On the Theory and Practice of Chromaticism in Renaissance Music９　Zhuqing Hu

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p218
Chapter Four
L’antica musica ridotta by Rore alla moderna prattica

Cypriano de Rore - Calami sonum ferentes

　“Calami sonum ferentes”は、4つの低声部で非常にクロマティックなスタイルで設定され、Cipriano de Roreの出版物である1550-1557から出版された。それは彼の「初期」と「後期」のスタイルの間に一人で座っており、どちらも例示していません。デ・ローレ（1515 / 16-1565）はそれを公開していなかった。1555年にOrlando Lassus’s “Opus One”がアントワープで公開されたのは、いまだに議論の余地がある。

　Edward Lowinskyの他に、この作品を研究した学者はほとんどいない。 Lowinskyは、これを16世紀の「音楽的前衛主義の最高潮」と呼んでいる2が、彼の解釈は、心からの賞賛よりも複雑である。 Lowinskyは、「Calami sonum ferentes：A New Interpretation」で、この作品は「意図的なデマ」であり、デ・ローレの「アンチクロマティックマニフェスト」であったと主張している。3

p219
つまり、Lowinskyは、デ・ローレがこの作品は良い響きを出すことを意図していたとは”自身、納得していなかった”。４　このchromaticismの「醜さ」の皮肉なデモンストレーションは、アルフォンソ王子、将来のフェラーラのアルフォンソ2世(1533-1597)を虐待することに役立ったと、彼は主張する。

Lowinskyの特徴として、彼の解釈は大胆である。しかし、学者たちはおそらく彼らの解釈から、Lowinskyの解釈を受け入れているようである。「Calami sonum ferentes」には無関心ながらも。

Lassusの「Opus No.1」、「“Calami sonum ferentes,”源テキスト」からのモテットの編集において、Peter Bergquistは、Lowinskyの“antichromatic manifesto”理論を当然のこととした。5

Peter Williamsでさえ、作品は彼の「半音階的四度」の理論の「最も初期の既知の例」であり、chromaticismのこの”後世に影響を与える”作品はおそらくデ・ローレのデマであったと認めている。6

　“Calami sonum ferentes”におけるデ・ローレの不誠実さの概念は、再検討が必要である。もしもVicentinoのchromaticismの推進が、皮肉な「マニフェスト」を通じてその醜さを示すほどに実際にそれを嫌悪したデ・ローレの「同情または賞賛の反響を呼び起こさなかった」とすれば、どうすればデ・ローレが彼の後期のマドリガルにおいてchromaticismを統一したことをどう証明すればよいのか？

この作品の時代に、デ・ローレが彼のスタイル、特にchromaticismに関して大幅な変化をしたことにLowinskyがたとえ同意したとしても8、“Calami sonum ferentes”を彼の（悪）意ではなく、彼の様式的移行への窓として扱うことはより論理的ではないだろう。

　歴史的背景を考慮した作品の音楽と歌詞の精査によって、“Calami sonum ferentes”は、16世紀のchromaticism の発展への要であることが明らかになり、したがって、より学術的な注目に値する。

この作品は、chromaticismの”古い”慣行に対するデ・ローレの最初の関与を明らかにし、彼の後の作品への道を示している。また、16世紀のmoderna pratticaに対するl’antica musicaの適応にも重要な役割を果たした。

（略）

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Chromaticism in Action
“Calami sonum ferentes”は、chromaticismにおけるデ・ローレの最初の実験である。しかし、作品の構成的コンテキストのレビュー、または「Calami sonum ferentes」がおそらく意図的に半音階化されたという単なる事実は、デ・ローレの独創性を汲んでいない。

それは、意味論的にも音楽的にも一貫した結果をもたらし、全音階的ポリフォニーのmoderna prattica に対して、chromaticismのantica musica を適用させたローカルレベルとグローバルレベルの両方での Pignaの歌詞についての彼の音楽的な“working out”である。この適応を理解するには、作品の分析が必要である。

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　第一に、作曲家は理論家の半音階的な原理主義とは区別をする。これは、ギリシャに準拠して、音色と主題の基盤として chromatic tetrachord のみを使用し、使用する場合、作品は半音階的であることを示す。代わりに、デ・ローレは、Pigna’の歌詞の物語構造と references に敏感な実践的なアプローチを採用している。

上記では、私は、“Fistula tertia.” の三部的性格と、二部構成を混合して示唆した。意味論的に、最初の3行で、話者は、前の2つの“fistulae,”を要約して却下し、残りの5つでは、彼はミューズに2回アピールし、詩の神格化をミューズの「甘い歌」として締めくくっている。

ただし、構文的には、この詩には3つの終止がある。3節、6節、9節の終わりである。デ・ローレは、詩の意味論的および構文的構造の後に、ABB形式の設定をマッピングするだけではない。彼は慎重に2つの特徴的なchromaticismのアプローチを利用し、テキストの構造の単純なミラーリングを、その影響の音楽的解釈に変換している。
。

　冒頭の3行（「A」）は、chromaticismに対する「リテラル」または旋律的なアプローチを採用している。これは、冒頭のフーガ（例5-1）の半音階的主題から形成されている。主題は、Vicentinoが彼の作品（L’antica musicaの例証作品であるIerusalem）中で使用した半音階テトラコードを想起させる。

VicentinoのテトラコードA-B♭–B♮-Dには、ギリシャのchromaticismの2つの特徴が含まれている。すなわち、chromatic semitone（B♭-B♮）と短三度（B-D）である。デ・ローレの主題は、ギリシャのテトラコードに似ており、したがって、古典的な韻律とOvidの「syrinx」（ここでは“calami”）への言及の後に作曲された“fistulae”へのPignaの言及は、新しいchromaticismの芸術を生み出している。それはまた頻繁に、話者の嘆きの悲しいトーンを設定する際のchromaticismに帰せられたsoavità（甘美さ）を用いている。

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　それにもかかわらず、歴史的なギリシャ性と半音階的な甘さを想起するときでさえ、デ・ローレは理論家が指示するものに正確に従っていない。理論に従えば、彼の主題は、B-C-C♯-Eとなっていたことだろう。

実際には、作曲家は3つの追加の半音を挿入し、Peter Williamsの言う“chromatic fourth,”完全四度を占める半音のシーケンスを得ている。34

「ギリシャの」テトラコードではなく「四度への」傾向は、ウィリアムズが主張しているように「神秘的」でもなく、Lowinskyが暗示するようにランダムでもない。35
35　実際、Lowinskyはアルフォンソ王子がデ・ローレのchromatic fourth とVicentinoのchromatic tetrachordの違いを見逃していたと主張しているが、古代ギリシャの音楽を復活させることに特に関心があったアルフォンソ王子の見逃しを特に想定する理由はない。デ・ローレの半音階の主題に関して、Lowinskyはまた「上昇するchromatic tetrachordで始まる、この時代の別の作品を見つけるのは難しいだろう」と述べている。しかし、Vicentinoの Ierusalemを考えると、 Lowinsky が彼の結論をどこに描いているのか理解できない。

Roreの「理論的正確さ」からの逸脱には、実用的な機能がある。半音階的テトラコードの“signature intervals”に連なる内部ピッチC♮とC♯を特別視しないことで、３つの嵌め込まれた半音は、以下に示すように、両端境界BとEへの動機的な焦点を再置し、全体的な旋法的な影響と一貫性に必須なものとなる。

　第36-40小節の2つの“Musa”は、異なったパスへの設定をプッシュする。Lowinkyは、第36-40小節のこの「突然の」diatonicismを、作品の“ugliness,”部分としては、特に扱っていないが、私は反対である。36

低い声部の高音域にあって、澄んだCメジャーとFメジャーの三和音は、音楽を、「胸の奥行きがあまりにも重いため息」とする窒息するような半音階的模倣から解放している。37

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長い音価とそれらが導入tempus perfectusも、心地よい効果を生み出す。おそらく作品全体の中で最も美しいこれら４小節は、突然、話し手が内面の嘆きから外面の嘆願に変わるときの物語の記録の変化への突然の変化に直面する。

　それでも、２つの“Musa”がchromaticismに関して導入するものは、Zarlinoのような理論家には気に入らないことになっただろう。すなわち、カデンツに焦点を当てたchromaticismへの文字通りでないアプローチや、垂直のソノリティ、そして、少なくともメロディでのchromatic semitonesに加えてまたはそれらの継承への文字通りでないアプローチである。

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「ギリシャの」chromatic tetrachordや旋律のinlectionsを軽視し、時折全音階主義を取り入れることによって、文字通りでないアプローチは、この“chromatic dedication”の概念的な純粋さを危うくしている。

それでもそれは、デ・ローレの実用的な柔軟性とテキスト感覚を続けている。実際、それは、デ・ローレがchromaticismのテキスト設定の可能性を探求した文字通りでないchromaticismの和音的パッセージの中にある。

　「Recessu principis mei tristem」（第6節）（mm．60-65およびmm。67-73）において、後者は前者の完全四度のさまざまな繰り返しであるため、Lowinskyは「テキストでは合理化できない対斜でいっぱいです。」として歓迎していない。39

しかし、Lowinskyは、見落としている。デ・ローレの音程効果を使用するにおいての工夫を。この特殊のケースでは、ローレは、平行の効果的な音程の手法適用し、短三度と短六度を伴う“recessu …”の2つの反復を飽和させている。（例5-2）。

非和声的な音程と対斜は、冒頭の半音階的フーガその文字通りのアプローチを思い起こさせるが、感情的な結果と半音階的な響きを生み出す垂直のソノリティなのである。平行する短三度や六度は、フレーズに、甘くてソフトな効果を与え、より具体的には、悲しみや絶望を与える。

それは、この型破りでありながら制御された感情の爆発を可能にしたchromaticismへの文字通りでないアプローチなのである。

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　第6節の感情的な扱いは、4節と5節のそれとは対照的である。第6節では、和声とテクスチャの緊張を避けて、ローレは平行音程を採用していない。持続的な感情的音程の技法では、垂直方向のソノリティはほぼ独占的に、この一節において、根音上の三和音となっている。

例えば第45小節では、BassusでのBを♭化することによって、 Roreは根音上の配置を続け、その間、バスのB♭とアルトのB♮.の間の対斜を無視している。そうすることにより、Roreは、第4，5節を、duro（厳しさ）にあるいは、耳障りな長三度の特徴に設定している。この場合は、openness, virility and gravityである。

　“non-literal”的なアプローチのおかげで、mm.34-54 and mm. 60-65 and 67-73の間の音程に影響するアンチテーゼは、Pignaの詩的versesをread outしている。

長三度と完全五度のdurezza（厳しさ）は、話者が注意を、第４，５節において、外側に向けるだけではない。それはまた、話者がCatullusのSirmioやミューズの神話の力においてinvestする希望を述べている。

一方、平行短三度と六度のsoavità（甘美さ）は、アルフォンソ王子の出発のために話者の“tristitia”を劇化している。

文法的には、第6節の冒頭にある“Me adi”（「私に来る」第55小節～）は、第4-5節で呼び出された強力なミューズ（「ミューズ、だれが…来るのか」）と無力なinvoker（「私を悼み、私を悼む…）とを結びつけている。同時に、mm. 55-57 and 66-67のローレの感情的な取り扱いは、ミューズのdurezzaと話者のsoavità間のあいまいな位置にある。そして、嘆願と会話のプラットフォームでの２つの感情的な両極を結びつけている。

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　“Me adi”でのアンチテーゼ的音程との合同モチーフは、結語の第7-9節へ持ち越される。第74小節では、話者は再びミューズに向かって叫ぶ。その後、Roreの音楽の質感は、より活発になり、音程に影響する先の２つの技法のない対位法となる。

第7節の音楽解釈は、平行長三度とCatullus両方への言及を伴っている。第78小節の最初の“Catulli”は、Cantus-Bassus duetで平行長三度となっている。第82小節の2回目の“Catulli,”においては、AltusのC♯とBassusのB♭は、両声部の間で平行長三度を導入し、非和声的音程と対斜を通してそれらを強調している。このようなduroの影響は、ミューズの干渉のおかげで、彼の故郷、Sirmioと彼の恋人Lesbiaの彼の詩でのCatullusの”喜び”を反映している。

　嘆きの話者は、同じことを切望している。彼が最後の2つの節で、彼女の神話的な甘い歌に、彼のパイプの悲しい音を加えるようにミューズを招待するとき、音楽は徐々にアンチテーゼ的なdurezzaとsoavitàに加わる。

これら2つの感情的な極間のコントラストは追跡可能であるが、ローレは長い感情的なパッセージを、対位法的なテクスチャの下に包まれたつかの間の断片に置き換える。

P5-m6-P5進行をもたらすことによって、第86小節のアルトと第98小節のテノールB♭は、パイプの悲しい響きにふさわしいsoaveの影響を呼び起こす。第89小節のAltus-Tenorデュエットと、第101小節のCantus-Altusデュエット、そして、第90-92、102-104小節の根音配置の長三和音の非和声的連続は、ミューズの歌のdurezzaを産生する。

しかし、最後のverse「Junge carmen avenis」が終了すると、durezzaは、感情的あいまいさを生じる。これはおそらく、最終的に、話者の悲しみを補うためのミューズの「歌」の到来を意味している。

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話し手の悲しみを補ってください。