★返しがうまい吉村維新代表
おそらくは政権につきたくてうずうずしている。かつては全然そのような素振りを見せていなかったが、人参が目の前にぶら下がるとやはり、人は変わるようだ。 だが、政治家はある程度はそれでよいのだろう。さらにまた、政治家には、絶妙な返し（言い換えるとごまかし）も必要だ。つまり、追い込まれてもそこから逃げ出す手段を即座に見つけられることも、政治家としては大事な素養と言える。 史上有名なこうした例は、高杉晋作の有名な大演説ではなかろうか？ 米国から彦島の租借を申し込まれ、長々とした演説で、相手を煙に巻き、結局、話をうやむやにしてしまった。 吉村氏は、もともと自民との連立には消極的だったにもかかわらず、首相指名選挙で高市氏に投票すると明言して、玉木国民民主代表からi二枚舌と批判されるや、「他党を批判するより、自党の政策をどうやって実現するのかに注力された方がいいのではないか」と反論した。 論理からすれば、あなたは自分たちの政策を一歩も譲らず、相手（立民）にばかり譲歩を要求していたから、話がまとまらなかったのではないか。あなたがどうしても自党の政策を実現したいのならば、あなたがたも（私たちのように）譲歩をして、立民との連携を進めればよかったではないか、ということである。 だが冷静に考えてみれば、玉木代表が立民に日和るということは結局、党の大原則である原発新増設だの安保法制合憲をすべて放棄することであり、それは国民民主にとっては絶対にできないことなのだ。 維新側からすれば、自分たちが自民党に突きつけた要求は、呑めないわけではないだろう、という程度になっている。たとえば、定数削減などは、人数の問題が折り合えば何とかなる（空気が読めない逢沢一郎は反対したようだが。だから彼は大臣になれないんだよね）。 つまり、維新と国民民主では、相手に突きつける条件自体が全く異なるのだ。だが吉村代表はそれをあえて混同させて、玉木代表に返したのである。 こんな返しはなかなかできるものではない。 もうひとつ。その定数削減だが、あれ、ちょっと前は企業献金廃止が絶対条件って言ってなかった？おそらく、後者をいつまでも言っていると、それは自民党が絶対に呑めない（小泉進次郎が総裁になっても呑めない）わけだから、別条件で譲歩したのだろう。これもなかなかうまい返しだ。こちらが折り合えば、企業献金廃止問題は、棚上げができるだろう。 そして食料品の消費税の2年間ゼロについては、維新が譲歩すると思う。なぜなら、こんなことをしても、かえって消費者を苦しめるだけだから。実際やれば、それは間違いなく、恒久減税となり、あらたな財源の確保が必要となる。維新も、もしも与党になれば、その財源を自民と一緒に探さなければならないわけだから、こちらは間違いなく、維新が譲歩する。 政治家に限らず、日常生活でもまた人は、どこまでを遠し、どこを譲るか、を常に考えて行動しているものだ。人間関係のかなりがそこのところにあると思う。それがうまい人は、人間関係が円滑にできて、ストレスなく生きていくことができる。下手な人は、譲りすぎてストレスを抱えたり、逆に自己主張を遠しすぎて、周りと衝突したりする。 現時点のマスコミ評価では、うまく妥協をしている吉村代表が上げで、かたくなに自説にこだわっている玉木代表が下げ、となっているが、私が見るところでは、両者特に優劣はないと思う。 玉木氏の場合、吉村代表が言うように、確かに、れいわ、共産とつながっている立民と組むよりは、自民と組んだ方が理・利が大きいだろう。だがこれまた彼の完璧主義の性格がなせる技か、これまであまりにはっきりと、自民党と組むことはない、と言いきってしまっていたがゆえに、今更、振り上げた腕を下ろせなくなっているのだろう。財務大臣の地位を高市総裁から提示されたらしいが、これまでの玉木氏の言動では、とてもうん、とは言えるはずがない。あれだけ野党にこだわっていた人なのだから。 ただ、うがった見方をすれば、自党が唱えていた減税方針は、自身が財務大臣になってこれを行えば、まちがいなくトラスショックになるのがわかっているので、逃げたのかもしれない。 いずれにせよ、こうした点において、吉村氏の方が玉木氏よりも若いけれども、政治家としての資質は高いと思う。 | |||
| ★草葉の陰の座談会 石原慎太郎 いやー、高市君、やってくれたねー。僕は12年前、橋下クンに誘われて、一緒に維新の会の共同代表をやっていたんだけど、その時に「必ず公明党はあなた方の足手まといになる」と語り「失礼だ」とヤジが飛ぶと「君らも反省しろよ」と与党席をにらんでやったんだ。後から山口那津男代表から文句言われたけどね。 吉村洋文 だから後輩の私たちが、結果的にですけど、公明党を自民から引き離しました。 麻生太郎 私しゃー、2023年に、「公明党はがん」って言ってやったんですよ。だって、安倍さんの時の安保法制で、安倍さんの足を引っ張ってばかりいましたからねー。いやー、私の子飼いの高市君、本当によくやってくれましたよ。 安倍晋三 ちょっとおじゃまします。いやー、私も2015年の安保法制では、公明党にどれだけ気を使ったことか。公明さんのために、ずいぶん、法案も骨抜きにされましたからねえ。高市さんがここまでやってくれるとは、私も夢にも思っていませんでした。 その後、自民・維新は、衆議院（比例区の）の定員1割削減で一致。 石井一 おう、久しぶり。俺は昔から、比例代表制には反対だったんだ。連立政権が平成11（1999）年の成立から20年を迎えた令和元（2019）年に「つくられた最長政権」（産経新聞出版）という本を出して、それを主張したんだ。死ぬちょっと前にな。そこで、衆議院を完全小選挙区制にしろ、と主張した。もっとも俺も現在の選挙制度を作った戦犯なんだけどな。でもあんときゃ、あれが精一杯だったんだよ。 吉村洋文 維新はもともと、議員定数3割削減を主張してました。今回は、自民との連立ために少しハードルを下げたんですが、3割だと、衆議院の定数が300人ちょっとになるんで、現在の小選挙区の定員が289人なんで、事実上、石井先生の主張を実現することができます。 石井一 比例代表をなくす＝公明党をなくす、ということを、吉村君はよくわかっているんだね。 吉村洋文 何せ公明党は私たちの天敵ですから、完全小選挙区制度は、私たちの利にもなるんですわ。私たちは大阪の小選挙区に徹してまして、比例は当てにしてませんからね。 高市早苗 維新さんにとっては、昔からの公約実現と宿敵公明党つぶしの一石二鳥なので、私も乗ったんです。 石井一 とにかく今後は比例区をつぶして、私の負の遺産をなくしてくれ。それにしてもマスコミなんぞは、小選挙区制になった時には、日本にも二大政党制が定着してほしいなんて言いながら、今では、少数野党の保護を、なんて言ってんだから、ほんと、いい加減なものだよな。高市さん、あんた、これからマスコミからのバッシングがどんどん来るけど、だいじょうぶか？ 安倍晋三 そうですよ、私なんて、第一次内閣の時には、右の方からもいろいろ言われて、持病悪化させちゃって、1年で退陣を余儀なくされてしまったんですから。でも高市さんは鉄の女、鉄の心臓をお持ちなようだから、きっと大乗でしょう。 高市早苗 頑張ります。マスコミ対策はきちんとしています。 最後に、中曽根大勲位殿、戦後の政治を総括してお一言お願いします。 大勲位 55年体制で自民党が生まれて以降、当初は自民党は圧倒的に強くて、政治は安定していました。社会党さんがいつまでもイデオロギーにこだわっていて、政権を取る気がなかったからです。 昭和40年代に入ると、革新勢力が強くなり、地方の首長を中心として、革新自治体が多数生まれました。美濃部東京都知事が典型です。他にも、京都、大阪、神奈川、埼玉県などで革新知事が生まれましたが、国政への影響はなかったんです。 しかし昭和50年代になると、自民党も過半数を維持するのが精一杯の状態になり、いわゆる保革伯仲、中道政治などと言われるようになりました。新自由クラブなんてのもできましてね、角栄さんから始まった、自民党が左傾化した時代です。 そして昭和57年に私が総理になり、レーガンさんやサッチャーさんなんかとともに、世界を一気に右に引き寄せました。あれでソ連も潰れたんだから、よかったと思います。 私の後はまた自民党も短い政権ばかり続き、1993年にはついに、下野してしまいました。あの頃の自民党はひどかったねえ。まあ竹下君が、私も念願していてうまくいかなかった消費税導入をしてくれましたが。 しかし21世紀に入って、小泉クンが首相になるや、郵政民営化と称して、田中派を一蹴してくれました。ありゃあ、気持ちよかったねえ。なんせ私なんか、総理になった時には、直角内閣だの、角影内閣だの、ひどいのになると、田中曽根内閣なんてマスコミで言われたからねえ。まあ角さんなしでは私も総理にはなれなかったんだけどね。 まあ私がよく知っているのはこの頃までなんで、あとはお若い人たちにおまかせします。 一同 大勲位、ありがとうございました。 | |||
| ★自・維の絶妙な合意文書
将来を見据えた、なかなか考えた内容になっている。ここでは、注目の点について、見てみよう。
●ガソリン税の暫定税率廃止法案を令和七年臨時国会中に成立させる。 これについては、主要野党からの提言であり、かつ与党も同意をしていたので、確実に実施されることだろう。 財源の問題もあり、石破内閣ではないがしろにされてきた事項であり、高市内閣で速やかに実行されれば、ガソリンや軽油までもが大幅に値下がりすることになり、国民の恩恵はきわめて大きい。特に軽油の値下がりは、トラック輸送費の軽減につながり、ひいては、物価高対策の一手段ともなり得る。またそもそも”暫定”が恒常的になっていたことは問題であり、こうした矛盾を是正したことは、評価される。 問題は財源であり、高市氏のこれまでの発言からすると、国債発行でまかなわれることになるだろう。 ●（略）給付付き税額控除の導入につき、早急に制度設計を進め、その実現を図る。 これについては、立民からの主要な要求であり、自民と維新はパクったと言える。ただ政策的には正しいので、大いに進めてもらいたい。 ●飲食料品については、二年間に限り消費税の対象としないことも視野に、法制化につき検討を行う。 両党の問題案件のひとつ。この政策は誤っているので、基本的には維新もこれはやる気はなく、選挙対策として打ち出していたに過ぎない。したがって、あいまいな条文としている。自民はこれをあいまい放置にしておくだろうが、維新から文句が出ることはないだろう。 ●子供や住民税非課税世帯の大人の方々には一人四万円、その他の方々には一人二万円を給付するという政策は行わないものとする。 減税か給付金かは参院選にて、与野党の主張が完全に分かれた事柄であり、かつ自公の給付金の主張は、石破内閣が参院選で敗れた原因でもある。 もともとこの主張は公明党が入れ込んだもの（いかにも公明党らしい主張）であり、石破首相は反対だったとのこと。したがって当然のことながら、この誤った政策は、両党により、破棄される。 ●企業団体献金の取り扱いについては、（略）第三者委員会において検討を加え、高市総裁の任期中に結論を得る。 もともと維新が一丁目一番地と称し、かつ、自民党もまた譲れない事項なので、与野党でも真っ二つに分かれていた。維新は、これにこだわると連立が成立しないと考えて、引っ込め、とりあえず、3年間、棚上げとした。つまり、玉虫色の決着。維新としては、自・維連立が将来的に難しいと判断したら、この条項を使って離れるつもりなのだろう。 ●一割を目標に衆議院議員定数を削減するため、令和七年臨時国会において議員立法案を提出し、成立を目指す。 連立の目玉で、これは確実に実現する。そうなると、安倍内閣でどうしても実現できなかったのが、高市内閣で相手が維新だとあっさり成立、とのことで、立民（就中、当事者だった野田代表）の顔が丸つぶれ。何せ野田氏は「維新は絶対に自民にだまされる（自分みたいに）」と大声で主張したわけだから。 ●時代にあった選挙制度を確立するため、（略）小選挙区比例代表並立制の廃止や中選挙区制の導入なども含め検討する。そのため、令和七年度中に、両党による協議体を設置する。 これについては、急ぐことではないが、比例がなくなっても、中選挙区制が復活すれば、小政党も生き残れるので、自民よりも維新にメリットが大きい。共産党や公明、れいわをまずつぶしてからこの制度に以降すれば、維新としては笑いが止まらない。 | |||
★女性登用のクォータ制を主張した橋下徹
先日、あるテレビ番組を見ていたら、橋下徹氏が、社会においては女性登用において、クォータ制を実施すべきだ、と話していて、驚いた。彼ほどの知性の持ち主にして、こんな基本的なこともわからないのか、と情けなくなった。 クォータ制とは、絶対に採用してはならない政策なのである。なぜなら、女性というだけで採用され、同格またはそれ以上の能力を持っている男性がポストから締め出されるから。 そもそも今回の組閣についてみれば、トップが女性なのからして、女性閣僚10人分くらいの影響力があるだろう。かの米国にしたって、いまだに女性大統領はいないわけだから。 橋下徹レベルでもクォータ制がどーのこーの、と言うのを見ると、今の日本は、女性登用については、明らかにおかしいと感じる。とにかく、一人でも多くの女性が管理職に登用されればそれでよい、とするのであるから。 さらにそこには、イデオロギーも見え隠れする（特に政治の世界では）。一般論ではあるが、女性はやや左、男性はやや右、という偏見がある。たとえば、ヒラリークリントンを米国初の女性大統領にしようとした勢力は、間違いなく、リベラルだった。ハリスも同様である。ふたりとも民主党なんだし。 たとえば、フェミニズムなどというものも、イコールリベラルorサヨクである。高市早苗氏が自民党総裁に決まった時、サヨクの上野千鶴子は「初の女性首相が誕生するかもしれない、と聞いてもうれしくない」と書いた。本来なら、高市氏が憲政史上初の日本国首相になることは、フェミニストにとっては最高の祝福となるはず。だがそれを喜べない。それは要は、高市早苗が、サヨクにとっては極右的存在で、目の上のたんこぶだからである。 このように、フェミニズム（フェミニスト）そのものにイデオロギー色が強いので、それを後押しするクォータ制もまた、イデオロギーからは逃れられない。 無論、民間レベルであればそれはさほどではないかもしれないが、女性は左寄りであるべき、という考えは結構根強いので、イデオロギーと連動するクォータ制もまた、かなり根強いと言える。 基本的には、ポストにおいて、男女を論ずる必要はない、と私は考える。あくまでも能力、実績で判断し、結果としての男女比になればよい。その比に目くじらを立てる必要などまったくない。 たとえば高市首相の誕生は、彼女がまさに、実力でつかんだこと、と言える。彼女はおそらく、政治家としてのキャリアを積む中で、性差を感じたことはほとんどなかったと思う。だから、クォータ制などという議論は、彼女にとっても、迷惑でしかなかろう。 高市氏が目標にしてきたという英国のサッチャー元首相は、女性初の首相ですね、と問われた際、「I 'm a prime minister ,that's all」と答えたそうだ。高市氏は当然このエピソードは知っているだろうから、同じことを問われたら、サッチャーと同じように返すだろう。 | |||
★維新の読みの深さ
定数削減は、比例区がその対象となるとのこと。小選挙区制の醍醐味は、二大政党が競り合い、あたかもオセロゲームのように、ちょっとした得票数の差が議席数の多寡を支配する。2005年の郵政選挙、2009年の政権交代選挙が好例である。 少しの得票差が大幅な議席数を変えるこうしたダイナミズムには、反対意見もあるだろうが、これぞ選挙の面白さだと私は思う。だが、比例代表制はそれをつまらなくする。現在の制度では、競り合って負けた側は、大抵、比例復活でゾンビのごとく当選する。たとえば、佐賀２区の古川康は、最初こそ小選挙区当選をしたが、あとの3回の総選挙はすべて比例復活となっている。 確かに、競り合うこと自体、実力があればこそ、とは言えるかもしれない。だが、負けても比例復活というセイフティネットがある選挙など、真剣身がなかろう。 かつて大野伴睦は、「サルは木から落ちてもサルだが、代議士は選挙で落ちたらただの人」と言った。比例復活などというシロモノがなかった時代の選挙は、一票差でも負ければただの人になってしまう恐ろしさがあったのだ。 もともと比例代表制は、公明党や共産党などの少数政党保護のために作られた制度なわけで、一種の妥協の産物である。したがって、これを一挙に廃止することは難しいにしても、これを減らすことに反対する国民は非常に少ないと思う。（石井一議員などは、生前、比例代表制の廃止を訴えていた）。 当然、一番困るのは何といっても共産党、れいわ、公明党である。この三党は、ほとんどが比例代表議席が占めており（共産党88%、れいわ100%、公明党83%）、比例代表議席の減少は死活問題だろう。維新も比較的少数野党ではあるが、地域を限定しているせいか、意外と小選挙区議員が多く、比例代表比率は40%に留まる。 問題は国民民主で、仮に自民・維新で連立を組み、議員削減法案を提出しても、過半数には達しないので、どうしても、国民民主の協力が必要となる。こればっかりは、参政党や日本保守党の協力も得られないだろうから。 その国民民主は、比例代表議席比率は60%もある。そのためか、当初、玉木代表はこの維新からの提案には否定的であった。ところが17日夜、急転直下、玉木代表は賛成に転じた。おそらく維新は、ここまで読んで、この案を自民党に提示したのだろう。 バスに乗り遅れた玉木代表は、遅まきながらも、与党への協力の姿勢は見せようとしたのだろう。もしも国民民主が賛成しなければ、維新との仲は決定的に悪くなり、他の左翼政党との関係から、それは避けたかっただろうから。 | |||
★あちらを立てればこちらが立たず？
両党ともに衆議院では超少数派であるから、野党のままでは、ほぼ議席はゼロになる。であれば、自民と連立を組んで与党になって、選挙区調整をしてもらわなければならない。 おそらくは、国民民主の賛成まで読んでいたであろう維新であるから、おそらくはこの両党を自分とともに、与党に引き入れるつもりなのだろう。自民党にとってもプラスになるし。 一番馬鹿を見るのが公明党。野党になって、しかも比例が減れば、まさに泣きっ面に蜂。斉藤鉄夫代表は小選挙区と比例代表の「3対2の原則」が1994年の政治改革の基本原則だったと主張し「比例だけ削減するのは趣旨に反する」と話しているようだが、そんな30年以上前の合意なんぞ持ち出したところで、説得力もへったくれもない。世間には時効という概念があるのをご存じないのか？30年も前のことなど、チャラにしたところで、道徳的責務だって負う必要はない。 つまり維新のこの議員定数削減提案は、参政党と日本保守党を与党に引きずり込んで与党を安定化し、かつ、天敵公明党を徹底的に奈落の底に落とす残忍な手段なのである。それに乗った高市自民もすごい。これぞ政治の醍醐味、と感じる。 | |||
★毎日新聞トンデモ新聞
私は魚を飼育しているが、彼らは時々、水槽から飛び出して死んでしまうことがある。実は、彼らが飛び出すのには、故意と過失がある。前者の場合、水槽環境が悪くなり、そこにいたら死んでしまうと彼らなりに判断し、新天地への死のジャンプを試みる。後者は単純に、泳いでいるうちに、勢いあまってジャンプしてしまう。 このように、失敗には故意と過失の両者がある。では、この毎日新聞のニュースレターを書いた人は、どちらだったか？ その前に大前提がある。つまり、毎日新聞の、安倍晋三に対する評価である。当然、それは最悪。もともと毎日新聞は、たとえば安保法制に対しては、朝日新聞以上に反対の姿勢が強く、まさに同紙にとっては、安倍晋三は天敵だった。 ところで少し前に、時事通信のカメラマンが、高市総裁の「支持率下げてやる」発言があったが、これは間違いなく故意である。彼にとっては、高市総裁という環境が最悪であったがゆえに、そのようにわざと発した。 まただいぶ以前だが、山口二郎が、「安倍に言いたい、お前は人間じゃない。たたっ斬ってやる！」と公衆の面前で言い放ち、サヨクから喝采された。当時は今ほどSNSなどが発達していなかったが、今ならあっという間に拡散されて、彼は社会的地位を失っていたことだろう（今、この発言を問題視する人がいないのが不思議だが）。。 これなどは確信犯の最たるものであるが、この毎日新聞のニュースレターを書いた人は、ここまでの確信犯ではなかっただろう。ただ、”意義がある”という言葉の使い方を誤った。つまり、故意よりは過失的要素が強い。 なぜこうした過失が生まれたかといえばそれはやはり、本人の反安倍思想、そして毎日新聞の住環境にある。そうした思想があるがゆえに、彼にとっては「意義がある」という日本語が、別の意味に変わってしまったのだろう。それがチェックできなかった毎日新聞も同様である。 毎日新聞には2面だかに、社内の偉い人が書いているコラムがある。職場に毎日新聞があるので、たまに見るのだが、とにかくその内容がひどい。安倍下げ的なことばかり書いている。さすがに社説では書けないようなことを、この欄にぶちまけているようだ。少し前には、靖国神社などなくしてしまえ、などといった論説があった。 こうした環境に加えて、自身の反安倍思想が、こうした”過失”を招いてしまったのだろう。一応、そう思うことにしておこう。 | |||
■ま～たこれですか！
安住の独断専行だとイイが、当然、野田代表の許可は取っていることだろう。これではおそらく、代表が野田さんなら、と何とかくっついてきてくれた立民支持者の右の方が完全にそっぽを向くことでしょう。彼らは国民民主に向かう・・・ 確かに立民は、昨年の石破内閣の失敗総選挙で、裏金（政治資金不記載）問題で人気を失っていた自民党に変わって、漁夫の利で50議席増で大勝し、現在は大量の議席を保っている。 しかしながら、高市内閣が成立後は、間違いなく早期に衆議院は解散となり、その時には自・維連立政権のランドスライディング的な大勝利が予想される。 野党は、玉木国民民主はもともと少数党であるから減らしたとしても大して問題にはならず、立民こそは、大量の議席があるがゆえに、大敗北はまぬかれない。 そして、禁断の木の実に手を出した、というわけ。 両党の選挙協力は、2017年にまで遡る。もともと共産党は、当選見込みのない候補者をほぼ全国の選挙区に立てて、比例で票をかき集める政策を取っていた。そのために常に他党とはバッティングをして、野党の票を奪い、これが他の野党の目ざわりになっていた。 そのために共産党は、長期的な凋落で赤旗の購読者数も減り、資金が持たなくなり、候補者を絞らざるを得なくなったこともあり、立民と選挙協力をして、候補者の絞り込みを始めた。共産党にとっては、経費節約となり、立民は共産党に票を奪われず、とwin winの関係になり、実際に、一定の成果を上げることにもなった。 しかしながら、以前の四党共闘は、多少の効果はあったとしても、結局は立民の左傾化を印象づけ、右の方の支持層が離れたと見え、この10年間はたとえば参院選は、長期低落傾向にある。衆議院も、たまたま前回2021年総選挙は、裏金問題という、共産党とマスゴミが作り上げた政治問題に、国民が目くらましされた結果で伸びたにすぎないのだ。 したがって今回の立民の左傾化は悪手であり、おそらく今後は、立民より左の勢力は、風前の灯となるだろう。そして、自民党は右傾化し、国民民主は、今は玉木代表がボロクソ言われているが、そのうち復活して、かなりの大勢力となっていくことだろう。場合によっては、自民党が割れて、自民党左派は国民民主に合流するかもしれない。 それは、かつて来た道、と言える。1993年の宮澤改造内閣不信任決議案に賛成し、可決させた羽田派（改革フォーラム21）所属の国会議員である羽田孜、小沢一郎らは、自民党を離党して新生党を結成した。また同年4月、武村と田中秀征らが「新党さきがけ」を結成した。 最終的にこうした勢力は、なんだかんだあって、1998年の（新）民主党に結実した。ちょうど1996年総選挙から、日本は選挙区制に移行していたために、すわ、今後はいよいよ日本も二大政党制になるか、と思われたが、比例代表議員をかなり残したために、結局その後の日本の政界は逆に、小党乱立状態になった。 二大政党制にならなかった理由はおそらく、自民党と当初の民主党が、イデオロギー的にあまり変わりがなかったためだろうと思われる。当時の民主党は、後には小泉内閣でお株を奪われてしまった、小さな政府による構造改革をさかんに唱えていた（「小泉構造改革」なる概念についての諸考察p8）。 結局、その後民主党が左傾化したために、広範な中道支持世論の受け皿になり得ず、野党は分裂状態になった。 したがって裏を返せば、野党が左派を切って、中道に徹すれば、二大政党制ができる可能性はある、ということである。 特に高市内閣によって自・維連立内閣が右寄りとなった今、早急の中道のかたまりの形成の必要があるだろう。 いずれにせよ、立民にはもう用はない。さっさか共産党と心中してほしい。 |