコピーされてきたテキストの表面を貫通する手段として、古典研究の分野で最初に開発された。 1950年代にバッハの学者たちによって音楽学に導入されたテキスト批判主義は、私たち自身の分野の特別なニーズとその中の専門分野に適応されてきた。原文批評の謎に自分自身を捧げようとしている音楽学者のためのバイブルは、Textual Criticismと題されたPaul Maasによる若干の巻である。 しかし、そこに明確に述べられている原則を異なる音楽ソースの読みの間の複雑な関係に適用しようとした人は、そのプロセスがミサ曲のreadingが示唆するほど簡単ではないことを見出した。 Margaret Bentは、古典的テキストが何世紀にもわたって伝播されてきたという事実に困難の多くがあることを実証した。 それが流行し続けている間だけ流通しているポリフォニック音楽は、本質的に全く異なっており、そして伝播の古典的なモデルは、ポリフォニック音楽の研究のための修正を必要としている。 p１８０ 14世紀と15世紀の音楽の伝播に対するスクライブの影響は、最近の研究でますます強調されてきた。それほど昔でないが、ほとんどの音楽学者は、スクライブが彼らの前にあるものをかなり正確に伝えたと仮定している。 彼らが、自分の見本の形式を変更したり、黒色記譜の部分を白色記譜にコピーしたり、イタリア表記をフランス語表記に翻訳したり、署名にスラッシュを追加または削除したりするなど、自由にできることを示す証拠が増えている。そして他の多くの方法で彼らの見本の外観を変え、そして時には健全なものにする。 さらに、作曲家もスクライブも、自分の作品とその同時代の作品を自由に修正したり、声部を追加または削除したり、上層部の声を飾り付けたり、contrafactを作成したりしている。 15世紀の音楽家たちは、自分の作品がどのように演奏され伝播されるべきかについて非常に決まった考えを持った作曲家の独創的な創作物としてよりも、共同体的財産として音楽資料を見なす傾向があったようである。 Arnold de Lantinsの通常文設定は、複数の資料において生き残ったものであり、15世紀初頭の音楽の伝播におけるスクライブの役割については、それらが生じる資料の中で際立った変異を示しているために重要な証拠となっている。 いくつかの楽章のtenors and contratenors は、ある資料ではテキスト化され、別の資料ではテキスト化されていない。グロリアと、ミサ曲のCredoへの代替のAmenへの3つの全く異なる導入がある。Cantus coronatusのパッセージは、リズムとピッチの点で、時々ソースによって異なる。Finally, some internal sections, and in one case, an entire movement, cadence on a different final. THE RELATIONSHIP BETWEEN GLORIA/CREDO BL 90/91 AND BU 37/38 BLとBUはＶenetoにおいて、互いの数年以内にコピーされたが、低声部のためのアーノルドのグロリア/クレドの組のそれらのテキストは、多くの点で互いに異なっている。これらは以下のように表にすることができる。  p１８２ このように多数の重要な変異があるとすると、このMass組の2つのコピーは、根幹ムのまったく異なる分岐から派生しているように見える。しかし、亜種を詳しく調べると、2つのコピーは一見したところでは見られないほど密接に関連していることがわかる。 ２組のreadingの間の関係を決定するための比較の第１の点は、ＢＬ内のレイアウトである。これは図4.1に示されており、実線は音楽が書かれた譜表を表し、破線はスクライブによって空白のまま残された譜表を表す。 BLでは、cantusは左ページに表示され、contratenorは右ページに表示され、テノールはその下に表示されている。 BUでは、 cantusは左ページの最上部に表示され、contratenor は右ページの最上部に表示され、テノールはそれらの下のオープン部全体に広がっている。 2つの冒頭部を占めるCredoの改ページは、2つのソースにおいて、異なる場所にある。 BLでは、2番目の冒頭は「Cuius regni non erit finis」という言葉で始まるが、BUでは、それは次のテキストフレーズ"Et in spiritumsanctum”で始まる。 クレドの2つのセクションへの分割は、それぞれ異なるメンスーラによって管理されており、楽章のこの時点の前に起こる。前の章で見たように、それは "Et resurrexit"という言葉（mm。79-92）の上のcantus coronatus のパッセージで起こり、m.93でのtempus perfectumへの変化が続く。 p１８４ 15世紀初頭の資料では、ミサ曲楽章の2回目の開始はしばしば、メンスーラの変化から始まるが、このCredoでは、改ページは、どちらの資料においても、主要なテキスト/音楽的分割とも一致しない。 BLでは、 "Cuius regni"の前のフレーズは、3つの声部すべてで、longとフェルマータで終止する。（2つの下声部にsemibreve休符が続く）。 transcriptionでは第116－７小節にあるが、transcriptionではこのカデンツは、こうした表現は十分にはできない。 longとfermataは、改ページのためにBLスクライブによって、または同じ改ページを持つ以前の見本を見たスクライブによって導入された可能性がある。 BUでは、（本来は）このカデンツでは、 longもfermataも必要ない。重要な構造上の区分は明確にされておらず、それに続くページめくりはない。だが、BUもまた「Cuius regni」に先行するカデンツで longとfermataを持っている（しかし低声部には休符はない）。 クレドのこの部分における構造上の重要性のある次のカデンツは、第122小節である。ここでは、BUにおいては改ページとなるが、このカデンツは、両方の資料のすべての声部において、breveで終止する。（BLでは,semibreve休符が続く）。 したがって、 longs and fermatasがBUに保持されていることは、CredoのBUバージョンは、BLのように、2番目の冒頭で"Cuius regni"」という単語が含まれていた見本からコピーされたことを示している。 このグロリアとクレドの組の伝播におけるスクライブの影響の非常に興味深い証明は、2つの資料におけるテキストの歌詞づけの比較にある。 p185 BLでは、 cantus and tenorという2つの声部だけに歌詞がつけられた。テキストは、各冒頭部の最初、各楽章の2番目のセクションの最初、および cantus coronatus パッセージにある incipits についてのみ示されている。 Cantusとtenorは両方の楽章の大部分を通してテキストの同時的なデクラマシオンに参加している。 多くの場合、contratenorの所与の音価にテキストを追加するのは簡単なことであり、その結果、 こうした追加は、3つの声部すべてによる通常文歌詞、またはcantusの歌詞とテノールの歌詞づけが異なる時の tenor/ contratenorのデュオの同時のデクラマシオンをもたらす。 他の場合には、コントラテノールへの歌詞づけの追加は、連結符を壊すことや、brevesのような長い音価を短いものに置き換えることによって達成することができる。（例えば、グロリアのm.15-16を参照）。  外声における繰り返しの音符に対するコントラテノール内に保留された音符の例、または2つの声部だけがテキスト化されていても3つの声部すべての同時リズム活動の例（例えば、グロリアの第25-26小節）は、BLの模範例またはその直近の例の1つが、3つの声部すべてでの同時の歌詞のデクラマシオンを特徴としていたことを強く示唆している。  BL 90と91の contratenors からテキストを削除したのが、BLスクライブであるのか、それ以前の模範のスクライブであるのかは、確信できない。どちらの楽章のcontratenorにも、スクライブが連結符を加えたり、彼がコピーした長い音価に対する収縮であるより短い音価を示唆するような、エラーまたは消去はない。 一方で、熟練した音楽家やスクライブにとって、そうするのは比較的簡単であった。 BLのスクライブのような素朴なフランス好きにとっては、作品を北方の慣習により一致させるためにコントラテノールからテキストを削除したことはほとんど驚くべきことではない。9 9 Coxは、「BLのスクライブが、。写本を1430年頃のフランスの写本の理想に合わせることに興味を持っており、そしてこの理由のために特定の部分のイタリア式記譜法はフランス式記譜法に変更された。」と述べている。" The Motets、 "p.225。 スクライブの北部への関心は、彼がステージIの間に入力したイタリア式の二重の音部記号からほとんどすべてのｆ音部記号を消したという事実からうかがえる。ベントが指摘したように、これらの追加部分は、他の声部との楽典的な意味合いがあるわけではなく、少なくともCiconiaの場合はおそらくそうであった。 The Works of Johannes Ciconia, p. XIII. 彼のアンソロジーを北部の基準に一致させるというスクライブの決断のもう一つの兆候は、semiminimのフラッグを消すことによって、黒色符頭を白色符頭へと変換させることで示されたイタリア式の記譜形質の排除である。See Ｃｏｘ、「Ｔｈｅ Ｍｃｔｅｔｓ、Ｈ ｐ。 ２３０、２３３； The Works of Johannes Ciconia, pp. 205-206; and Clercx, Johannes Ciconia, vol. I, pp. 99-100. それにもかかわらず、写本の何もが、このスクライブかそれ以前のスクライブが、BL 90と91のcontratenorからテキストを削除したかどうかを示していない。 p186 BUの場合は反対である。ここでは、BUの模範が、contratenorに対して、歌詞づけを提供していなかったことは明らかである。これは、たとえスコアを一目見て、グロリアとクレドの歌詞が容易にBUのcontratenorsの音価に適合することがわかっても、BUではあちこちで、contratenorとその歌詞との間のアラインメントが他の声部のアラインメントとはかなり異なるという事実によって示される。 しかし、BUのスクライブには参照するようなスコアがなかった。その代わりに、彼は、言葉をアーノルドのグロリアとクレドの音符にはめ込もうと試みる前にグロリアとクレドの歌詞をコピーしていた歌詞のないコントラテノールと3つの右ページ（現在のページ47、49、51）がある模範を持っていた。 .10 2つの楽章の大部分を通して、contratenorにつけられた歌詞は、テノールのリズムに従っている。それがそうでなければ、それは通常、テキストの歌詞付けの可能性は、 contratenor 声部だけを見たときには、最も明白でない状況にある。 読者は、歌詞づけの観点から見たこれらの偏位は、ＢＵスクライブの活動ではなく、ＢＵの見本を反映しているかもしれないと反対するかもしれない。 しかしながら、クレドでのテキストの歌詞づけを含む誤りと訂正は、BUのスクライブ自身が、彼がコピーしたcontratenorsに、歌詞を復元したことを示している。 例えば、第134小節で、彼はもともと、breveを入れていたが、彼は後でそこにbreve-breve連結符を書いた（図4.2の音節 "_que"の上の連結符を見よ）。  この時点では、 contratenor の歌詞づけは、他の声部とは完全に一致していない。 contratenor の「filioque」は他の声部の「patre」と並んでいる（例4.1）。  p187 第140小節で、BUのスクライブは、「filio」という単語に十分な音符を残すために、改行直後に2つのminimsを導入する必要があった。 そして第167小節で、スクライブはもともとはbreve-semibreve-breve-semibreveを書いていたが、のちに消した。 p52の第３譜表の最上行のギャップは、BUファクシミリで明らかである。 これまでのところ、我々は、これら2つの楽章に対するBUの模範がある点でBLに似ていることを示唆する2つのカテゴリの証拠を見てきた。１つは、クレドでの「Cuius rflgni」という言葉での改ページであり、もう１つは、BUのスクライブが歌詞を復元した歌詞のないcontratenorパートである。 アーノルドのグロリア／クレド組の２つの資料の間の２つのさらなる相違は、ＢＬおよびＢＵの模範の性質を示すのには、あまり有用ではない。これらのうちの最初のものは、BLの両方の楽章のcantusの至る所にある謎の音部記号と調号の組み合わせc4 b-flat d-flatである。ちなみに、BUでは、f2 b-flat e-flatとなっている。 我々が、15世紀初頭の調号は近代の対位法と同様の意味を示すと仮定するのであれば、つまり、調号の♭で示されたピッチのすべての音符が半音下になるのであれば、両楽章のcantuｓでのｄ♭は、ほとんど意味がない。 BL 90/91の場合、これは頻繁な増二度跳躍を生み出し、低い声部でd-ナチュラルとぶつかる。 2つの楽章のBLのコピーは、2つの写本の臨時記号だけを含んでおり（BUの22と比較して）、したがって、BLのスクライブはそのような問題がどのように解決されるべきであるかについて少しの指示も与えなかった。 p189 BL 90と91のcantus 声部の中のd-フラットは単に誤りであると我々は結論づけるかもしれない。すなわち、スクライブはEフラットのつもりだったのが、代わりにDフラットと書いたのである。しかし、ここでは非常に有能なスクライブがいる。あるものはtempus perfectum diminutumprolatio majorの作品を書き直したり、イタリアの記法での作品を、フランス語の記譜法に変換する能力を持っていた。確かに、このスクライブは、ｄ♭とe♭の間の相違を知っていた。さらに、BLの調号内のdフラットの配置は正確であり、おおよそではない12。 12 BL 90/91の調号は、音部記号と最初の音符の間に押し込まれているように時々見えるので、テキストと音楽がコピーされた後に追加された可能性がある。 See, in particular, fol. 111bisv stave 4, fol. 112bis stave 7, and the last stave on fol. 113. しかし、スクライブが音部記号、調号、および音楽を追加する前にテキストを入れ、 各譜表の最初の音符を譜表の下の最初の単語の上に配置するために絞る必要があったため、これらの譜表の調号は窮屈に見える。調号は、untexted contratenor voicesの音部記号にはそれほど近くないので、これはよりありそうな解釈である。 次に我々は、少なくともBLにおけるdフラットが、我々には明白ではない目的を果たしたという考えを理解する必要がある。両方の資料の音部記号と調号は、完全に消去や曖昧さから解放されているので、それらが彼らの見本のものから逸脱したことを示すものはない。 ＢＬおよびＢＵにおける cantus coronatus のパッセージのリズム構成は、模範の性質にほとんど手がかりを与えない別の対比の分野である。 グロリアの「Jesu christe」という言葉では、図4.3に示すように、2つの資料は、音程は同じであるがリズム内容が異なる。このような違いは、写本の伝統の違いによるものである。あるいは、スクライブの好みから生じてくる。 このようなパッセージのリズムを改定することは、参照すべきスコアがたとえなくとも、困難ではない。なぜなら、進行は全声部においてほぼ同時であり、フェルマータを持つ音符のグループは、比較のための見本に容易に見つかるからである。 クレドの「et homo factus est」という言葉の、 より長いcantus coronatusでは、BLとBUはピッチの内容には一致しているがリズム的には異なっている。 BLにはエラーが含まれ、第63小節でのcantusの余計なsemibreve休符がある。（だが）BUには誤りが含まれていないし、どちらの資料も、模範のreadingからの adaptation を示すいかなる消去もない。13 13 このパッセージの興味深い特徴は、BUのスクライブが2つの形のフェルマータを区別していることである。 スクライブは、異なる音価を、彼がそれらに使用するフェルマータの種類によって体系的に区別していない。 例えば、52-53ページのDufay Credoを見て欲しい。そこでは、 "ex Maria virgine"という言葉の cantus coronatus のパッセージの最後の音符を除いて、すべて逆向きの "C"形のフェルマータがある。 cantus coronatusのAmenそれぞれの音符の冒頭はこの形をしている。 p191 リズム構成は、 "Et resurrexit tercia die. ”で生じる最も長い cantus coronatus パッセージでかなり異なる。これは、両方の資料にリズムエラーが含まれている。 これらは、BLにおいては、コントラテノールで生じる。そこでは、他の声部では2つのlongsと２つのsemibrevesになっているのに対して、４連続のlongsとなっている。また他の声部では、semibreveを持つlongが続いている。最後では、その他の声部では、longsに対して、breveとなっている。 リズム的なアラインメントの欠如はBUにおいてさらに深刻である。そこでは、他の2声がlongであるところが、cantusにおいてはbreveとなっており、単語「tercia」では、3声はそれぞれの異なる音価で続いている。 2つの資料間の唯一の音程の変異は、 cantusのパッセージの終わりに生じている。 その結果、BLでは完全なトライアドとなったが、BUでは三度抜きの五度となっている。  この組の2つのコピー間の最も顕著な違いの1つは、Amenセクションの別々のバージョンにある。 両方の楽章において、アーメンはBUで短くなっている - グロリアでは11perfections ではなく８ perfections 、クレドでは13 perfections ではなく9 perfections である。 BLでは、両方の楽章がオクターブ跳躍カデンツで終わるが、BUでは、それらは二重導音カデンツで終わる。 最後に、両方のバージョンのGloriaのカデンツはCの上でありけ、BLのCredoと同じである。 ただし、BU のCredoの終止カデンツはGである。 ポリフォニックなテクスチャーの3声すべてに影響を及ぼし、全体の楽章のカデンツの目標を含むこの規模の変化は、この組の伝播の間のある時点で、修正が行われたことを示している。 どのバージョンが作曲家と密接に関係するものに最も近いかを自信を持って判断することは不可能かもしれないが、多くの疑問が、我々ができる限り答えに近づくことを私たちに促した。 p192 たとえば、BLのAmenセクションは、Arnoldが作曲したもの、演奏者やスクライブによって短縮されたもの、またはその両者のBUへの道を最も厳密に表しているだろうか？ それともBLスクライブが、根幹が別の枝からの拡張された装飾されたバージョンへのアクセスを持っていた間、それらのより早期のカデンツタイプを持つより短いBUの Amensは、オリジナルのreadingに近づくのだろうか？ これらの疑問に答えるために、BL 90、BL 91、またはBU 38のAmensには訂正の証拠がないことに最初に注意したい。しかし、 contratenorにおいては、消込と訂正を含んでいる。もともとgの代わりにｆで終わっていたところである。図4.4にこの補正を示す。  例４．２は、ＢＬの読み時、元のＢＵのreading、および３声部すべての修正されたＢＵのreadingのtranscriptionである。（元のBUのコントラテノールのreadingのeフラットは、実際にはlongであり、breveではないが、カデンツでの声部の配置を示すように修正されている）。カギ括弧は、消去および訂正に関与するBUのcontratenorの部分を示す。 おそらく悲惨な悲惨の後に、BUのスクライブがコントラテノールのエラーを直ちに検出して訂正したのか、後で発見して訂正したのかを判断することはできない。 p194 いずれにせよ、ある時点で、誰かがその楽章が始まった調性- Bフラット - に終結させることを意図していたようである。 元のcontratenor のreadingは、スクライブがlong-long の連結符を、二番目のlongを低すぎて書いたという単純な不注意ではないようであるかどうかを明らかにはしていない。元のreadingの先行する3つのsemibrevesは、Bフラットコードの五度に論理的には進む。  BLバージョンのCredoのAmenでは、低声部の音域（contratenorではGから.a、tenorではGからb-flat）とAmenセクション全体での両声でのGからgへの跳躍により、Gでのカデンツが期待されることだろう。。 しかし、第196小節においては、Cでのカデンツに直接シフトする。 グロリアにおいてのように、低声部が、多くの声部交換を伴う滑らかなデュオを形成している。 ただし、それらは、m.196.において、平行四度のパート書法エラーがある。 このバージョンのAmenは、本質的にはGloriaのAmen の拡張版（第3章103ページを参照）で、第 190‐191小節においては、cantus and tenor の間のアクセント部分の不協和音が多数含まれている。 これらは誤りではなく、むしろ組の2番目であるCredoへのより大きな最終決定を与える装飾である。 第3章で述べたように、外声の間のアクセント付きの不協和音程は、アーノルドの通常文設定の共通の特徴である。 Credo's AmenのBUバージョンは、G上のAmenの過程で予想されたカデンツとなっている。低声部のデュエットは、エラーや修正の兆候なしに、G上のカデンツに向かって、スムーズに進んでいく。 一方、cantusにおけるカデンツでのレド♯レの飛躍は、かなり突然であるように思われ、これはもっと拡張的なオリジナルの縮小版であるかもしれないことを示唆している。 p195 BU Amenはパート書法の誤りや修正を含んでいない。 BU Amenがより長いBL Amenの短縮形であるならば、これはBLのm．189を排除することによって（これはより低声部のいくらかの書き換えを伴うであろう）、そして、BLのmm 193-199を、G上の装飾のないカデンツ置き換えることによって、達成された。BU のAmenは、不器用な書き換えではなく、BLバージョンへのもっともらしい代替案である。 BUのスクライブ、または彼が雇用されていた施設の他の歌手が、この組の両方のメンバーの最後でCへの印象的な動きに不満を感じ、試したが、ｂ♭で終止するGloriaのAmenを放棄し（BU のcontratenorの終止での残りをたどって）、そしてクレドのアーメンをG上のカデンツに修正することに成功した可能性はある。 Credoでの音の行き先の変更は、この組のCでの終止が少し大胆すぎると感じた地方の音楽機関の保守的な好みを表すかもしれない。 BLとこのグロリア/クレドの組でのBUの再収縮の間の関係を理解するための鍵は、2つの資料が3声部すべてで異なるreadingを持つ別の箇所にある。 これは、図4.5に示す「Confiteor unum baptisma」という言葉にある。 
BLは、m.170での contratenor のエラーを含んでいる。 そこでは、前のperfectionのｇがaに解決されるべきであるが、余分なsemibreve休符で置き換えられている。（例4.3a）。 さらに、次の小節では、perfectionの開始時に、 cantus and tenorの間に7分の1の平行七度がある。 これらの誤りにもかかわらず、BLはこのパッセージの中で消去または訂正の兆候がない。 例4.3a  p199 第170小節のBUのreadingは、BLにおけるa音の欠落を予想させる。その間、（BLでもBUでも）、第171小節においては、cantus and tenor の間で平行七度が出現している。 しかし、第164-167 小節においては、BUには3つの声すべてで消去と訂正がある。 例 4.3bは、この箇所の元のBUのreadingを示しています。 4.3cは訂正されたreadingを示している。15。小円は、スクライブによって消された元のBUreadingの中の音符を示す。   15 BUには、楽章の最後など、主な点で、concordant 資料とはしばしば一致しないために特に興味深い、消去され訂正されたreadingが多数含まれている。しかしながら、写本に直接アクセスすることなしにオリジナルのBUのreadingを決定することはほとんど不可能であると読者は警告されている。 ファクシミリ版やマイクロフィルムを勉強するときには、譜表にすき間があるところに消去があると考えがちであるが、これらは必ずしも消去の結果ではない。すなわち、多くの場合、二重のrastrumのどちらか一方は、フォリオが支配されているために登録に失敗し、譜表に隙間が残され、それが消去と解釈される可能性があった。 BUスクライブが消去をした時には、彼は書きながらそうした。そのために時には完全に消去されているので、ページを明るくするだけで消去を検出できる。 最初の体系的なBUスクライブの読み方と修正の体系的な調査は、Janet PalumboのBUに関する論文に掲載されている。 このパッセージのオリジナルのBUのreadingは、すべての声部でピッチの内容がBLとほぼ同じであるが、リズムの点では多少異なる。 オリジナルのBUのcantusは、基本的に、BLの簡易版となっている。 第165小節のminimsは休符となり、第166小節では、minim休符に続くのではなく、perfectionの始まりでc1を置いている。（第167小節のオリジナルなreadingは、決定的なものではない。c.o.p.連結符がb-flat につながり、semibreveが続かなかった可能性もある。） that replaces the minims in m. 165 with a rest and places the initial c1 in m. 166 at the beginning of the perfection rather than following a minim rest. (The c1 in the original reading of m. 167 is not definite. It is also possible that the c.o.p. ligature extended to b-flat and was not followed by a semibreve, in which case it would be altered.) オリジナルの contratenor のreadingは、第166小節のsemibreve-breveのc.o.pの使用を除いてBLと同じであるようだ。 このreadingには、m.169のｂフラットに対する追加のbreveが含まれていた。その間、BLに欠けているaとそれに続く休符が絞り込まれている。mm 162-172のBUのテノールのオリジナルのreadingは、BLのそれと同じである。 BUのスクライブは、このパッセージを、BLまたはそれに非常に近いものを読み解いた資料からコピーした。元のＢＵのreadingとＢＬとの間の変異は、個々の声部の文脈においてはマイナーであるが、それらが一緒に鳴らされた時には、鋭い不協和音を生み出すように組み合わさっている。 p200 第166小節の cantus のperfectionの始まりのｃ１の位置は、一見、小さな持ち込みのリズム的簡略化であり、自身がコピーしたとおりにスクライブが着手することができた。しかし、それは contratenor とｂフラットで衝突して、 perfectionの初めにテノール上で四度になっている。 BLでは、ｃ1がminimの休符に続くフレーズへのminimのピックアップとしての役割を果たし、瞬間的な不協和音程は、事実上一瞬のものである。 contratenorでのalterationを要求する c.o.p連結符の使用は、同様に、コピーの過程で行使されたスクライブの好みを示している可能性がある。 繰り返すが、BUのreadingではBLには存在しない問題が発生している。（第166小節の）perfectionの3番目のsemibreveではなく2番目のそれの上のaへの動きは、下声部の間で二度を、上声部の間で三全音を作り出している。 そして第168-169小節では、スクライブは、contratenor のリズムをテキストに適応させたので、偶然に他の声部の中に存在していたよりも1つ多くのbreveをcontratenor にもたらした。 したがって、それ自体では重要ではないと思われるいくつかの小さな変更は、個々の声部のパフォーマンスが組み合わされたときに、かなり不運な累積的効果をもたらす。 楽章が終わりに近づいたときの、グロリアの contratenorのfのような問題は、演奏において、発見されたかもしれない。 もしそうなら、彼らはエラーを修正するのに十分なインセンティブを提供しただろう。 しかし、スクライブが彼の模範にアクセスできなくなり、問題のある箇所をスコア付けしてエラーの発生箇所を見つけることを考慮しなかった場合、唯一の解決策は、適切な方法でフレーズを再構成することであった。 この再構成の試みは例４．３ｃに示されている。 元のreadingの音符の大部分は削り取られ、新しいreadingに置き換えられた。これは、第167小節GでのG上の早期カデンツにつながっている。これがおそらく、この問題に対する最も簡単な解決策である。 p201 しかし、このreadingにも問題がある 。第１65小節でのcantus and tenor の七度、第166小節でのcantus and contratenor での七度、第１６６−１６７小節でのcantus and contratenor での平行八度である。 これまでのところ、BUスクライブはいくつかの点でBLに似たソースからコピーしていたというのが、我々の仮説である。 それは、単語 "Cuius regni"で改ページを伴っていた。それはuntexted contratenorを持っていた。そしてそれはmm. 162-172 でほとんどオリジナルなBUreading-と同一であり、そして彼がカデンツの装飾を変えたり、リズムを変えたいと思ったときに、彼は自由に逸脱した。 このスクライブおよび/または彼の仲間の歌手は、 cantus coronatus のパッセージの周期的な構成または楽章の終止音を変更することを躊躇しなかった。 改訂は繰り返し行われ、それらのポリフォニックレパートリーを含む写本に組み入れるために、書き留められたかもしれない。16 16 初期と後期のreadings が時期的に大きく離れていることを示唆するインクの色に違いはない。これは、エラーが発見され、スクライブがまだ同じインクのバッチから機能している間に修正が行われたことを示している可能性がある。しかし、このパッセージの改訂についての我々のシナリオが正しいのであれば、スクライブが彼の模範にアクセスできなくなったときに改訂が行われたことになる。 これまでの議論では、BL 90/91とBU 37/38の主な違いに焦点を当ててきた。2つの資料の間に大きな違いがあるにもかかわらず、BUのスクライブは、このGloria / Credoの組を、BLに似た見本から、またはおそらくBL自体からコピーしたはずである。 こうした変異は、このMassペアの2つの現存するソースの見本を単に反映しているかもしれないが、それらの多くは、2つの個々のスクライブの好みと習慣から生じているようである。これらのほとんどすべては、音楽訓練されたスクライブが、彼がコピーしたように導入ことができた種類の変化を表している。 BUのスクライブがBLまたはそれに酷似したソースからコピーしたと仮定した場合、彼のコピー習慣に関して、以下のような結論を導き出すことができる。 p203 1 スクライブは、たとえテキストが彼の模範の中の1つの声部に欠けていたとしても、時折、3つの声部すべてにテキストを割り当てることを好んだ。 これはBU 37/38には当てはまるようであるが、BUの他の通常文設定には当てはまらない。 BUのスクライブによってコピーされた21作の3声部の通常文設定のうち、4作には1つのテキスト付き声部があり、12には2つのテキスト付き声部があり、5作には3つのテキスト付き声部がある。 3声がテキスト付きの設定は、ここで検討したGloria / Credoペア、DufayのMissa Sine nomineからのKyrie（Ao1、A0 2、およびBL1では、3つのテキスト付き声部を持つ）、Kyrie of the Reson Mass、およびAfatに帰属するSanctusである。 （後者の2つの例はunicaである。） したがって、ArnoldのGloria / Credoのペアの contratenor へのテキストの追加は、BUのスクライブ側の一般的な傾向を表しているようには見えない。 しかし、Missa Verbum incarnatum（１４９ｖ～）についての議論では、我々は、BUのスクライブが、彼の模範において欠けていたところにテキストを追加した楽章の他の例を見ることになるであろう。 2. BUのスクライブは、BLのアップビートで始まる perfection の始まりに単語を配置することを好んだ。 いくつかの例では、BLのアップビートのminimで始まるパッセージは、BUの次の perfection の最初で始まる。そこではminimが休符で置き換わっている。 すでに述べたように、Booneは、Oxの最も初期の曲から始まったアップビートのフレーズから、後でコピーされたものの中のperfectionsの開始から始まるフレーズへの進行を観察した。17 17 Boone, "Dufay's Early Chansons,” p. 167 p204 したがって、BUスクライブは、より大きなレパートリーの傾向を反映しているかもしれない。 表4.1（訳注；略）にリストされている例のうちの1つを除くすべてにおいて、BLは、cantus and tenorで同じ歌詞づけを持っているが、BUの2つの声部では、それは異なっている。 （したがって）BLのスクライブが、BUからコピーをしてcantus and tenor の歌詞付けを割り当てた可能性は非常に低い。 BLのスクライブが一度に1づつの声部をコピーしたために、BUのスクライブが彼自身の好みに従う歌詞づけにおいて不一致点を作成することは可能であったであろう。 3. BUのスクライブは、カデンツで、異なる旋律とリズム装飾を導入した 。 cadentialの装飾を含むBUの変異では、フラグ付きのセミミニムを使用することがよくあるが、これはBLでははるかに少ない。 さまざまなカデンツの音符の形状の1つに、BUでの修正、Gloriaの第100小節でのcantusでのc.o.p. 連結符がある。もともとは、（図4.6）にあるように、おそらくはそのピッチがシ♭‐ソ‐ラ‐シ♭の４つのminimsから成り立っていたものであるが、最初のminimのstemが、連結符のupstrokeになり、他の3つのminimsは,こすり落として除去されたのである。  p205 この場合、アーメンに先行するカデンツへのアプローチは、最初に詳しく述べられ、それからBUスクライブによって単純化された。彼の最初のreadingでは、cantus and tenor の間の平行七度とcantus and contratenorの間の平行五度を生じたからでる。しかし、一般的には、BUのカデンツは、BLのものよりも複雑である。 4. BUのスクライブは、時々、BLが trochaic リズムであるところで、 iambic パターンを書いたが、その逆は、一か所のみで生じている。 これは、BUの定型的な傾向、一般的なリズムパターンの使用の増加を反映しているように思われるもう1つの例である（第3章、160ページを参照）。 ほとんどの場合、breve-semibreve（またはsemibreve-minim）からsemibreve-breve（またはminim-semibreve）への変更は、ポリフォニックテクスチャにはほとんど影響を与えなかった。 このパターンの置き換えは、しばしば2つのセミブレブを必要とし、そのうちの2番目はアルテラ化が必要であった。 5. BUのスクライブは、BLのスクライブよりも多くの臨時記号を書いた。 Arnold de Lantinsによる1つのミサ曲ペアの過程で、BUスクライブは、22の臨時記号を使った。BLスクライブは2つだけを使った。 BUの臨時記号のうちの６つは、すでに（e-flatで示されている）調号で示されている余分なeフラットである。これらすべてはカントゥスで発生し、調号のeフラットより1オクターブ上のピッチで発生している。これは、BUスクライブが（近代和声学のような）オクターブの均霑性を考えておらず、歌手もそうすることを期待していないことを示している。 p206 BUの臨時記号のうちの5つは、両方の楽章の最終的なカデンツを含めた、カデンツで現れており、その時代の訓練された歌手が自動的にカデンツ適用するmusica fictaを示している。 これは、BUが編纂された確立過程の本質へのさらに別の手がかりになるようである。 残りの臨時記号のうち、グロリアの第83、96小節、クレドの第39、71、102小節は、他の声部でさらに調整が行われない限り、疑わしい。 6. BUスクライブは、時折、完全なトライアドを避けたようだ。 アーノルドのグロリアとクレドの組の間に、BLが完全なトライアドを持っているけれどもBUが三度を省略して、根音または5番目だけを使う6つの例がある。 これは、BUスクライブの控えめな嗜好の表れかもしれない。 7. BUのスクライブは、perfectionを通して同じピッチを繰り返すよりも、メロディ進行を好んだ。 auの7つのメロディアスなバリエーションは、BLでは同じピッチが1つか2つの完璧さを通して繰り返される可能性のあるコードトーンの間で動きをもたらします。 BUの7つのメロディ変異は、BLで同じピッチが1つか2つのperfections.を通して繰り返された、可能な和声トーンの間の進行における結果である。 これらの readingsには多くの違いがあるが、このGloria / CredoペアのBLバージョンとBUバージョンは密接な関係を示している。これまでに説明したすべての変異は、スクライブがコピーしたときに導入した可能性があるものである。 これらの変異の性質とBUにおける多くの訂正の存在は、、元々の readingsがBLのそれと同一であり、BLがBUの模範としてとなっていたかもしれないことを証明している。その逆は当てはまらないが。 我々は、直接コピーの問題に対処する準備が整った。BLがBU37/38の模範となったのか、あるいはBLは、中間的な資料であったのか？ 2つの資料間の関係を決定するための古典的な言語的アプローチは、2種類の誤りの特定を含んでいる。つながった誤り（両方の資料によって共有される、共通系統を示す）と、別々の誤り（他の資料は正しいまたはもっともらしい値があり、2番目の資料は最初の資料からコピーできなかったことを示す、1つの資料における誤りの存在）である。 BL / BUの変異の中で、我々は、一つの接続的エラーを見い出す（例4.4）。Credoの第101小節において、両方の資料は、perfectionのテノールにｇ、 contratenorにA、そして、 perfectionの初めの cantus にb-flatを持っている。Aはおそらく、Gとなるべきだろう。  BLの3つのエラーは、BUがBLからコピーされ得なかったことを示す分離エラーの候補である。BUで正しいBLのエラーの1つのケースは、第133-137小節でのCredoのテノールで生じている。ここで、スクライブは、テキストフレーズの最後の音節に到達する前に、音楽フレーズのすべての音符をコピーした（図4.7）  書かれたようにフレーズを歌う唯一の方法は "-que procedit." に合うようにc.o.p連結符の連結を外すことであった。 BUでは、第133-134小節のlongは、2つのbrevesに置き換えられた。2つめのbreveが、単語”filoque”の１つ目のシラブルに歌われば、問題は解決するのだが、BU の”filoque”では2つのbrevesうち2番目の方から始まっている。 しかし、BLのc.o.p.連結符を2つのセミブレイブに置き換えることで、すべての "procedureit"に収まるようにすることは依然として可能でったのだ。  この場合、BLのエラーは、BLからBUへの直接コピーを妨げることはない。スクライブがその場で来て修正することができるような間違いである。 BLスクライブは、間違いなくmm. 133-137 の歌詞づけエラーを認識していた。ただし、テノール担当歌手は、演奏中にすべてのシラブルに収まると考えていた。 一方、さらに2つの候補が本物の分離エラーを構成している。Credoの第56-58小節で、BUでは正しいが、BLにてエラーが生じている（Ex。4.5）。第56小節で、BLの contratenor は3つの色付きのセミブレブとそれに続くm.57のbreve休符と、第58小節の最初のｇのカデンツのゴールを持つ。  p209 カデンツ直前の休符はこのcontextでは異常である。演奏において、Bbreveの音楽的価値が欠落していることが発見された後に追加されたかもしれない。BUでは、g上の2つのセミブレイブがm.56を占めている。 BLの reading の色付きのセミブレブは、BUの perfection 後半で現れ、m.57のカデンツに自然につながる。BUスクライブががBLから直接コピーしていたならば、彼がどのようにこの修正案を思い付いたのかは明らかではない。 p210 BUには、BLがクレドの第179小節（例4.6）にエラーを含む、再度正しいreadingがある。BLの contratenorはe-flat、f、aと読み取り、 perfectionの初めでcontratenorとtenorの間に四度を作るが、BUはファソラと読み取っている。どちらの資料にも、消去や訂正の兆候は見られない。このような状況では、BUスクライブがBLから直接コピーしていたとしたら、正しい reading を思い付いた可能性はほとんどない。  これら2つのエラーは、Arnoldの最後のGloria / Credo組のBUへのコピーがBLから直接コピーされていないことを示している。それにもかかわらず、このMassペアの2つのソースは、私たちが最初に想像していたよりもはるかに密接に関連しており、共通のソースから派生している可能性がある。BUのコピーはおそらく、BLの編纂が完了する前に始まっていたので、2つの資料のスクライブは、Venetoでの作成において、いくつかのレパートリーのコピーへのアクセスを共有していたかもしれない。 Arnoldの組のBUへのコピーは、BLバージョンから削除することはできないが、我々は、個々のスクライブがどのようにして伝搬にいくつかの変異を導入できることを見てきた。19 作曲家の当初の意図に近づくのではなく、BUスクライブによって作られた変異は、我々に、ある作品がいつどこででどのように演奏されたかについてのより良い考えを与えてくれる。1430年代後半 BUスクライブでは、特定の時間と、1430年代後半のVenetoではかなり控えめな音楽チャペルであった場所で特定の作品がどのように演奏されたかについて、より良いアイデアを私たちに与えている。 |