| p239 Josquin des Prezに帰する作品のうちで、モテットAve Maria ...virgo serenaほど、我々の彼に対するイメージを作っているものはない。作家は次々にこの作品を、ジョスカンの業績の試金石として引用し、その形式の整った明快さ、雄弁なデクラマシオン、そしてその北部とイタリアの傾向の統合を賞賛した。2 p240 このような完璧さは、かなり成熟した芸術家を前提としている。そして実際、Ave Mariaの議論は、長い間、ジョスカンの「中期」にその作曲の重点を置く傾向があった。それは、1502年の出版前の15年間ほどのことであった。 しかし、1974年、Thomas Noblitt は、choirbook Munich, Bayerische Staatsbibliothek, Mus. ms. 3154のモテットのコピーの日付を、1476年とした。それは、ジョスカンのコミュニティにおいて、ほとんどの人にとっては、信じられないことであった。 日付自体が不本意であるだけでなく、ルネッサンスの学者たちが、彼らが伝統的にほとんど疑いを持っていなかった透かしの証拠に大きく依存していたという事実もあった。 p241 しかし、ノブリットは、後で説明するように、明らかな方法論上のピットフォールをすべて回避していた。・・・・・したがって、Noblittの調査結果を受け入れる以外に本当の選択肢はないように思えた。 したがって、1490年代作としてのAve Mariaを維考えるではなく、それより少し前に、約20年前の起源がどこにつながるのかを見なければならなかった。 当時の伝記的根拠を考えると、それはミラノの宮廷に至った。その野心的で贅沢な支配者であるGaleazzo Maria Sforzaは、ちょうどクリスマスの直後に、すさまじい年の瀬を迎えた。ジョスカンのモテットへのterminus post quem（年代想定の上限.）としての、Munich 3154 が示されたのである。 ルートヴィヒ・フィンシャーと私は実際、互いに独立して、Ave Mariaが非常に密接に、さらには独特に、1470年代にスフォルツァ礼拝堂のために書かれた多くの観察可能な作品群独特のスタイルのプロファイルに適合していることに気づいた。 p242 音楽、写本、および伝記的データの好都合な突合せによって、今では少なくともジョスカンの仕事のより安全な時系列の基礎を築くことが可能であるように思われる。 1978年に、私はこのプロジェクトを、アメリカ音楽学会の第44回年次会議で読んだ論文で進めようとした。Ave Mariaからジョスキンに帰せられる他のモテットへと作業を進めると、私の調査は、様式的対照で、2つのグループの作品を明らかにした。それは、一方ではミラノの、もう一方では教皇の礼拝堂でのものである。 p243 その後、1992年に、Adalbert Roth はDavid Fallows と私に、驚くべき発見を話した。彼がバチカンのアーカイブで見つけた文書が、Josquin以外の誰かに言及していたことを示唆していたのである。 Fallowsと私はすぐにシンパシーを覚えたが、問題の1つの側面が私を悩ませた。なぜなら、ソースやアーカイブ文書よりも様式的証拠を優先することに抵抗があるため、私がミラノに関連付けた音楽が他のどこから生まれたのかを想像するのは非常に困難だったからである14。 次の数年で、さらにジレンマが激化した。一方では、Lora MatthewsやPaul Merkley の新しいアーカイブの発見が、ミラノでのジョスカンの描写を肉付けしたので、私は、ミラノのジョスカンとジョスカン・デ・プレとのアイデンティティに懐疑的になった。 p244 同時に、Patrick Maceyは、様式的拡散の最も寛大な理論でさえも超えて、ジョスカン・デ・プレとミラノの間の音楽的つながりを強めた。 公証記録によれば、ミラノの「Josquin」、「Judocus de francia」、または「Josquin de Picardia」への言及の長いチェーンは、実際に他の誰かと完全に関係していることが確認されたが、それでも結局は、Josquin des Prezはミラノで働いていたことが判明した 。彼の名を明確に命名した新しい文書は、1484年と1489年での（ミラノにおける）ジョスカンの存在を証明している。17 これにより、音楽と伝記の間の明らかな対立は、ほとんど消えた。 私が「ほとんど」と言うのは、それは1つの困難が残っているからである。Ave Mariaのことである。 この作品が本当に1476年以前のものであるならば、Josquin des Prezはそれをほとんどミラノでは作曲できなかったことになるからである。この数年間の彼の唯一の証拠では、この頃には、ジョスカンは、Rene of Anjou in Provenceの宮廷にいたはずだから。 しかし、ジョスカンが本当にミラノから来たのなら、何か他のことを考えなければならない。すなわち、Munich 3154のコピーの日付、 あるいはジョスカンの著者としての信頼性についてのどちらにおいても、考えなければならない。 Milanese Repertory: Gaspar, Compere p245 我々は、音楽から始めるのがベストだろう。 明らかに、1978年に私が申し出たAve Maria をミラノに関連付けることについての議論は、きれいなスレートとはなっていない。したがって、少なくとも原則として、特に今知っていることと照らし合わせて解釈すると、それらは完全に堂々巡りを回避することはできない。それでも、それらは有効なままであるため、ここで増幅および更新されるが、本質的なメッセージは変更されない。 出発点として私は、当時のモテットレパートリーの流れと、Munich 3154の新しい調査結果がAve Mariaの創作を割り当てた場所を追跡しようとした。ミラノの宮廷からの実際の写本もなく、そこで歌われた作品の証明もない。 それにもかかわらず、1470年代にスフォルツァ礼拝堂のために書かれたかなりの数の作品を、他の手段を通じて特定することができる。 これらの最も重要なconsentrationは、Gaspar van WeerbekeとLoyset Compereによる有名なmotetti missalesまたは代替ミサ曲のグループにある。 こうした音楽のほとんどは、ミラノのArchivio della Veneranda Fabbrica del Duomo, Sezione Musicale, Librone 1,に現存している。これは、15世紀後半から16世紀初頭にFranchinus G affuriusの指揮下でミラノの大聖堂で作られた4つの偉大なクワイヤーブックの最初の1つである。 p246 表1からわかるように、Gaspar帰せられる2つのサイクル、Ave mundi DominaおよびQuam pulchra esは両方とも、ここlibrone1の最初に完全に示されている。Compere'のHodie nobis de virgineと,匿名のサイクルであるAve DomineJesu Christeはそのあとにある。巻には、Compereの他の安全に割り当てられたサイクル、Ave virgo gloriosa（またはGaleazescha）からの3つのモテットも保存されている。 ガフリウス周辺の同様のclusterでは、Librone 3はGaleazescha全体を含み、GasparのcyclesはLibroni 2と4で部分的に一致している。 しかし、これらの作品のすべては、ミラノの外では見られない。 Gasparの Ave mundi Domina, のAnima mea liquefacta esは、1490年代から1500年代前半に、ヨーロッパ全体で特定の人気を獲得した。同じサイクルの少なくとも3つのアイテムが、世紀の変わり目以降に、シエナとシレジアという遠く離れた場所で書かれた写本に登場した。残りのサイクルの、GasparのQuam pulchra esと、コンペ―ルに帰せられる３つは、音符はどこにも存在しない。 学者はほぼ完全に一致して、motetti missales をGaleazzo Maria Sforzaの宮廷に関連付けた。そして、伝搬だけで、一般的な見解を受け入れるのに十分な根拠になる。 p252 それでも、この音楽の局地性と日付には、実際にいくつかの考慮が必要である。 数十年前、Edward E. Lowinskyは、Compereがクワイヤーブックに示された目的のために彼のmotetti missaleを作成したのではなく、ミラノからの彼の出発の後に、”通常の”モテットとしてそれらを書いたことを示した。 現在、我々が保有するバージョンは、各モテットをミサの異なる部分にリンクさせるルブリックを持ち、音楽を地域の慣行に適応させるためにガフリウスが着手したadaptationを表している。 Lowinskyは、Gasparの代替サイクルとミラノの典礼との関係を受け入れた。しかし、彼は、スフォルツァ宮廷での作曲家の第2期の礼拝にそれらを当てた。ガスパールは、ローマに8年間滞在した後、1489年にそこに戻った。学者の意見の重みは、それに注意が払われている限り、Lowinskyの挑戦に反している。24 しかし、彼が指摘したいくつかの点、特にGasparに関する点は、ほとんど対処されておらず、潜在的に不快感を引き起こす可能性がある。 さらに最近、David FallowsはLowinskyの議論を復活させようとした。 そして、新しい伝記的発見は、ジョスカンの生涯のために彼が求めた推論に関して、彼の防御をしようとしているが、それは作品、特にAve Mariaとの関連性を継続している。 p253 少なからず、motetti missales の解釈は、最初のGaffurius codexの年代順に依存している。巻の前にある羊皮紙の保護シートには、1490年6月23日付のサインが刻まれている。ロウインスキーは、1978年以前の他の作家と同様に、これを写本の作業の開始を示すものと考えていたようである。ただし、その配置を考えると、結束と収集物の最後の改定にのみ注意が行き、本質的にはすでに完成している。 p254 確かに、ガフリウスが、紙、裁定、およびスクリプトで区別される2つの異なるストックのクワイヤーブックを組み立てたことを認識するのには、少しの労力しかかからない。 これらのうち、単独で構成される彼に帰せられる作品または匿名の作品は、ほぼ間違いなく彼のものであり、周辺よりも我々には関連しない。no doubt mostly his as well, will not concern us more than peripherally． しかし、音楽のsecond body（現存folios 8v-31rの一連のMagnificat設定)や、folios 118v-188rの一連のモテットは、より注意が必要である。 これらのgatheringsを作成したスクライブは、ガフリウスによる2作品のみをコピーした。両方とも写本の最後近くで一緒に見つかった。 p255 それ以外の場合、彼の選択は、すでに1470年代にアクティブであった作曲家に大きく依存している。Magnificatセクションには、CompereとJohannes Martiniの2つの作品だけでなく、1450年代にまで遡る、あまり知られていないArnulphusの作品も含まれている。 他の場所ではデュファイやビュノワに帰せられる。匿名の作品もおそらくBusnoysのものである可能性がある。 モテットはバンショワのテ・デウムで始まり、その後PulloisのFlos de spinaが続き、そして作者不詳のテノールモテットは、有名な中世紀の質量サイクルの1つのO rosa bellaと関連があり、最後のgatheringは、 Munich 3154 におけるデュファイに帰せられている Salve regina を含んでいる。 p256 GasparとCompereは、既知の著者の残りのすべての音楽を説明する。後ほど検討する後者の2つのモテット、およびmotetti missalesが数え上げられている。36 特にクワイヤーブックの一部は、ガフリウスによって支配されていたものよりもやや早く生まれた。-たとえば、1490年よりも1485年に近い。 規則と記述は、この仮定にさらなる重みを与える。motetti missalesのスクライブによって書かれた譜線のレイアウトが4つのクワイヤーブックのカウンターパートを持たないのに対し、残りの巻に使用されている休符は、Librone 2でことごとく使われている。 この方法でそこに支配されたページには、スクライブによる一連の貢献が含まれていて、それ自体で統一されているが、Librone1の彼のエントリのいくつかとはいくつかの点で異なる。 この写本では、彼の作品は明確にいくつかの段階に分類され、custos（次の行の最初の音を予め示すチェック記号）の交互の形態によって最も明確に認識されるが、フェルマータ、文字a、および作品の終わりを示す方法などのより詳細なことによってもはっきりとわかる。 なのでほとんどの変更は直接的な順序で発生するため、発展の全体的な過程を簡単に判断できる。 そして、最新のアイテムでさえ、Librone 2のコピーよりも彼の手の早い段階を表している。 p257 したがって、記述の時系列が規則にまで及ぶ場合、Librone 1のフォリオ8-31および118-188は、Librone 2だけでなく、Librone 1の残りのgatheringsよりも実際に先行する必要がある41。 さらに、３つのアイテムは―ガスパール2つのmotetti missalesとGaleazeschaからの抜粋-スクライブの最も古い層に属している。 もちろん、これによりどれだけさかのぼって彼らのコピーをプッシュできるかは不確かなままであるが、全体としては、1484年1月にガフリウスのミラノに到着する前の日付はほとんど不可能とは思われない42。 明らかに、motetti missalesのソースを早く配置できればできるほど、Galeazzo Maria Sforzaの10年からそれらを取り除くことが難しくなる。さらに、見積りに多少の修正が必要な場合でも、少なくともガスパールの代替ミサ曲に対する影響は明確である43. ローマでのガスパールの最後の支払いは、1489年3月をカバーしている。44. 5月9日に彼は、ミラノの公証人の前で、ブルージュ、ニヴェル、ユトレヒト、およびリエージュの教区の未確認の場所での聖職禄の変更に影響を与えている45。 交渉は、彼が北への訪問の計画をすでに進めていたことを示唆している。 1489年11月14日、彼の故郷のOudenaardeでの彼の存在を記録し、1490年8月23日までにミラノで彼を再び見つけることはない。46 彼が遅れた旅を始めようが、彼が早く帰ってこようが、ガフリウスの署名の日付は、ガスパールのmotetti missales の作成だけでなく、149から298ページのポリフォニーのコピー、少なくとも別の157の初期化に適合するために、およびLibrone 1の結束のために、最大で15か月を残している。 推測により、これはクワイヤーブックの制作のさまざまな段階を、誰もが信頼できると思うよりもはるかに狭い範囲に圧縮している。 間違いなく、これまでのところ、ガスパールのmotetti missales は、ミラノでの活動の第一段階、つまり1472年と約8年後のローマへの出発の間から始まる。 p259 CompereがSforzaの宮廷のために彼のサイクルを書いていなかっただろうという議論も、綿密な精査のために崩壊している。 はじめに、複数の作家が観察したように、それは、例1にあるように、Elevationに関連する部分のフェルマータと持続的なブロックコードの顕著な使用によって確立された特定の典礼上の関係を見落としている。Gasparのmotetti missale とAve DomineJesu Christeは、まさに同じ方法で、聖体挙上を定めている。 さらに、この種の作品には、典礼的な結びつきだけでなく、地理的なものもある。 、Gaffiuius, Josquin、またはミラノクワイヤーブックの無名の作曲家の作品以外、この時代のモテットに比肩するものはない。  p262 Patrick Maceyもまた、Galeazeschaの最後の2つの楽章で、スフォルツァとミラノに密接に関連するhymn versetcである「Maria mater gratie」への微妙だが紛れもない言及を見出した。 最後に、このサイクルの単一の楽章やHodie nobis de virgineが、ミラノの外で現存していないことを思い出すかもしれない53。 したがって、ガフリウスまたはその仲間が、Elevationの楽章とGaleazeschaの最後のセクションを作曲したと仮定するのではなく、私は、コンペールがミラノ以外の、ガスパールのmotetti missalesの領域よりもさらに狭い領域内の日付にそれらを効果的に当てはめることを意味するlibroniにおいて彼に帰するmotetti missalesを書いたとすることはできないと考えている。コンペールは1473年の春から1474年7月15日の間にミラノの宮廷に到着し、彼は明らかに477年2月1日にそこを去った。その後すぐに何人かの宮廷歌手のうちの1人が、ガレアッツォの殺人事件をきっかけに解雇された。54 motetti missales以外に、1470年代のSforzaの宮廷に帰せられる作品を、Compereによる少なくとも2つ、おそらく5つのモテットの小さなグループとともに拡張できる。 複合体の最も安全なメンバーであるAve virgo gloriosaと0 admirabile commerciumは、ガスパールの代替サイクルと同じLibrone 1の非常に初期の層に現れる。実際それらは、Galeazeschaの3つの楽章（Ave virgo gloriosa ,Ave salus infirmorum, Ave sponsa verbi summi）に直接、続いている。55 p263 Ave virgo gloriosaは、フォリオ148v-149rに記載されており、帰属はないが、concordant sourcesでCompereの名前が付けられている。 フォリオ151v-152rの0 admirabile commerciumは"Loyset.”と記されている56。 FinscherとLynn Halpern Wardの両者は、介在するモテット、Ave regina celorumが、0 admirabile commerciumのように,周囲の作品と同じ通常ではない音部記号の組み合わせとしての同じ調性配置をシェアしており、互いに属しているということを示唆している。ウォードは、推定サイクルをさらに拡大して、他のコンテキストでAve virgogloriosaに関連付けられた2つの作品を含めるようになった。 モテットO genetrix gloriosaは、Librone 3に個別に示されるが、1480年代以降の多くのソースで、Ave virgo gloriosaに直接先行している。 そして、Sanctusは、Librone 2のAve virgo gloriosaに、そして、Librone 4.のO genetrix gloriosaのやや再構成されたバージョンにリンクした。  5つの作品すべてが実際にサイクルを構成しているかどうかについては、ワードが示唆する順序は言うまでもなく、ここで実際には我々の関心はない 。58 58 推定サイクルにおけるサンクトゥスの位置は、特に問題があるように見えるだろう。Librone 4のバージョンはO genetrix gloriosaと組み合わされて、この部分の基礎を提供しており、両方の部分の再加工を伴う。さらに、フィンシャーは、サンクトゥスのコンペレの原作の信憑性は、「様式的な理由で非常に疑わしい」と考えている。 たとえば、クワイヤーブックにあるAve virgogloriosaのどちらのコピーも、彼女がサイクルの特徴の1つとみなす気質はない。 0 admirabile commercium、特にAve virgo gloriosaは、比較のためのさらなる基礎を提供するのに十分である。特にその背景に対して、以下に説明する例3aで見られる「Maria mater gratie」のAve virgo gloriosaの出現は、確認の追加の尺度を与える。59 59 Munich 3154の2つのmotetti missalesを除き、おそらくAve DomineJesu Christeにおいては、ここに集められたサンプル以外に神聖な音楽はないことが知られている。それらは伝達、伝記、典礼の関連の証拠が、1480年以前のミラノでの起源と仮定されている。 Librone 1の10v-17rと21v-23rCompereののMagnificat設定は、明らかにGaleazzo Mariaとの雇用に由来している可能性がある（Merkley、 "Josquin Desprez in Ferrara、566-67"を参照）。 しかし作曲家は彼と一緒にミラノに連れて行かれたり、後で作曲したりすることもできた。同様に、ペトルッチの初期のモテット出版物におけるガスパールの著作は、作曲家のミラノでの最初の活動ではなく、第二の活動期間からのものである可能性がある。 |