■さっそくパートナー探しですか、公明党さん！
公明党の場合は特に、自民党へ依存したままの選挙で26年間闘ってきたので、もはや、共産党、れいわのように、単独での選挙はできない体質となっている。早急に組む相手を探す必要があった。 それが立民。これぞぴったり！政治信条は、少なくとも自民党よりは親和性が高い。自・公よりは立・公の方が間違いなく、よきパートナーになれる。 立民にとっても、公明党と組むことには利がある。同党は、現在148議席を持っているが、実はこれは、2024年の衆院選において、自民党が、 したがって、次の衆院選では間違いなく議席は減るので、同党としては、かつての自民党のような麻薬が欲しい。各選挙区２～３万票とも言われる麻薬が。 つまり立民、公民両党はまさに、選挙協力をすることがwin winなのである。 立民はかつて、共産党と選挙協力をしてきた。それはそれなりには成果はあったが、しょせんは、大勢には無勢に近かった。また、イデオロギーの違いに目をつぶるという副作用が大きかった（それは今においても尾を引いている）。 公明党ならば、イデオロギーの問題はなく、共闘相手としては申し分ない。 なお公明党は、人物本位だのテキトーなことを言っているが、こうしたごまかしは、もう聞き飽きた。何せ、自民党と別れた時にも、「高市総裁とは無関係」などと、うそを言い放ったんだから（あとからそれを認めた）。公明党の声明は、所詮は、引かれ者の小唄に過ぎない。 私は、次の総選挙は、野党にとっては、2012年並みの恐ろしい結果になると思う。つまり、自民党圧勝である。またおそらくは、参政党は参政党で今よりも相当議席を増やすだろう。なにせ、宮城県知事選で、あそこまで現職に迫ったんだから。また、日本保守党も増えるだろう。 要は、保守の圧勝になる。 実は、今年の参院選では、保守は決して負けてはいなかったのだ。立民は議席は増えず、共産党は議席を減らし、れいわも振るわなかった。また前述のように、24年の総選挙では立民は148議席を獲得しているが、それは、発足間もない、人気のなかった石破内閣で、しかも自民党では、裏金問題が尾を引いていた。 こうした、サヨクに不利な流れは、次の総選挙では加速しよう。したがって立民としては、公明票は喉から手が出るほど、欲しいはずだ。 だが、今回の参院選でもわかるように、公明党の組織力は近年大幅に落ちている。したがって、立民には大した補助勢力にもなるまい。 P.S.実を言えば、安保関連法が国会提出された2015年には、立民はまだなかった。当時はまだ民主党だった。それが2016年に民進党になり、2017年に立民になった。 したがって、「あれ（安保関連法違憲）は民主党の主張であり、立民のそれではない」と枝野氏は言いたかったのだろう。。 また国民民主にしても、2018年に誕生した当時はまだ、今の玉木体制ではなく、やや左寄りだった。実際、2019年には野党が共闘して、安保法制実質廃止へ、と向かっている（安保法制を実質上廃止へ 平和安全法制整備法・国際平和支援法廃止案を野党共同で提出 - 旧・国民民主党 （2018年5月〜2020年9月））。 つまり、玉木代表が、昔を思い出して、もう少し立民に歩み寄っていれば、玉木首相となる可能性は十分にあったと言える。 国民は、こうしたイデオロギー的側面はよくわからないので特に批判はなく、自民党が面舵を思いっきり取ったことに対抗して、玉木氏が若干の取り舵を取れば、日本は石破内閣よりもやや左に寄った内閣が誕生していた可能性は大いにある。 ただ無論それは、日本を破滅に向かわせる道だったのではあるが・・・ | |
■だから言わんこっちゃないー共産党と枝野幸男
当然のことながら、玉木代表は立民に、厳しい条件を突きつけた。それは要は、立民の国民民主党化であった。 立民も無論、変わろうとはした。安保関連法は全部が違憲なのではない、違憲の部分は一部なのだ、という詭弁からさらに、違憲部分はないのだ、という詭弁をおこない、したがって、安保関連法についての党の意見は国民民主と変わらないのだよ、とまで歩み寄った。 しかしながら、それは当然のことながら、無理に無理を重ねた詭弁だった。党の執行部はまだそれを認めたが、一般議員はそうはいかず、小西のような、民主党左派はそれを認めなかった。とてもじゃあないが、党全体をまとめることはできなかった。 さらに、左から強烈なパンチが来た。共産党からの批判である。 共産党の言い分はもっともである。元来、立民は安保関連法すべてが確かに違憲であり、廃止すべきだ、と主張していたわけだから。 これには伏線がある。枝野代表時代、立民は相当に取り舵を切っていた。共産、れいわ、社民と共闘をし、山口二郎を通して、あいまいではあったが、共通政策まで作っていた。 つまり共産党からすれば、「枝野さんよ、あの四党共闘は何だったんかい？｝ということになる。当たり前のことだ。 立民にも確かにまともな人はいるわけだから、そうした人はもう、泥船から逃げ出して、国民民主に入った方がいい。あるいはそれが無理なら、国民民主と新党を作ればいい。 次の総選挙では、高市内閣が圧勝するだろうが、”確かな野党”はやはり必要である。今後、比例区が縮小、廃止ということになれば、日本は二大政党制に近づいていく。その時に必要なのが、健全なリベラル野党の存在である。 サヨクには今後白色矮星となってもらい、自民・維新・賛成v.s.新党・公明の二大政党制が今後の日本には必要になるだろう。 | |
■橋下氏はコメンテーターから撤退しなさい
橋下氏ほどの人間が、このご両人の思想を知らないでブレーンにしたとは思えないので、そもそも、橋下氏自身が、弁護士ということもあってか、少なくとも純系保守の人間ではないだろう。当然のことながら、高市首相とは、根本から合わない（安倍元首相とは、気脈を通じていたが、それは性格的にウマが合ったということだったのだろう）。 橋下氏のこれまでの言動を見ても、脱原発から始まって、ウクライナ戦争では、ウクライナの戦争放棄を訴えたり、最近の高市内閣への発言を見ても、やはり彼は純系保守ではない。 ●創業者の意見はとてつもなく強い 基本的に、組織の創業者は、本人がそれを意図しようとしまいと、組織への影響力はとてつもなく強い。ゼロから組織を作り上げたエネルギーについては、後から組織に入った人たちは、どうしても、一定の敬意を支払わざるを得ないのだ。それに賛成だろうが反対だろうが。 組織創業者も多くは、そうした事実をよく知悉している。そのために多くの創業者らは、、組織の状況にあった言動をしているものと思われる。 たとえば、大日本帝国を作った明治の元勲・元老は明治国家に強い影響力を及ぼしていた。おそらく彼らが独裁国家を目指せば、その影響力でもって、それは可能だったことだろう。 たとえば、初代首相となった伊藤博文は、天皇を傀儡とさせれば、自らが天皇の名代という形で、天皇の権威を使って、独裁政権を作ることは十分可能だった。 だが彼はそういう思想を持たなかった。それは日本にとって僥倖だった。実際伊藤は、４度にわたって内閣総理大臣となったが、それぞれの組閣期間はさほど長くはなく、独裁にはほど遠いものだった。 明治の元老が、伊藤以外でも、短期政権で終わったために、日本は独裁国家とならずに済んだ。彼ら元老は逆に、その影響力の強さを武器にして、日本がおかしな方向にいかないように、陰で日本を支えていたのだ。 より卑近な例では、ナベツネが亡くなってからの読売新聞の左傾化がある。ナベツネは読売の中興の祖であるから、ある意味創業者のような存在であり、同紙に強い影響力を持っていた。彼の場合は、読売がマスゴミにならないよう、自らの影響力を使って、監視していたのである。 逆に、ジャパネットたかたの創業者の高田明氏は、会社を息子に継がせた後は、まったく新しい分野にチャレンジをして、一切の口を挟まなかった。彼の場合、創業者の影響力の大きさをやはり知悉していたがために、何も言わないのである。 ●あまり利口ではない創業者、橋下徹 こうした歴史的偉人たちと比べると、橋下氏のふるまいは中途半端である。組織からは名目上は離れており、本人もそれを意識はしているが、なまじコメンテーターをやっているがゆえに、つい、古巣へのいちゃもんを言ってしまう。 彼自身は、本人も言う通り、維新の会をどうこうするつもりはないのだろうが、口を挟めば、本人の意向にかかわりなく、影響力を及ぼさざるを得ない。 だから、橋下氏が真に利口ならば、コメンテーターをやめるか、維新の会にかかわるような発言は一切しないこと、である。だがそれができないので、橋下氏は組織創業者としては失格である、と私は思う。 | |
★働き方改革v.s.働きたい改革
この記事によれば、2014年に「過労死等防止対策推進法」が制定されたが、過労死は減っていないという。 たとえば、週労働時60時間以上の雇用者の割合は、確実に減少している。つまり、働き方改革自体は順調に進んでいる（下図）。  過労自殺における長時間労働とその背景要因について | 労働安全衛生総合研究所 これに対して、過労死数は逆に、増加している。  過労死等の請求が4,800件超で過去最多を更新―2024年度労災補償状況｜社会保険研究所 この結果はすなわち、働き方改革で労働時間を短くなった人が増えても、過労死は減るどころかむしろ増えていることを示している。つまり、労働時間の短縮、すなわち働き方改革は、過労死減少にはまったく効果がなかったのである。 なぜだろうか？ 働き方改革の推進者は、 実はAIを含めたこうした見方にはある前提がある。要するに、働くことはつらく、苦しいものだ、という考え。カトリック的労働観。 人間誰しも、いやなことやつらいことはしたくない。するにしても、できるだけ短時間で済ませたいと思う。できれば残業などやりたくはない（サービス残業は別概念）。 働き方改革は、こうしたカトリック的労働観からなされており、労働＝苦痛であるという前提があったのである。 ●仕事大好き人間は過労死しない 過労死ラインなどという概念もまた、こうした労働観から生まれた。いやなことを一定時間押し付けられれば、人は過労で死ぬのだ、ということのようだ。 しかしながら、世の中は実は、労働嫌いの人ばかりではない。中には働くことに無上の喜びを感じる人もいるのだ（働いて×４とおっしゃった方のように）。労働は苦痛ではなく、真逆の喜び。そういう風に考えるひとも、実は多数いる。これは、労働を神からの召命と考える、プロテスタント的労働観である。 こうした人たちには、基本的には過労死という概念がない。過労死ラインなども無意味である。なぜなら、こういう人たちは働くことが大好きだから。労働が苦でなければ、”過労”にはならないわけだ。人間、好きなことをしていれば、それがストレスになることはないのであるから。 たとえば、オーケストラのプロの団員は、演奏することが苦痛であることはまずあるまい。だいたいが、演奏することが好きでプロになった（なれた）のであろうから。 むろん、良い演奏をするためには、過酷な練習が必須ではあるが、オーケストラで良い演奏をしたいという目標があれば、それが苦痛でたまらないということはあるまい。 また、オーケストラの団員ではなく、マネージメント的な仕事をしている人もまた、それが苦痛でたまらないということはあまりないはずである。そもそも音楽に関係する仕事が好きでオーケストラに所属しているであろうから。 このように、仕事が楽しい人、好きな人、趣味の延長のようにしている人は、世の中にはたくさんいるのだが、働き方改革は、こうした、好きで働いている人の存在を無視して、単純に労働時間短縮を狙ったのである。 ●働きたい改革の必要性 働き方改革は実は、こうした「働きたい人」の労働意欲・時間を削いでしまった。それが世に与えたマイナスはきわめて大きい。 たとえば、医師の働き方改革と称して、研修医の労働環境は一見、改善された。当直回数は減らされ（場合によっては当直フリー）、勤務時間も9時5時になった。 だが、研修医は基本的には、働くのが好きな人、だと思う（当然私もそうだった）。なぜなら、今後の医師活動をするにおいては、初期研修で一生懸命働いて、たくさんのことを学ばなければいけないからである。世の中からの観点でも、研修医には大いに働いてもらわなければならないはず。 だが、現在のような、働き方改革主体の研修制度では、それもままならない。働きたい人には規制の投網がかぶされて、思うような研修ができないし、ひいてはそれは、日本の将来の医療水準にも関わってくる。 つまり、本来働き方改革は、カトリック的に働いている人だけに行うべきであり、プロテスタント的に働いている人は、そこから除外すべき、すなわち逆に、「働きたい改革」を行うべきなのだ。 | |
★大事なことは、支持率の”維持”
実は歴代内閣支持率を見ると、とんでもないことがわかる。つまり、歴代最低内閣だった鳩山内閣の支持率が何と、小泉内閣についで、歴代2位だったのである（下図）。  このどうしようもない内閣を、その発足当時には、なんと、国民の8割近くが、今の高市内閣以上に支持していたのだ。 当時は55年体制を破壊する初の本格的政権交代、と謳われ、それが高い支持率となって現れたのだ。 しかしながら、その支持率は急落する。上図を見ると、その低下速度は歴代最高！である。これほど短期間に支持率が急落した内閣は、他にない。 そして上図から言えることは、どんな内閣kでも支持率は低下していくが、やはり長期間続いた内閣は、それが一定のところで下げ止まるということ。つまり、小泉純一郎、安倍晋三には３～４割の岩盤支持層があり、彼らが、どんな状況でも内閣を支持し続けたために、内閣は長持ちしたのだ。 したがって大事なことは、組閣当初の支持率ではなく、岩盤支持層があるかどうか、ということになる。 鳩山内閣の場合、そうした岩盤はなく、単に、流行の上昇気流に乗っての、凧内閣だった。したがって、上昇気流がやむと、すぐに馬脚を露す結果となり、その内閣支持率は急落した。 対照的に、高市内閣では、「強く支持する」層が3割ほどあるという。つまり、安倍内閣を支持していた保守岩盤層がそのまま、高市内閣を支持しているわけである。 これは強い。 高市内閣はおそらくは、長続きすると思う。その根拠が、この強い岩盤支持層である。 要するに、組閣直後の内閣支持率はあまりあてにはならない。大事なことは、支持をどれだけ維持に繋げられるか、ということなのだ。 | |
| ★共産主義とEV
共産主義は、生まれた当初は大きな期待を持って世界に迎えられた。折からの世界恐慌で、資本主義はもうダメなのだ、それに比べてソ連を見てごらん、とばかり、世界中が共産主義を礼賛した。バーナード・ショーやアンドレ・ジッドのような世界的識者さえもが、共産主義に魅了されていた。これが世界理性の第一のあやまち。 さてそれに対抗して出てきたのがナチズムだった。それはドイツで生まれたために、英国にはより脅威に映った。 英国・チャーチルは、判断に迫られた。ファシズムを取るかコミュニズムを取るか。チャーチルは後者を選んだ。つまり、ファシズムに対抗するために、彼は、コミュニズムと結んだ。これが世界理性の第二のあやまち。 元来、ヒトラーは英国と闘う気はまったくなく、むしろ同盟を望んでいた。彼は、英国と闘っても勝ち目がないことは、よく理解していたのだ。 ではなぜフランスには侵攻してしまったのか、ということになるが、おそらくヒトラーは、ポーランドさえ、武力侵攻するつもりはなかった。だがポーランドは、が1937年に英仏と結んだ独立保障のために、闘う道を選んだ。必ず英仏が助けに来る、と信じて。 本来は、ポーランドは見捨てておくべきだったのだが、この独立保障は英仏の外交を縛った。それはポーランドの外交をも誤らせた。 この独立保障がなかったならば、ポーランドは闘わずして降伏したことだろう。そしてナチス陣営に入る。それは彼らにとっては屈辱ではあっただろうが、その10年後以降、ソ連の支配下に入るよりは、はるかにましなことだっただろう。 チャーチルが、ソ連と結び、ナチスと戦うというあやまちを犯さなかったならば、世界の歴史は大きく変わったことだろう。米国は参戦せず、日本は南進せずしてソ連を攻め、必然的に起こった独ソ戦はドイツが勝利していた。 無論それはそれで、いろいろな弊害はあっただろうが、少なくとも、実際に起きた歴史よりは、死んだ人ははるかに少なく済んだことだろう。 さて、チャーチルも結んだその共産主義はしかし、とんでもない毒を抱えていた。最終的にそれがわかったのは、ソ連崩壊後ではあるが、人類はそんな毒を含んでいた共産主義を賞賛してやまなかったのだ。この事実は、大きい。 歴史は繰り返す。規模はまるで違うかもしれないが、EVの歴史は、共産主義のそれになぞらえられる。 EVもまた、内燃機関に対抗して、進められてきた。EVを共産主義、内燃機関を資本主義とすれば、EVの歴史はまさに、共産主義の歴史とぴったり合う。 共産主義は1991年にとどめを刺されたが、EVのそれは、2024年である。前年にドイツがEVへの補助金を廃止したためである。 多くの人はEVに過剰な期待を持っていた。将来は内燃機関はなくなる。EVの時代が来る。それはより良い未来なのである、と信じて。だが内燃機関はしぶとく残る。EVはフェードアウトしていくことだろう。 人間には、何か全く新しい理想的環境を欲しがる本能があるようだ。確かにそうした本能・欲望が現代社会を作ったことは否めない。しかしそれはもう、限界が近づいているのではないだろうか？ たとえば、今回の大阪万博は幸い、成功裏に終わったようだが、1970年の万博とは規模も異なるし、エンターテイメント性が重視され、前回のような未来への希望は少なかった。そう、1970年頃で、人類の智恵はだいたい出尽くしていたのだ（インターネットは唯一の例外と言えるが）。 | |
| ★NHK[映像の20世紀」を評価する 10月27日のNHKの「映像の20世紀」は、NHKにしてはバランスの取れたよい番組だった。特に感心したのは、以下２点。 ①中国の国共合作がソ連の指導の下で行われた ②ソ連は人命の価値が低く、それがために独ソ戦では、自国民の命が軽視されたこと ①については、私自身もあまり知らなかったが、確かにＮＨＫはこのような断定をしている。 大東亜戦争前から、中国の国民党と共産党は、犬猿の仲だった。だが両者が敵対していては、中国は日本との戦闘に勝つことはできない。日本が大陸に本格的に進出すれば、今度はソ連の東方が日本から責められるリスクを負う。だから国共合作をさせて、中国大陸の力を強め、日本に対抗させることは、ソ連の国益に合致していた。 戦後、日本という共通の敵がなくなった中国大陸では、すぐにまた、国共内戦が始まった（第二次国共内戦 ）。最終的に共産党が勝利したのはやはり、今度はソ連が、両党が仲良しになることではなく、敵対し、かつ共産党だけに肩入れしたためである。米国は国民党に肩入れをしたかったのだろうが、それを露骨に行うと、第三次世界大戦になってしまうので、米国は肩入れをあきらめた（中国の"一党独裁"を許した米国の弱腰外交 なぜ国民党勢力を見殺しにしたのか）。もしも当時の米大統領が、共和党のトランプのような人だったら、おそらくは間違いなく、世界の歴史はがらりと変わったことだろう。 たとえば、その後の1963年のキューバ危機では、ケネディ政権が海上封鎖などで積極姿勢に出た結果、フルシチョフはキューバから核ミサイルを撤退させたわけだから、トルーマンが強硬に出れば、おそらくスターリンは、中国共産党援助を打ち切るか弱めにして、おそらくは共産党は大陸において敗北していたことだろう。 しかし、戦後、中華人民共和国が成立すると米国は共産党がドミノのように世界を制覇していくことを恐れ、ベトナム内戦に介入した。そこでまた、大失敗をしてしまった。こちらもまた、米国が第三次世界大戦を恐れて、中途半端な介入に終わったためである。 ②については、私の持論であったが、NHKがこれを認めてくれた。そう、独ソ戦のソ連の勝利は、結局のところ、ソ連の、ひいては共産主義国家の、人命軽視思想の結果に他ならなかったのだ。 実際独ソ戦では、ドイツの死者数が約700万人なのに対して、ソ連のそれは、2000万（それ以上と言われている）となっている。勝った方がはるかに犠牲者が多いという奇怪な結果となっているのだ。 共産主義は、本来は人々の命を大切にする主義であったはずだ。貧富の差をなくし、皆が平等で生きられる世の中を作ろうとしていた。 だが結果は真逆で、かえって人命が軽視される世の中になってしまったのだ。 | |
★女性はリベラルであるべきという偏見
ただ、そうでもない人もいる。たとえば山尾志桜里は、蓮舫が２１日の首相指名選挙を前に自身のＸに「女性首相誕生が現実味を帯びています。 形式ではなく、中身で『多様性』を示せるかが問われます。 女性議員の存在は、社会の鏡。 誰もが声を上げられる政治を『前提』に。 私は声をあげ続ける」などと投稿した返しとして、「女性をアピールせず、政策勝負でサバイブし、だからこそ女性初の総理の座を掴み取った高市さん。これはやはり偉業！」と賛辞を贈った上で「その高市総理に対し、『中身で『多様性』を示せるか』と問う蓮舫さん。しかし、女性総理だからといって多様性重視の政治を勝手に期待するのは、属性差別では」と疑問を呈した（山尾志桜里さん、蓮舫議員の投稿をけん制「女性総理だから…多様性重視の政治を勝手に期待するのは、属性差別では」高市新首相には賛辞：中日スポーツ・東京中日スポーツ）。 蓮舫はやはりサヨクなので、高市首相に対して、正反対である自分の意見を認めさせたいと思う。それを「多様性」などと言ってごまかす。山尾志桜里はさすがに国民民主にいただけあって、若干はリベラルっぽいと見えて、素直に高市首相のこれまでの功績をまずは認めている。 さらには蓮舫が、女性はすべからくリベラルないしはサヨクであるべきだ、自分のように、と考えて「多様性」という言葉を使った意図を見抜き、痛烈な批判をかましている。 また、もともと社民党にいた、立民の阿部知子議員は、「個人的に高市さんの思想は好きではないけど、「ワークライフバランスを考えずに働いて働いて働きまくる」と言ったところには期待したい。」と言い、さらには「働いてを4回も繰り返したのは）政治家、特に自民党議員への叱咤激励であり、らは、世の中の人が思う何十倍も働き学んでいることを知って欲しい。それを初の女性総理が、しかも今回の候補者ライバルも閣僚に入れて一丸となってやるなら、そこは応援したい。」とまで言っている。 また立民の塩村文夏議員も、「（高市首相は）政治的スタンスは真逆かもしれないが、きっと女性政策の方向性は重なる部分も多いのだと思う。在任中に政治的スタンスが違う私たちも『おおっ』と思えるような女性政策を進めて欲しい。後押ししたい」と書いている（立憲・塩村文夏氏、高市早苗首相の政策や考え方に「泣きそうになった」「後押ししたい」（日刊スポーツ） ）。 こうしたサヨクもいる中で、ある意味、上野千鶴子と福島瑞穂は目立っている。 また逆に、これまでとてもサヨクとは思えなかったような、田崎史郎とか田原総一朗といった面々が、意外と高市氏を批判していたりもする。 おそらくは、右左とは関係なく、そもそも女性はリベラル～サヨクであるべきだという考えの持ち主が、世には一定数いるからだと思う。そういう人にとっては、右の精鋭である高市氏の台頭に納得がいかないのだろう。 女性の活躍においては常に、「ガラスの天井」があると言われてきた。たとえば初の女性大統領になるかも、と言われていたヒラリー・クリントンには常に枕詞的にこの言葉が使われていた。 だが実は、はるか昔に、M.サッチャーが、そもそもこのような概念とは無関係に、結果的にガラスの天井を突き破っていた。彼女にとって、そもそもそれは存在していなかったのである。 サッチャーは、女性初の～と言われることを嫌い、「I'm a primeminister that'all」と言っていた。 これはそのまま高市首相にも当てはまる。サッチャー氏にしても高市首相にしても、おそらくはほぼ無意識的にではあろうが、ガラスの天井を破るために、恐ろしい努力をしていたと思う。それができた人だから、それを突き破り、国家のトップに躍り出た。 両者の共通点は保守中の保守であることで、そしてまた、そうであるがゆえに、リベラル～サヨクが多いフェミニストは守ってくれなかった。それを知悉しながら、彼女らは政治活動に励んだ。 そしてまた、ある程度は保守的ではあっても、台頭する女性はリベラルであるべきだ、と考えるおじさん（おじいさん）が一定数存在することも明らかになった。 さらに、リベラル～サヨクではあっても、本能的に女性の活躍を暖かく見守る人たちも存在する。 おそらく本来のフェミニストとは、彼女たちのことだったのだろう。つまり、上野千鶴子や福島瑞穂、蓮舫などは、似非フェミニストだったのである。 |
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| ★衆議院定数削減について 民主党・立民の衆議院定数削減提言の推移は以下である。 2009年 民主党マニフェストで衆議院比例区80議席削減を提言 2011年10月：輿石東幹事長（当時）が、「選挙制度は各党で意見が違う」として、法案成立が困難であるとの認識を示し、比例定数80削減の実施を先送り 2012年1月：野田政権下で衆議院の比例代表定数80削減法案を通常国会に提出する方針 2012年11月野田首相は、「定数削減をやると約束できるか」と安倍自民総裁に迫った。安倍氏が「やりましょう」と応じて、衆院の解散が決まった 2025年10月 野田佳彦立民代表は24日、比例代表と小選挙区の両方を対象にすべきだと提起 もともと民主党は、政権交代時に、衆議院比例区の80議席削減を提言していた。しかしながら、同政権ではその実現が困難であり、2011年10月に、輿石幹事長が、その実施をを見送った。 2012年1月、民主党野田政権下で、再度この提案を国会提出されることとなり、同年11月には、国会で野田総理は安倍自民党総裁に対して、定数削減を安倍総裁に約束させ、衆議院解散となり、自民党圧勝となった。 こうした経緯であるにもかかわらず、野田氏は今度は立民代表として、比例区のみの定数削減に反対し、小選挙区も加えるべきだ、と主張している。 野田氏は明らかに右顧左眄しているのだが、その理由は、彼に言わせれば以下であろう。 ①民主党と立憲民主党は別の政党なのだ。だから、言うことが異なっても差支えない。 ②2012年頃には、二大政党制を作りたいという気運があった。だから自分たちは比例区削減を主張した。今はそうした気運はまったくなく、むしろ逆に、小政党の乱立が望まれている。だから今は、小選挙区の定数も削減すべきなのだ。 まさにこういう輩をご都合主義というのだろう。すべてを自分の都合のいいように持っていく。 もともと衆議院の定数削減は、マニフェストに盛り込まれた政策を行うために、議員歳費を削って、少しでも支出の無駄を減らそうという趣旨だった。 それ自体は正しいからこそ、当時の民主党は世論から支持されて、政権交代を果たしたわけだが、なぜその対象が比例区だったのか？それはつまり、やはり、小選挙区に手をつけるのは困難だったからだ。さらには、比例区を減らして、政権交代をやりやすいようにするためでもあった。 たとえば2005年の郵政選挙では、自公連立政権が圧勝したが、それは、小選挙区制によるレバレッジ効果が大だった。つまり小選挙区制度では、得票数のちょっとした差異によって、議席が大幅に変わるのである。 当時の民主党はこれを狙った。比例区が減れば、自党に有利な選挙を今後も行えるに違いない、と判断した。実際、民主党は、2009年の政権交代選挙では、4割台の得票率で6割４分の議席を獲得することになったのである。 野田立民代表は今、当時は二大政党制を目指すのがトレンドだったから、それでよかったのだ、とのたもうている。少しの票差が政権交代を可能にする。政権交代が起こりやすくなる、当時はそれが望まれていたのだ、というわけだ。 確かに、1996年の総選挙から始まった小選挙区制度は、日本も英米のような二大政党制になることを目指していた。しかしながら、少数政党をいきなり無視することもできないので、かなりの比例区が設けられた。それはやはり、少数政党を保護する目的もあった。 実際に運用してみると、二大政党制にはほど遠く、この比例区を利用することで、下のほうの図を見ればわかるように、むしろ中選挙区制度時代以上に、小数政党が乱立するようになってしまった。現在の制度ではそれはやむを得ないこととして是認されるようになっているが、反面、政権交代は難しくなった。野田代表がいみじくも、１０数年に１回しかない政権交代の機会と言ったように、実際、小選挙区制度になってからは、政権交代は一度しか行われていない。 それは結局、政策が少しづつ違う複数の政党をまとめ上げることが困難だからであり、今回の玉木かつぎが失敗したのもまた、比例区が多数あったためであるとも言える。 したがって結局は、この機会を利用して、比例区をばっさり切ることが、日本のためにはなる、と言えるのである。議員歳費削減には微々たることかもしれないが、より政権交代ができやすい制度を作ることに異論がある人は、少ないはずだ。 ●昔の全面講和と同じ野党の主張 ところで、選挙区調整が困難な小選挙区定数の削減は不可能に近いことが、当時の民主党が比例区定数削減を主張したもうひとつの理由だったわけだが、それは当時の民主党が政権に近づき、かつ実際に与党になったからだろう。すべてを現実的に構えざるを得なくなったのだ。 だが野田氏は現在は最大野党の代表。するともはや国家を背負う責任はないから、手のひらを返したように、とたんに理想論を言い出す。改革はゆっくりとていねいに行え、小選挙区の定数も減らせ、と言い出す。結局、野党になるや、現実離れしてしまうのだ。 だが当然のことながら、そんなことではそもそも改革などはできない。理想を追っていては、何も物事は進まないのだ。 それは、昔の日本の講和問題を彷彿とさせる。昭和２０年代、日本は全面講和か半面講和かで揺れていた。当時の社会党や進歩的知識人らは前者を主張していた。全世界から認められてこそ初めて、日本の国際復帰は認められるのだ、というわけだ。 それは確かに正しい。理想的だ。しかし、当時始まっていた米ソの対立を見れば、それは不可能だった。とにかく自由主義諸国だけからでも認められればいいではないか。それが吉田茂首相らが主張した半面講和であり、日本はこれを選択した。 戦後のその後の日本の歩みをみれば、それが正しかったことは、サヨクや共産党でも認めざるを得ないだろう。 衆議院定数削減も同様である。理想を求めて、現在の野田氏の言うように、小選挙区削減まで踏み込めば、利害対立で、いつまでたっても改革は進まないだろう。その点、比例区だけなら、スムーズに進む。 結局のところ、理想を追うあまり失敗するのが、無責任な野党の特徴と言える。玉木氏の失敗もまさにそうだった。 一般人の人生もまた、そうだろう。たとえば、結婚や就職、進学などで、あまりにいろいろなことにこだわると、婚期を逃したり、よい就職口を得られなかったりすることはよく耳にする話。個々の人生においても適度な妥協は必須なのである。 |