★銃器NGの自衛隊支援要請は無意味
過去には、自衛隊は害獣駆除のために、武器を使ったこともあったようだ（「戦車が2両。部隊は完全武装し…」ベテラン猟師を殺した“凶悪ヒグマ”の駆除に自衛隊が立てた作戦とは | 文春オンライン）。法的にも、「警察官がその場にいない場合、人の生命若しくは身体に危険を及ぼし、又は財産に重大な損害を及ぼす虞のある天災、事変、工作物の損壊、交通事故、危険物の爆発、狂犬、奔馬の類等の出現、極端な雑踏等危険な事態がある場合」には、駆除（射殺）ができるようだ。 本来は、橋下徹氏が言うように、クマの駆除は自治体・警察の仕事だと私も思う。現在は、自治体が民間団体に依頼して駆除しているわけだが、常識的に考えて、警察官にライフル銃を持たせて、警察で駆除をしてもらうべきだろう。 災害派遣で自衛隊が要請されるのは、自衛隊が本来、軍隊であり、自己完結した組織であるからだ。災害時には一般的にインフラが途絶しており、一定のインフラ利用ができることを前提とした警察、消防では対処が困難だからである。 クマの駆除の場合、インフラの問題はない。したがって、秋田県知事がいきなり自衛隊にそれを要請したのはやはり、お門違いというべきだろう。 ただ秋田県知事は当然、熊駆除のための過去の自衛隊出動の事実は知っていての要請だったと思われるので、「自衛隊さんにお願いしたのに、え、銃器使えんの？」とびっくりしているのではないだろうか。 そもそも銃器を持たない自衛隊が熊駆除をするくらいなら、武装した警察・自治体の方がよほど効率よく駆除できるだろうし、自衛隊の使い方としては、あまりに安易だと私も思う。 小泉防衛大臣の力量がさっそく試されるが・・・彼じゃあ・・・無理だろうなあ。かといって、総理が出てくるような場面でもないし。 | |||
★働いて、働いて、働いて、働いて
むろん当時は、早朝から働いたからといって、早く帰れるわけではなかった（さらに言えば、残業手当が出たわけでもない）。20世紀のことゆえ、月～土曜半ドンまで勤務し、さらには、4～5日に一回の当直業務もあった。さらには緊急呼び出し・手術、私の場合、お産まで担当していた。我ながら、よく働いたものだ、と思う。 医師がそれだけ働いていたのは、やはり医師は、患者管理の最終責任を負っているという、強烈な職業意識があったからだ。まさにnoblesse obligeを具現していた。医師がそれだけ働いていたからこそ、コメディカルもついてきてくれた、と言える。 言い換えると、医師免許を持っているというだけで、大して働いていない医師は、コメディカルからは煙たがられる、ということ。実際、爺医にはそういう人がかなりいて、ある病院では、たまたまそうした爺医の給料がばれてしまって、看護師が院長に抗議にいったこともあったらしい。 私の知り合いで夫婦で同族病院に勤務している医師sがいるが、妻の方は働かないどころか、中途半端に働くと周囲が大迷惑を被るのだが、夫の方は通常の医師の2倍以上働くので、結局二人トータルで、だいたい給料もトントンで、誰も文句は言わない、という例がある。 基本的に医師の世界は、大体上位2割は給料分以上働き、6割がトントン、2割は給料分働かない（医師免許に胡坐をかいている）状況であり、上位2割の医師が、医師の世間的地位を保っている、と言える。言い換えると、それだけ責任ある仕事とは、その程度しかないわけで、その程度の医師数で賄えるのである。医療の世界でいかに無駄が多いかおわかりだろう。 また、コメディカルにおいても、おそらくは1割程度は給料分の何倍も働き、彼・彼女の働きは、少なくとも下位2割の医師よりははるかに大きいと言える。 要するに医療の世界では、資格にとらわれずに、誰が本当に働いて病院を支えているのかという評価がきちんとなされる必要がある。 話がだいぶ逸れてしまったが、要するに大事なことは、「地上の星」をきちんと見極め、そうした人たちには、それなりの待遇、評価、ポジションを与えることである。 ここで大事なことは、こうした「地上の星」たちは、カネ目的であることはあまりないだろう、ということ。むろん、カネになるのなら、働いて、働いて、働いて、働いて、犯罪以外は何でもやる、という人間は存在するが、私はそういう人は「地上の星」には入れない。 「地上の星」たちが一番に求めることはやはり、「仕事のやりがい」であると思う。高市総理が、働いて、働いて、働いて、働いて、と宣言し、現に実行しているのは、彼女が、自身の信念にもとづいて、日本を良い国にしたい、国民生活を向上させたい、という強烈な思いがあるからである。その意味において、彼女にはとても及ばないが、私自身も、患者のために、同じ思いで働いているつもりである。 ●滅私奉公との違い こうして、働いて、働いて、働いて、働いて、いる「地上の星」はあまたいるが、ここで大事なことは、こうした激しい働き方が、本人の意思に基づいてもののであるか、ということ。 世情、”滅私奉公”なる言葉があるが、それは文字通り、私を犠牲にして、働くことを意味する。こうした点において、働いて、働いて、働いて、働いて、と何ら変わらないように見える。 だが、働いて、働いて、働いて、働いて、と”滅私奉公”との間には大きな違いがある。それは自発性の有無、である。当然のことながら、前者にはそれがあり、後者にはない。 実はこのことは、労働コンサルタントの海老原嗣生氏がつとに訴えていることなのであるが、彼がそれを言わねばならないほどに、この区別が特に日本においては、ついていない。 たとえば、某カトリック系の大学病院では、キリスト教の奉仕精神と日本的”滅私奉公”がごっちゃにされ、サービス残業がまかりとおっていた（大きく報道されたので、ご存じの人も多いだろう）。 本来キリスト教では、無償奉仕が重要視されている。特にカトリック教会は、修道会活動などで、昔から、世界中で広くこれが行われている。マザーテレサのインドでの活躍などが、その最たる例である。 この人たちは、当然無報酬での活動ではあるのだが、もうひとつ重要な点は、それを本人たちが是としていることである。つまり、自発的に無償奉仕を行っている。 日本におけるサービス残業とはしたがってこれは、対極的なやり方である。それが某病院ではごっちゃになって、キリスト教の愛の奉仕方針＝サービス残業、となっていたのだ。 ●労働意思を無視した働き方改革 日本で今問題なのは、働いて、働いて、働いて、働いて、と”滅私奉公”的労働が区別されることなく、ごっちゃになって、働き方改革が行われていることである。 高市内閣が唱える、労働規制緩和問題は、実は、このことが関係している。つまり、労働規制はあくまでも、”サービス残業”的に働く人の労働環境を改善するわけだが、それは自発的に働く人、働いて、働いて、働いて、働いて、の人に適用されるべきではない、ということを言っているわけだ。 だがこの説明は、高市首相をもってしてもきわめて困難であり、残念ながら、この緩和措置は撤回したようだ。 高市自民党総裁が、働いて、働いて、働いて、働いて、と発言した時、サヨクは揚げ足取りに励んだが、やはり、自主的にどんどん働きたいという人たちの労働環境、つまり働きたい改革もまた重要なのである。 もともとサヨク思想は、結果平等主義であり、他人より一生懸命働いてよりよい生活をしよう、という人たちの足を引っ張ってきた。たとえばロシア革命後には、クラークと呼ばれる富農が攻撃の対象となったが、彼らは、他人よりも能力と労働意思が高かったがゆえに富農となっていたわけである。だがレーニンはそうした個人間の資質の差を許さず、万人が貧農と同じレベルであるべきだ、と考えた。そして、クラークらから取り上げた資産を貧農に平等に分配すれば、世の中が良くなる、と考えたのだ。のちにスターリンによって行われた農業共同化も同じ発想である。要するに、左翼思想は、一番労働能力・意思の低い人間に、社会のすべてを合わせたのである。 きわめて興味深いことに、当時の錚々たる知識人はこのおかしな思想に同調した。はっきりと異を唱えたのは、私の知る限り、ハイエクのみである。さらには、ハイエク的発想で世界恐慌にあたったフーバー米大統領の政策がうまくいかなかったことも、こうした世界情勢に拍車をかけた。 こうした、レーニンやスターリンの思想を受け継いだサヨクの労働観は、当然のことながら、カトリック的労働観（人はいやいや働く）となる。一番労働能力・意欲が低い人間（要するに高市首相とは正反対の人）に社会を合わせたのだから、当然のことである。 日本も、昭和時代に比べれば、ネットの発達等によって、戦後社会を席捲した左翼思想からはだいぶ改善されてはきたが、高市首相の労働観がなかなか理解されないところを見ると、まだまだサヨク思想は根強いと言わざるを得ない。さすがに、露骨なサヨク思想は排除されるようにはなったが、このような、背後にサヨクがいるような思想（カトリック的労働観）はまだまだ残っているのだ。 日本ももう一歩、前進してほしいものだ。 | |||
★文系学生を減らすことについて
 上図を見ると、理系学生数は変わらず、専門学生が若干増、そして、文系学生が大幅減、となっている。 今から10年前に、文系不要論が言われたことがあった。私は、おおむねこの意見には賛成だった。 そもそも外国語学部や法学部はさておいて、文学部や経済学部なんか、こんなにたくさん必要なのだろうか？とは常々、思っていた。ゼロにしろとは言わないが、たくさんは要らないだろう。本当に優秀な、将来研究者になれるくらいの頭がある人間だけを入学させればよいのではないか、と今も思う。 そもそも、学問をしたくて、あるいは将来も学問を続けたくて文系学部に入学する学生なんて、何割いるのか？多くは（私もそうだったが）、数学が苦手で、理系に行けない人のたまり場になっているのではないか？ そして、文系学生（おそらく総合学科も）は、大学であまり勉強らしい勉強をすることもなく、社会人になる。大学で身に着ける知識は、アルバイトなどの経験などが主体である。ほとんどの学生は、試験前に若干の知識を詰め込むだけで、あとは全部忘れて、何も学問をしないままに卒業する。 私が文系学生だった、今から40年以上前は、本当にひどい状況だった。たとえば、経済学部には未だにマル経（若い人、何のことかわかります？）が幅を効かせており、近経は近経で、本来は偏微分方程式などの数学を駆使する学問なのに、入試では数学がなく、微積も満足に理解していない学生相手に講義をしていた。 多くの文系学生は、大学ブランドを得ることを目的に入学していたのだ。実際今でも、Fランク大学はほとんどが文系である。 企業側も、文系学生には、専門知識はまったくと言っていいほど、期待していない。多少は役に立ちそうな知識を持っている者は、法学部出身者だろうが、新卒者が企業法規部にどしどし就職するわけではない。そもそもそうしたニーズが少数だし、せいぜいそれが可能なのは、法科大学院卒業生くらいだろう。彼らとて、本来の目標は司法試験合格なのであり、就職組はドロップアウト組であると言える。 文系学生は結局、企業の営業要員として就職する。そしてAIの発達などで、そうしたニーズが減っているわけだ。 文科省がこんな案を打ち出すのは、結局やはり、文系学生はいらないとは言わないが、こんなにはいらない、と言っているということだ。つまり現在入学している文系学生の半分以上はいらない、ということだ。 その削減はおそらく一律ではなく、文学部、家政学部、経済学部が標的となるだろう。なぜならこうした学部はやはりこんなにはいらないから。 人口減となり、やっと日本の大学教育も、本来のあり方になってきたと言えよう。 大学の大衆化が叫ばれて久しいが、大学とは専門教育（幅広いリベラルアーツも含めて）の場であるわけで、そもそも、大衆化した専門教育という概念が矛盾しているのだ。特に文系の専門家は、つぶしが効かない分、よりニーズが少ないわけだから、大衆化すること自体、ありえないわけ。 むろん、文系内で選別が行われるのと同時に、理系内での選別も今後は行われるだろう。たとえば、工学部は増えるが、理学部は減っていくと思われる。また、医療の高度化に伴い、医療系有資格者は、専門学校卒から大卒へとシフトするだろう。 | |||
★暫定税率廃止をどうソフトランディングさせるか
ただやはり民主主義政治である以上、言葉は悪いが、飴と鞭は使い分けなければならない。もともと三党合意事項でもあったわけで、今回の維新との連立においてもその条件に入っていたわけで、こればかりは政策として、おこなわなければならない。 さらには、もともと”暫定”だった財源なのだから、廃止すること自体は筋が通ってはいる。今年中にそれが実現できれば、ガソリン価格が25円下がり、軽油も下がれば、国民生活には大きな恩恵となるだろう。 そして、どうせやるならスピーディがいい。 しかし、その廃止で巨額な歳入欠損が生じるわけで、だからこそ与党は廃止に反対してきたわけで、これがソフトランディングできるかどうかが、高市政権の真価がまずは問われることになる。 野党は前回参院選で、減税や手取りを増やす（社会保険料を減らす）ことを主張していたが、そうすれば当然のことながら、歳入欠損が生じるわけだから、そうそう簡単にはできない（だからこそ、与党は減税はせずに給付金にしたわけだが、その真意は残念ながら、有権者には理解されなかった）。 デフレの頃なら、国債をバンバン発行し、買いオペでそれを吸収することで金融緩和となるが、アベノミクスの頃と違い、今はそれが難しい。さらには玉川氏も言う通り、円安が物価高の一因になっており、いくら高市氏が安倍政治を継承するからといって、アベノミクスの手法はもはや取れない。 結局、減税分はどこからか増税で取ってこなければいけないわけで、そうなると基本的には、富裕層からということになり、リベラル、サヨク的な政策を取らざるを得ず、高市政権とは矛盾することになる。 また、社会保険料を減らすについては、当然のことながら、給付を減らさなければいけないわけで、年金給付のそれは困難なので、医療給付を減らすことを真剣に考えるべきだろう。 とりあえず今は、美容目的に転用されているヒルドイドがOTCへの対象となっているが、こうしたことを地道に進めて、相当反発はあるだろうが、医療費は削減していくしかない。少し前まで、維新の猪瀬直樹氏がそれを盛んに訴えていたが、維新もトーンダウンしたのか？
下の方の図にこれまでの販売台数があるが、確かに、当初は売れていた。しかし、2024年に入ってから売れなくなった。さらには中古車が出回っているという。 要するに結論を言えば、日本では何をやっても結局、EVは売れない、ということ。 私が不思議でたまらないのは、なぜサクラが失敗しているにもかかわらず、またもは軽EVを売り出そうとするのか、ということ。専門家がおそらくは十分なマーケットリサーチはしているであろうはずなのに。 サクラは、外観、内装、使い心地などからすると、クルマとしての出来はよい、とされている。そして日本人は軽自動車に対するニーズは大きいし、よいクルマを作れば、EVは普及すると日産は読んだのだ。 だが売れていないのは結局、高級車だろうが軽だろうが、EVそのものを、少なくとも日本人は受け入れないのだ。サクラがそれを証明した。 なのに、またも新たな軽EVを出すという。なぜ売れないのがわからないのだろう。 サクラを研究し尽くして、売れない理由を探り出して、そこを改良したというのなら、まだわかる。しかし、記事から判断する限り、そのような感じはない。 おそらく、ＢＹＤならばこそ可能な唯一の利点は、サクラよりも安い販売価格でだいたい同じ性能のクルマが作れることだろう。しかし、そうしたクルマであっても、日本政府からの補助金は行くわけで、そうなると、外国企業を儲けるために私たちの税金が使われることになる。納得できない。 少なくとも外国企業のクルマであれば、補助金をなくすことはできないのだろうか？ | |||
| ★政治と”カネ”か、政治とお金”か
政治と”カネ”の問題が言われる。いつも気になっていたのだが、これは”カネ”ではなく、”お金”ではいけないのか。つまり、政治とお金の問題である、となぜ誰も言わないのか？
日本語では、”お金”と書けば「おかね」と読むが、”金”と書くと、一般的には「かね」よりも「きん」と呼ばれる。つまり。”金”という漢字にはmoneyとgoldのまったく異なる２つの意味合いがあって、ややこしい。 そのために、moneyの意味合いでは、”おカネ”と表記されることも多い。無論、”お金”と書けば、これを「ｵｷﾝ」と読む人はいないので、それでも問題はないのだが、問題は、日本語には、尊敬や丁寧の意味合いで、”お”をつける慣習があることだ。 尻→お尻、子供→お子様、見事！→お見事！、達者で→お達者で、住まい→お住まい、山→お山、飲み物→お飲み物、ちんちん→おちんちん、など、いろいろある。昔、北関東地方では、尊敬を込めて、蚕のことをお蚕様と言っていた。 さらには日本語には男言葉と女言葉がある。英語のＩに当たる日本語が多いことは有名だが、たとえば、”ぼく”や”俺”、”あっし”などは男言葉であり、”あたし”や”あたい”は女言葉（ないしはおかま）である。 そして、”お”という接頭語は基本的には女性がよく使いがちである。たとえば、女性は”尻”とは言わず、ほぼ必ず”お尻”と言う。ただ、男もまた”お尻”とは言う。また、主として子供向けだが、女性は絶対に”ちんちん”とは言わず、必ず”おちんちん”と言う。 実は”カネ”、”おカネ”もまた、使い方に男女差がある。すなわち、女性はまず”カネ”とは言わず、通常、”おカネ”と言う。逆に男はどちらも使うが、状況で微妙に使い分けることが多い。 たとえば「私にはおカネがありませんからねえ」と言うのと「俺はカネがねえからなあ」では、だいぶ雰囲気が異なる。そして絶対に女性が後者のように言うことはない。 つまり女性は本来、”カネ”とは言わない。”お金”という。まあ言わないこともないこともないが、その場合、かなり特殊な意味合いとなる。 たとえば、「私、お金ないから・・・」と通常女性はいうが、「うち、カネあらへんから」などとも言う。後者はしかし、相当くだけた表現である。 興味深いことにしかし、たとえばアナウンサーは女性であっても、必ず「政治と”カネ”」の問題という。絶対に、「政治とおカネ”」の問題とは言わない。これはなぜなのだろうか？ 正直、女性アナウンサーが”カネ”という言葉を使っていることに、私は個人的にはうざく感じていた。この単語には、やはり女性は”お”の接頭語をつけるべきでは？と思っていた。 だがでは、「政治と”おカネ”」の問題と言えばいいかというと、そうも言えない。こう言ってしまうと、問題の本質がボケるような感じを受けてしまうのだ。つまり、あいつ、カネもらってんだろ！的な問題の本質が、”お”がつくと、あまりにやさしくなってしまう。 それは、”カネ”と”お金”では同じmoneyであっても、意味合いがかなり違うから。前者の場合、massとしてのmoneyだが、後者の場合は、私たちのお財布（お、ここにも”お”が！）に入っている身近で現局したmoneyの意味合いになってしまうのだ。 だからこそマスコミは、問題の本質をぼやけさせないために、問題を矮小化させないために、女性アナにもあえて”カネ”と言わせているのだろう。 ●高市首相は「政治と”お金”」と言っている では、女性である高市首相はこの問題をどう言っているだろうか？実は彼女は、”カネ”ではなく”お金”と言っている。答弁なので、文字はわからないが、私は、彼女は”カネ”ではなく”金（かね）”の表記を念頭に言っていると思う。 それは”カネ”があまりに卑しい表現であり、彼女は、自民党の人間でもあるので、そうした表現はやはり避けたいのではないか、と思うから。 たとえば、「政治と”カネ”」と「政治と”金”」ではやはり、読み方の問題もあるが、かなりニュアンスは異なる。彼女はあえてそれに、”お”をつけることで、問題自体の沈静化を図っているように思う。マスコミにはあえて逆らって。 実際問題、「政治と”カネ”」とよく表記されるが、「政治と”金”」と表記されることはあまりない。たとえば「政治と金」と検索しても、「政治とカネ」ばかりがヒットする。 これは無論、”金”では”きん”と読まれかねないから、問題の本質からずれるためであろうが、”カネ”という言い方と表記は一番、問題を悪質化しており、だからこそ、もともとは反権力であるマスコミが、この言い方、表記をあえて使っており、高市首相は、彼女なりにさりげなく、こうしたマスコミの風潮に対抗しているのだろう。 | |||
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★内閣支持率と政党支持率の関係について
たとえば、歴代最高内閣支持率を誇った小泉内閣発足当初でも、自民党の支持率はmax40％程度であった（下の方の図を参照）。第二次安倍内閣発足時も同様である。 一般的に、政党支持率は内閣支持率に連動するので、首相の人気が落ちると、前者も低下する。たとえば森内閣末期には、内閣支持率が10％まで落ち込んだが、党支持率もまた、20％まで落ちている。 そして党の顔が代わると、内閣支持率は急上昇する（森内閣10％→小泉内閣80％以上）が、政党支持率は、上がるにしても、さほどには上がらないのである。 要するに、党の顔の支持率が急上昇しても、党の支持率そのものはそのようなことはないのが常、なのだ。 重要なことは、内閣でも党でも、”発足時”ではなく、”発足後”の支持率である。 一般的には、内閣支持率は、いかに長期政権でも長期低落傾向にある。しかし、党支持率は、短命政権が続いても、かえってあまり落ちることはないたとえば、小泉内閣後に第一次安倍、福田、麻生と短命政権が続いたが、党支持率は、麻生内閣途中までは、30％キープしていた。 つまり内閣支持率とは異なり、党支持率にはバッファーが効いて、簡単には下がらず、かつ簡単には上がらないのである（ただし、民主党政権自体は例外で、首相が代わるたびに内閣支持率は乱高下したが、党支持率は着実に落ちていった）。 ●参政党との関係について 確かに、高市政権発足後においても、。地方選レベルなどにおける参政党の勢いは強い。私の住まい地域でも最近、市議選が行われたが、参政党候補が上位で当選していた。 その象徴が宮城県知事選の結果であろうが、これはしかし、昭恵夫人の問題もあるかもしれないが、マスコミ出身者への親和性、村井知事の長期政権化が大きいのではないか？ 高市首相が、松下政経塾の関係で村井知事を応援したことで、「高市首相 vs. 昭恵夫人の戦い」などと記事には書かれているが、少し煽りすぎではないか？ 確かに参政党は地方で頑張ってはいるが、政党支持率自体は下がっている。高市首相の思想・信条と参政党はかなりバッティングしているのだから、やはりこうなるのが自然だろう。つまり、参政党は次の総選挙では、ある程度の勢力を確保はするだろうが、躍進、というほどのことにはならないと私は思う。 宮城県知事選で問題にするとすれば、参政党の躍進よりも、立民の凋落だろう。 現在、少なくともネットにおいては、立民の評判がどんどん落ちている。高市内閣の影響で、世論全体が右シフトしたために、そもそも立民から左の存在は、世間から忘れられつつあるのだ。 自民党よりも、立民こそが、宮城県知事選結果を大いに猛省すべきだろう。 ●原始、自民党支持率は高かった そもそも、５５年体制が発足後しばらくは、内閣支持率よりも自民党支持率の方が高かった。 この傾向は、平成に入って、たとえば自民党が単独では参議院で過半数を取れなくなった頃でも、続いていた。逆転傾向となったのは、１９９３年に自民党が下野した時で、当然のことながら、細川内閣が６０～７０％の高い支持率を得る反面、自民党の支持率は３０％以下に沈んだ。 以後しばらくは、内閣支持率≒自民党支持率の時代が続いた。橋本内閣時代はまさにそうであり、次の小渕内閣時代にはやや内閣支持率が自民党支持率を上回るようになった。つまりこの内閣で、内閣と政党支持率は逆転したのである。 その後、不人気だった森内閣では、再度自民党支持率＞内閣支持率となったが、次の小泉内閣で、パラダイムシフトが起きた。すなわち、内閣支持率>>自民党支持率となり、以後、この傾向が現在まで続くのである。 こうした傾向は、長期政権となった小泉内閣、安倍内閣の両者を見るとよくわかる。いずれもほぼずっと内閣支持率＞党支持率となっており、かつ、自民党支持率は４０％を超えることがほぼなくなった（中曽根内閣では、常に5割近かった）。 このように、様々な角度から検討して、、高い支持率を誇る高市内閣において、党支持率が上がらないことは、特に問題はないと言える。 自民党には、岩盤支持層があるのだが、それがだいたい３０％台の支持率となって現れる。言い換えると、党支持率３０％を切った時期が、自民党が（そして日本が）やばかった時期と重なる。 党支持率はほぼ初めて３０％を切ったのが、まさに自民党が野党になった時であるが、その後、橋本内閣末期（消費税増税）、森内閣、そして２００９年の政権交代期が相当する。ちなみに、あまり保守からは評判が良くなかった岸田～石破内閣時においても、党支持率はほぼ３０％はキープしている。 ●今後の高市内閣の支持率推移 前記のように、どんなに人気があった内閣でも、期間が経てば、その支持率は必ず下がっていくので、高市内閣も当然そうなるだろうが、これまでの長期政権を見ても、４０～５０％台の内閣支持率を維持できれば、選挙に負けることなく、長期政権を維持できるだろう。この点においては、高市内閣は、不安はない。 党支持率については、自民党岩盤支持層の３０％は、現時点で、ほぼ１００％、高市内閣を支持しているので、過去の長期政権例を見ても、それにプラス１０％増を確保すれば十分である。小泉政権でも、安倍政権でも、その支持率は４０％超えることはなかったのだから。つまり、現在の党支持率の維持ができれば、内閣支持率さえ高めに維持できれば、十分に長期政権は可能なのだ。 民主主義社会では、国民の過半数の支持が期待できるコアがあれば、維持される。ドイツはそれがないから常に政権が不安定で、脱原発といったあらぬ方向に向かっているし（かつ右派が台頭）、米国では過半数ぎりぎりの二大政党が右往左往しているから、世論が二分された状態になっている。英国も二大政党制ではあるが、各政党の政策がかなり変わることで、国家を維持している。それでも、EU離脱やトラスショックのような誤りを犯す。フランスも大統領制だが、米国よりも強い権限を持ち、コアビタシオンのバランスを取っている。韓国は大統領権限が強すぎて、ほぼ独裁国家と変わらない。 こうしてみると、日本はしょっちゅう国のトップが変わって不安定な国のように見えるが、実は一番政治的バランスが取れている国なのだ。 日本の政治制度の欠点は、昭和時代に健全な野党が育たなかったこと、新進党があと一歩自民党に及ばず,政権が取れなかったこと、昭和よりはましだが,いまだに自民党に代わる野党が育っていないこと、である。 基本的には、比例代表制を廃止していき、高市保守と玉木準保守程度の二大政党制に収斂させて、立民より左を政界より追い出すことが、今後の日本政治に求められることであろう。 | |||
| ■女性は”無能力”の意味-”無能”ではない |