| Musical “Beastliness” in the Roman de Fauvel (BN fr.146): Chaillou’s
“addicions” and Sensory Danger by Hansel Tan Shen-Wei |
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| http://gallica.bnf.fr/ark:/12148/btv1b8454675g/f13.item.zoom https://fr.wikipedia.org/wiki/Roman_de_Fauvel(収録曲一覧あり） Introduction p11 Roman de Fauvelは、今日少なくとも、13以上の写本で伝えられている。14世紀の重要な文学、美術、音楽資料として、長く扱われてきた。F-Pn 146のテキストの版（以下、fr 146）は、ある特定の個人“Mesire Chailllou de Pesstain.”によるその無数の注釈で注目を浴びてきた。 その詩は、(Books I and II),から成り、おそらくは、1313年から1345年の間に仕えた北フランスのカペー朝の宮廷の王室公証人であったGervais de Busによって、書かれたものである。 Gervaisのバージョン（1314年に完成した可能性が最も高い）は、rhyming couplets,の3280の八音節の詩を含んでおり、fr 146におけるFauvel は、Gervaisのテキストをほぼ2877行だけ拡大し、169の表記を補間し、音楽アイテムと多くの豪華な光彩に注釈をした。 今日、fr. 146は、音楽的補間を含む唯一現存するRoman de Fauvelのバージョンであり、14世紀初頭の音楽革新の歴史的証拠と同様、レパートリーの重要な集大成ともみなされてきた。 さらに、fr. 146内のモテットの選択は、急成長していたArs Novaの重要な模範である。Ars Novaは、中世後期のポリフォニーモテット（第3章で議論されている）の成熟と、trouveresの古いgrand chant courtois（偉大な宮廷歌）の伝統のための定量記譜法のより微妙な「近代化された」システムを見いだしていた。6 Lady Fortune（Dame Fortune）の盲人の保護の下で、Gervaisのテキスト作品は、ゆったりとした馬Fauvelの物語を語り、フランス王になるための権力と影響力が高まっている。Fauvelは、悪魔(evil)と世界の悪徳(vices)の究極の象徴であり、Book Iには、（擬似）語源的複合体と6つの悪徳の文学的表現として記述されている。 Ausi par ethimologie Pues savoir ce qu’il senefie Fauve lest de Faus et de vel [=voile] Compost, quer il a son revel Assis sus faussete velee Et sus tricherie meslee Flaterie si sien derrive Qui de nul bien n’a fons ne rive De Fauvel descent Flaterie Qui du monde a seignorie Et puis en descent Avarice Qui de torchier Fauvel n’est nice Vilanie et Variete Et puis Envie et Laschete Ces siex dames qui j’ai nommees Sont par fauvel signifiee: Se ton entendement veus mestre Pren un mot de cescune letre7 馬であるFauvelは、Faus-vel (false偽り-veil)と、Flattery (おべっかFlaterie), Avarice（強欲）, Villany (悪事Vilanie), Variability (Variete), Envy (妬みEnvie)and Lechery (淫乱Laschete),の略で、純粋な獣の悪の寓話の具現化を示している。さらに、Fauvelの色合いは、作品にさらに象徴的な次元をもたらす。赤茶色の“fauve”は、悪と欺瞞の色を表現するものである9）。 Roman de Fauvelでは、王位へのFauvelの不条理な昇天は、 悪が支配を許され、善が窮状に苦しむその頭を向かわせた世界をさらに反映している。社会的、道徳的、歴史的な劣化のシニカルな世紀末は、逆転の論理が（架空の）規範となる作品のミクロコスモスを浸透させる。権力に飢えた馬は、人類に対する笏を握る10。人類は、野獣のように、地を這い回る。 彼の新しい帝国の寸法を延長する貪欲、Fauvelは、彼のスイートを拒絶し、彼に姉妹Vain Glory（Vaine Gloire）の手を差し出すLady Fortuneにプロポーズする。欺瞞的なペアは、フランスの他の地域に住み込み、恐怖をつくる小型の“fauveaux nouveaux”（ "新小隊"）の軍隊を誕生させ、彼らの婚礼を祝う。 この論文では、Fauvelについての著者Gervaisの不気味な記述を私の出発点とし、このテーマは、Gervaisの「獣性」とChaillouのFauvelとChaillouの補間されたアイテム自体の「獣性」のテーマの関係を考慮し、特に音楽とテキストとイメージとの相互作用に重点を置いている。 p13 具体的には、「獣性」についての後期中世のオントロジー(存在論）が、 視覚・音楽表現としての認識論的重要性を考慮を通した写本中での音楽劇同様に、どのようにしてFauvelの表現をfr. 146,において伝えるかを分析する。 どれほどの”獣性”がRoman de Fauvelにおける音楽の重要性に影響したのか、そして逆に、どれほど確かに音楽の挿入がFauvelの”獣性”の美学に貢献するかを示そうとしている。私は、Fauvelの「凶暴性」の美学の我々の適用を広げ、後期中世の音楽のオントロジーを伝える能力を広げることを望みたい。 Fauvel and Authorship Roman de Fauvelの権威帰属には複雑な歴史がある。現在、。その難解でベールに包まれた性質のために、詩の著者やfr. 146の編纂を完全に確信させることはまだできていない。複雑な文学的パズルのように、Fauvelは曖昧なシンボルや寓話を使用して、風刺的目標を不明瞭にしているにもかかわらず、その隠された意味を知ることができる "知っている"読者にしか理解できないかもしれない。 歴史家がGervaisやChaillouの同一性を推測するのは非常に難しいことである。前者のRoman de FauvelのBook IIへの帰属は、“mesire Chaillou de Pesstain’sの、fr. 146におけるGervaisのエピローグの再編集によって確かに肯定された。16 特に、folio 23vのおける「文書引継ぎ」（おそらくGuillaume de LorrisやJean de Meun後のモデル）は、GervaisやChaillouが互いに近接して言及されている唯一の例であり、 唯一のテキスト的帰属は、fr. 146の“mesire Chaillou de Pesstain”にリンクしている。 上記の著者の引継ぎのパラグラフとは別に、この中世の謎を解き明かすために過去と現在の数々の努力がなされているにもかかわらず、依然として謎に包まれている“messire Chaillou de Pesstain,”については何も言及されていない。にも関わらず、音楽学者たちは、ほぼ、fr. 146におけるRoman de Fauvelは、写本の他の多くの内容、Roman de Fauvelや他の写本の音楽レパートリーのアイテム間のデータ可能な、音楽的な一致に基づいて少なくとも1317年までには完成したであろう、ということで合意がある。 Fauvelの"Bestorne(逆説）"美学 一見すると、Chaillouの内挿したRoman de Fauvelは、私たちを精巧に飾っている。 「過度な」とは、Emma Dillonが選んだ言葉で、フォリオの上に広がっている秩序のあるカオスの感覚を表している。.24 （以下、左から列a、b、cとして示されている）他の従来とは異なるmise-en-page形式の2つおよび3つの柱状レイアウトを含むテキスト、画像、記譜された音楽は、ページのそれぞれのめくりで、読者の注意を喚起している。半分が人、半分が馬であるFauvelのように、Romanは、そのテキスト、画像、そして音楽のハイブリッドである豪華なGesamtkunstwerkなのであり、そのデラックスな眼の美学に即座に魅了される。25 単一の支配的なページ構造の代わりに、ビジュアルな要素の配列は、連続して動いているように見えるフォリオ、Fauvelのあべこべの世界をパロディーにして、絶えずシフトしているように見える。そこでは、その作者の嫌悪感やカオスが安定を奪い、獣（馬）が人を支配し、人が獣になっている。 ｐ１８ Fauvelの世界の文学的な "逆説"（ "bestorne"）の性質からは離れても26、 音楽学者が、Chaillouの音楽の「魅力」の“fauvelization”に関心を示している。これらの作品のいくつかが、奇妙な奇妙な振る舞いをしているかのように見せている。Fauvelの世界がそれにおいて回される頭と一緒になるかのように。 Fauvelのチャント断片に関するSusan Rankinの仕事は、多数の作品が、「合法的」チャント（現存するレパートリーで辿り得る）と「非合法な」模倣作品（おそらくfr. 146のために作曲されたもの）の間の線をぼかしながら、より古いものやより典礼的な作品の中において新たに作曲されたことを明らかにしている。27. これらの区別は、今や近代的でそれに適応していない耳では近くし難いが、現代の読者/聴取者がRomanに出会うことに対しての知覚レジスタにおいて、聴覚的または視覚的な変化を創造的伝えてきた。 "Fausvel"のような、擬似チャント型は、正統派の典礼作品のように、チャント類型や行の装飾の下に隠れている。「虚偽」のヴェールは、伝統的なチャントのレパートリーをよく知っている人たちによって持ち上げられ、晒された。 Ardis Butterfieldによって指摘されているように、refrain-genreのアイデンティティーも同様に、fr. 146の引用のサイクルを通じて圧力をかけられる。 メロディのrefrainの性質が、異なる元となるモテットのジャンルに囲まれて「変異する」ように28。 他の同時代の素材において音楽的concordanceを持つ数多くの他のrefrainは、中心の物語が提示したテーマに合わせて言葉を変えてfr. 146においてFauvelized”されている。テキストの再加工のケースは、そのcontrafactaの分野において、学者によって注目されているが29、 fr． 146における“Fauvelization”のまったくの程度は、よろめきながら、チャントのジャンルの種類、世俗的なシャンソン、さらにはモテットに影響している。fr. 146の音楽オントロジーの予測不能性と変動性を考えると、 その奇妙な "再加工"とジャンル間に存在すると思われるモバイルな音楽タイプ、ChaillouのRoman de Fauvelは、Fauvel自身の善良なハイブリッド性や流動性を音楽的に「演奏」するように見える.30。Romanは、模倣的かつ文字どおりに補間されたアイテムを侵略する「野獣」の美学を流行らせているように見える。 Fauvelの、本の中での（したがって、その音楽的項目）獣的な、“変容” 形のより完全な理解は、しかし、完全に「獣性」の後期中世の存在論の複合体を十分に説明することなく、作業がすでに行われている。 p19 そのような働きは、すでに知的歴史と中世の音楽理論を組み合わせた、Elizabeth Eva Leachのような音楽学者によってすでに理解されている。”獣”の他の言説の中でFauvelの場所を考慮することにより、我々がどのように、なぜ、ある種の音楽的な”魅力”が“Fauvelized,”されるのかの理解をしているかについて、私は信じている。どのようにRoman de Fauvelが、 唯一の例unicaとして興味を持たれて、獣性の自身の特殊な”美学”を表現することによってこうした言説に反応するのか、を考えるのと同様に。 そうするためには、Roman de Fauvelを音楽と獣性の概念が交差する場と見なすことである。その間は、Fauvelを、魅力的で複数の提示において、重要な”獣性”の貢献者と見なすのである。 中世後期の獣性」 他の人間（nonhuman Other）の姿としての "獣"が、長年にわたり、史料、文学作品、獣叙事詩のジャンルに頻繁に登場していることは、文学者によって長く指摘されている32。 そのような作品では、一般的に、獣は、比喩的トロープス、あるいは道徳的目的での例示として描かれていた。さらに、「獣」の神学的および哲学的構成は、道徳的目的の理由への排他的なアクセスと行使を強調し、その結果、身体の本能的で感覚的な自己規律を強調することによって駆動した.34 動物や人間以外の生き物は、認知の中心である本能や知覚能力によって操作される合理性がまったくないと考えられていた35.五感で世界を純粋に見ていると、獣は 人間よりも、"身体 "と感覚の世界で生きていると考えられた。36 人は理由と合理性を利用して、彼らの基礎的な肉体的欲求を克服することができた。しかし、合理的な動物としてのすべての人間は、獣と同じ "動物"の欲望に敏感であったので、理由の行使と身体的な "獣性"的存在以上の超越の唯一の保証であった。 これに対応して、合理的な判断の能力を無視することは、自分の人間性を失い、神が与えた合理的能力を行使するのではなく、感覚と身体によって支配される "獣的な"存在に近くなることであった。.38 p21 肉性の近似的なメタファーとしての馬のシンボルは、ドミニコ会の説教者や神学者Guillaume de Sauqueville（14世紀初頭にパリで活動している）の説教において、表面化している。 Sauquevilleの説教は、明白に、身体の肉体的欲望の訓練（抑圧）と馬の家畜化のイメージを結び付けている。 理性の行使を通じて、人間は獣の存在を超えて、自分の肉体的な災難への巨匠となる。 対照的に、Fauvelの激しい世界は、Sauquevilleの説教の論理を逆転させる。 肉性は、「獣のような」変容した二重行動において、その正当な地位から人間の合理性を奪い取る。馬から人間のような規範者への「変容」は、人間から獣への逆行的、退化的、比喩的な「変容」を反映する。 この姿形的なつながりは、Sauquevilleのテーマをきれいにまとめた節で、Gervaisによって明示されている。 Pour ce di je certainement Qu’ommes sont bestes reaument Quant il vivent bestiaument; Et pour ce par droit pouon dire Que Fauvel est du monde sire, Que il est par tout honores Et com Dieu en terre aores. Raison a perdu roiaute Quant nous voion bestiautei Sus les hommes si haut assise Et resons est au dessous mise.40 That is why I firmly declare that men are in reality beasts when they live in beastly fashion; that is also why we can rightly say that Fauvel rules the world, for honour has shown him everywhere and he is worshipped like God on earth. Reason has lost sovereignty when we see beastliness set so high above mankind and reason laid so low.41 中世の音楽理論家にとって、感覚の危険は、身体の欲求に限られていたわけではなく、感覚の領域全体に浸透していた。聴き取れる楽曲、またはボエチウスがmusica instrumentalisと定義づけたことは42、その感覚への興奮のために疑いがある。 歌われた音楽は、特に、Fauvel風のハイブリッド的性質を披露した。論理的、数学的ハーモニーと合理的なロゴスの比率は、必然的に知覚される感覚的な音（(phonos）に合わせられた。その結果、歌手とリスナーの両方が、その（テキスト）コンテンツよりも、音楽の感覚的な聴覚コンポーネントに奪われる危険にさらされた。このように、音は歌詞への不可欠な媒体であったが、聴取者（歌手または聴衆のメンバー）は、 ロゴスの冷たく、硬い理性の上に、音楽の響きの要素を特権的に扱うことによる感覚的な歓喜を引き出す危険において、常に惹き出される危険性があった。 Boethiusとその後の中世の音楽家/奏者の認識論において、cantorは頻繁に、音楽学習の救済的なロゴスを把握していないために、また、生来の聴覚的誘惑の餌食に陥っていたために、モノが言えない獣としてパロディー化されていた。その間、musicusは、聴覚や音となった歌の形而上学的過剰から自身を隔離した音楽的ツールを使って彼の人間性を再確認したのであった。音楽における「獣性」は、それが聴取者へのその影響のためのバロメーターであったので、音の本質的な質としてあまり解釈されていなかった。 前述の耳障りなオントロジーは、聴覚能力の危険性に言及していたので、感覚的な獣性は、意義のある行為によるテキスト、絵画、音楽の表記の視覚的性質にも同様に適用された。聴覚理論家のように、中世後期の視覚理論家は、視覚的知覚の性質と感覚操作への依存性について議論していた。44. 「明瞭な視界」は、眼の知覚と認知の正確な様相を描写するために、しばしば比喩的に用いられた。思想家は、誤解や視覚的兆候（photos）の誤認の可能性を理解していた。感覚認識はこのように、信じられない。決定的理性と合理性の力だけが、現実と錯覚、真実と欺瞞、サインと意思を区別することができた45。 事実、我々は究極的に、Roman de Fauvelを、解釈が必要な視覚的兆候（photos）の密集した群として考えていないだろうか？ 誤解（特定のページの印を適切に解読できない）の行為は、文盲者または障害者的読者/歌手の「獣」的欠陥と解釈することができる。なぜなら、すべての視覚的徴候は、視覚的刺激を滴定するだけであるように見えるからである。 意義のある行為（視覚的な徴候を解読して読むことまたは歌うこと）を分かち合うことの失敗は、ロゴスの精神的な把握の不十分さの象徴として、、そしてその印象をその感覚的、視覚的な形からその知的形へと「変換」する認知的無能力（図2）として、受け取られることができる。  上図において、点線は、精神的認知によって理解または抽象化された感情的構成と合理的構成合理的成分とからなるハイブリッド化された実体としての徴候の二元的な理解を示している。 記号と対比して意味のある（ロゴス）の次元に到達するためには、知覚者がSIGNSの知的要素を、感覚的外観から抽出することが最も重要であった。 「人間」認知の行為は、この操作を実行するが、感覚的知覚の「獣的」行為は、黒の矢印が示すように、ロゴスの領域のSIGNSの感覚形式を乗り越えることに失敗している。 視覚的な記譜形式（phoｔos）と聴覚（phonos）対象としての双方としての音楽は、二重に誤知覚を起こす傾向がある。視覚サインの野獣が、解釈され、読まれ、歌われ、理解されることを要求をするように、 Fauvelは、その読者たちが知的になって、その獣的、真っ黒なマーキングを、意味のある重要な精神的な "熟考の対象"に変えるよう、要求している。そしてそのようにして、Fauvelの”逆説の”王国の反対の効果を裏返している。 Chaillouの改ざん的しぐさは、Fauvelのハイブリッドのような質感と獣の感覚的な危険に対する二重の隠喩として、見られることができる。そして、音楽のエピソードを慎重に織り交ぜて、言葉やイメージの濃いネットワークにする。 Chaillouの "addicions"のレイアウトに注意を払うことによって、私は、彼がどのように音楽の”獣性”の性質や、Roman de Fauvelにおける感覚的危険があるかを示し、さらに、その”野獣性における音楽的美学”がどのように我々に、Fauvelの巧妙さについての厚い理解に導くことを同定しているかを示すことだろう。 p34 CHAPTER 1 BEASTLY ONTOLOGIES OF MUSIC: THE DANGERS OF SENSATION Introduction p36 ここでは、長い5verseのconductus61 Clavus pungens acumine（「釘のようにその鋭い点の穴をあける」）62、fr. 146.63のfolio5rのcolumnaとc（第1columnと第3column）を取り上げる。columnbのページ上のテキストと記譜された音楽のテキストレイアウトは、Clavus pungens acumineを左右対象に分割し、Gervaisのテキストを中央に配置する。あたかもconductusが、全体的に、［並置］によって強調して、その詩的で非音楽的なコアにおいて解釈されるように。 Gervaisの詩のこの時点で、Fauvelの王国を支配する聖職者は、誘惑、贈収賄、政治的汚職に巻き込まれ、キリスト教の慈善と道徳的な正直さに向き合った。 Clavus pungens acumineのテキストは、宗教的腐敗に対する重大なadmonitio（警告）として、pastoribus（「牧師」）に、彼らが委託された神聖なclaves（ "key"）に注意するように警告する。 clavus（「釘」）への変容、無意識のうちにキリストの磔刑を繰り返す：64
変容のいくつかのエピソードが、こうしたverseに見られる。究極的な犠牲としてのキリストの人間への変容は、彼の磔刑を表すclavos（ "釘"）がcelestis fabri（(“celestial fabrication,” B1.7）によってclaves（ "鍵"）に変身するという比喩に変貌している。昇天した主に従うことによって、地上の罪人は贖われ、 キリストの犠牲の意義を記念して（memoria,、B2.3）天国へのアクセスを得るための神のclaves（ "key"）を得ることができる。 神聖な知恵の代わりに宗教的権力を乱用して、贅沢vite luxibus（C3）に服する牧師に対して、彼らも獣のlupi（ "オオカミ"、C5）への突然変異を受け、正義のclaves（ "key"）をclavos（ "釘"）に譲り渡し、今日のローマの野蛮人になってキリストを十字架につける。lupiのキリスト教学的意義は、宗教的権威によって委託された羊の群れを導く指導者にとって、さらに意味がある。lupiは、教会員の感受性を奪い、「神の子羊」を犠牲にして、世界の罪を取り除く」66 Clavus pungens acumineは、牧師が彼らの地上の欲望を見守るという神学的警告以外にも、音楽の乱用の悲惨な結果に対する二次的な隠喩として役立つかもしれない。 conductusのテキストは、clavesと clavosという語呂合わせと類韻の辺りをうまく回るが、後期中世においては、clavesは、中世のモノコード上で決定された比率によって、算術的に分割されたピッチの文字名を表すのに用いられた。 Stefano Mengozziは非常に最近、ヘキサコード空間を表現する記号的「ルネサンス」を再検討している。67 そして彼は、13世紀までに、ピッチ空間の文字名をclavesに結びつける長い伝統が、中世の理論的著作に存在していたと指摘する。 A-Gの文字は、算術的に分割されたモノコードの連続ステップを表すのに用いられたが、claves (“調性”)として知られていた。なぜならそれらは、”音部記号”として使われていたからである。（それゆえ、それらは読者に、鍵がロックをはずすのと同じやり方で、譜線つき記譜の”鍵をはずす”ことを許容した）。しばしば、後期の著作者の多くにおいては、clavisという言葉は、文字とグィドのシラブルの組み合わせに言及している。 この「ロック解除」の概念は、14世紀イタリアの理論家Marchetto of PaduaのLucidariumで簡潔に示されている。 音部記号clavisは、いくつかの音楽作品において書かれた音符を公開する意味がある。clavis(“調性”)が、ドアの背後にあるものを保護するためにドアを開いているように、メロディにおいては、音部記号clavisはメロディを公開し、その音符を保護している。そして、音部記号を通して、我々は、互いに音符違いを認めるのである。 宗教的権能の濫用が、神聖な権威clavisを、キリストの肉体において、clavos（ "釘"）を傷つけるように変えることができるのと同じように、音楽的なclavisの誤用は、宗教的礼拝のための潜在的な崩壊的な障害を喚起し、音楽的な文法をゆがめてその神聖な意味を難破させる。 特に、聖職者たちは、（アウグスティヌスの音楽の感覚的性質への疑義によって予見された）教会用語のために感覚的な旋律的な媒体を部分的に悪魔化する不安の談話の中で、チャントの長い、寛容なセクション（cauda)の危険性に注意していた。 Bruce Holsingerが示しているように、宗教音楽界の中での歌唱と聴取の官能的な誤用は、性的な不正行為や不自然な男色姦淫の不適切さに結びついている。73.例えば、13世紀のパリ人の巨匠であるCoursonのRobertは、性的に明示的で自由な言葉で、こうした歌手たちの、耳を悩ます性癖を叱責している。 p40 神のまさに目の前で、聖域そのものの神聖な窪みの中で、歌手は淫らな歌声と独特の魅力的なやり方で、彼らの魅力的な小さな従者を女性化する。 彼らの前奏と後奏、彼らの歌とその逆歌、その中での歌と悪意のある歌の感情を聞いても、あなたはそれが男性（の歌）ではなくサイレンのアンサンブルだと思うであろう。 ..高い、または最高の音符は、耳が限界の力から完全に取り除かれる程度に,、低音または低音と一緒にミックスされる。..実際、そのような実践があまりにも大きくなると、 心の献身感よりも腰のかゆみに襲われることになる。74 楽譜の鍵を解除したり、楽曲を正しく実現する知識が不足していると、これらの狂ったカントル達は、claves(key)を、受動的で快楽を求めている耳に浸透しやすい性的に興奮した男根clavosに変容させてしまう。同じclavosは、宗教の浄化されていない純粋さに貫いていく。 ハイブリッド化された言葉-音楽の目的としての歌詞の二重性は、特にその数多くの華麗なメリスマが、単一の言葉の可聴性および自律的な完全性を伸長させるにおいて、conductusでリハーサルされている。あたかもうねりのあるメロディーが奏でるテキストを追い抜く恐れがあるかのように。 次の分析では、Roman de Fauvelで歌われたClavus pungens acumineの実際の音を取り上げる。  Clavus pungens acumine(A in fig. 1.2)は、メリスマ的caudaで始まり、"clavus"（ "nail"）の音素 "cla-"と音楽をペアリングし、87breveの長さを持つチャントの初めから、それを染み込ませている。それは、 clavusとclaves (“key”)の間を区別するために必要な音節 "-vus"の開始を遅らせて、耳で聴いてもパッセージがすぐにはわからないようにしてある。 言葉の解像度のこうした抑制は、第4節（B2.1）で繰り返される。そこでは、“clavi” (“nail”)の“cla-”が同様に、メリスマ的扱いを受け、再度、重要な終わりの音節「-vi」をやはり遅らせている。32-breveのcaudaの連続への音素の構文的同一性を示しながら（Fig. 1.3.）。 音楽の感覚的な「スピーチ」は、後にcla-vusと cla-visを区別できないとして、はたして聴く人を怒らせたのだろうか？ Fig. 1.4. Clavus pungens acumine, C1.  同様に、第3の音楽セグメント（C）の指定的な呼びかけvobis (“to you”)は、108breves(fig. 1.4)に引き伸ばされている。おそらくこれらの逸脱した牧師たちが、神の「歓迎」に応答することができないという理由で。そうした呼びかけは、メリスマを増強することによって、ほとんど溺れたも同然である。 予想通り、 "Et abutentes clavibus" （そしてキーを誤用する；C7）における“clavibus”も、メリスマ的に30brevesであり(fig. 1.5)、claves形式の乱用として、感覚的快楽上の倒錯した歌手の接辞付加をパロディ化している。テキストの媒体としての「作品」を置くよりも、clavesは、ソドム的喜びを終わらせ、それを運ぶことを意図した言葉を消費する。 Fig. 1.5. Clavus pungens acumine, C.7 . 8.   最後の言葉 "vertitis"に設定された最後のcaudaは、最長（132 breves）であり、奇妙な歌によって神の言葉の腐敗的変形を強調している。 Vertitisは、聴衆による言葉の識別可能な外観、合理的な言葉と感覚的なその理解、メロディ断片を破壊するかのように、メリスマの長さに植えられた休符によってさらに崩壊される。 聞き手がいつも感覚的な音の響きに深く落ちる危険があるので、宗教的機能よりもplainchantな音の響きをより喜ばせた肉的、世俗に捕らわれた歌手は、心理的な性行為の影響を受けやすく、そのテキスト表現に注意を払うのではなく、音楽の男根のようなclavusで彼の耳を姦淫する。 後期中世の頃までは、声楽は教会の両刃の剣と見なされていた。聖職者は、クリスチャンの情熱を刺激する感情的効力を認めていたが、敬虔な彼らは、歌手やリスナーが持ち歩いたメッセージから彼らを導く能力についても認識していた。心と体の間の分極は、初期音楽理論の科学的に構造化された音楽とその非理性的次元、すなわちその望ましい形而上学的な超過は、「獣のような」情熱と身体の（しばしば性的な）駆動に執着している。 Regulae Rithmicaeの引用文でGuido of Arezzoは厳しい警告を発する。 音楽家から歌手までの距離はどれほど大きいか。 歌手の声は、音楽家の心は、音楽の性質が何であるかを示す。 しかし、彼は誰であるのか、彼は何を知らないのか、定義によっては、彼らは獣はである。 知識ある musicus と比較して、学のないcantor（歌手）の物言わぬ獣としての資質は、知識、学習、知的推測の贖いの特徴に逆らって、感覚的な音楽の喜びの野蛮な無思慮をパロディ化するために、14世紀に至るまで、執拗に存続していたことが明らかになっている。77 知識のある物とないものの間の分断は、音楽理論家にとって重要なだけでなく、古代から伝達された哲学的思索の伝統は、人類の合理的能力とその危険な対応者や非合理性や感覚的同調、前者のサービスによって取り締まられた能力との間を区別するだろう。 別の言い方をすれば、「理性」の能力は、アリストテレスによれば、合理的な判断が不可能な単なる動物から人間を区別する点において、哲学的に重要であった。 Moralia in Job（ローマ法王グレゴリウス1世 (c.540-604) の主著のひとつで、「ヨブ記」を歴史、道徳、寓意の3つの観点から論じたもの）において、教皇グレゴリウスは、理性的人間と、獣の概念を介して（訳注；ここのthoughは、throughのミスプリントと思われる）、感覚的な動物のような、理性捨て、逸脱した罪人との区別を前面に置いた。 Job 33:27において、グレゴリウスは以下のように講義している。（略） 合理的な男と彼の非合理な獣性のカウンターパートナーを区別するこの厳しい弁証法的な修辞は、12世紀までには、過度に経験を重ね、作家は内的な次元に、あるいは Joyce Salisbury が「獣の範囲内」と呼ぶものに、明白に気づいていた。「獣の範囲内」とは、絶えず、理性において強いられ、圧迫されるべきものであった。 理論的および考察的な音楽書法の伝統の中で、合理的/非合理から人間/獣への一連の言語的バイナリマッピングは、Guidoの musicus/cantor の区別で、最終的にさらに重なった。最初は伝達から派生した中世初期のAnicius Manlius Severinus Boethiusの哲学的概念の伝達から由来していた。 特に、Boethiusの元来のmusicus/cantor の定義は、後期中世における「人間性」と「獣性」の形象を補完し、この予備的差別化が構築された前提を議論することによって、どのような意味がより明確になるかということであった。 |