| THE MASS ORDINARY SETTINGS OF ARNOLD DE LANTINS: A CASE STUDY IN THE TRANSMISSION OF EARLY FIFTEENTH-CENTURY MUSIC |
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その前
| CHAPTER 1: THE MUSICAL LEGACY OF ARNOLD DE LANTINS p2５ Arnold and the Origins of the Cyclic Mass Arnold de Lantins に関する文献の第3段階は、1950年代と1960年代の音楽学文献の中心的な位置を占めていたMass cycleとその起源についての議論で行われた。 Arnold のMissa Verbum incarnatumは、ひとりの作曲家による完全で、音楽的に統一された Mass cycleの最も初期の現存例の1つであるので、彼の名前はこれらの議論にいくらかの頻度で現れた。 しかし、アーノルドの完全な cycleと彼が Ciconiaと共有する混成的な cycleに関する多数の言及にもかかわらず、アーノルドの通常文ミサ曲は、最近まで詳細な注目を集めていなかった。 BOLOGNA， BIBLIOTECA DI G. B MARTINI， Q/15-BLにおける８つの通常文cycleを同定した時、Arnoldの音楽的実体としてのMissa Verbum incarnatumを認めたのは、Besselerが初めてであった。(These also include two Masses by Dufay, one by Johannes de Lymburgia, and four composite cycles containing movements by more than one composer.) Van den Borren は、Arnold's Mass の音楽的地位に注意を呼びかけ、そしてそれをその Kyrie のトロープスに基づいて「Missa Verbum incarnatum」と呼んだ最初の人物であった。 ｐ２６ Van den Borrenは、楽章間の音楽的統一を達成するための手段としての冒頭動機の使用だけでなく、「それらの間にそれらが永続的な主題リンクの幻想を適切に与えるような類似性を提示するカデンツ体系」を観察し続けた。 彼は、アーノルドは確かにこのタイプのミサの発起者であり、5つの通常文楽章の設定であり、冒頭動機と他の主題の結びつきによって統一されたが、テノールメロディーや手順の同一性には関係がないと結論づけた。 1950年に、Manfred Bukofzerは、循環ミサ曲の発展における段階を概説した。それは、ある程度は今日でも有効である。ここでアーノルドのcycleは初めて、組の楽章から完全なcycleへの進行という文脈の中に、置かれた。 ArnoldとJohannes de LymburgiaによるBLにおける完全な通常文の cyclesについての議論において、Bukofzerは、両方の cycles が密接に同一化されたGloria / CredoペアとSanctus / Agnusペアを含むことを認めている。 「このように、元々の組は、モットー的冒頭を伴う統一されたMass cycle の最初の例に反映されている。このタイプのcycle は主に 、Lymburgia, Lantins, Dufayに関連しているので、我々はそれが、1425年頃のブルゴーニュ楽派の作曲家たちによって発展させられてきたと考えることができよう。」 Bukofzerはまた、BLの冒頭での混成的なcycle に注目し、それが、ArnoldによるIntroit / KyrieペアとSanctus / Agnusペア、そしてCiconiaによるGloria/ Credo のペアの３つのペアで構成されていることを観察した。 Gustave Reeseは、Missa Verbum incarnatumとMachaut のMassとを比較し、Arnold's MassのSanctusとAgnusには、自由にパラフレーズ化されたGregorian Mass XVIIへの言及が含まれていると提案している（Medieval Music in Renaissance３ G.Reese参照）。  写本(26/697)  写本(28/697) Charles Hammは、SanctusとAgnusの間では  が使用されるが、Kyrie,Gloria,Credoの３楽章では使用されていないという、計量記譜法の使用における齟齬を指摘している。Hammはこの観察について次のように詳しく述べた。ｐ２７ これらすべては、de Lantinsが最初に部分的な（Kyrie,Gloria,Credoの３楽章の）ミサ曲を書いたことを示唆している。しばらくして彼は、SanctusとAgnusを追加した。音部記号、設定の種類および最終的なコードは一致させたが、（あとで付け加えた分は）時代遅れとなっていた音部記号  を、近代的なに置き換え、彼が以前にしたようにSuperiusだけではなく新たなセクションのすべての声部において、冒頭動機を使った。Hammはまた、Arnold's MassとJohannes Lymburgia Mass（BL 127-131）との類似点にも注目した。Philip Gossettは、この関係をさらに深めて、LymburgiaによるIntroit、Kyrie、およびGloria、BL 158/160/161は、写本の冒頭にあるArnold/Ciconiaの混成的なcycleの最初の3つの楽章をモデルにしたことを示している。これは、Liegeの3人の作曲家 - Ciconia、Arnold、およびLymburgia - の間での相互作用の興味深い可能性を示唆している。 Gilbert Reaney は、cycleを含む資料間の関係についての彼の研究におけるArnoldの完全なcycleの最初の詳細な議論を提供した。 彼は、資料間の多様な解釈のエヴィデンスに焦点を合わせ、OxはArnoldのミサ曲のBLでのコピーへの直接の模範であると結論付けた。そして、BUに含まれる3つの楽章はBLからコピーされたとした。 それから彼は、BUのスクライブによる単純化の例を挙げ、そしてBLのスクライブが、彼の見本のテキストの歌詞づけを改善し、そして残された問題を裏付けるために、BUのスクライブがさらに満足できる解決策を見いだした多くの事例を引用した。 p２８ 調査のために広い領域を切り開いたReaneyの功績もまた、多くの重要な疑問を未解決のまま残した。 例えば、BUのスクライブがスコアを参照していない限り、彼はどのようにして特定のパッセージの3声すべてのそのような広範な書き換えを達成したのか？ このような疑問に取り組む過程で、私は、BLとBUのバージョン間の関係は単純な直接コピーの関係よりはるかに複雑であることを示しながら、エヴィデンスを加えた引用とともに、BLのスクライブがArnold's MassをOxからコピーしたというReaneyの主張を確認した。 15世紀初頭の、その伝搬へのアーノルドのミサ曲のための多様な解釈と音楽の演奏の関連性は第4章で詳細な考察を受けるであろう。 初期のMass cycleの議論に含まれていることに加えて、アーノルドの名前は時折、1960年代と1970年代に行われた他のジャンルの研究に現れた。 例えば、Edgar、 Sparksは、ArnoldとLymburgiaの Introit の設定の間の対応関係を指摘していたが、Sylvia.Kenneyは、ArnoldとLymburgiaの両者が、laudaの発展に重要な役割を果たしていたことを観察した。 Shai Burstynは、Arnoldをポリフォニックな雅歌設定の最初期の作曲家の一人に組み入れた。 最後に、Frohmut Dangel-Hofmanによるポリフォニック なIntroit の研究から、Arnoldがこのジャンルでもまた、最初に書いたひとりであることがわかった。 アーノルドの名前が様々なレパートリー研究、特に循環ミサ曲に関する研究に登場したにもかかわらず、ほとんどの参考文献は、少し大きなパズルのピースに過ぎなかった 。例えば、どのようにしてArnoldは個々の通常文のポリフォニー設定の作曲から音楽的に統一された cyclesにたどり着いたのか？ ｐ２９ Van den Borrenの努力にもかかわらず、Arnoldの名前はリスト上の名前に過ぎなくなってしまった。 （略） The Genres Arnold Cultivated p40 Van den Borrenは、Arnold de Lantinsの音楽は未来を見据えていると述べたが、この見解の根拠を完全には述べていない。 最近のレパートリー研究は、Van den Borren の見解を裏付けるコンテクストを私たちに提供している。 Arnold de Lantinsが、写本の伝統の中で、彼の作品の場として共に培ったジャンル - Introits, 雅歌の設定、ラウダ、通常文に関連した構成 - の検討は、アーノルドが確かに、イタリアの半島を越えて、人文主義的思考として出現傾向に敏感なイノベーターであったことを示している。 BLの冒頭で、アーノルドが関与した部分に戻り、スクライブが作曲家に特に向かい合ったため、彼がコピーした写本の冒頭に必ずしもある作品を置かなかった可能性を考えてみたい。 おそらく彼は、見開きページ全部ではなく、右ページだけを占めるような作品を探していたのであろう。しかし、Arnoldのコレクションの最初の作品として、彼のSalve sancta parensの設定がスクライブによって選択されたことには、もう1つの理由があるだろう。それは、この作品が、Introitであるということである (Feasts of the BVM, Introit)。実際、BLのステージ１における唯一のIntroitである。 （Bentは、Besselerによって提案された2つの段階ではなく、3つの異なる段階にBLの編集を分割した。第2章p.63を参照。） Massセクションのステージ２もIntroitで始まっている。 DufayのMissa Sancti Jacobi のIntroit Mihi autem nimis(298/697）で、光彩を持つイニシャルで飾られている。  写本(298/697) これがコンパイルのこの段階での唯一の Introitである。ステージ３はさらに、 Johannes de Lymburgiaによる部分的なcycleのパート であるIntroit, Salve sancta parens を含んでいる。 p41 BLがコピーされた時点では、書き出された polyphonic Introit は、比較的まれなアイテムであったようである95。 95 In Music in Iate Medieval Bruges （ (pp. 22-23). オックスフォード、1985年）でReinhard Strohmは、St. Donatian's in Bruges での聖母マリアを記念したポリフォニーミサの毎日の歌唱を記録している。寄付財産は、Missa de Salve として、このミサに言及している。 なぜならそれは、Introit Salva sancta parensで始まるからである。この伝統は、1421年までにSt. Donatian で確立されたが、これらのミサで歌われた実際の音楽は現存していない。 Apt,CathedraleSaint-Anne、MS 16 bis（Apt）、Ivrea、Biblioteca Capitolare、MS CXV（Iv）、Modena、Biblioteca Estense、MS α.M/5.24（Mod A）には、polyphonic Introit はない。15世紀初頭のポリフォニーのイタリアの資料からのさまざまな断片にも見られない。 BUの最初の右ページには、 Introit Gaudeamus omnesで始まる部分的なプレインソングミサが含まれているが、BUもOxもpolyphonic Introit設定は含まれていない。 Cambrai、Bibliotheque Municipale、MSS 6および11（Ca 6およびCa 11）は、1430年代に北部で複製された唯一の無傷の聖なるポリフォニー集である。 BL / Ox / BUでは、やや遅れて編纂され始めた。一方、polyphonic Introits は、頻度が上がり始めた。 （略） p４２ polyphonic Introit 設定の発生率の増加は、Tr88での25のIntoritsとTr93 / 90での60Introitsで最高値に達している。 そのうちの11はDufayによって作曲されたというLaurence Feiningerの提案によって有名になった16の作者不詳の固有文cyclesも、ここに含まれている。 15世紀前半のpolyphonic Introit の設定は、Arnold de Lantins、Dufay、Johannes de Lymburgia、Brassart、Binchois、Liebert、Johannes de Sarto、およびMerquesである。 これらのうち、アーノルドは最初のようである。 アーノルドはさらに、別の分野における後の発展の先駆けであるように思われる。すなわち、雅歌からのテキストのポリフォニックな設定である。これらのテキストは、15世紀初頭にイギリスの作曲家によって最初に設定された（pyarnour、Power、Dunstable、Forest、Stone、stanley、plummer）。 15世紀後半から16世紀にかけてはすでに一般的になっていたこのような設定は、大陸で徐々に受け入れられてきた。15世紀の前半からは、3人のみの大陸作曲家による雅歌の設定がある。すなわち、Dufay、Arnold de Lantins、そしてJohannes de Lymburgiaである。 （略） ｐ４３ ラテン語のラウダは、15世紀初頭から発展し、その人気が15世紀を通して、そして16世紀にまで増加したもう一つのジャンルである。ここでもまた、最初期の例の1つは、BLとOxに見られるArnoldのIn tua memoriaである。Oxにはさらに、2つの作者不詳のlaudeがある。 song motet とラウダの複雑な関係についての議論の中で、Sylvia Kenney は「Arnold de LantinsとLymburgiaは、フランドルのモテットとラウダの伝統を融合させた重要な人物のようだ」と述べた。 Arnold de Lantinsが、楽章の間の音楽的つながりを使って最初の通常文cyclesの1つを書いたことは、より広く知られている。同じメロディがそれぞれの楽章のテノールで繰り返されるような英国のテノールミサ曲の大陸での採用以前に、通常文のポリフォニック設定は、大部分は個々の楽章として、ミサ曲の同じ祝祭での使用として、Gloria/Credo またはSanctus/Agnus として存在していた。 15世紀前半の間に、我々が名前で知っている6人の大陸作曲家だけが、今日現存する完全な通常文のcyclesを書いていた。これらのミサ曲のどれも、統一するための原理として同じテノールを使っていない。 tenor cantus firmus を使用する15世紀前半からの唯一の大陸のcyclesは、 Turin, Biblioteca Nazionale, MS J. II. 9 (TuB) における空白の譜表に加えられた作者不詳のMass cycleである。103 103 "Jean Pullois and the Cyclic Mass--or a Case of Mistaken Identity," ML, LXII (1981), pp. 41-59. においてGareth Curtisは、Tr93 / 90の「Pylois」に帰せられていた Missa Sine nomine を、最初期の大陸のtenor cycles の1つとして考慮から除外した。 彼は、Tr87の最も早期のgatheringsのうちの1つに最初に現れるこのミサ曲は、Caputミサ曲のように、大陸の作曲家の名前と関連するようになった別の英国のサイクルであるように思われると主張した。 その一方で、Pamela Starrは、私との個人的なコミュニケーションで、彼女の調査によると、Pulloisがやはり問題のミサの作曲家であると私に伝えている。 この場合には、大陸の作曲家の誰が、最初にtenor Mass を作曲したのかという問題を再評価しなければならない。 Table 1.5 は、資料ごとに、15世紀前半の大陸の作曲家によって作られた、すべての知られている Mass cycles を示している。104 ｐ４４  pretenor cycles の最初期の15世紀初頭の資料はBLで、そのスクライブは、関連する通常文の楽章に強い関心を示していた。 BL Massセクションの最初の層には、いくつかの混成的なミサ曲と 一連のGloria/Credo のペアと共に、DufayのMissa Sine nomineが含まれている105。 105 Fallows has suggested rechristening Dufay' s Missa Sine nomine as the Missa Resveillies vous. due to motivic relationships between the Mass and the song (Dufay, pp. 165-168). 2番目の層は2つの完全なcycles、DufayのMissa Sancti JacobiとArnoldのMissa Verbum incarnatumを含む。 Johannes Lymburgiaによるミサがミサのセクションの第３層に現れる。 これらの3人の作曲家、Dufay、Arnold、およびLymburgiaは、ペアの楽章、部分的な循環、および完全なcyclesの例である。 ｐ４５ この分野でのDufayの功績は、彼の若い時期のゆるく関係したペアから彼の成熟期の記念碑的なテノールミサ曲まで、非常に大きな注目を集めている。その当時のもっとも進んだ音楽的手段であったMass cycleの発展におけるDufayの役割は、弦楽四重奏曲の創作におけるハイドンのそれにたとえられるかもしれない。 しかし、彼の作品の完全版のメリットへの論議、彼の初期のミサ曲の年代決定、そして聖アントニウスミサとTr88の固有文の cycles の信憑性は、新しい証拠の着実な出現を伴って続いているが、1431年と1432年の間の教皇の礼拝堂での彼の同僚によるミサ曲の音楽の大部分は、研究されているだけで、まだ発表されてはいない。 DufayやLymburgiaの通常文設定と同様に、Arnoldの通常文の設定は、 ①ペアの楽章、 ②他の作曲家と共有のある混成的なMass cycle、 ③それぞれの楽章が同じ冒頭を共有している完全な cycle（しかし、テノールのメロディはまだない‐pretenor） という、Mass cycleの初期の発展の３つの側面を示している。それらは我々に、Dufayの業績を測るための、そしてそれから我々が循環ミサ曲の起源へのArnoldの貢献を評価できる作品を提供している。 前述の説明から、いくつかの興味深い洞察が生まれている。 第１に、我々が、 polyphonic Introit, 雅歌の設定、ラテン語のラウダ、そして音楽的に統一されたMass cycleの初期段階を調べると、Arnoldの名は、 Dufay, Johannes de Lymburgia, そしてあまり有名ではないがBrassartの名と関連して、連続して現れる。これらの「最初の」を考える際に、同じ写本に表されている他の作曲家の名前に出会うことはない。 p４６ 第２に、Dufayを除いて、明らかな革新者はすべて、Liegeの教区から来た。そしてこれらの新しい発展が起こっていたときに、4人全員が1420年代か1430年代の間のある時点でイタリアにいたことが知られている。 第３に、これらの各ジャンルの最も初期の資料はBLであるのは明らかである。その最新のエントリーは、さらに別の新しい発展の出現― Dufay、Lymburgia、Binchois、Hugo de Lantins、およびFeragutの賛美歌、Magnificat、およびアンティフォン設定―を反映している。これらは、１６－７世紀のあでやかな晩祷を導く。107 l07 "Polyphonic Music for Vespers in the Fifteenth Century," ph.D. dissertation, Harvard University, 1974, pp. 35-39.において、金沢正剛氏は、BLの賛歌、Magnificats、アンティフォン設定の目録を作成している。 よく知られているように、音楽芸術におけるルネサンスは、英国の音楽の甘美な響きに初めてさらされた大陸の作曲家が、音楽の輸入の根底にある原則を採用したときに始まった。すなわち、平行6/3進行、不協和音の回避、およびテキストのdeclamationへの注目である。 音楽ルネサンスの始まりは、 contenance angloise.の形式的な明快さだけではなかった。それはまた、cyclicなコンテンツと新しい典礼的、そして傍典礼的なジャンル - 音楽的に統一されたMass cycle、Magnificatと賛歌のcyclic、そしてIntroitsのポリフォニー設定、antiphons、そして雅歌からのテキストへの関心を見いだせた。 これらの発展の大部分が生まれた場は、1420年代、1430年代のイタリア北部の現生的宮廷および教会であったようである。 BLはこれらの新しいジャンルの大部分のための最も初期の現存するリポジトリである。 Arnold de Lantins は、新しい形式の開拓、過去のリズム的に複雑な様式や不協和音から初期ルネッサンスの汎和声的様式への移行においてもっとも精力的であった作曲家の一人なのである。 Arnold de Lantinsについて、我々は今日以上の伝記情報を手に入れることができない可能性がある。 その代わりに、この論文の残りの章は、現存証拠に頼っている。大部分はイタリア北部の3つの資料に保存されている重要な音楽の集まりである。 この研究は、これらの資料の証拠、スクライブによってアーノルドに帰された通常の設定、および concordances が存在する場合のそれらの間の多様な解釈を利用することによって、大陸における循環ミサ曲の発達におけるアーノルドの役割に焦点を合わせる。 その結果は異なる種類の伝記になるであろう。それは支払いの記録やモテットのテキストで記念される行事ではなく、むしろ音楽そのものとそれをコピーしたスクライブによって残された記録に基づいている。 CHAPTER 2 THE TESTIMONY OF THE SOURCES Arnold de Lantinsの音楽は、1420年代から1430年代にかけてVenetoで複製された3つの写本、BL、Ox、およびBUにほとんど独占的に登場する。 これらの写本外で発見されたアーノルドによる唯一の神聖な作品は、おそらくVenetoに由来する別の写本の断片、MULの中に部分的に保存されている Missa Verbum incarnatumクレドだけである。 QuattrocentoやCinguecentoの他のイタリアの資料とは対照的に、これらの写本は、その性質において、驚くほど国際的なレパートリーを保存している。このことは、ヴェネツィアや15世紀初頭に、その管轄下に置かれた都市が、Ciconia, Dufay, Feragut, Lymburgia, Arnold and Hugo de Lantinsのような北からの作曲家や歌手が、 Venice, Padua, Vicenza, Ferraraの地方音楽家とともにやってきたフランス‐フランドル地方やイタリアの音楽の伝統の交点 として機能したことを考慮すれば、驚くには当たらない。 Venetoの写本の重要性は、ヴェネツィア周辺の音楽生活への北部の影響の流入の証人としてだけではない。 すなわち、フランス‐ブルゴーニュ地方、そしてイギリスからの資料のほぼ完全な損失のために、それらはしばしば15世紀の初めの数十年の間に北部の音楽家によって作曲された作品のための数少ない資料なのである。（略） p４９ 我々は、 Arnoldの音楽についての知識を、3人の北イタリアのスクライブにほぼ完全に委ねている。 第3章と第4章で詳細に検討するアーノルドの通常の設定を整理してコピーする方法の違いは、彼らが実際に彼らが記録した音楽の伝統のフィルターとして機能したことを示している。 彼らがコピーしたレパートリーはまた、 Arnoldの作品が多数含まれているので、イタリア半島での Arnoldの威信の貴重な証人としても役立っている。 彼は、例えば、DufayとJohannes de Lymburgiaを除いて、他のどの作曲家よりもBLの中でより多くの作品に示されている。 （略） p５０ 3つのVenetoの資料におけるArnoldによる多数の作品は、彼の名前が今日わかっている曖昧さとは対照的に、彼の作品が彼の同時代の人々によって高く評価されたことを示唆している。 Arnoldが同時代の人々の尊敬を享受したと信じる第２の理由は、写本内の彼の作品の位置づけである。 ２人のスクライブは、彼に彼らのコレクションの始めという名誉の場を与えた。 BLは、Arnoldに帰されているIntroitとKyrie、Ciconiaに帰されているGloria / Credoペア、およびArnoldに帰されているSanctus / Agnusペアからなる複合ミサで始まる。 Introit Salve sanctaは、写本の最初の右ページに表示され、この大規模コレクションの中にある3つの光彩付きイニシャルの１つを持つ。 さらに、スクライブはイントロイトのテキストを完全に消去し、コーデックスの他のどこにも使用されていない正式な本の手でそれを再コピーし、間違いなくコレクションの最初の部分の重要性を強調した。 BUでの最初のポリフォニック作品は、ArnoldのMissa Verbum incarnatumの KyrieとGloriaである。 cycleのクレドは、 Credo, Sanctus, and Agnus 設定に専念する作品のセクションの2番目の作品である。 Venetoでの資料のうちのArnoldの重要性の別の示唆は、 MUL.の最初の扱いにもある。 ｐ５１ この断片に含まれている13の作品のうちの4つは、トップ声部の最初の単語のための大きな赤いイニシャルを設けている。 スクライブがページを差し配したときに、彼が自分たちのためにインデントを残さなかったので、これらの各々は左マージンに現れる。 アーノルドのクレドの cantus はイニシャルを欠いているが、しかし、スクライブは最初の2つの譜表を1つのスペースに残すためにインデントした。スクライブはMuLで現存している他の作品よりも、この複雑なイニシャルをこのCredoに使うことを意図していた。 venetoの資料には、経歴に関する情報がほとんどない作曲家のための貴重な証拠が含まれている。 この章では、アーノルドのミサ曲音楽の3つの主要な資料と、MuLで保存されている断片に焦点を当て、アーノルドについての発見をし、第3章と第4章では、彼の音楽の議論の背景を示したい。 ORGANIZATION AND CONTENTS OF THE MANUSCRIPTS Bologna. Civico Museo Bibliografico Musicale, MS Q15 (BL) 写本 （略） ｐ５３ 148 Mass Ordinary items 107 motets, antiphons, etc. 25 hymns 19 French secular songs 11 laude 9 Magnificat settings 3 sequences 1 textless piece スクライブは、写本を3つのセクションにまとめた。最初の部分は完全なミサ曲、グロリア/クレドの組、そして個々の通常文の楽章であり、2番目はモテットとモテットのような作品のためのものである。 収集による内訳は次のとおりです。そして3番目は賛歌、Magnificats、そしてセクエンツィア設定を含む。 gathering による内訳は次のとおりである。 Part I Gatherings 1 - 17 Masses and Mass sections 11 secular additions Part II Gatherings i8 - 27 Motets, lauda, antiphons 8 secular additions Part III Gatherings 27 - 29 Hymns, sequences, Magnificats 飾り文字は、写本中の3作品の作曲を飾っている。すなわち、 ①Massセクションの始めのArnoldのIntroit設定（BL 2 15/697）、 ②DufayのMissa Sancti JacobiのIntroit（BL 111 298/697）、 ③Ciconiaのモテット Albane misse celitus（BL 273 612/697）。 ｐ５４ 残りのイニシャルのほとんどは、反対色のトリミングを伴なって、赤と青のものを交互にしている。 カリグラフィーのイニシャルは、Missa Sancti Jacobiを含む Gatherings に登場する。 15世紀初頭の大陸での循環ミサ曲の発展の最も重要な証人であるBLは、アーノルドの通常文設定、ラウダ、2つの雅歌の設定、そして5つの彼の歌を保存している。 それは、彼のすべての通常の楽章を含んでいる唯一の資料であるので、私はこの研究を通して、de Vanの目録番号を使って、個々の設定を識別する（ concordant 資料への言及を除いて）。 Oxford, Bodleian Library, MS Canonici Misc. 213 (Ox) （略） ｐ５５ 235 French secular songs (one twice) 38 motets 24 Italian secular songs 21 Ordinary movements 6 laude 1 Magnificat setting Oxは黒色記譜法を採用したBLとともに非常に現代的ではあるが、そのスクライブは黒色記譜法とともに白色記譜法を用いた。 唯一の例外は、同じスクライブによる黒色記譜法の5つの作品（Ox 33、34、44、179、および302）である。 Oxの最初期の作品は、Chとのconcordanceを持つ2つのシャンソンである（Ox 273および287）。 最もあとのものはおそらく、スクライブが日付1436年を割り当てた Johannes de Quadris のMagnificatである。 世俗的な歌に重点を置いたOxレパートリーのバランスは、ミサ曲の楽章とモテットが優勢であるBLのそれとはかなり異なる。構成も異なるります。 BLのスクライブは、通常文設定、モテット、モテットのような作品、そして最後に、 Magnificat と賛歌の設定のために別々のセクションを予確保したが、Oxのスクライブは、 gatherings の有用性に従って、そこに作品をコピーした。 p56 彼は、 gatherings の初めに、 Mass movements and motets,のような大きな作品をコピーする傾向にあった。そしてそのあとを、短い世俗的な作品で埋めていった。Oxのほとんどすべての作品は、スクライブによって実行されたカリグラフィーのイニシャルを使った。彼は、より精巧なイニシャルを使って作品のグループを作成しようとしたのではない。 BLはArnoldの通常文設定ミサ曲の最も重要な資料であるが、Oxは、彼の世俗的な歌のための基本的な資料である。それは、１つ、あるいはそれ以上の資料のうちで彼に帰せられている17の歌のうちの３つ以外を含んでいる。それはまた彼の Mass cycle, the lauda, and the two Song of Songs settings.設定を伝播している。 Bologna, Biblioteca Universitaria, MS 2216 (BU) 31 Mass Ordinary items 19 motets, antiphons, etc. 12 French secular songs 11 laude 9 Italian secular songs 2 Magnificat settings 1 hymn 1 sequence p58 ポリフォニー作品に加えて、BUは最初の右ページで、主なスクライブによってコピーされたプレインソングの通常文のサイクルを含めている。そして、最後の2つの gatheringsで空白のフォリオに後のスクライブらによって加えられたVespers and Matins chants for Easter, the Transfiguration, and Christmas を含んでいる。 明らかに場当たり的な、BUの作品の順序の下では、 Kyrie、Gloriaの２つの四つ組設定、 Credo, Sanctus, and Agnus の２つの四つ組設定、 motets and motet-like compositionsの２つの四つ組設定、 そしてイタリアとフランスの世俗的な歌についての9つの現存リーフがある。 （下図参照）。  これら4つのセクションはそれぞれ大きな赤いイニシャルで紹介されている。 2番目からの2つのイニシャルがgatheringの最後の部分に現れるという事実は、コピーが始まる前にスクライブが写本のサイズと構成を決定していたことを示している。 コンパイルの初期段階で4つの各セクションにコピーされた最初の部分は、この計画に正確に従っていた。 空いた場所に作品が入れられると、この計画は後に不明瞭になった。 3つの資料のうちの最も遅いのものであっても、BUは白色記譜法を伴う黒色記譜法を用いており、赤は使っていない。 Binchoisの追加といくつかのプレインソングの追加は白色記譜法を使用している。 この写本のスクライブは、ほとんどの場合、フラグ付きのsemiminims,を使い、coloration groupsのためのは億色符が用意されていた。 （主たるスクライブによってコピーされた作品の中で、黒抜きのcolorationを使用しているのはBU 22と23だけでである。 BUの最も初期の作品は、Ciconiaの作品とAntonio Zachara da Teramoのものである。 白色記譜法での後の２つの追加を除いて、一番最後のものは、 fauxbourdon 設定である。。 ｐ６０ BUは、BLやOxよりもArnoldによる作品は少ないが、やはり彼の音楽の伝搬に対する重要な証人である。 BUはまた、BLとOxで発見された作品の非常に異なる解釈を提供する。Missa Verbum incarnatumの最初の3つの楽章、3つのグロリア/クレドペアのうちの1つと2つのSong of Songs設定などである。 ラウダやアーノルドの世俗的な歌は含まれていない。 Munich, Bayerische Staatsbibliothek, Musiksammlung, MS Mus. 3224 (MuL)  p62 THE PROXIMITY OF THE SOURCES TO ARNOLD アーノルドのミサ曲音楽の資料は、15世紀初頭のリポジトリ写本の典型的な実用的な作品である。 Ao、MUO、Tr87、Tr92のように、紙の種類、gatheringのサイズ、裁ち幅、スクリプトの形式、イニシャルに関して、統一性が著しく欠如している。 多数の消去、修正、不完全な作品が、これらが忙しい音楽機関で利用されていた音楽の作業コピーであったという印象を与えている。特に、BLとOxにおける紙、罫線、そしてスクリプトの多様性は、それらのコピーがかなりの期間にわたって行われたこと、そして新しい作品が彼らスクライブに使えるようになったことによって、するべきことが増大したことを示ししている。 p63 Bologna, Civico Museo Bibliografico Musicale, MS Q15 (BL) Besselerは、BLの編集において別々の段階を認識した最初の人であった。 彼は、イニシャルがついたフォリオで構成されたKorpusと、イニシャルがないことを特徴とするNachtragとを区別した。 しかしBentは、BLのコピーがはるかに複雑であることを実証した。 彼女はBL編纂の3つの段階を特定した。最初の2つはBesselerのKorpus、3番目はNachtragに対応している。 彼女はまた、少なくとも3人のスクライブがBLのコピーに参加したという見解を覆した。特定の文字や記譜記号の形の段階的な変化についての彼女の分析は、あとで追加されたものを除いて、BLは一人のスクライブの作品であることを示している。 3段階への編纂におけるBentの分割の基礎は、紙の種類、ページの作成方法、スクライブの段階、および頭文字の扱いの間の高い相関関係である（表2.2を参照）。  3つのフェーズ間の最も劇的な対照はイニシャルにある。 第１段階の規則を伴う第１段階の紙のフォリオは赤または青のイニシャルを持っているが、第２段階の大部分は破棄されたフォリオから切り取られてページに接着されたイニシャルによって区別される。 スクライブは、活動の最終段階ではイニシャルをまったく使わなかった。 BentはステージIのコピーが、1420年からおよそ1425年より前であったと提案した。彼女は、ステージIIの編纂はおおよそ1428年から1433年とした。そして、最後のステージは1433年から1435年またはそれより後、とした。 表2.3は、BLの3つの段階におけるアーノルドの作品の分布を示している。 彼の作品のほとんどはステージIにある。すなわち、アーノルド/チコニアの混成ミサの4つの楽章、2つのグロリア/クレドのペア、そして5つの歌、である。 そのうち4曲は、ミサ曲セクションに付加された後期ステージIである。後期ステージIの5番目は、モテットセクションに付加されたものである。これらの作品は、どれも縮約音部記号を使用していないが、すべて約1420年から1425年の間にコピーされた。 ステージIIには、完全なMissa Verbum incarnatumと2つの雅歌設定が含まれている。 アーノルドのミサ曲の４つの楽章と Tota pulcra es は、ステージIIにおいて、赤と青のイニシャルを使う数少ない作品である。（Kyrie of the Massは、cantus声部の最初に、貼り付けのイニシャルを持っている。）  p66 したがって、それらはステージIIのかなり早い時期に、おそらくカリグラフィのイニシャルを使うDufayのMissa Sancti Jacobiよりも早くコピーされた。 アーノルドのミサ曲と Tota pulcra esのイニシャルは、ステージIのイニシャルの装飾とは異なるピンクがかったグレーのトリムを持っている。 この色のトリムを持つイニシャルは、Tota pulcra es aと Lymburgiaによる３作を含む、Missa Verbum incarnatumの最後の4つの楽章のためのgathering 15の fols. 150v-154 と、gathering ２１の fols. 210-218v の２つの作品のみに現れる。 ステージIIには、アーノルドに帰せられる3番目のグロリア/クレドのペアも含まれている。 しかし、これらの楽章は、 stage II paper with stage II ruling and scriptに現れているが、Bentはそれらがかつて、編纂の最初のステージに含まれていたことを証明した。 BLに関する彼女の功績の最も魅力的な側面の1つは、ステージIIの作品に貼り付けられたリサイクルイニシャルの裏側に、BLのスクライブによるステージIの音楽の一部があることを発見したことにある。 イニシャルの裏側にある2つの断片はBL 90と91に対応している。 Bentによると、それらはオリジナルの編纂では隣接していなかったので、再コピーは関連する楽章を一緒に提示したいというスクライブの願望から生じたのかもしれない。 ステージIIIでは、BLのスクライブは、アーノルドによる１つの作品のみにアクセスしたり興味を持ったりしていた。 それは、Arnoldのラウダ In tua memoriaで、 late stage II script on stage III paper with stage II rulingに現れるLymburgiaのO baptista mirabilis（630/697）の下に加えられている。  BLのもっともあとの日付の作品、Dufayの1433年のSupremum est mortalibus は、stage IIの ruling とともにstage IIのfoliosに登場するが、stage IIとIIIの間の台本の仲介者にコピーされた。 このようにアーノルドのラウダは、1432年にローマで作曲家が亡くなった後に、BLのスクライブのもとに届いたのであろう。  ｐ７６ Bologna, Biblioteca Universitaria, MS 2216 （BU) Galloは、2種類の紙の存在と手書きの変更に基づいて、主なスクライブによってBU編集を2段階の活動に分割することを提案した。 これら2つの段階の後に、最初のスクライブによって空白のままに残されたFolioに、さまざまなスクライブによるその後の書き込みが続く。 オリジナルの編集に2つの異なる段階が存在することに対するさらなる支持は、ページの準備にある。スクライブは、写本全体を通して1葉あたり10譜表に規制していたが、ステージIの紙の譜表は、それぞれ18と16 nmの譜表を持つ二重ラストラムで描かれていた。 ステージIIの紙には17と16mmの異なる二重のラストラムを使用した（表2.7参照）。 紙と裁定のこの組み合わせは、gathering 6 と現在の gathering 8の一部でのみ生じている。  BUのレイヤの年代決定をするための証拠は、ガロが Brescian firm of Bartholomaeus de ScantioをトレースしたPaper Bの起源から始まる。 このpaperは、1434年から1445年にかけてのBresciaの民事文書のpaperと似ている。しかしながら、これらは同じ対の型からの紙ではない。 p76 その結果、これらの日付は、BUの日付に近いという関係になる。 現在、BUの最初の徹底的な写実的研究に従事しているJanet Palumboは、メインスクライブによる最初の活動段階は約1433年から1438年で、次の段階は 1438年頃から1440年まで続いていた、と信じている。 これらの2つのレイヤの彼女の年代測定は、主に、それらが含んでいるdatableな作品にかかっている。 これらの範囲は、Romanusのモテット Ducalis sedes/stirps Mocenigo（BU 58 38v-39r ） の1423年以前から、匿名のViva viva San Marcho Glorioso（BU 62 41r）の 1438 and 1440 年の間までである。 BUに含まれているArnoldによる7つの作品はすべて、コンパイルの最初の段階でコピーされた（表2.8参照）。  p７８ これらのうちのいくつかは、実際には、写本の中で最も早いエントリーであった。 Missa Verbum incarnatumの最初の2つの楽章は、Kyrie / Gloriaセクションにコピーされた最初のポリフォ二―作品である。 アーノルドのサイクルのクレドの前に、第２セクションにコピーされた唯一の作品は、Dufayの Missa Sine nomineのクレドであった。 アーノルドのグロリアとクレドのペアBU 37/38は、BUの当初の構成計画を乱した最初のエントリの1つでしあった。 これは、写本内で隣接してコピーされた唯一のGloria / Credoペアであり、この時点で、ペアリングを維持したいというスクライブの懸念が、セクション間の厳密な境界を維持したいという願望を覆したことを示している。 Arnoldによる2つの聖母マリアのモテットは、モテットセクションの最初のgatheringにコピーされた第２，３番目の作品であった。その前にはDufayのAlma redemptoris mater だけがあった。 したがって、照合の2番目と3番目のセクションでは、最初にコピーされた作品はDufayによるもので、その後すぐにArnoldの作品が続いた。 BUのコピーリストが彼のコレクションを計画し、コピーし始めたとき、彼が、聖母マリアのプレインソングのcycle、アーノルドのミサ曲の最初の３楽章、Dufayの最初の完全なミサ曲、デュファイによる聖母マリアのモテット、そしてアーノルドによる2つの聖母マリアのモテットを所持していたことは、今では、明らかである。 これらは彼が写本を計画した頃作品で、コピーが始まる前でも、最初の3つのセクションの冒頭で、どの作品がイニシャルを受けるかを決めていた。 後になって初めて、彼はあまり知られていない作曲家の作品を埋め草にした。 BLが18世紀にそこで発見されたことから、BLがPiacenzaに由来すると音楽学者が仮定したように、彼らはBUが同じ世紀の間に発見された Bresciaから来たと結論を下した。 Padre Martini は、写本が Bresciaからボローニャのサンサルバトーレの図書館に来たことを示した。 彼のBUにおける作曲のインデックスは、次の言葉で始まる。 （略） BLやOxのように、私達は Venetoに関連した作曲家によるBU作品で見い出す。 1420年と1425年にサンマルコ大聖堂で文書化されたAntonius Romanusは、BUに1つのモテットを持っている（Ducalis sedes inclita/Stirps 38v-39r ）。 1411年から1425年までのパドヴァン大聖堂の記録に登場するBresciaの作曲家、Prepositus Brixiensisも、BUに1曲を所蔵している（ De gardés vous de le cordon 52v）。 ｐ８０ Gloria BU 16のNicolaus de Capoa（ treatise Compendium musicale in 14.15を書き、 maestro di capella in Udine in 1432 and 1434だった）への帰属は、誤りであろう。 名前がBUにしか現れない2人の作曲家はAfatとDo. valaである。彼らの名前は他のどの音楽ソースやアーカイブ文書からも知られていないので、彼らは、BUの起源の地域で活動している地元の作曲家であると思われてきた。 ここでもまた、Venetoの音楽施設で活躍するスクライブが、かなりの数のアーノルドの作品をコピーしていた。彼の作曲作品の書き入れは、約2月の間に行われた。 1433年と1438年の間頃に、彼の音楽の伝播が、彼の死後すぐの年の間にヴェネトで続いたことを示している。 （略） ｐ８１ THE ORGAIZATION OF MUSIC FOR THE MASS ORDINARY Bologna, Civico Museo Bibliografico Musicale, MS 015 (BL) BLは、 Arnoldの通常文設定をすべて含んでいるという理由だけでも、この研究にとって非常に重要なのである。 初期のQuattrocentoからのミサ曲音楽の最大のリポジトリ（貯蔵庫）として、BLは、我々がこのジャンルへのArnoldの貢献を研究することができる内容を提供している。 特に重要なのは、スクライブが自分のコレクションに通常文設定を構築するやり方である。初期のポリフォニー写本のスクライブは、ほとんどのチャントの写本と同じように、通常文の楽章を整理した、すなわち、すべてのKyries、すべてのGlorias、その他を一緒にしたのだが、BLのスクライブは、関連する通常文のセクションを体系的に隣接して提示した。 p８２ ステージ１で集まったミサ曲セクションの最初の８つのgatheringsは、 ①Arnold de Lantins/Ciconia composite cycle (BL 2-7), ②Dufay Missa Sine nomine (BL 9-10, 12, 14-15), ③Dufay and Zacar composite Mass combining movements (BL 16-19, 21） ④attributed to Gelrvasius de Anglia English composite cycle (without Kyrie) (BL 23-26) で始まる。 これらの４つのcyclesに続いて、21の Gloria/Credo のペアが来る。作曲家は多様で、 Baudet Cordier/G. Velut, Hugo de Lantins/G. Duf~y, D. Luca/ Feragut, Tomas Fabri/Tapisierである。 別の作曲家に帰せられたペアのいくつかは、作曲的に関連しているように見える（すなわち、それらは同じ機会でのパフォーマンスのために作曲されていると思われる程度まで同じ音部記号、終止、および計量記譜法を共有している）が、その他はそうではない。 ペアの例はBL 43/44であり、そのグロリアは "Tomas Fabri scolaris tapisier"に帰せられ、CredoはTapissierに帰せられている。この場合、学生は、彼の教師によってすでに作曲されていたCredoと"一緒に行く"ためにグロリアを書いたようである。 Baudet CordierとG. Velutに帰せられたBL 30/31のような他のケースでは、2つの楽章は、共通の特徴をほとんど持たず、それらはBLのスクライブの主導で、隣接してコピーされたと結論づけられる。このようなペアを、我々は、「作品的なペア」ではなく「スクライブによって作られたペア」と呼ぶ。 作曲家によって意図されたものであろうとなかろうと、通常の楽章トをペアや循環で表現することへのBLのスクライブの強い関心のさらなる証拠は、彼が、自分で音楽をコピーしたフォリオを取り除き、ある楽章らを隣接させるために、他のものに置き換えたという事実である。これは時々、スクライブがすでに番号を付けていたフォリオの再フォリオ化を必要とした。 ｐ８３ BLの通常文設定の大部分は、ステージIの間にコピーされた最初の8つのgatheringsに現れる。ArnoldのMissa Verbum incarnatumやDufayのMissa Sancti Jacobiなど、小規模ではあるが重要なミサ曲のコレクションは、ステージIIの間にレパートリーに入った。ステージIIIは、ミサ曲設定にはあまり関係ない。 編纂の終わり頃には、代わりにポリフォニーの賛歌、セクエンツィア、そしてMagnificatの設定がスクライブの関心事であった。 編纂に入る順序で見た通常文設定の見方の興味深い結果は、特定の作曲家による設定が編纂における特定の段階に関連付けられているという事実である。 表2.9に、3つの各ステージの作曲家ごとの通常設定の目録を示す。このことから、ステージIに、Arnold de Lantins、Ciconia、Dufay、Zacarによる作品が非常に集中していることがわかる。 大変興味深いことに、ステージIの大部分のミサ曲セクションで最もよく表されている4人の作曲家の作品は、スクライブが、彼の時代の主要な形象を手にしたすべてをコピーしてから初めて、よりマイナーな作曲家によるペアを加えた、ということである。（これら4人以外の作曲家による作品の最初のものは、BL 20であり、それは、 gathering 2の終わりに向かって追加されたLoquevilleによるSanctusである） 次に、我々は、何人かの作曲家 - -Grossin, Lymburgia, and Binchois - による通常文設定がステージIIでやっと入っていることを観察する。 最後に、Brassartによる通常文設定は、ステージIIIで初めて、BLのスクライブが取り上げた。Dufayだけが、コンパイルの3つの段階すべてで通常文設定で表されている。   ｐ９３ ＜まとめ＞ アーノルド・デ・ランタンの音楽に関する我々の知識は、1420年代から1440年代までヴェネトで活動していた音楽家であった3人のスクライブの仕事にほぼ完全に依存している。この時代から生き残った音楽的な自筆はほとんどなく、アーノルド・デ・ランタンのために我々が持っている文書は、彼が1423年と1431 - 32年に使われた場だけを教えてくれる。 この章では、彼の音楽をコピーしたスクライブが残した記録に目を向けた。我々は、1420年代と1430年代にヴェネツィアまたはその近くで働いていたスクライブが、彼らのコレクションのかなりの部分をアーノルドの通常文設定に捧げ、それらをコレクション内の配置とイニシャルの扱いによって特に強調したことを見てきた。 ヴェネトの出典に現れたアーノルド・デ・ランタンの通常文設定の最初のものは、彼の部分的な cycle と2つのGloria/Credo ペアの楽章であり、およそ1420年と1425年の間のBLにコピーされた。 第3のGloria/Credo ペア、BL 90/91は、 1430年代初頭にBLとBUにコピーされ、かつてBLのステージＩに含まれていた。 OxとBLのスクライブは、1430年代の初めか中頃に、完全な Missa Verbum incarnatumをコピーした。 BUのスクライブは、ほぼ同時に、ミサ曲の最初の3つの楽章をコピーした。 最後に、MULの断片的なリーフは、少なくともArnold's MassのCredoの伝播が、1440年代まで続いたことを示している。 以下の2つの章におけるアーノルドの通常の設定の議論は、それらをコピーしたスクライブへの注目と密接に関連している。 流麗な演奏の伝統を記録するために何世紀も前に作用していた音楽家の決断（声の部分が自由に追加、削除、または装飾された）は、彼らがコピーした音楽に対する我々の認識に深く影響を与えた。 アーノルド・デ・ランタンのミサ曲への音楽の伝播に対する彼らの影響は、アーノルド・デ・ランタンのストーリーと循環ミサ曲の発展において重要な役割を果たしている。 |