今回の判決は、”徴用工”判決とは異なり、被告は民間企業ではなく、日本という国である。つまり、私たち全員が、理不尽な法廷に立たされているようなものだ。

”徴用工”問題では、日本政府にも責任があるとの論調を採って、かなり韓国寄りだった朝日新聞もさすがに今回は、そうした姿勢を改めざるを得なかっただろう、と”期待して”同紙社説をネットで読んでみれば・・・

やはり、腐っても朝日、その論調は、あまり変わることはなかった。相変わらず、朝日らしい””檄文”が並んでいる。ここでは、抜き出し方式で、それらを評価してみよう。

歴史の加害側である日本
まず、この認識が問題。この史観にこだわる限りは、そもそも、韓国の論理を論破できないのだ。以下↓まず、韓国の論理を見てみよう

我が国は韓日の歴史の被害者であり、加害者が日本である。1911年の日韓併合は、まさにその好例である。伊藤博文は我が国を植民地化しようとしたから、わが国の英雄安重根に殺されても当然だった。

1960年の韓日基本条約は、当時の朴正煕・軍事政権が、米国の圧力で我が国民の民意を無視して結んだものであり、我が国としては、承服しがたい。また、2015年の慰安婦合意も、当時の安倍政権が強権的にこれを我が国に押し付け、弱小のわが国は十分な説明も受けずに合意をせざるを得なかった。

つまり、この見解は、朝日新聞のそれと、同じなのである。

当時の安倍首相が謙虚な態度を見せない

朝日新聞は、根っからのアンチ安倍（首相というよりも、政治家個人として）なので、坊主憎けりゃ袈裟まで憎いで、そもそも安倍氏の一挙手一投足が気に入らない。

だから、ことさらに安倍首相に対しての評価が厳しくなるのはまあ当然とはいえ、そうした新聞社の主観が、そのまま社説の文章になるのは、問題である。

そもそも、朝日新聞が書く”謙虚な態度”とはいったい何を指すのか？　国家対国家の交渉なのだから、国益同士のぶつかり合いになるのは当然のこと。当たり障りのない年寄りの茶話話とは違うのだ。

当然、”謙虚に”交渉などしたら、あっという間に相手に言いくるめられてしまうだろう。言うべきことは言い、丁々発止の後、最後は相手が呑める条件を出して妥協する、これがどんなレベルにおいても、交渉事の基本であり、日韓基本条約も、慰安婦合意も、そうした線で最終結論に達したものだ。

客観的に見れば、両者ともに、譲歩をしたのはむしろ日本側であり、前者は本来は”賠償金”など支払う必要性はなかったのだが、米国の圧力もあって日本としては、払う必要のないカネを、経済援助の名目で支払った。後者もまた、安倍前首相はかなり及び腰であったが、国家百年の計のために、涙を飲んで受け入れた。客観的に見て、これ以上の謙虚さはあるまい。

それなのに、朝日がいとも簡単に、「安倍首相には謙虚さがなかった」などと言い切るのは、自分達が韓国側の史観に立っているが故なのである。

合意の意義を原告らに丁寧に説明していれば
これまた、朝日のとんでもない主観である。実は、慰安婦合意が「最終的かつ不可逆的な解決」であったことは、一般の報道でも、当時、よく伝わってきていた。少なくとも、日本側からすれば、これ以上に丁寧な説明はなかったはずだ。

朝日がそれでも、「原告らに丁寧に説明していない」と言い張るのは、やはり、同紙が韓国の立場にあるからだ。

韓国側からすれば、この合意が「最終的かつ不可逆的な解決」では、実は困るのだ。何せ、ゴールポストを安易に動かすのが、これまでの同国の外交の日常茶飯事だったから。そして、このようなことをするがゆえに、同国は先進国の仲間入りはさせてもらえないのだ。

彼らが思う「丁寧な説明」とは、結局は、「あいまいに、後にいくらでも自分たちに有利に解釈できるような説明」のことなのだ。そして朝日新聞は、そうした韓国の立場を鵜呑みにしている。

朝日新聞も大赤字で、大リストラに入ったと言う。新聞の存続問題はともかく、このような、国益に反するような論調を続ければ、潰れても仕方がない、否、潰れた方が国家のためになる、と思う人も増えてくるだろう。朝日の読者も、徐々にそのことを理解し始めたからこそ、同紙の落ち込みが一番大きいのであろう。