★岡田と立民、バカですか？‐民主主義を否定する立民
だが日本の立場からすれば、バシー海峡が封鎖されれば、物資運搬は大きく迂回を余儀なくされることになり、それは物流コストの上昇につながる。また、地理的に見ても、中台が交戦状態になれば、米軍が必ず出てくるわけで、米軍は沖縄の基地を利用することになる。さらには、多数の難民が沖縄めがけてやってくる。当然中国やロシア、北朝鮮は、それにまぎれて、大量のスパイを日本に送り込む。彼らの処理だけで、日本は膨大な国富を失う。 つまり、日本からすれば、存立危機事態の定義とは関係なく、台湾有事は日本の存立危機事態となることは明白なのだ。 これは一種の法の瑕疵なので、本来、台湾有事を第一に想定していたのであれば、日本も中国に抗弁できるような文章にしておくべきだったと思う。 ただそうすると、中国から猛抗議がくるので、それを避けるために、要はくさいものに蓋をするために、こうした文章にしたのだろう。それでこの10年、ごまかし、ごまかし、やって来た。 そうこうしている間に、親中派では、この法文を利用した、中国に都合の良い解釈が生まれた。それがまさに、岡田氏の解釈である。 岡田氏は、「迂回して何日か余分にかければ目的地に行ける。日本の存立にかかわる話じゃない。」とインタビューで答えている（聞いた瞬間「まずい…」立憲・岡田氏 首相の「存立危機事態」答弁に | 毎日新聞）。 岡田氏は、台湾有事に真正面に向き合うことはなく、中国の都合がいいように、日本が中国を忖度しさえしていればいい、と考えているのだ。そしておそらくは、日本の外務省や政府も同意見だった。 岡田氏（および従来の日本政府）の考えは、要は、以下のようなのだろう。 日本が中国を刺激さえしなければ、台湾有事は絶対に起きない。起きたとしても、迂回して何日か余分にかければ目的地に行けるじゃないか。だから、バシー海峡の封鎖は、日本の存立にかかわる話じゃない。その他の悪影響？そんなの知らんよ これに異を唱えたのが高市首相。だから、岡田氏からの質問通告を受けた時点で、覚悟を決めたのだろう。自分は中国に忖度しない。あくまでも日本の国益を守る、と。 だから、岡田氏からバシー海峡という具体名が出ても、自説を貫いた。当然、中国からの猛抗議は周知の上で。 立民 あんた、あんなこと言っちゃったから、中国様が怒っちゃったじゃない。言ったこと撤回しなさいよ！ 僕たちだって、あんたまさかあそこまで言うなんて思いもしなかったんだし！ 共産（援護射撃） いやいや、それだけじゃ駄目だよ。謝んなきゃ。ごめんなさい、と中国様に言いなさい！ 高市首相 人に言わせておいて撤回しなさいとは、これまた何と非常識なこと。ましては謝罪なんてしたら、中国がつけあがって、とんでもないことになるでしょ。 ま、言っちゃいけないことを言っちゃったわけだから、、、、反省だけはしときましょう。もう二度とは言いません。でも撤回はしませんよ。あれは日本国の意思表明なんですから。 そして世論は、高市氏の答弁を支持している。これが岡田氏には意外だったらしい。 確かに、野党の立場としての追及力はあった。これだけの答弁を引き出したわけだから。中国を様を怒らせることにも成功したわけだし。 岡田氏は単純に、これまでの政府答弁を、おそらく繰り返させればよいと考えていた。だから、自説を貫いた高市答弁に驚いた。さらにもう一度驚いた。世論が高市答弁を支持していることに。 つまり、世論は高市答弁に飢えていたのだ。これまでの日本は、安倍さんの時でさえ（おそらくは公明党に忖度して）、ここまでしか言えなかった。日本の本音を言うことができなかった。 高市さんはズバッと言ってくれた。みんなが心の奥底で言いたくて言いたくてたまらないことをずばっと。 悪いのは、実は中国ではなく、これまでの日本政府だったのだ。中国に忖度するあまり、”他国”というワードを使った。国益を無視して。 中国もまた、日本からの忖度は理解していたが、高市氏というすごい奴が、それを無視した。だから抗議せざるを得なかったわけだ。 むろん、世論はここまでは理解してはおらず、単純に、高市首相の人気にあやかっての、今回答弁の支持ではあろう。しかし、世論とはそんなもの。内容の是非を問わず、民主主義社会では、多数派の意見が正しいとされるわけだから、岡田氏は、民主主義社会に挑戦していることになる。 おそらくはこの答弁を奇禍として、高市人気はさらに高まるもの、と私は思う。 | ||
★脱・脱原発へ‐オールドメディアのアナクロニズム
電力不足になった大きな一因が、柏崎刈羽原発が稼働していないことだった。この時には皆の努力で、ブラックアウトが回避されたが、その４年前には、北海道でブラックアウトが起きた。地震によって火力の主力発電所が発電を停止したためだったが、その前提として、泊原発が稼働していないことがあった。 2011年の原発事故後には、日本中が脱原発に走っていた。その大きな理由は、福島原発事故で、将来日本では、甲状腺がんなどが多発するから、などというものだった。 だが事故後14年以上が経過した現在、事故による放射線障害は見られていない。放射線障害をあおっていた連中は完全に空振りに終わった。私も当時、医師として立場から、そのような障害など起こりようもないという意見を投稿したが、ずいぶんといじめられた記憶がある。個人サイトの中身まで攻撃されたからね。あの連中、今頃どう思ってんだか、と思う。 それはさておき、結局のところ、あれだけの大事故が起きたにもかかわらず、人的被害がなかったことが理解されてきて、原発に対する世論も穏やかになってきた。 このことは、各政党の原発政策の変遷を見るとよくわかるので、ここで今それを列記してみよう。2017年と2024年の政策を比較する。この7年間で、各政党の原発政策から、脱原発的要素が大幅に後退していることがわかる。
興味深いのは、すべての政党がだいたい一律に右シフトしていることである。たとえば社民党や共産党は、2017年までは即時ゼロを主張していたが、2024年では2030年までにという留保をつけるようになった。 つまり、世論の脱原発離れに、政治がやむを得ず従ってきた姿がよく見られる。  原発再稼働賛成50% 反対35%を上回る 朝日世論調査：朝日新聞 世論は少しづつ、少なくとも福島原発事故の放射線障害はなかったこと、原発はやはり安定電源として必要なこと、を理解してきたのであり、だからこそ、今回、新潟県知事も、柏崎刈羽原発再稼働にゴーサインを出すことができたわけである。 ところが新聞社説を見ていると、相変わらず、この新潟県知事の判断を否定するものばかり（社説資料集）。つまり、世論も政治も右へ右へと進んでいるのに、オールドマスコミはいまだにサヨク頭でコチコチというわけ。 高市政治へのまとはずれの批判のオンパレードといい、これでは、新聞、テレビを読み、見る人がどんどん減るのは当然のことだろう。 ●脱原発≒EV推進 14年前の原発事故後は、官民挙げて脱原発だった。マスコミはむろんのこと、上記を見れば、政治もまた、自民党以外のすべての政党が、最終的に日本をドイツ化する（脱原発）ことを目指していたのだ。電力の輸出入が可能なドイツと、それが不可能な日本では、根本的に国情が異なることなどは全く無視した、非科学的発想だった。 実は、上図を見ると、あるアイテムの行方を思い出す。そう、EVだ。EVは、補助金の問題もあり、世界的に2024年より急激に失速した。脱原発同様、クルマの世界でも、将来の脱エンジンが予想されたが、これまた科学を無視した発想だった。 世の中には、どしどし世界を変えたいと考える、頭がきわめて先進的な人がいる。そういう人がいたから、世界がここまで進歩してきたとも言えるわけだが、そうなると思ってもなかなかそうならない例も多くある。 たとえば私が子供のころ（50年以上前）は、テレビ電話が普及すると言われていたが、固定電話はケータイになり、むしろ衰退している。空飛ぶクルマの発想も、私の子供の頃からあったが、結局、ドローンで結実している。クルマの自動運転も、多分駄目だろう。 19世紀前半の人は、湯気を利用すれば高速で移動できたり、モノを運べるなど、想像だにしなかっただろう。ましてやその後の電力の普及など、今では当たり前になっているアイテムなどなおさら。 19世紀後半には、第二次産業革命が起きて、人類の生活は根本から変化したわけだが、今後は残念ながら、それほどにエポックメイキングな技術が出てくるとは思えない。 人類は結局、化石燃料なしには生きていけないし、化石燃料に頼らない再エネシステムは、物理的にできない。原子力は、人類の延命には有効だが、19世紀の技術であるボイラーを使っての発電にしか役には立たず、基本的には、その規模は大きくても、小回りが効く技術ではない。 人類の生活は、今後も少しづつ変化してはいくだろうが、100年後の人も、基本的には現代人とあまり変わらない生活をしていることだろう。 | ||
| ★黒柳徹子の起用について‐過去か現在か
黒柳徹子と言えば、かつては立て板に水を流すような勢いで、明瞭な日本語の発音で、お茶の間の人気を誇っていた。
だが現在は・・・彼女ももう、92歳。加齢に伴う発音能力の低下は著しく、ご本人が一生懸命発音しようと努力しているさまはわかるが、結果についてはどうしようもない。 ここで彼女に対しては、２つの見方に分かれる。つまりは、活舌が大幅に低下した現在の状況でも、このままテレビに出続けてもらうか、能力低下ゆえにもはや、テレビからはご隠退いただくか、である。要は、偉大なる”過去”を取るか、かなり厳しい”現在”を取るか。 前者の考えとしては、彼女は何としても、テレビの草創期からの人であるのだから、あくまでも”過去”を尊重し、今はかなり聞き苦しくとも、がまんしましょう、という感じ。 後者の考えとしては、いや、いくら過去には大きな功績があった人でも、今では活舌が悪すぎて、とてもじゃあないが、聞いていられないのだから、もうテレビからは隠退してほしい、ということ。 ”過去”を重視するか”現在”を重視するかという考えは、黒柳徹子に限らず、ことに過去と現在の間のギャップが大きい人ほど、問題になり得る。 たとえばジュリー。昔のジュリーは本当にかっこよかった。男から見ても男の色気があった。今はただの太ったおじいさん。そのギャップはあまりに大きいが、ただの太ったおじいさんになったジュリーにでも、根強いファンがいる。そのためか、彼も過去と現在のギャップをものともせずに、彼は未だにステージに立て続けている。 だが、そうなると必然的に、ネットなどでは太ったおじいさん化したジュリーがいやでも目に入るので、せっかくの私のジュリー像が台無しになってしまっていやだ、老醜を晒してほしくはない、というオールドファンも大勢いると思う。 私個人としてはやはり、悪いけど、黒柳徹子にはもうテレビに出てしゃべってほしくないと思うし、ジュリーはもうステージに立つべきではない、と思う。美しくきらびやかな過去を壊してしまうように思う。 こうしたことは何も芸能人に限らず、個人レベルでもよく見られることだ。たとえば、自分の親が認知症になってしまって、別人のようになってしまったら、子供はどう思うだろうか＞？ 認知症でも特に、人格が変わるような認知症になったら、どう思うか？わが親が自分に対して暴言を吐いたり、人格を否定するようなことを言ったりしたら？さらには、年衰えて粗相をしたり、排泄の世話に毎日煩わされることになったら？ 要するに、わが親が人として壊れてしまったら？ 私も妻も、幸か不幸か、わが親は認知症になる間もなく、ほとんど子供に介護の手間をかけることもなく逝ってしまったので、こうした経験がない。記憶の中にあるのは、親としての、すくなくとも人としての威厳は保たれていた親である。だから、人格が壊れた親を想像することができない。 そして、できれば壊れた親は見たくはないのが、子供からしての本音なのではなかろうか？早く逝ってくれとは思わなくても、壊れるくらいなら、そうなる前には逝ってほしいというのが、本音なのではなかろうか？少なくとも私はそう思う。壊れた親を見ずに済んで本当によかったと思う。 私の母親は58歳で病気で突然死した。その時には、何とあっても生きていてくれたら、と思ったが、今生きていれば94歳。そうすれば、もしかしたら壊れた母親を見る羽目になったかもしれない。今から思えば、母との親子関係が36年前に突然断たれてしまったのはつらかったが、私にとっては、母はいつまでも60歳前のままなわけで、それはそれでよかったと思うことにしている。 私の妻の母親は美容師を営んでいたが、88歳まで長生きし、亡くなる直前まで仕事をしていた。亡くなる3か月前は孫たちと旅行にも行った。むろん、人としての尊厳を最期まで保っていた。 だがこうした逝き方は現代では少数派で、通常はある程度の要介護期間を伴うものだし、その間には認知症等になって、人格が壊れる可能性もかなりある。 ●逃げることは悪くはない 壊れたわが親は、誰もが見たくはないだろうが、看ざるを得ないというのが、多くの人に置かれた状況だろう。ならば逃げてしまった方がよいのではないか、と私は、無責任かもしれないが、そう思う。 中にはかなり無理をして、介護離職などをしてまでも、壊れてしまったわが親の介護をしている人もいる。頭が下がる思いだが、それがごくごく一部ではあっても、介護殺人につながってしまったりもするし、子供側の精神面・肉体面の不安は大変なものだろう。 そこまで無理する必要はない。たとえば人格が正常だった時期の親なら、わが子が自分のために病んでいることこそが悲しみであるだろう。 そう考えれば、わが親の介護のためにわが人生を失うことほど虚しいことはない。だから、逃げるのだ。 具体的には、壊れたわが親と毎日面合わせをしていたくないと思ったら、別々に暮らすべきだ。介護は家族がするのではなく、保険事故として扱うべきなのだ。つまり、介護はプロに任せる。 逃げることは、親子に限らず、親しい人に対しても同じである。親しい人の人格が壊れたら、あなたの中のその人は崩れる。できればそういう親友の姿は見たくはないだろう。だから、逃げるのだ。親友レベルなら、その人の生きるためのインフラにまで責任を負う必要はない。 私も、親しかった年配の牧師から逃げた。認知症で、人格が壊れるのが予見されたから。壊れたその人を絶対に見たくはなかった。数年後にその人は、入院先で亡くなったが、私は今でも、逃げたことは後悔していない。 | ||
| ★高市氏は鉄の女ではない‐鉄の心臓はお持ちだが・・・
高市首相の理想は英国のサッチャー元首相だとのことだが、サッチャー女史はその功績の大きさにもかかわらず、いまいち人気はなかった。 英国に残した彼女の功績は、同時代に大統領だったレーガンと並ぶと思うが、歴史上の国内評価は、たとえば空母の名前にまでなったR.レーガンにはとても及ばない。 それはむろん、彼・彼女がトップになる以前の社会の違いもある。英国は確かに英国病で苦しんではいたが、そこに安住している人も大勢いた。彼らにとっては、自分たちの安住の地をぶち壊すサッチャーは、悪魔に見えたことだろう。レーガンの場合は、カーター前大統領時代の弱い祖国に、国民全員が倦んでいた経緯があった。そこに戦後最強の共和党大統領が現れ、強い米国が復活し、かつ、結果的ではあるが、ソ連をつぶすことにも成功した。また米国は伝統的にに労働者階級が英国ほど強くはなかった。 こうした違いはあるが、私はサッチャー、レーガン両者には、もっと根源的相違があったと思っている。それはつまり稚気があるかどうかである。 今日残されているレーガン元大統領の写真を見ると、もともと彼が俳優だったせいもあろうが、にこやかにふるまっている写真が多い。男性の割には、笑っている写真が多い。 これに対してサッチャー女史は、女性の割には、笑っている写真は非常に少ない。こうしたところが、彼女が鉄の女と称されたゆえんでもあるのだろう。 つまり、サッチャー女史は、近寄りがたい雰囲気を醸し出していたがゆえに、その業績の割には今一つ人気がなかったのだろう。男社会を上がってきただけに、さすがにそこまでのゆとりはなかったのだろうと思う。 では、和製サッチャーを目指していると公言している我が高市首相はどうか？ 彼女はおそらくは、こうしたサッチャーの欠点をも研究していると思われる。 高市首相は、二つの顔を持っている。すなわち、勝負師の顔と笑顔である。勝負をする時の彼女の顔は、眼光するどく、近寄りがたい感じがする。だが、ひとたび心に余裕が生まれると、やさしい笑顔で応じる。その使い分けが、めっちゃうまい。 たとえば、拉致被害者たちと会見した時には、彼女は一切笑わなかった。おそらくは、一瞬でも笑えば、その瞬間を切り取られ、マスゴミから、拉致被害者を笑っていた、と標的にされることをきちんと理解しているためである。 一般的に、女性はどうしても表情や服装が、男性よりもいろいろと注目を浴びる（若ければ美人かどうかもかなりの評価対象にはなる）傾向にある。男はスーツを代えても誰も気づかずとも、女性の場合、どんな服装かは常に見られている。 表情もそうで、男の場合、あまり愛想笑いをふりまいても、軽く思われがちになってしまうが、女性の場合逆に、適度の愛想笑いが必須となる。 私の周囲にも、いつでも私にほほえみで返してくれる女性が二人いるが、二人とも若くはないが（一人は50代、ひとりは多分60代）、あのように返されると、年配男としては、素直に癒される。 おそらくは、高市ファンの中にも、老若男女を問わず、彼女の笑顔で癒されるという人は、男女を問わず、多いだろう。それゆえにファンになったという人も。 今では死語になってしまったが、昔は、男は度胸、女は愛嬌、と言われていた。高市氏は何と両方を持ち、しかも両者を完璧に使い分けている。男の政治家は、度胸さえあれば十分だが、女性政治家は両方が必要と思う。 今までに有名になった女性政治家を見ても、高市氏ほどに両者を巧みに使い分けている人は見たことがない。 たとえば、蓮舫などは比較的笑顔をよく見せる政治家であるが、彼女の場合、笑顔は”作っている”としか見えない。むろん、高市氏もそうではあるのだが、そのようには見せないところが、彼女の上手なところだろう。 | ||
★教育は投資ではない
そうしたマインドで一番大事なことは、経済的自立だと思う。とにかく、自分の食い扶持分くらいは自分で稼ぐ。 むろんこの価値判断は、人を殺してはいけない、といったような絶対的なものではない。 たとえば、欧州の昔の貴族などには、親から相続した財産で、一生働かなくても生きていけるような人がかなりいた。そうした人は、自分で稼ぐ必要性はなく、カネは有り余るくらいあるから、好きな研究などに打ち込むことができた。たとえば、18世紀までの科学は、貴族が趣味として取り組んだアマチュア的活動が中心だった。つまり昔は、貧富の差こそが、世の中の動力だった。 現代は、そういう価値観はない。不動産収入などで、勤労をせずに生きていける人もいるが、あまり尊敬はされない。 だから、現代人の普遍的価値基準は、経済的自立である（むろん、働ける潜在的能力を持っていることが条件）。 一般人にとって、それは、自明の理だった。なぜなら、そうしなければ誰もが生きてはいけなかったから。 だが、国富が増え、自立しない子供でも養える親が増えるにつれて、経済的自立ができない人が増えてきた。だからこそ、子育てのマインドが重要になってくる。 経済的余裕のある親ほど、このマインドが必要である。なぜなら、人は易きに流れがちであり、無理して稼がなくても生きていけるなら、稼ぐ必要もない、と考えがちだから。 だからこそ、裕福な親こそ、経済的自立要求は、子育てにおける最重要なマインドなのである。 記事の、医師である親には、それがなかったようだ。彼はむしろ、教育を投資と考えていた。 だが、投資の目的は、リターンである。この医師は、子育てに二人分、計6000万円をかけたとしているが（むろん、そのリターンは親ではなく、子供への期待なのではあるが）、子供がそれ以上稼ぐようになれば、元は取れる、という考えだった。大卒者の生涯平均所得はだいたい3億円であるが、より多くの”投資”をすれば、より多くの生涯所得を得られる、という考えだったのだろう。 だがこの医師はそもそも、稼ぐことそのものの視点が抜けていた。いくら潜在的稼働能力があっても、稼働意思がなければ、その能力は生きないわけだから。そこのマインドを教育し忘れた。 教育は投資であるという考えはむしろ、昔の方がそうだったのではないか？社会保障もない時代は、人は年を取れば子に頼るしかなかった。自分を養ってくれるというリターン目的で子供を育てた。つまり、自分へのリターンを期待して、子供に投資をしていた。 必ず子供ができるとは限らないし、男の子女の子の問題もあるから、昔はどうしても家を中心に生きていくしかなかったし、だから、養子縁組なんかもさかんに行われた。すべて、自身の老後への投資である。 今、子供に経済面を依存するような親はほぼいないだろう。その目的で子育てをする親はほぼいないだろう。いたとしたら、子供にとっては大迷惑だ。 要するに、教育の目的は投資ではなく、自立させることだ。一人で、さらには家庭を持っても生きていける力をつけさせること。 それには多額のカネは要らない。マインドだけを育てればよいのだから。 むしろ、多額の教育”投資”がアダとなったのではないか。うちの親は、自分たちに6000万円も使うことができた、医者だし,まだまだお金もある、だからあくせく稼ぐ必要もないだろう、と。 私自身はむしろ、子供にはお金をかけないことを、子育ての旨としてきた（子育て８訓；カネをかけず、声をかけよう）。私も妻も、親からは大してカネをかけられずに育ったが、何とかふつーに生きて、子供たちも、ふつーに育っているし。 少なくとも子育てに関しては、お金は若干足りないくらいがちょうどよい（奨学金なしで大学に行かせられるくらい）。なまじあると、どうしても、余計なお金をかけたくなる。それは、子育てにはむしろマイナスになる。 この医師家庭は、持てるがゆえに、子育てには失敗した、と言える。 | ||
| ★ドイツの歪んだ発電構造
下図は、ドイツにおける発電設備のこの四半世紀の変化である。
 「再エネ先進国」ドイツにおける電力需給の実態からの学び – NPO法人 国際環境経済研究所 これを見ると、この四半世紀の間、ドイツでは、すさまじい勢いで発電設備が増加していることがわかる。では、同じ期間にそこから生み出された発電量はどうかというと、若干低下気味となっている。  特徴的なことは、発電設備で増加しているのはVREであり、火力発電設備は、ほぼ横ばいであるということ。言い換えると、VREが増えても、火力発電設備は減っていないのである。 素人的に考えると、VREが増えるのであれば、火力発電はその分要らなくなるわけだから、その設備は減ってしかるべきだと考える。 だが実は、原発事故時の首相で、ドイツの2022年までにおける脱原発宣言をしたメルケル首相によれば、逆に10～20ＧＷほど増やさなければいけないという（日本ではこのことは脱原発派によって、意図的に報道されていなかった）。 メルケルはなぜこのように考えたのか？それは、脱原発をしてＶＲＥを増やしても、後者は前者の代替足り得ないことを彼女は知っていたからである。 ＶＲＥは文字通り、variableであるが、同時にuncontroledである。したがって、controledにvariableな火力発電で、需給ギャップを補わなければならない（原発はcontroled nonvariableだからＶＲＥの代替足り得ない）。だからこそＶＲＥの普及は、余計な火力発電設備を要求するのである。 なお、原発事故後から今日まで、ドイツ全体の発電量は、約560TWhから約510TWhへと、50TWｈほど減少している。そして、火力発電量は約360TWｈから約260TWhへと100TWhほど減少している。そしてVREについては、約100TWｈから250TWｈ程度まで増加している。この間、原発発電力は、約100TWｈからほぼゼロへとなっている。これらを図示すると、だいたい以下のようになる。  もともとドイツは、VREがある程度は普及してはいたのだが、原発事故後はさらに普及し、現在では、総発電量の半数近くを占めるまでになっている。 こうしてみると、確かにＶＲＥの総発電量自体は、この10年ちょっとで2.5倍くらいまでに、かなり増加はしているのだが、しかし、その発電設備は、同期間に4倍ほどにまでなっているのだ。 そもそもドイツの必要発電能力はだいたい、maxでも150GW程度と思われるので、すでにドイツでは、VREの発電設備だけでも、それを超えてしまっているのだ。それでもしかし、火力発電能力はそのまま維持されており、両者を合わせると、ドイツは必要以上の膨大な発電設備を擁していることになる。 ところが、これほど膨大な発電設備を持っているにも関わらず、特に脱原発をして以降、ドイツは電力不足となり、輸入量が急激に増えているのだ（ことに原発国フランスから）。さらには、ドイツの電力は、再エネが多いことから不安定なために質が悪く、その市場価格は低い。つまりドイツは高価格でフランスなどからの安定した電力を輸入し、低価格で輸出するという状況になっている（すでにデンマークがこの構造となっており、そのために同国では、電気料金が世界一高い）。 ドイツがさらに奇妙なのは、今後さらに再エネ発電能力を増やす計画がある（あった？）ことである（下図）。  脱炭素に足踏みするドイツの苦悩 part2｜SOLAR JOURNALより改変 つまりドイツは、すでに再エネ発電設備だけで必要電力をまかなえるだけの能力があるいも関わらず、今後その数倍もの設備を増やしていこうとしているわけ。 その理由は、ドイツでは現在、2050年に再生可能エネルギーの発電量比率を80％に引き上げることを目標としており、そのためには、これだけの再エネ発電設備が必要ということなのだろう。もともと再エネ発電設備は、稼働率が低く（大雑把にドイツにおいては太陽光10％、陸上風力20％、洋上風力40％）、さらにはVRE であるために、需給バランスをとるためのバックアップの火力発電が必要となるため、数値計算上、これくらいは必要になるというわけだ。 普通なら、これほどの過剰設備では採算が取れなくなるだろうが、再エネ電力をいまだに優遇しているために、このようなおバカな構造が可能なのだろう。 なお、日本もドイツをバカにすることはできない。第七次エネルギー計画では、いまだに再エネを主力と位置づけており、2040年までに、VREを倍増させる計画である。 ここで重要なのが、ドイツと同様、VREの設備と発電量である。VREの現在の発電設備は100GWでであるが、その発電量倍増させるのであれば、発電設備はさらに増やさなければならない。ドイツの例からすれば、日本ではしたがって、300GW程度にまで持っていく必要があるだろう。 現在の日本のmaxの必要発電能力がだいたいmax250GWなので、それはもう、VREのみで十分に必要発電能力をまかなうほどの量となる。 だがそれでも、発電量としては、総需要の半分以下なわけで、いかにVREを推進することが効率が悪いことであるかがわかる。 さらに日本では、ドイツのような電力輸出入によるバランス取りができないわけで、ドイツ以上に、バックアップのための火力発電を必要とする。 結局日本は、第七次計画を推し進めようとすれば、ドイツ以上の失敗をすること、間違いなしである 高市首相にはぜひとも早急に、この愚かなエネルギー政策を見直していただきたいと思う。 | ||
| ★クマ駆除とサヨク的思考 アーバンベアが増えてきて、犠牲になる人も増えている。対策としては、駆除（殺す）しかない、というのが大方の合意された意見である。 しかし、ごく一部ではあるが、クマを殺すな、という人がいる。学習放獣をすればよい、という意見や、もっと極端な人は、とにかく殺すな、山に帰せばそれでいいじゃないか、と言う。 この状況を見て、私は何かを想起した。そう、かつての（今も）社会党、共産党の非武装中立思想である（共産党は、1994年から）。 彼らサヨクは、もともとは攻撃思想しかなかった。つまり、大東亜戦争は日本が仕掛けたとの前提で、日本が諸外国を攻撃しないようにするためにはどうしたらよいか、という発想しかなかった。 実はそれは、戦後数年間の、逆コースが始まる前のGHQの政策も同じだった。GHQは日本から軍隊という牙を抜けば（さらには日本を農業国に貶めれば）、米国が安泰になると考え、いわゆる押し付け憲法を作成した。そのために、非武装を謳うかの第9条がはめ込まれた。日本が非武装になることが、米国に利益にかなうと判断されたのだ。 だが、戦後すぐに、米ソの対立が判明し、いわゆる逆コースが始まった。財界追放は、真逆にレッドパージとなった。米国は、共産圏から攻められることを考慮せざるを得なくなり、そのために、日本がパートナーになってもらう必要があった。当然、日本は武装させなければならない。 GHQの民政局の連中のバカが、とんでもないことしよって！！！ 米国は地団太を踏んだ。しかし日本国憲法は昭和21年にすでに公布されている。 結局、逆コース前に制定された”間違った”憲法を使って、国をどう守るかが、戦後の日本の安全保障政策の要中の要になった。 将棋にたとえてみよう。戦後すぐの米国は、日本の持ち駒を、飛車、角、香車しか見ていなかった。奴らはこれらで米国を攻めてきた。こうした持ち駒さえ取ってしまえばいい。 だが、国際状況は大きく変わった。日本が攻撃することだけでなく、共産圏から日本を防御しなければならない。もしも今の憲法のままであれば、日本が共産圏から攻撃をされれば、降参して共産圏国家になる他はない。それは、米国の国益にも反する。 これまでは、日本が持っている飛車、角、香車のことを考えていればよかった。飛車落ち、角落ちにしておけばよかった。だが、日本も防御されねばならない。その時に大事なのは金や銀だ。そうだ、金や銀だって、将棋をするには必要じゃあないか、日本という王将を、金や銀で守らなければならない。 というわけで逆コースが始まったわけだが、一部の日本人の頭は、逆回転しなかった。国際情勢が変わっても、押し付け憲法をありがたく堅持したいという勢力が残存した。それが日本社会党である。 その思想は、非武装中立と呼ばれた。日本は飛車や角、香車どころか、金や銀も要らない。王将だけでいい。攻められたら負ければそれでよい、という思想である。 将棋なら、王将を取られたらそれで投了でよいが、国家はそうはいかない。将棋で言えば、どちらが勝つでも負けるでもなく、押し合いへし合いを続けていくのが外交である。そのためには、飛車や角、香車はむろんのこと、金や銀も必要なのである。 社会党はそうしたことがまったく理解できていなかった。敵が攻めてくること、そもそも将棋とは相手あってこそのものであり、ひとりで指しているわけではないことが理解できなかった。 さて、アーバンベアの駆除に反対する意見は、こうしてみると、非武装中立論と瓜二つであることがわかる。どちらも、わが身を守るために、武力を使ってはならない、という点において。相手を攻めること（クマの駆除）の是非ばかり考えて、相手（クマ）からからやられることはないがしろにしていること。 さすがにクマと外交交渉はできないので、駆除反対論者も、クマさんと話し合えとは言わないが、彼らが主張する学習放獣や、麻酔にかけて山に戻すやり方は、要は、クマと話し合うことと同一レベルの危機管理法だろう。 外交交渉だけでは国家・国民を守れないのと同様、学習放獣などでは住民の命を守ることはできない。しかし、少数ではあろうが、そのような愚かな思考を持った人が日本にいることは、間違いのない事実である。 | ||
■男女平等論は行き過ぎている
その後家庭科は男女共修となった。そこまではよかったが、何と2021年からは、体育まで共修化しているという。これには驚いた。 私が子供のころは、小学校までは体育も共修だったが、中学校では別修だった。それは、中学生ともなれば、体格も体力も男女差が出てくるのだから、当たり前だと思っていた。スポーツ競技だって、上はオリンピックから下は運動会レベルまで、男女別で行われているわけだし。 そもそもなぜここまで男女差をなくさなければいけないのだろう。私の子供が小学生だった平成半ばには、学校では男の子にも～さん付けだった。授業参観などでそうした教師の言い方を聞いていて、ものすごい違和感を持ったものだ。 もっとひどいレベルになると、女性に下駄を履かせる、いわゆるクォータ制を持ち出す人もいる。理系学部では女子枠を設けるなどや、会社役員の一定割合を女性に割り当てるなど、それが社会善だと思っている人たちがいる。 こうした人は一般的に、その思想がリベラル～サヨクである。右の人は冷たい、左は優しい、という思い込みがそもそもあり、女性は一般的にはあたりがやさしいから（やくざに女はいない）、そのような思い込みが浸透している。 あれほどフェミニズムを訴えていた福島瑞穂や上野千鶴子などが、右派の高市早苗が首相になったことを嫌がっているのも、そのせい。彼女らにとっては、女性の活躍≒サヨクの活躍なのだ。彼女らがぎりぎり容認するのは、小池百合子までだろう。 米国で、ガラスの天井を打ち破ると思われていたＨ．クリントンやカマラ・ハリスは民主党である。そもそもこの言葉を使い始めた人たちは、ジェンダーフリー思想、つまりリベラル～サヨク的思想の人たちなのだ。 だが、本当にガラスの天井を突き破ったのは、実は、彼女らの敵である右派だった。その嚆矢はM.サッチャー英国首相であるが、彼女はそもそも、ガラスの天井という概念がなかっただろうと思う。 英国のこれまでの左寄りの政治政策は間違っていた、自分の信念こそが正しい,と信じて彼女は政治家になり、首相にまで上り詰めた。彼女は、英国初の～と言われることを嫌い、「I'm a primeminister that's all」と言っていたことは有名な話である。 こうしたサッチャーの信念は、おそらくは、和製サッチャーを公言していた高市首相もお持ちのことだと思う。高市氏にもまた、ガラスの天井の概念はないだろう。サッチャーと同じく、「私は首相なのです」という思いしか持っていないと思う。 高市氏に期待する勢力もまた、女性初の～という概念は少ないと思う。何事かを成し遂げる場合に、男も女もないのだ。つまり、ことさら”女であること”を強調したところで、あまり意味はない。 確かに、どこの国でも政治社会は基本的に男社会であり、そこで女性が頭角を表すことは至難の業であり、サッチャー女史や高市氏は並外れた能力を持ち、恐るべき努力をしたのだろう。 しかしだからといって、たとえば議会にクォータ制を導入すべきだとは思わない。そもそもこの制度はどちらかといえば、リベラル～サヨクが好む制度であるから、高市首相そのものが賛成しないだろう（むろん、サッチャー女史もそうだったと思う）。 話題が逸れたので、当初の男女共修問題に戻ろう。つまり大事なことは、男女は権利としては当然、平等ではあるが、男女差はきちんと認めなければいけない、ということだ。 リケジョという言葉があるが、それはつまり、そういう女性が少ないからこそそう言われるわけで、やはり頭脳の男女差は歴然としてある。それに対して、クォータ制を導入してまで抗うことは、やはり、やってはいけないことなのだ。能力ある男子をつぶすことになるから。 昭和の時代には3時の女子社員のお茶汲みといった悪習があった。当時から私は、それは悪習だと思っていた。お茶を飲みたければ、本人が自分でいれればいいだけのことだから。それは性差とは異次元の、慣習の問題。 こうした、昭和の悪習が減りつつあることは歓迎するが、かといってたとえば、子育て中社員などを優遇しすぎると、かつての資生堂のようなことになる。 つまり最初に立ち返るが、家庭科や技術科は男女共修とすべきだが、体育は男女別修のままにしておかなければならない、ということだ。 P.H.) 台湾では、トイレの共同化が社会善として認められ（反対派も根強いよくだが）ているらしい。日本でも一時、LGBTの観点からもkン台になったが、反対が多かったのか、今ではこのことを言う人はあまりみかけない。また台湾は、第二次産業が強く、大量の安定電力が必要なはずだが、脱原発を選択してしまい、再エネ重視としている。リベラルが強いと、あのような国になってしまうのだろう。 |