明らかに、サヨクによる人民裁判だった。何せ、裁判の面子が↓だから。

福島原発刑事訴訟支援団　呼びかけ人

石丸小四郎（福島原発刑事訴訟支援団副団長）
海渡雄一（弁護士）
鎌田慧（ルポライター）
河合弘之（弁護士）
神田香織（講談師）
佐藤和良（福島原発刑事訴訟支援団団長）
添田孝史（科学ジャーナリスト）
満田夏花（認定特定非営利活動法人ＦｏＥＪａｐａｎ理事）
水戸喜代子（子ども脱被ばく裁判の会共同代表）
武藤類子（福島原発告訴団団長）

福島原発刑事訴訟支援団　賛同人

明石昇二郎（ルポライター）
秋山豊寛（ジャーナリスト）
安積遊歩（人権活動家）
石田紀郎（特定非営利活動法人市民環境研究所代表理事）
李雅美（歌手）
今中哲二（京都大学複合原子力科学研究所研究員)
落合恵子（作家）＊要請書提出後に賛同のご連絡をいただきました
小森陽一（国文学者）
崎山比早子（医学博士／特定非営利活動法人３・１１甲状腺がん子ども基金代表理事）
島田恵（映画監督／写真家）
高木久仁子（認定特定非営利活動法人高木仁三郎市民科学基金事務局長）
高橋哲哉（東京大学大学院教授）
中島哲演（福井から原発を止める裁判の会代表）
中村隆市（株式会社ウインドファーム代表）
ノーマ・フィールド（シカゴ大学名誉教授）
藤崎光子（ＪＲ福知山線脱線事故遺族）
湯浅一郎（特定非営利活動法人ピースデポ共同代表）
横湯園子（教育臨床心理学者）

サヨクはおそらく、裁判の戦略に失敗した。

サヨクは、やり場のない怒りを持ち続けて来た遺族の心情を利用してきたからである。

原発事故後、寝たきり老人などが、バスにて座位により100ｋｍ、200kmと広域移動をさせられた結果、多くの人が亡くなった。そもそも、こんな無理をすれば多数の死者が出ることくらい、医療関係者ならわかっていたはずなのだが、サヨクはこの死亡事情を裁判に利用した（他にもいろいろ争点はあるが、これが一番大きく、かつ、わかりやすい争点だと私は思う）。

このとき、津波が実際に押し寄せてきたとか、大量の放射線による急性被曝の危険があったとかいう状況であれば、確かにこのような無理な避難もやむを得なかったことだろう。

しかし、当時の状況からすれば、そもそもこの避難は必要なかったのだ。あのままじっとしていればよかった。

少なくとも、”急性”被曝が起こるような放射線量ではなかったことは、最初からわかっていた（だから当時の枝野官房長官は「”ただちに”影響はない、と言っていたのだ）。

あの死亡事情は本来、東電ではなく、当時の民主党政権の危機管理の失敗だった。枝野長官が「晩発性障害の可能性は今のところは起こらないと断定はできないが、被曝量からして、急性被曝の心配はない。だから急いで避難する必要はない。特にお年寄りは」と言っていれば、あのような騒動は避けられた。

だが遺族には、そのようなことはわからない。こういう状況の場合、人はどこかにスケープゴートを求めざるを得なくなる。「○○が悪いからこうなった」という悪役が絶対に必要になる。人はなかなか、無過失責任を認めたがらないものなのだ（ドラマでも必ずどこかに悪役がいないとドラマにならない。みんなが善人の朝ドラ”なつぞら”では、千遥の夫が唯一悪人になっている）。

実際、広域避難により、440人の老人のうち50人が志望した双葉病院では、遺族から謝罪を求められたという（この病院は見識があった。病院は謝罪はしていない「でき得ることした」　50人死亡の福島・双葉病院、遺族に説明 2012/10/1付日経新聞）。遺族はまずは、病院をスケープゴートにしたのだ。だが拒否された。

病院の謝罪を拒否された遺族はおそらく、サヨクに誘導されたのだろう。「それならば、東電を恨め（民主党政権だから政権を恨んではいけない）。」

だが”東電”というあまりにも巨大すぎる組織では、怒りのぶつけようもない。人にはもっと、具体的な”悪人”が必要なのだ。サヨクはささやいた。

「それなら、東電のおえらいさんたちを血祭りに上げましょう。あいつらの個人刑事責任を問いましょう。だいじょうぶ、勝てます。（安倍政権でなければ）」

遺族はサヨクから誘導されて、東電のおえらいさんを恨むようになった（おそらく）。

ここから先は、韓国の”徴用工”裁判と似ている。日本政府に騙された”かわいそうな老人”を前面に押し立てて、彼らの姿をマスコミに晒すことにより、世論からの支持を得る、裁判官の印象を得るというやり方。こうして韓国では、（パククネ前大統領の失脚とともに）見事に人民裁判が成功した。

日本のサヨクも、この構図を狙っていた。意図的に遺族たちをテレビに出させる。遺族らは言う。「東電幹部を憎んでいます。彼らが事故を起こさなかったら、あの人は死んでいなかった・・・」

実際には、前述のとおり、老人を死なせたのは民主党政権だったのだが、唆された遺族は、目の前の東電のしょぼくれた老人が憎い（と思わされている）。

国民も、こうした姿を見れば、遺族をかわいそうに思い、ひいては本来無理筋の裁判も勝てるかしれない、とサヨクは考えたのである。

だがサヨクにとっては残念ながら、日本は韓国のようなお涙頂戴人民裁判が成り立つ国ではない。純然たる法治国家なのである。東京地裁は、韓国の裁判所のように情に流されることはなく、淡々と法を適用したのであった。

●原発事故責任は基本的には国の無過失責任
原発推進は国策であったわけだから、事故が起きた場合、その責任は本来は、過失の有無とは無関係に、国が持つべきはずなのである。

本来そうなるはずがしかし、当初からボタンの掛け違いがあった。１９６１年に成立した「原子力損害の賠償に関する法律」では結局、国家は「必要な援助」をするにとどまることになった。（賠償法第１６条）　当時、責任者だった民法の大家我妻栄が国家賠償を明確にしようとしたが、大蔵省に押し切られたのである。

姑息的に第３条で「異常に巨大な天災地変又は社会的動乱によつて生じたものであるときは」国家責任となる、とされた。

２０１１年の原発事故では、１０００年に一度の津波、有史以来の大地震であったために、この条項を使用し、国家責任を前面に押し出すべきであったが、民主党の枝野官房長官（当時）が反対して潰れた。当時、与謝野経済財政相（当時）はこの条項の適用を主張していたが、民主党政権は枝野の主張を認めてしまった。

こうして、民主党政権の誤判断によって国家責任が棚上げにされ、東電一人が責任を負う形になってしまったのだが、サヨクはそこに目をつけた。

すなわち、「東電が悪いのであれば、東電の幹部も悪い」という理屈も成り立つ、と考えたのである。

しかし、この発想が無理の上にも無理を重ねたものであることは、明らかであろう。そもそも国が持つべき責任を東電に持ってきて、過失があるか否かはさほど問題ではなかったのに、故意または重過失がなければその対象とはならない刑法の問題にしようとしたのだから。

こんなことは、法の専門家ならばわかっていたはずで、残念ながら、支援者や遺族たちはおそらく、サヨクに騙されていたことには、気づいていない。

さて、明日の新聞社説が楽しみだ。たぶん朝日新聞は、無罪判決を大いに批判することだろう。

（朝日新聞社説）原発事故判決　釈然としない無罪判断

2019年9月20日05時00分

　腑（ふ）に落ちない判決だ。２０１１年の福島第一原発事故をめぐり、東京電力の旧経営陣３人が強制起訴された裁判で、東京地裁は全員に無罪を言い渡した。

　判決は、事故を防ぐにはあらかじめ原発の運転を停止するしかなかったという前提に立ち、そうしなければならないだけの確かさをもって、津波の襲来を予測できたかを検討した。

　そして、国の機関が０２年に公表した「三陸から房総沖のどこでも巨大地震が起こり得る」との見解（長期評価）を、根拠を欠き、信頼性に疑問があると指摘。原発は社会生活や経済活動を支える重要なインフラであり、旧経営陣に運転を止める義務はなかったと結論づけた。

　事故の被災者が国や東電に損害賠償を求めた訴訟では、この長期評価に基づき、「津波は予測できた」との判断が積み重ねられてきた。非常用電源を高台に移転させるなど、簡易な対策を講じていれば事故を防げたとした判決も複数ある。

　民事裁判に比べて刑事裁判では厳格な立証が求められるとはいえ、あまりの乖離（かいり）に驚く。未曽有の大災害を引き起こしながら、しかるべき立場にあった者が誰一人として責任を問われない。人々が納得できるだけの説明が尽くされたか、大いに疑問が残る裁判となった。

　一方で、公開の法廷で審理が行われた意義は大きい。政府や国会などの調査では言及されなかった重要な事実が、いくつも明らかになったからだ。

　例えば、東電内部では長期評価を踏まえて防潮堤建設などの検討が進み、最高経営幹部が出席する会議でも津波対策が話題になった。だが勝俣恒久元会長は公判で、「関心を持たなかった」と述べた。他の２人の被告も「記憶にない」を繰り返し、権限を互いに押しつけ合って、自らの無罪を主張した。

　原発の運転がこのような組織と人物に委ねられ、監督すべき政府もそれで良しとしてきた。その帰結があの事故だった。

　過去の話、あるいは東電特有の体質として片付けられるものではない。

　最近、火山噴火やテロへの備えなど、原発の安全性をめぐって新たな課題が次々と浮上している。だが電力各社は、手当てするには膨大な時間と金がかかるとして、対策の先延ばしを認めるよう原子力規制委員会に働きかけている。福島事故からいったい何を学んだのだろう。

　確率は低くても、起こり得る危機に対する鋭敏さをどう培うか。規制はいかにあるべきか。災害列島というべき日本で、原発に未来はあるのか――。裁判が突きつけた重い課題に、社会全体で向き合わねばならない。

少なくとも個人としては犯罪性がまったく感じられない人間に対する当然の無罪判決に対して、「釈然としない」「腑に落ちない」とするのが、朝日新聞の立場だ。

3.11の原発事故の直接の原因・責任が東電にあることは間違いない。だからこそ、民事訴訟では、相当な損害賠償が東電に課されているわけである。それは、当然のことといえる。

だが、刑事訴訟は民事とは質がまったく異なる。被告は組織ではなく個人であり、刑事罰は、原則として故意犯罪のみに適用されるべきであり、例外的に、重過失者が裁かれる、という姿勢は、絶対に崩してはいけない。

かつて王政や社会主義国家などでは、権力の恣意により、大して罪もない人が多数殺されたりした。逆に、フランス革命の時のように、反権力者側の恣意によって、社会的高位の者が、同じような目にあったりもしたこともある。

少なくとも朝日新聞は、後者のケースは正当、とみなすのだろう。あな、恐ろしや！

今回のような裁判で、仮に被告が有罪になるとすればそれは、権力の地位にある者が、己や親族の地位保全等のために、常軌を逸したような行動を取った場合であろう。

だが、オーナーのワンマン社長や韓国ならともかく、東電のような公共性の強い大企業で、そのような行動を取るような人物がトップクラスに就くことは、通常では考えられない。

人間は万能ではないから、後から見れば、トップ等の決断が明らかに誤っていたということは、大いにあり得る。だがそうしたそうした誤判断の原因の多くは、トップの個人的野心などというよりも、立場上やむを得なかったのではないか、といったケースであることがほとんどである。

課長クラスからは津波対策の突き上げがあり、それを経営陣が真摯に受け取らなかったという批判が強いが、安全とコストはトレードオフ関係にあるから、東電とて、一企業である以上、無限に安全対策にコストはかけられないだろう。やはりどこかで妥協が必要となる。

電気事業は公共性が強く、また原発となると、安全保障の問題も含めた国策になるので、本来ならその安全対策は、国の責任で行うようなしくみが必要だった。

だが、原発事業は、当初からボタンの掛け違いがあり、１９６１年に成立した「原子力損害の賠償に関する法律」では結局、国家は「必要な援助」をするにとどまることになった。（賠償法第１６条）　当時、責任者だった民法の大家我妻栄が国家賠償を明確にしようとしたが、財政を理由に、大蔵省に押し切られたのである。姑息的に第３条で「異常に巨大な天災地変又は社会的動乱によつて生じたものであるときは」国家責任となる、とされた。

さらには、原発事故当時の民主党政権の失策で、この第３条でさえ適用されることはなく、その全責任を東電が負うことになってしまった。

また原発の場合、自動車、飛行機等のような文明の利器とは異なり、最初からその存在を抹殺しようという個人・組織が存在しているために、安全対策を取れば取るほどにこうした個人・組織を不安にさせ、勢いづけてしまうという、”安全神話の呪縛”が存在する問題がある。危ないから安全対策を取るのだな、と反原発派からやられるのである。

”安全神話”を作らなければ、反原発派を納得させられず、それに縛られると抜本的な安全対策ができない、という、原発固有の矛盾があるのだ。

要するに、東電幹部は、政策と民主党の失政の犠牲者とも言えるわけで、彼らの立場としては、あのようにしか振舞えなかったことは、理解し得ることだ。

それはどの企業・官庁でも行われている、それぞれの立場での判断なのであり、仮に後で振り返ってそれが誤っていたからといって、ただちにその誤判断をした人間に刑事罰を下す、という朝日新聞的主張は、近代国家ではあるまじき行為である。

結果の甚大さを考慮すべきでは？という意見もあるだろう。これだけの大規模な事故なのであるから、それなりの責任を誰かが負うべきなのでは？という意見である。

だがこうした結果責任論こそが、厳に戒められるべきなのである。それは確かに人間の本能を揺り動かすわけではあるが、それゆえに、中世の魔女狩りレベルに人間の理性を貶める、近代国家においては、取り得ない選択と言える。

●サヨクの思惑を報道しない新聞
一連のこの訴訟は、サヨクのサヨクによるサヨクのためのものであった。それは、訴訟に当たって、”彼ら”が強く原発の停止を要求していたことでもわかる。

安全のための、という枕詞は付くにせよ、これこそが彼らの本音なのである。とにかく原発を動かさない、今ある原発もできるだけ止めてしまう、これこそが彼らの目的なのだ。

今回の判決を積極的に支持したのは、例によって読売・産経社説だけであるが、こうした新聞でさえも、サヨクのこうした思惑については、積極的には書かない。

せいぜい産経新聞主張において、「強制起訴自体に無理があった。千年に１度といわれる巨大津波によって４基の原子炉が同時被災した類のない事故の責任を、個人に求めるのは、反原発感情に根差した応報の感が拭えない」と書かれているだけで、読売には一切、サヨクとの関連の記載はない。

世間一般の常識からして、おそらく世の過半数はこの無罪判決を支持はするであろうが、この訴訟の背後に棲みついているサヨクの存在を知っている人は、そうはいないだろう。新聞はむしろ、こんな側面こそを、もっと深く掘り下げて欲しい、と思う。

韓国、日本に情報共有要請＝ＧＳＯＭＩＡ通じ－北朝鮮ミサイル