■平成２６年9月11日 これはさすがに同情の余地がない
この事故はあまりに保育園側の過失が大きすぎる。これでは、私も遺族の立場だったら、当然刑事責任を含む、徹底的な責任追及を行うだろう。
とにかく、あまりに無計画、無防備すぎだった。 そもそも、幼児を川遊びや海遊びさせることさえ、現在においては、主催者は相当な気構えがいるはずだ。なにせ、水深２０cmのプールでの溺死でさえ、刑事責任まで追及される時代だから。(平成２６年3月23日当ミニコラム参照。はっきり言って、２０cmのプールで溺死した事故とこのおバカな事故が同列で論じられること自体、あり得ない） とにかく、幼児のお水関係は、結果が悪ければ、過失の度合いに関係なく責任追及がされる時代だと、関係者は思っていた方がよい。 次に、手製の筏で川下りをした件。私が保護者であれば、まず安全性をきちんと園側に問いただす。素人がインターネットで調べただけで、しかも初体験の川下りなど、安全にできるものなのか、非常に疑問に思うから。 前もって十分な実験をしたのか、万が一事故が起きたときにはどう対処するつもりなのか、きちんと話し合う。 とにかく、筏が三つともすべて転覆したのだから、これはもう、操船の問題というよりは、筏の構造の問題だろう。過失責任は、操船ミスというよりは、無謀な計画そのものが問われてしかるべきである。 さらに驚いたのが、救命胴衣を着用させていなかったこと。一般の川下りなどにおいては、法的に着用義務はないらしいが、素人が作った筏での川下りであるなら、そのような義務がなくとも、幼児対象だし、当然救命胴衣は身につけさせるはずである。 但し、川の場合、救命胴衣をつけさえすれば安全なのか。 この事故でも、園児の死因は、転覆したいかだの下敷きになったとのことで、そうであるならば、結局救命胴衣を着けていたとしても浮かびあがれず、結局は窒息死したのではないか。 いずれにせよ、この事故に関しては、保育園側の過失度合いがあまりにも大きい、と言わざるを得ない。 この事故でおそらく、損害賠償金、風評等で、この保育園は閉鎖を余儀なくされることだろう。しかし、ここまで危険なことが行われていたのであれば、それもまた、自然淘汰として、やむを得ないことと思う。 保護者側も、このような非常識な保育園が存在することを考え、ある程度以上の危険があると判断した行事が行われる場合、事前にきちんと説明会などを要求するべきであろう。 | ||
■平成２６年９月７日 朝日新聞はまだウソをついている！
前にも書いたが、私は、朝日新聞は、吉田調書は絶対に外に出ない、と考えていた、と考えている。あの調書をどう読んでも、どうあっても「命令違反」とは受け取れないからだ。 朝日新聞は、「吉田調書を読み解く過程で評価を誤」ったのではなく、東電全体を悪者に仕立て上げるために、意識的に”物語”を作っていたのだ。すなわち・・・ 原発事故発生→原発ムラ頭領東電は無責任にも逃げ出す→正義の味方菅首相登場、東電を一喝！→こんな情けない東電では原発再稼働はムリ→原発反対！ 絶対に外に出ないはずの吉田調書を利用して、この筋書きに基づいて、記事を捏造したのだ。 だから今回の一連の朝日の出来事は、決して過失なのではない、故意なのである！ 朝日社長はウソをついている。 朝日新聞とは、これほどにアクドイのだ。 朝日が誤算だったのは、後に産経が同調書を手に入れたことだ。（政府の誰かが産経にリークしたのではないかと言われている） 門外不出であるはずだったはずの吉田調書が、外部に漏れた。 しかし、考えてみなよ、朝日新聞が入手できたのなら、他のマスコミだって、手に入るじゃん、ってわからんかったのかね。 そして産経が正しい記事を書いた。しばらくして、読売が同様の記事を掲載した。 これで実質勝負アリ。 そして折しも震災後ちょうど3年半が経過した9月１１日、安倍政権が、吉田調書を始めとする、当時の１９人から聴取した調書をすべて公開してしまった。 万事休す。 逃げられないと思った朝日新聞は、事ここに及び、観念し、謝罪を決めた。朝日はこの日、詰んだ。 そもそも、朝日が作り上げた物語自体がまったくの嘘っぱちなのであった。本当は以下のようであった。 原発事故発生→東電社員はきちんとダメージコントロールを行う→菅首相が勝手に思い込み喚いて邪魔した→東電は危機管理能力あり→再稼働は十分可能→原発も日本に必要 朝日新聞は、脱原発を推し進めようとして、東電社員を踏みつけにして偽りの物語を作り出し、それを補強しようとして嘘の記事を書き、自滅したのである。まさに、組織や人は、「得意分野で足をすくわれる」 朝日のこの敗北は、脱原発派の敗北の第一歩であるとも私は思う。 なぜなら彼らは、いざとなって逃げ出すような東電では原発の管理もできない、という論理を取ってきたからだ。なにせ国会事故調の元委員が、そんなことを言っているんだから。上記記事参照） それならば、裏返しの論理で、東電の管理がしっかりしているのなら、原発の再稼働もまた十分可能である、と言うことになる。 何も言えない東電を悪者にして脱原発を進めようとする輩も、今回の朝日新聞の失態は堪えたことだろう。この朝日の敗北をきっかけとして、少しでも日本が正しい方向へ向かってくれることを、一市井人として、切に願うものである。 P.S. さらに今回の吉田調書公開で、菅元首相を始め、そもそも”撤退”で口裏合わせをしていた民主党の印象は、徹底的に悪くなることであろう。 | ||
■平成２６年９月８日 タブーへの挑戦その２‐最後の１人に３０００人
非常に不謹慎なことを書きます。しかし、おそらく多くの人が、心の中で、うすうすは感じているのではないかと・・・
今回の広島県の土砂災害は７３人死亡という大きなものとなってしまった。 当初は、行方不明者は当然、生存者として扱われた。頑張って捜索して、ひとりでも多くの命を助けてあげたい。まともな日本人なら、誰だってそう願ったことだろう。 だが今回の事故は、流出した土砂があまりに多く、生死がはっきりと分かれてしまった。すなわち、生き埋めになった人は、ほとんどが土砂に深く埋まってしまい、その後助かる命は残念ながらほとんどなかった。 むろん、生存の限界と言われる７２時間が過ぎても、捜索は懸命に行われた。この時間を過ぎたからといって、生存者がいきなりゼロになるわけではなく、過去にもこの時間を経過してから生存者は発見されていたから、その後しばらくは、生存者捜索となっていたのは当然である。 しかし、事故後数日以上が経つと、残念ながら、発見されるのは遺体ばかりとなり、もはや生存者がいる見込みは絶望的となり、捜索活動が遺体収容活動へと変化したことは、誰の目にも明らかなものとなった。 だがそうした捜索活動の変化を、遺族感情に配慮し、マスコミはあえて伝えなかった。 こうした捜索活動時、殺処分寸前だった救助犬が一人の人を発見したことで話題になった。だがその人もまた、遺体だった。 基本的に、遺体収容が進み、未収容者数が減れば減るほど、収容活動は困難になる。発見すべき対象者が減るのだから、当然のことである。 それでも、”遺体収容”は懸命に続けられ、いよいよ最後の一人の収容までに漕ぎ着けた。ここまで活動をしてきた消防、警察、自衛隊、その他関係者の努力には、本当に頭が下がる思いだ。 そして最後の一人の”収容”活動となった今、３０００人以上体制、すなわち生存者捜索活動時以上の体制で、臨んでいる。海上捜索もするとのことで、ついには海上保安庁まで入ってきている。 だが正直、”遺体収容”のために、これほどの人数が必要なのだろうか。こんなことはマスコミは絶対に言わないだろうが、私は正直、疑問に思う。 無論、これが、１％でも生存の可能性があるのなら、こうした体制は当然のことだ。しかし、事故後３週間が経ち、生存者がある見込みはゼロである。 明らかに”遺体収容”であるにも関わらず、誰もそうは言わない。”行方不明者の発見”なのである。 私が残り一人の行方不明者の家族なら、以下のように言う。 捜索にあたってくださった皆様、本当にありがとうございました。皆様の懸命のご努力には頭が下がる思いです。 でも、もうよろしいです。あと一人のために、これほどの大捜索網はもう不要です。生きているわけでなし。本当にありがとうございました。 | ||
■平成２６年９月９日 国会事故調も検証されていた
朝日新聞が、吉田調書に基づく記事を検証し、その（意図的）誤りを謝罪し、東電の名誉が一つ回復したが、実は、もっと大事な名誉回復が原子力規制委によってなされている。 これまで、国会事故調、政府事故調、民間事故調、東電事故調と、４つもの検証機関が乱立し、それぞれの報告書をまとめている。そして、こうした報告書の内容は、様々な点において違いがあり、私たちはいったい正しい事実は何か、わからなくなってしまっている。 最大の違いが、原発事故原因である。 国会事故調以外の３つの事故調は、世上言われているように、事故の原因を津波である、と断定した。誰もが、 原発は地震に何とか耐えた、福一と同型の女川原発は無事だったではないか、やはり事故の原因は津波による電源消失だったのだ と考えていたところに、余計な判断を示したのが、国会事故調だった。すなわち同事故調は、事故原因は必ずしも津波だけとは言えない、津波が来襲する前に、すでに地震によって原発は破壊されていた、と記した。 これが記事にあるとおり、大混乱を招いた。そして、この報告こそがその後独り歩きし、脱原発派による、原発反対の金科玉条的論拠となった。すなわち 多くの人は原発事故の原因を津波だという。だから津波対策さえしていれば事故はあり得ないという。しかし、（国会）事故調は事故原因は地震そのものだという。ならば、地震国日本においては、いつこのような地震がまた起こるかもしれないのだから、いくら津波対策をしても、原発は危険である と彼らは主張した。 ところが、彼らがその主張の論拠としていた事実は、原子力規制委により、否定されたのである。 これはまだ中間報告ではあるが、これほどに重大な結果が、最終報告で覆ることは考えにくく、したがって今後は、これまで国会事故調が主張し、かつ脱原発派が主張していた事故原因に関しては、「原発そのもに問題があった」とはもはや言えなくなったのである。 日本の原発は、１０００年に一度の大地震にも耐えうることが証明されたからこそ、海外からも引き合いが来ているのだろう。 東電もまた、危機に際し、逃げずに頑張ったことが証明されたのと同様、原発事故はやはり、想定外の津波が原因で起こった不可抗力に近い事故であったことが証明された、と言える。 無論、それでも彼ら脱原発派は食い下がるだろう。すなわち・・・ 国会規制委は国や東電の犬だ。だから彼らの報告は信用に値しない しかし、これで５つの検証機関のうち、４つが一致した結論を出したのである。それでもまだ、自分たちに都合のよいことを言っている唯一の事故調調査のみに固執するのは、一般国民に理解されるだろうか。 おそらくは、ある程度の脱原発的考えを持っている国民でさえも、やはり原発事故の原因は津波なのだな、と理解するだろう。 この点において、脱原発派の重要な論拠は、崩れ去ったと考えてよいだろう。 ところででは、なぜ国会事故調のみは、事故原因に関して、このような結論を出したのか。 私はやはり、その構成メンバーが大きいと思う。私はそれぞれの事故調のメンバーの思想的背景などはいちいち知らないが、国会事故調には、崎山比早子、田中三彦という、骨の髄まで脱原発派の2人が、委員となっている。彼らによって、その結論は歪曲されたのではないか、と想像するのである。 なお、記事にはないが、政府事故調においてのみ、東電の撤退については、「それはあり得る」という結論を出している。（事故の分析・報告参照） しかし、その結論が誤りであることが、今回の吉田調書公開により明らかになった。 結局のところ、今後少しづつ、事故当時の真実が明らかになっていくことだろう。まちがいなく言えるのは、そうなればなるほどに、脱原発派にとって、状況は不利になる、ということなのである。 そもそも、わからないことが多い、ということが、これまで脱原発派を活性化させてきた。 たとえば、１００ミリシーベルト/年以下の被曝による被害では、よくわからないことが多く、定説がない。それを根拠に、脱原発派は、「だから危険だ」という論理を取ってきた。「危険でないことが証明されない限り危険とみなす」わけである。一般人には耳に入りやすい論理だ。（この論理を信じて、自主避難している人たちがいっぱいいる） 「美味しんぼ」の鼻血問題の時にも、「鼻血が出ないことを証明してみろ、そうしたら信じてやる」と言ったバカな医者がいた。 わからない、曖昧な状態、こそが彼ら（脱原発派）の武器だった。 本日（9月１１日）、朝日新聞の謝罪を受けて、NEWS２３に出てくるヘンな男の解説委員（日頃から原発再稼働反対をこの番組で言い張っている）は、何とすかしっぺのごとく、CM前に以下のような意見を吐いて、驚いた。 えーこのようにですね、事故の時にはいろいろと混乱していて、よくわからないことが多いんですよ、だからこそ私たちはよくわからないままに原発再稼働はしてはいけないんですよ〜 って、えー、どうして東電の危機管理の優秀性がわかったのに、こんな正反対の結論になっちゃうのーって思ったよ。（だって、あんたたちは、東電が逃げ出すような組織だから危なくて再稼働できないって言ってたでしょ） 日本の将来のために、脱原発派の跋扈を許さないためにも、真実を少しづつ明らかにしていく努力は大事である。真実がはっきりすれば、間違いなく原発が必要である、という人は増えるであろう。 | ||
結局、民主党政権の時には、これができなかったんだよね。
爆発事故当時、民主党政権は、原子力損害賠償法の規定にある「異常に巨大な天災地変」に東日本大震災は該当しないと判断し、主たる責任は東電にある、とした。 この民主党の東電性悪説が、その後の東電バッシングを生み、朝日新聞の虚報を生み、脱原発派を勢いづけた。 もしもこの時、この法律を適用していれば、東電は損害賠償責任から免責されることになり、国家がすべての責任を負うことになり、東電は、不可抗力事故として、事故の再発防止に専念できた。 そもそも、原発推進は、東電一社による事業計画ではなく、国家政策であった。東電はそうした国家の要請に応じて、原発を作っていったわけである。 こうした事情であるから、東日本大震災という「異常に巨大な天災地変」による事故責任は当然国家にあると決定されてしかるべきだったのである。 そうすれば、東電バッシングもかなり抑えられただろう。（別の意味、すなわち、不可抗力ではなく過失責任である、というバッシングは起きただろうが、それは民主党政権との共同責任でもあり、またバッシングの矛先はむしろ民主党政権に向かったことだろう。民主党政権は、政権批判を恐れ、東電に責任を押し付けた、と私は思う） 今回の政府の決定は、おそらくは、こうした経緯を踏まえてのことであると思われる。 すなわち、原発は国家政策なのであるから、それに伴う不都合は、天災地変の有無に関わりなくすべて国家で引き取り、その後、過失の度合いに応じて、電力会社へ損害賠償請求をする、という形を取ったのである。 考えてみればこんなことは当たり前のことで、逆に、当時の民主党政権の政策が、東電性悪説にもとづく、いかに間違いかつ無責任なものであったか、を示す証左ともなった。 今年７月に出された原子力規制委による報告書で、以前、国会事故調が主張していた、「爆発の原因は津波とは言えない」という見方はあやまりであることがはっきりした。 ということは、今後、１０００年に一度ほどの異常な天災地変が起こらない限りは原発は安全である、という事実が国家全体の見方となったわけである。政府がこのようにはっきりと国家の責任を銘記したのは、こうした調査結果も踏まえてのことだろう。 現在、原発に反対している一般の人たちも、こうした事実を理解すれば、徐々に原発容認へ傾いていくのではなかろうか。 先日、民主党の細野剛志氏が、民主党は原発を将来的になくします、と話しているのを聞いて、やっぱり民主党はダメだ、何にもわかってない、と思った。そんな民主党の支持率がまったく上昇しないのも、国民がジョジョに原発の安全性、必要性に気付き始めた証の一つではないか、と感じる。 平成２６年ミニコラム ■平成２６年９月14日 本当は謝罪していない朝日新聞
朝日新聞は、「過剰な表現」を撤回するというわけで、つまり内容は正しいのだが、表現が”過剰”だったから、撤回する、というわけ。 要するに、内容の正誤に対する判断はしていない。表現がまずかったから、その表現方法のみを謝罪する、というわけ。 表現を問題にするのなら、撤回するのではなく、新しい表現で再掲するべきなのではないか。 朝日はここのところ、立て続けに一応”謝罪”をしているが、実はまったく謝罪にはなっていない。 たとえば９月１１日夜の記者会見による”謝罪”では、「吉田調書を読み解く過程で評価を誤り」という表現で一応謝罪しているが、吉田調書の重要部分をあえて欠落して評価しているなど、あきらかにこれは”誤り”ではなく、”意図的なねつ造”記事であった。だから真に謝罪していない。 また、池上彰氏の原稿の掲載拒否における”謝罪”にしても、掲載拒否をした理由を「８月５、６日付朝刊で慰安婦問題特集を掲載して以来、本社には言論による批判や評価が寄せられる一方で、関係者への人権侵害や脅迫的な行為、営業妨害的な行為などが続いていました。こうした動きの激化を懸念するあまり、池上さんの原稿にも過剰に反応してしまいました」ためとしている。 つまり、自分たちを脅迫する奴らがいたから自分たちは判断を誤ったんだ、と言っている。あたかも、脅迫した奴らが悪いんだ、こんな奴らがいなければ、自分たちは謝罪なんかする必要はなかったんだ、と言っているのと同じなのだ。 さらに、９月１３日社説では、謝罪のような形式を取りながらも、以下のように、慰安婦問題に関しては、相変わらずその根源は日本側にあるかの如く、書いている。 かつての報道を明確に取り消さないかぎり、「朝日の慰安婦報道問題」が前面に出てしまい、本来の「慰安婦問題」が背後に退いてしまう。朝日報道への批判とともに、議論がナショナリズムの対立に大きく傾く。日本で嫌韓本がはやり、韓国の団体は慰安婦の像を国内外に建てる。お互いに挑発する不毛な応酬。その結果、被害者の救済という一番大事な問題の解決が置き去りになっていく――。そんな状況を打開したいと考えたからです。（９月１３日朝日新聞社説より） こうした一連の”謝罪”を見ても、朝日は決して素直に謝罪などしていない。腹に一物あるがごときの、形ばかりの”謝罪”をしているだけで、あとは人のうわさも７５日、を待っている感がある。大新聞としてのプライドがあるのだろう。 やはり、今回の一連の事件を考えてみても、朝日新聞は廃刊となった方がよいと思う。 むろん、リベラルの火が消えてはならない。特に安倍政権のようなタカ派政権の場合、これを批判する勢力は不可欠である。批判勢力があって初めて、保守の正しさがわかるのであるから。 （保守の政策をリベラルが批判する。それにより、保守政策はより磨かれていく。政治的には、近年はこのリベラルの役割は与党公明党が担ってきたが、マスコミにおいては健全なリベラルは育たず、サヨク的紙面ばかりになってしまっている） しかしそれには、あくまでも、正確な事実報道がなされるという前提がある。事実を正確に報道し、その上で、どんどん安倍政権を批判してほしい。 朝日新聞はそういう報道機関ではなかった。始めに結論、あるべき道があり、事実をそれに合わせるように歪曲して報道をしてきた。自社に不都合な事実を述べる言論人の言論を封殺した。 こんな報道機関はいらないどころか、国家の癌である。正確な診断が下った以上、国家の癌細胞は、摘出されねばならない。 朝日はすでにリベラルではなく、サヨクだった。安倍政権批判は、サヨクではなく、リベラルに行ってほしい。 |
「撤退」ならば、東電の現場社員は社会的使命を放棄し、日本人全体よりも自分の命を優先し、全員が現場を放り出し、無責任に我先に逃げたことになる。
しかし、退避ならば、まったく逆だ。必要な人員は残し、身の危険を感じながら、必要な現場作業は行う、という意味だ。この場合、撤退とは逆に、東電は社会的使命を果たそうと努力したことになる。
つまり、爆発が起きた時点で、撤退と退避は、１８０度異なる意味で使われたのであり、東電がどちらの意味で使ったのか、民主党政権がどちらの意味で受け取ったのか、朝日新聞がどちらの意味で報道しようとしたのか、の検証が必要だった。
これまでわかったことからいうと、もともと東電は撤退はまったく考えていなかった。それはそうだろう、そんなことをされたら、日本が終わってしまう。東電としては、社員を何十人と死亡させてでも、日本を守る腹であったのだ。東電にはそれくらいの企業スピリットは十分にあったのである。
しかし、当時の民主党官邸はまったくそのように考えてはいなかった。東電が”退避”という単語を使うと、反射的に、官邸全員が、現場から無責任にも撤退すると思い込んだ。
つまりは、当時の民主党政権は、東電自体をまったく信用していなかったのだ。だから国家の危機を一緒に戦おうという気概もなく、むしろ敵対関係になってしまった。吉田元所長の、菅首相に対する強い口調が、それを何よりも物語る。
また、当時の民主党幹部の調書を読むと、「東電から全然情報が入らなかった」などと書いてあるが、もともと敵対関係だったわけだから、適切な情報などが官邸に上がるはずもなかったのである。
民主党が東電を信頼せずに敵視したのには、やはり、民主党ならではの背景がある。
自民党が経営者寄りの政党であるのに対し、民主党はどちらかというと労働者寄りの政党であった。だからこそ民主党は、経営者を主として利する経済成長よりも、労働者への分配を優先していた。
そのために、どうしても東電のような大資本とは疎遠になりがちであった。心のどこかに、大資本への拒絶感があり、一緒になって頑張ろうという雰囲気を醸成することに失敗したのである。
これは、阪神大震災当時の村山政権とまったく同じ構図である。
社会党党首であった当時の村山首相は、本能的に自衛隊を嫌っていた。また、当時の兵庫県の貝原知事も革新知事であり、自衛隊への親近感がなく、合同訓練も一度も行っていなかった。
こうした自衛隊への抵抗感が、自衛隊投入の遅れにつながり、助かるべき多数の命を見殺しにしたのである。
では、もしも原発事故当時の政権が現在の安倍政権であったらどうであったか。
まず安倍首相の性格からして、東電幹部を怒鳴り散らしたりすることは、なかっただろう。まあこれはしかし、民主党でも、野田政権や鳩山政権であったなら、そんなことはやはりなかっただろうと思われるわけで、民主党というよりも菅直人という属人的問題なのであるが。
次に、政権と東電との信頼関係が当初よりあれば、東電の現場が撤退などはまったく考えずに、退避をしながら、とにかく事故のダメージコントロールに懸命であることを知り、無用な避難は避けられた可能性がある。
当時の民主党政権は、”念のため”と称して、徐々に避難範囲を拡大していった。このやり方は、一見正しいように見えるが、結局は周囲の住民を不安に陥れるだけだった。
東電との信頼関係があれば、逐次放射線量のデータをやりとりし、避難は、本当にそれが必要な半径数キロ圏内を中心とした地域のみに限定できたのではないか。
枝野がよく言っていた「ただちにどーのこーの」といった曖昧な言い方ではなく、「この範囲以外は急性期障害の心配はありません。晩発障害に関しては慌てる必要はありません」と言っておきさえすれば、何の問題もなかったのだから。
また震災当時、東電は、今回の震災が、原子力損害賠償法の規定にある「異常に巨大な天災地変」に該当する旨の主張をしたが、民主党政権はこれを否定し、責任を東電へと押し付けてしまった。
これなども、もしも両者の関係が良好であったのなら、この法律が適用され、東電を免責とし、国家の問題として引き受けていくやり方があったと思うし、そうすべきだったと思う。安倍政権なら、そうしていたことだろう。
そもそも１０００年に一度の大災害がどうして「異常に巨大な天災地変」に該当しないのか、私は非常に不思議に思った。これではこの法律は、恐竜が絶滅するような巨大な隕石でも落っこってこない限り、適用されないのではないか。
朝日新聞にしても、そもそもが東電性悪説に凝り固まっていたからこそ、あのような捏造記事を書いてしまったのだ。
朝日社長は、先日の謝罪会見で、こうした故意を否定しているが、それはまったくもって嘘である。
東電性悪説にもとづいて、東電を悪者にすることで、朝日は世間の喝采を浴びようとしたのである。
その後、民主党政権と朝日新聞らサヨク新聞により、東電はすっかり悪者になってしまった。東電をバッシングすることが正義のようになってしまった。ことに脱原発派の東電バッシングはひどかった。
今回の件で朝日新聞が敗北し、東電の名誉回復がなされたことは、東電をバッシングすることによってその存在価値を得ていた脱原発派にも手痛い打撃となったことだろう。
朝日新聞を信頼して脱原発派となっていた人達は、これで少しでも目を覚ましてくれるとありがたいものである。