■平成２7年１月9日 政府が沖縄に冷たい理由
翁長沖縄県知事に対する政府のこうした”冷たい”対応に対し、案の定、サヨク、リベラルからは批判の声が出ている。 本日（1月８日）の報道ステーションにおいても、朝日新聞の解説委員だかが、「首相は知事をきちんと招いて、きちんと話し合いをすべきだ。こんなことをしていたら、地方自治体すべてが政府のいいなりになってしまう」などと、語気強く話し、古館一郎くんも激しく同意していた。 一見、こうしたリベラルな主張は、正しいように思うかもしれない。たとえば、河野太郎が首相だったら、あるいは民主党政権であったなら、おそらくは、首相は知事と話し合いの機会を持ったことだろう。 しかし、ちょっと待って欲しい。 話し合うということは、議論とはまた違う。議論であれば、互いがほぼ自らの主張を譲らないのが普通だから、互いの意見を開陳し、相手にそれを少しでも理解してもらうことを目的とする。 だが、「話し合い」の場合、その結果、互いが歩み寄れる結論を出す、という前提がある。辺野古問題で言えば、多少なりとも政府が「県外移設」を約束する意思でもあれば、それは成り立つだろう。 だが、政府にそういった意思は１００％ない。そしてまた、翁長知事にしても、辺野古で妥協することは、絶対にできない。 つまり、どうあっても話し合いにはならない。 仮に、首相が話し合いに応じたら、どうなるだろうか。 無論、結論は喧嘩別れだから、マスコミは、読売・産経を除いては、首相の側を叩くことだろう。どだい多くのマスコミは、単純に判官贔屓だから。 無論、安倍首相は朝日新聞などに叩かれることは慣れているわけだから、そんなことはどうということもないだろうが、その結果、相手の意見に耳を傾けた、という姿勢が残ってしまう。 つまり、政府と自治体が対等になってしまう。これがまずい。 サヨクなどは特にそうだが、彼らは、少しでも国家権力は弱い方がよいと考えている。 たとえば彼らサヨクは、大東亜戦争が起きたのは、国家権力が強すぎて、善なる民衆の意見を聞かなかったのが原因だ、とする。 だがしかし、真実は真逆であり、むしろ国家権力が弱すぎて、民衆の強硬意見を無視できずに、やむを得ずに戦争に走った、というのが真相である。 このように、サヨクは根本的に認識を間違っているので、とにかく国家権力を弱くしたがるのである。先ほどの朝日新聞の解説委員だか何だかが、「地方と国家は対等であるべき」みたいなことを言うのがその典型だ。 国家は無論、地方の意見に耳を傾けるのは当然ではあるが、だからといって、地方に迎合しては絶対にいけない。きちんと政府方針を示し、それに従わない自治体は、当然ペナルティを食ってしかるべきである。そうでなければ、国家が成り立たず、それこそ戦前の”いつか来た道”の二の舞である。 サヨクやリベラルの感情論は、結局、国民にとってマイナスである。 | ||
■平成２７年１月１０日 多少のHな場面ならいいのでは？
別に今このような番組を見ているわけではないが、昔は、テレビにおける性的表現はもっとずっと過激であったように思う。 私が高校～大学生の頃（昭和５０年代）には、そもそも昼間っからHなシーンが結構あったよ。不倫の末のベッドシーンとか、ポルノ映画の撮影場面とか、お昼のメロドラマのベッドシーンとか。深夜にも、「１１PM」とかでは裸に近い女性がよく出ていたし、夜の８時台くらいの時間でも、「野球拳」とかあって、やはり結構若い女性が裸に近い姿で出ていた。 私たち純真な青少年は、そういったHなテレビを見て、ガス抜きをしていた。あとはせいぜい「プレイボーイ」とか「平凡パンチ」とか、ちょっとHな雑誌を見たり。 いずれにせよ、Hな描写とはいっても、今から思えばかわいいもので、単純に女の子のヌード写真くらいでえらく興奮していたものだ。 現在は、こういった、ちょっとしたガス抜きになるようなHな場面に接する機会が少ないように思う。おそらくは、インターネットで簡単に過激なH画像・映像が見られてしまうために、テレビなどの表の世界では、かえってHな場面を隠す傾向になってきたのではないか。 現在の青少年は、昔のテレビでのベッドシーンのような、ちょっとしたHな場面で免疫をつけることなく、いきなりインターネットにおける過激映像に直接入っていかざるを得ないのではないか。 昔のように、青少年はやはり、テレビや雑誌のちょっとしたH場面を与えられ、ある程度免疫をつけてから大人の世界に入っていく方が良いのではないか、と個人的には思う。 したがって、深夜番組の多少のエッチな発言など、大目に見てあげてもよいのではないだろうか。 | ||
■平成２７年１月１１日 細野氏は「民主党をぶっ潰す」と言ったら？
今度の民主党代表選は、意外に世間の注目を得ているようだ。民主党独自路線でいくか、野党再編するか、さらにはリベラルがどこまで結集できるか、といった形で、いつものような出来レースではなく、争点がはっきりしているためだろう。
しかしながら、次期代表は、年の功でやはり岡田氏であろう。鳩・管・小沢亡きあと、今や民主党がとりあえずまとまっていくためには、第二世代の岡田氏しか、いない。 長妻氏は、あとから出馬したことでもわかるように、単純に民主党内リベラル～左派のガス抜きである。一定の票は集めるだろうが、要は「失敗した民主党路線」そのままの主張なのだから、世間からは相手にされない。 問題は細野氏だ。 もともと野党再編論者なのだから、細かい得票のことなど考えずに、かつての小泉首相のように、「自民党をぶっ潰す」ならぬ「民主党をぶっ潰して野党を一つにまとめてみせる」くらい言えばいいのに。 無論、周囲からは相当に反発は来るだろう。当選回数は重ねてきてはいるが、いわゆる第三世代で、民主党草創期にはまだ存在していない。（２０００年初当選。新民主党成立は１９９８年） 当然、草創期から活動していた第二世代（岡田克也、野田佳彦、前原誠司、玄葉光一郎等）らは、自分たちが作り上げたという自負がある民主党をぶっ潰すなどと言われて、いい気がするわけがない。 小泉氏の場合、自民党はすでに出来上がって半世紀が経っており、どんなベテラン議員でも、草創期は誰も知らない。したがって、そういった意味では、当選回数や年齢とは無関係に皆横並びだった。だから確かに「ぶっ潰す」と言いやすかった。 しかし、細野氏はまだ４３歳。まだまだこれからの政治家なのだから、ここはひとつ、当たって砕けろ！で良いのではないか。 将来的には、野党は必ず一つにまとまざるを得ない時が来る。その場合、今「民主党をぶっ潰す」と言っておけば、その時には、野党再編の主導権を握ることができる。その時、細野氏はひょっとしたら、まだ５０前かもしれない。いずれにせよ、あとがない岡田氏とは、環境がまったく違うのだ。 このくらい、言えないのかなあ・・・ | ||
■平成２６年１１月１２日
 民主党の第一世代は有名な以下４人である。 第一世代 管直人 １９４６年１０月１０日生 初当選１９８０年 当選１２回 鳩山由紀夫 １９４７年２月１１日生 初当選１９８６年 当選８回 横路孝弘 １９４１年１月３日生 初当選１９６９年 当選１２回 （小沢一郎） １９４２年５月２４日生 初当選１９６９年 当選１６回 この人たちが第一世代と言われるのは、”民主党を作った人たち”だからである。すなわち、民主党形成期の’９６～’９８年当時、すでにある程度当選回数を重ね、中堅～ベテランとして活躍していた世代である。 明治政府にたとえると、いわゆる維新の三傑にあたる。（人材の質の落差を承知でたとえると、菅直人＝大久保利通、鳩山由紀夫＝木戸孝允、小沢一郎＝西郷隆盛、横路孝弘＝白石正一郎となろう。あくまでもたとえですよ、たとえ。人材の格差は明治とは比べものにならないから、ね） こうしてみると、小沢、横路は別格として、鳩・菅がそれぞれ当選４回、６回という中堅であり、特に当時まだ４０代であった鳩・菅が、横路らベテランの力を借りて、新しい政党を作っていったわけである。 もともと民主党は、自民はいやだが、小沢一郎が中心となって作った新進党もいや、という人間と、もともと左派だったが、社会党という泥船から飛び出してきた連中などが合わさって、’９６年にできた。（旧民主党） この頃の民主党は、与党自民党、野党新進党のはざまで、ゆ党民主党などと呼ばれていた。その後、新進党の分解に伴い、旧新進党議員なども引き入れ、’９８年に新民主党が誕生した。 ●鳩・菅が若くして活躍できたのはなぜか ここで疑問に思うのが、鳩・菅がまだ当選４～６回、４０代という若さで、なぜ政界で主要な立ち回りができたのか、ということである。 今から思うに、この時期は、「失敗した明治維新」だったと思う。 ’８９年のベルリンの壁崩壊、’９１年のソ連崩壊により、当時、世界は大変換期だった。資本主義v.s.社会主義の勝負がついた。 その余波は日本にもおよび、旧社会党は、社会主義の敗北の結果、急激な衰退を余儀なくされた。そのために、それまで社会主義を主張してきた勢力は、自らの過ちが証明されてしまい、急激に影響力を失なった。 つまり当時は、明治維新期同様、人材の入れ替え時期であった。社会主義バリバリの人は、居場所をなくした。代わって、時代を開く新しい人材が必要とされたのだ。 新たに求められた人材は、マルクス・レーニン主義者ではなく、リベラルであった。リベラルを標榜する若い人材、その代表が鳩・菅だった。 彼ら若い世代が、横路孝弘、武村信義らベテランの力を借りて、維新を起こしたのだ。（その後結局失敗に終わったが） これが、鳩・菅が若くして活躍できた理由である。 ●民社党がつぶれたのはなぜか それにしても不思議なのは、この時期に民社党はなぜつぶれたのか、ということだ。 民社党は、本来なら、ポストマルクス・レーニン主義の旗手となれるはずであった。他ならぬリベラルが一番立ちやすい位置にいたわけであるから。 しかし、民社党は、あまりに細かい路線闘争にこだわりすぎた。マルクス・レーニン主義に近い路線でいくのか、保守に近い路線でいくか、で内部で意見が分かれた。 民社党は解党後、新進党や民主党に議員が引き継がれてはいったが、一部は閣僚にまでなったとはいえ、その後の政界で、彼らが大きな役割を果たしたとはいえないだろう。 ●第二世代 第二世代は以下のような人たちである。いわゆる民主党６人衆を中心とした人たちで、’９３年総選挙以降に当選した人たちである。 なおこの世代では、岡田克也が’９０年初当選であるが、この時は自民党からの出馬であり、第４位でぎりぎり当選であった。岡田は’９３年の総選挙では新生党（新進党の前身）から出馬し、以後選挙は盤石となっている。したがって、岡田は実質的には’９３年総選挙後に民主党勢力に加わったわけで、それまでの民主党結成勢力とは一線を画していたため、第二世代となる。 岡田克也 １９５３年７月１４日生 野田佳彦 １９５７年５月２０日生 枝野幸男 １９６４年５月３１日生 玄葉光一郎 １９６４年５月２０日生 前原誠司 １９６２年４月３０日生 安住淳 １９６２年１月１７日生 渡辺周 １９６１年１２月１１日 この世代の特徴は、”民主党形成期をともに過ごした人たち”ということである。作り上げるまでにはまだ経験が足りず、作り上げた人たちの補佐をしたり、とにかく人数合わせでついていった世代である。要するに、党形成にあたって、主体的役割は演じてはいない。 あえて明治維新にたとえれば、伊藤博文・山形有朋・井上馨・黒田清隆などの世代にあたる。 この世代は、民主党与党時代には、首相はじめ、閣僚級で活躍した。そのために、第一世代とともに、民主党政権失敗の責任は十分にあるといえる。 また、民主党伸長とともに活躍の場を広げた人たちであり、よきにつけ悪しきにつけ民主党色が一番濃い世代である。 さらに特徴的なのは、自民党における同年齢、同一当選回数世代と比較すると、若くして重要な地位についていることである。その代表が、４３歳で大民主党の代表に就任した前原誠司と、５４歳で首相にまで上り詰めた野田佳彦である。 ●前原、野田はなぜ若くして党代表、首相となれたのか 前原誠司は、２００５年に、何と弱冠４３歳で党代表になった。また野田佳彦が首相になったのも５４歳で、自民党政権の歴代首相と比較しても、そうとうに若い。彼らはなぜ、これほどまでに若くして、このような地位につけたのだろうか。 自民党の場合、当選回数のしばりやさまざまなしがらみがあり、首相・総裁となるのは、早くても５０歳代後半であった。安倍首相は例外的に、５２歳という若さで首相になった（第一次安倍内閣）が、それは小泉内閣で派閥が崩れ、自民党内に安倍よりやや上の世代で、人材が枯渇したためである。 民主党の場合、人材の枯渇というよりは、育成が追いつかなかった側面が強い。 前原が代表になった時期は、第一世代と岡田がこけた後で、小沢一郎はまだ合流して２年ほどであり、民主党を”乗っ取る”のには間があった。 また当時、民主党内にも川端達夫、赤松広隆、高木義明といった、錚々たるベテラン議員はいたが、彼らはベテランであるがゆえに、民主党以前のカラーが強すぎて、かえって”民主党”代表足りえなかったのである。 結局、第二世代で手垢がついていない、かつ代表たる年齢的にほどよいとなると、前原誠司、野田佳彦、樽床伸二（落選して転落）といった当時４０代半ばの世代しかいなかった。 そのために、まず’０５年に前原が代表となり、野田はゆずって国対委員長となり、６年後の’１１年には野田が今度は首相になった。 この時期は民主党全盛期であり、両者のキャリアは誰よりもその全盛期れにピタリと当てはまったといえる。（またそれゆえに、今回の代表選には出馬はできなかった） だからこそ両者は、それまでの政治の世界ではありえないような若さで、大政党、日本の頂点に立つことができたのである。 ●第二世代の今後 このように、民主党第二世代は、それまでにはあり得なかった若さで閣僚、党代表、首相といった要職を歴任することができたのだが、彼らの今後はどうなるのだろうか。 端的に言えば、彼らが再び活躍することは、もはやない、と言えよう。 今後当面は、１強多弱の時代が続くものと思われる。安倍政権がいつまで続くかはわからないが、次は石破政権であり、安倍路線は継承される。おそらく今後１０年は保守の時代が続くことだろう。となると、リベラルの出番は当面、ない。 万一リベラルの時代がきても、この世代はもう６０代になっている。その頃活躍するのは、現在４０代前半の民主党第三世代、橋下徹、といった世代に交代していることだろう。 民主党第二世代は、人生の早い時期によい夢を見させてもらったということだろう。 ●第三世代 第三世代は２０００年以降の当選者である。 細野豪志 １９７１年８月２１日生 馬淵澄夫１９６０年８月３０日 長島昭久 １９６２年２月１７日生 長妻昭 １９６０年６月１４日生 この世代は、当選時にはすでに政界再編の時期が終わっており、新民主党が”ゆ”党から純粋な野党へと躍進していく時期であった。つまり、できあがった民主党しか知らない世代である。 明治にたとえれば、すでに明治政府が軌道に乗り、明治の組織を登りつめて出世した、維新を実質的に知らない世代、たとえば原敬、上原勇作あたりの世代にあたるだろう。 この世代の強みは、民主党政権失敗の直接の責任がほとんどないことである。その頃はまだ当選３～４回であり、なおかつ、第一、二世代がたくさんいて、さらにはベテラン議員なども多く、上がつかえていて、とても閣僚には手が届かなかった世代なのである。それゆえ、党運営の失敗の責任もない。 現在はしかし、第一世代は完全に消滅したが、第二世代がいまだ党の中心にある。また古い世代でいまだ当選を重ねている議員も何人かいる。 こうした第二世代たちは、なんだかんだいっても自分たちがその中で育ってきた民主党への愛着は強いはずで、したがってたとえば、今回代表選に出馬した細野にしても、本来は民主党を解体して他党と合流をしたいのだろうが、第二世代に気を遣い、そうそう簡単に民主党の解党などは言い出せないであろう。 失敗の責任のある第二世代からそれがない第三世代へ、このリレーがうまくいくかどうかに、今後の民主党の命運がかかっているといえる。 ●実質的に細野豪志しかいない第三世代 ところで、第三世代と呼ばれている人たちの年齢を見ると、意外なことがわかる。すなわち、その多くは、年齢的には第二世代と変わらないのである。 馬淵、長島、長妻といった人たちは、１９６０年～６２年生であり、現在すでに５３～５５歳にさしかかっており、前原、玄葉と同じ世代なのである。’６４年生の枝野にいたっては、第二世代であるにもかかわらず、第三世代よりも若い！ おそらくは、民主党は第二世代の層が厚すぎて、それより若い世代は壁にぶつかり、細野を例外として、なかなか主要メンバーにはなれなかったのであろう。 第二世代がほぼ３０歳前後で初当選しているのに対し、第三世代はそれが４０歳ほどになっている。平均すれば、ほぼ１０年遅れて代議士になっている。第二世代に乗り遅れた同年輩者が周回遅れで第三世代として出てきた、というのが真相なのである。 結局、影響力のある政治家で、実質的に年齢が若い第三世代は、’７１年生の細野豪志しかいないのである。 細野は原発担当相などを歴任したが、幸いなことに、民主党政権では主要な役割は果たしていない。わずかな当選回数の差が、彼を救ったともいえる。 したがって、民主党の今後はまさに細野の動きにかかっているといって、過言ではない。野党再編論は、年配者がいかに細野を補佐していけるかで決まる。 野党再編は、今後は’６９年生の橋下徹と’７１年生の細野がキーマンである。（’５６年生の江田憲司はむしろ、補佐役に回ったほうがうまくいくと私は思うのだが） ●「民主党」に未来はない 細野は以前は維新の党との合流を訴えていた（今でもホンネではそうだろう）が、今回代表選ではそれを封印している。代表選を乗り切るため、と一般には言われているが、私はそうではなく、単純に、先輩に気を使わざるを得ないからだと思っている。 しかしながら、岡目八目で見れば、どうみても民主党には未来はない。民主党自体がもう、政党の体をなしていない。現在生き残っている民主党議員は、そのほとんどが個人的実力で生き残っているのであり、すでに党の看板は消滅している。 実際、昨年の衆院選では、民主党の新人当選議員は金子恵美のみであり、当選回数４～６回のベテランばかりが多いことがわかる。これは、当選回数にしたがって議員数が減っている自民党と比較すると、その差が明瞭である。（下図参照）  特に自民党の場合、当選２回議員が３割以上を占め、これは、前回の総選挙で出てきた新人の多くが勝ち残れたこと、あるいは小泉チルドレンの復活を意味するものであり、議員の当選年数構成としては、きわめて健全なものである。 このようなグラフを見ても、民主党には未来はないことがわかる。やはり思い切った野党改革が必要であり、具体的には、労組系を追い出し、維新の党と結ぶことが絶対に必要であろう。 ＜まとめ＞ 東西冷戦終結により、日本においても、人材の入れ替え時期が’９０年以降、出現した。この時期はある意味、”平成維新”であったといえる。 その時期、マルクス・レーニン主義者がいっせいに退場し、あたらしいリベラル勢力が台頭してきた。そうした勢力は離合集散の末、結局、民主党として結集した。 その民主党を担ったのは、三バンがなく、本来なら代議士にはなれないような若者たちであった。上の世代がいなくなったがゆえの幸運であった。 民主党は、皮肉にも、もっとも自民党的な小沢一郎の力によって、政権交代までなしとげ、その結果、自民党時代には考えられないような若さで、彼ら若者は、首相、閣僚、党代表といった要職につくことができた。 しかしながら、民主党のコンセプトがそもそも誤っていたために、国民もすぐにその過ちに気づき、あっという間に党は国民の信頼を失った。それとともに、若くして閣僚などに就任した人たちも、活躍の場を失った。 今後の民主党は、細野豪志が中心となり、上の世代の力を借りながら、橋下徹と提携をして、野党結集をめざすことになるであろう。それが穏健なリベラルであるならば、今後自民党保守政権からの政権交代の受け皿になれる可能性はないではない。 | ||
上記記事は、九州保健福祉大学のHPの一部である。嘘ではないが、真実とは異なる、という広告の典型。 広告の場合、当たり前のことだが、嘘偽りを言ってはいけない。また、誇大なことを言ってもいけない。 たとえば、まったく効かなかった薬を効くと広告することは嘘いつわりであり、あまり効かなかった薬をよく効くとするのは、誇大広告であり、両方共いけない。 ではこの広告はどうかというと、嘘でもないし、誇大でもないので、なんらおとがめを受けるようなものではない。しかし、受験生は、この広告を、絶対にそのまま受け取ってはいけない。 この手の広告には”からくり”がある。嘘を嘘でないように見せるためのからくりである。 この広告でいえば、確かに”新卒”合格率８７．３％は真実である。またこの数字が私立56校中第2位の成績というのも確かである。 ではどこにからくりがあるか。ご存知の方も多いと思うが、”新卒”の中身にそれはある。すなわち、６年前の入学者＝新卒受験者ではない。 伝統的な薬学部の場合、これはほぼイコールである。すなわち、入学者は、一部は脱落して留年するが、おおむね9割程度の学生はストレートで受験期を迎える。したがって、この受験者/入学者の比が統計上問題になることはまずない。 ところが、偏差値が低い大学の場合、留年率が極端に高かったりして、大学側が意識的に国試に受かりそうもない学生を受験させないような操作を行うことが多い。 九州保健福祉大のデータを見ると、受験者数１２６人に対して合格者数が１１０にであり、確かに、”新卒”合格率は８７．３％となり、私大においては９１．１％の名城大学についで2番目である。 しかし、新卒者が入学した時点での学生、すなわちH20年度入学者は１９６人である。受験者数が１２６人だからつまり、6年間で７０人の脱落者が出ていることになり、留年率は３５％、３人に1人以上は中途脱落していることになる。 こうしたことを考慮した、いわゆる”真の国試合格率”で見ると、九州保健福祉大学のそれは５６．１％となり、私大の中では16位の合格率となる。 つまり、この大学の広告は嘘ではないが、大学教育の指標としては適当ではない、ということになる。「私大で2位の国試合格率ならいいかな」と、この数字を鵜呑みにして子弟を入学させる親御さんもいるであろうから。 仮に、数字に偽りあり、と親が大学側に抗議をしても、「数字自体嘘ではありません」として、軽くあしらわれてしまうだろう。 要は、親や受験生の方が、数字にだまされないよう、しっかりと基礎知識を持っていなかればいけない、ということ。 こうした数字のマジックは世の中にはよくあることだ。 たとえば昨年末に行われた衆院選で、民主党は、「民主党政権の時期に5．５％の経済成長を遂げた」と主張していた。 しかしながらこれも、実は、リーマンショック時の底から測定したものであり（さらに言えば、麻生政権時代の景気対策分も含まれる）、この数字自体は嘘ではないが、実質的には無意味な数字なのであった。（下図参照）  つまり言いたいのは、私たちの周囲には、この手の”騙し”が満ち満ちている、ということだ。そういった偽りの数字に騙されると、私たちは誤った判断をすることになる。 では、こうした偽りの数字を見破るにはどうしたらよいのか。 無論、基本的には勉強をして自ら武装するしかないのだが、ポイントとしては、相手側にあまりに都合が良すぎる数字、世間の常識からかけ離れた数字というのは、まずは疑ってかかってみる、ということだ。 九州保健福祉大学は、失礼ながら、偏差値も低いし、歴史もない。そうした大学が、いくら大学側が努力をしたとはいえ、伝統も実力もある私大薬学部を抑えて、いきなり国試合格率が2位などにはなれるものではない。 民主党にしても、デフレが２０年も続いていた時期に、民主党政権の時だけ突出してGDPが５％を超えていたなど、常識的にあり得ない。 このように、「あれ、この数字変だな？」と感づくことが、だまされずに生きていく上で大事である。そしておかしいと思った数字の根拠を調べると、意外な事実がわかっておもしろいものである。 ■平成２６年1月１５日 表現の自由に対する温度差は無視できない
こんなことを言っては何だが、今回の襲撃事件に関しては、風刺をした側にも責任がある、と私は思う。
無論、暴力は絶対にいけない。しかし、こうした風刺がなければ事件は起こらなかっただろうし、少なくとも、風刺をした側は単に風刺のつもりでいても、それを受け止める側はさまざまである、ということは理解せねばならない。 一般的に言えば、民主主義の長い歴史を持つ欧米諸国は風刺には寛容かもしれないが、そうではないイスラム社会に、その寛容性が通じるとは限らないのではないか。 同じ風刺画を見ても、ワシントン・ポストはどうとも思わなくとも、イスラムの最高権威機関はむっとしたわけだ。 そもそも、風刺の対象自身の問題もある。 たとえば、イスラム教の預言者ムハンマドの存在の大きさは、イスラム社会とヨーロッパなどのキリスト教社会とでは、まったく異なることだろう。ムハンマドは、キリスト教社会においては歴史の授業で習う一人物に過ぎないだろうが、イスラム社会では偉大なるイスラム教の創始者である。 たとえば、もしもキリスト教の創始者イエス＝キリストが、イスラム社会の新聞で、同じような風刺を受けたら、ヨーロッパ諸国はどう思うか。 無論、ヨーロッパ社会は表現の自由を尊び、出版社に何ら圧力を加えるようなことはしないだろうが、イスラム社会と同等の気分ではいられないだろう。一部はやはり、反感の意を表出するかもしれない。 あるいは、日本の天皇陛下が、外国で風刺の対象とされたらどうなるか。おそらく日本の右翼が黙っちゃいないだろう。 結局、風刺をするのならば、人々個人個人の感受性のみならず、国民性、あるいは風刺対象者への歴史的背景の相違など、さまざまな要素を無視することはできないのである。 自分たちは、いかなる条件であろうとあなたの自由を最大限尊重するからあなたも同じようにせよ、とは一律には言えないし、相手が不快感を持ったならばやはり、それなりの配慮はしなければいけないのである。 同じ風刺でも、ある人々にはそれが風刺と感ぜられず、ものすごい不快感をもよおさせる、という事実は、決して軽視はできない。むろん、その報復として暴力を用いることに対しては、１００％支持できないが。 |
＜佐賀県知事選＞山口氏が初当選 樋渡流政治手法は届かず
毎日新聞 1月12日(月)15時43分配信
当選が確実となり、万歳する山口祥義さん（中央）＝佐賀市で２０１５年１月１１日午後１０時４７分、津村豊和撮影
古川康前知事の辞職に伴う佐賀知事選は１１日投開票され、県農政協議会などが推薦する元総務官僚、山口祥義（よしのり）氏（４９）＝無所属新人＝が、自民、公明両党推薦の前武雄市長、樋渡（ひわたし）啓祐氏（４５）▽九州大大学院教授、島谷幸宏氏（５９）▽農業、飯盛（いさがい）良隆氏（４４）－－の無所属新人３人を破り、初当選を決めた。選挙戦は山口氏と樋渡氏による保守分裂の接戦となったが「対話重視」の県政を主張する山口氏が民主や連合の支援も受け、支持を広げた。安倍政権が目指す農協改革への反発もあり、与党が推す樋渡氏に逆風となった。当日有権者数は６７万５８６５人。投票率は過去最低の５４．６１％（前回５９．４１％）。
【解説】農協はなぜ改革を求められるの？
山口氏の支持者が集まる佐賀市の事務所に当選確実の一報が伝わると、歓声とともに大きな拍手が湧き起こった。山口氏は「当選できたのは皆さん一人一人のお陰です」と深々と頭を下げた。トップダウン型の樋渡流の政治手法の是非も争点だっただけに「一人一人との対話を基本にし、皆さんと改革を進めていく」と決意を語った。
出馬表明が告示日約１０日前と出遅れ、知名度不足に悩まされたが、推薦を受けたＪＡグループ佐賀の政治団体「県農政協議会」（会員約５万５０００人）が「これだけまとまったのは初めて」（県農政協幹部）というほどフル稼働し、組織票を固めた。樋渡氏の知事就任に「県政の危機だ」と不安を訴える秀島敏行・佐賀市長や佐賀市議も運動を支え、大票田の佐賀市でも票を伸ばし、樋渡氏を突き放した。
一方、樋渡氏は前知事の古川康・衆院議員の後継者を名乗り古川県政の継続や、市長時代の図書館や教育改革など実績を訴えた。菅義偉官房長官や谷垣禎一幹事長ら自民党幹部が次々応援に入り、保守系組織を締め付けたが、逆に安倍政権が狙う農協改革に反発する農協などが「佐賀のことは佐賀で決める」と結束を強め、県民党を掲げる山口氏陣営に追い風となった。
島谷氏は陸上自衛隊の新型輸送機オスプレイの配備計画や、九州電力玄海原発（玄海町）再稼働の反対を訴えたが、支持が広がらなかった。農業振興などを掲げた飯盛氏も浸透しなかった。【松尾雅也、岩崎邦宏】
◇解説 県民の声に耳を
昨年１１月、辞職を前にした古川康前知事は定例記者会見で、佐賀空港への陸上自衛隊の新型輸送機オスプレイなどの配備計画が及ぼす影響について「民間空港としての使用、発展に支障がないことを確認した」と突然、容認をうかがわせる発言をした。
折しも、九州防衛局が佐賀空港周辺の全住民を対象にした配備計画説明会の終了翌日のことだった。会見では更に「地方自治体は基本的には国の安全保障に協力すべきだ」と言及し、受け入れが前提との見解も示した。
知事辞職と自民党からの衆院選出馬を踏まえた発言で、最終判断は「次に（知事に）選ばれた方が判断される」と語り、野党県議らから「県政の投げ出しだ」と非難を浴びる結果となった。
そんな中で、年をまたぐ突然の知事選が始まった。有権者は当然、数ある県政課題の中でも、このオスプレイ配備計画についての候補者の政策に注目した。だが、選挙戦は有力な２陣営の「保守分裂」による批判合戦ばかりが目立ち、有権者を落胆させたまま投票日を迎えた。
選挙が終わり「保守王国・佐賀」には、大きなしこりが残った。山口氏は新知事として、この分裂の修復とともに、オスプレイ配備や玄海原発再稼働などの国政課題に向かい合わなければならない。
安倍政権は今後、これらの国策を推し進めるだろう。山口氏は県民の声に耳を傾けた、しっかりとした県政のかじ取りが求められる。【松尾雅也】
山口祥義（やまぐち・よしのり） ４９ 無新（１）
［元］総務省過疎対策室長［歴］鳥取県商工労働部長▽長崎県総務部長▽東大院客員教授▽ＪＴＢ総合研究所地域振興ディレクター▽東大
◇知事選開票結果＝選管最終発表
当 １８２，７９５ 山口祥義 ４９ 無新
１４３，７２０ 樋渡啓祐 ４５ 無新
３２，８４４ 島谷幸宏 ５９ 無新
６，９５１ 飯盛良隆 ４４ 無新
特に図書館に関しては、私も何回か訪れたことがあるが、とにかく月曜日でも祝日でも開いていることにびっくりした。スタバのコーヒーも飲めるし。
しかしながら、ここまで”上からの”改革をするとなると、当然反対者も多い。改革の規模が大きければ大きいほど、既得権を侵される人も増えるし、その規模も大きくなるからだ。
またこれまでの日本では、あまりトップダウンで意思決定がされることがなかった。ボトムアップで十分に根回しされ、下の方でほぼ決定された事項を上が形式的に承認する、という形が日本では一般的であった。
樋渡氏はこうした日本の風土に挑戦する風雲児であったのだが、残念ながら、市長としては支持されても、知事としては否定されてしまった。
確かに、県単位の行政となると”上からの”強引な改革は困難となるのだろう。損失を受ける既得権も膨大だし、それなりにそうした抵抗にも根拠があるのが普通だから。
簡単にできるような改革なら、これまで誰かがやっているだろうから、今残っている案件はおそらく、相当に困難なものばかりであろう。
佐賀県には今後、玄海原発再稼働とオスプレイ配備という大問題がある。いずれも私は、佐賀県どころか国家にとって必要な施策だと思っているが、反対勢力は非常に強い。
ちなみに鹿児島県の川内原発再稼働においては、鹿児島県知事の豊富な経験と決断力が不可避であった。おそらく並みの知事だったら、それは不可能であったろう。
私は、樋渡氏であったなら、相当強引な手法をとってでも玄海原発再稼働やオスプレイ配備を推し進めたと思う。
しかし山口新知事は常識的な人のようで、とてもそうして過激な手法は取れそうにもない。たとえば、オスプレイ配備にしても、それに反対する県の漁協からの支持を受けて当選しているのだから、この人が知事でいるかぎり、まずオスプレイは佐賀には来ないだろう。そうなると、国家の防衛計画も進まないし、何より開港以来毎年赤字を垂れ流している有明佐賀空港の改革ができない。
上からの改革というものは、やはり、並の手腕ではできない。かつての小泉首相のように「殺されてでもいいから郵政民営化をやる」くらいの気構えが必要で、まあ、普通の人にはできない。やはり、改革をするのなら、人事の妙が必要だ。
太平洋戦争時、戦時となるや否や、米国は人事基準を切り替え、能力一本人事とした。しかし、ハルゼーとスプルーアンスの交代人事のように、司令官の性格もきちんと考慮していた。米国は人事の天才だった、と今にして思う。
日本では同時期、相変わらずの年功序列人事が行われ、かの戦争では、日本はそもそも人事で負けた、と言われている。
今回の佐賀県知事選の結果を見ると、そうした状況は、戦後７０年経った今でも続いている、と感じる。
官邸による上からの改革の意気込みはすごいが、国民がまだまだついていけていないのである。