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おじさんたちは一般にパソコンなどの操作が苦手だといわれている。若い人たちは新しいソフトの操作など造作なく覚えるし、キーボードの打ち込みなども早い。しかしおじさんたちはワードやエクセルもろくに使いこなせないし、メールも送れない。キーボード入力は雨だれ（ぽつんぽつん）式でお話にならない。なぜ若い人はパソコンの操作が流暢で、おじさんたちは苦手なのだろうか。
一般的にはその理由はおじさんになると頭が硬くなるからだ、といわれている。若い人は記憶力もよいし、適応能力が高いから新しい物事への対応がスムーズであるのに対し、おじさんたちは頭が硬く、適応能力が低下しているから特にパソコン操作のような反射能力を要するような新しい物事への対応が苦手である、というのがその理由として世間に膾炙しているものと思われる。しかしこれは本当なのだろうか。おじさんたちがパソコンが苦手な理由は別にあるのではないか、と実は思っている。
甘えるおじさんたち
結論を先にいえば、おじさんたちがパソコンが苦手な理由は頭が硬くなったからでも適応能力の低下でもない。おじさんたちが甘えているからである。私自身もおじさんと言われる世代に入ってわかってきたことだが、人間というのはある年齢になり、ある程度の社会的地位を得たりすると若い人にめんどうなことをやらせることができるようになる。
たとえばこれこれの文書をワードでいついつまでに作成しなければならない、しかし自分のタイピングは雨だれである、とてもじゃないがめんどくさくてやりきれない、えい、部下のあいつにやらせてしまえ、ということについなる。やらされる方は内心はぶつぶつ文句を言っているが、やはり将来のことを考えれば上司の言うことには逆らえず、作り笑顔で「はい、わかりました」となる。
若い人間だってみんながみんなタイピングが得意なわけでもなかろう。やっぱりタイピングが苦手なヤツだっているはずである。しかし若い間はそれを上司に頼まれればいやだとはいえないし、また頼む相手もいない。結局心ならずタイピングをやるようになる。やれば上達する。というわけで自然にパソコンに習熟していくわけである。ところがおじさんの方は甘えて何でもめんどくさいことは若い人にやらせてしまうからパソコンにしても一向に上達しない。
おじさんたちには「なに、パソコンなんぞできなくたってオレにはオレにしかできない高度な判断を要する仕事があるのだ」などというプライドがあるし（本当はしかしこれは幻想なのかもしれない）、実際にパソコンができなくても給料はもらえてしまうから結局はパソコンを覚えない。若い人は適性があるとなしとに関われらず、パソコンを覚えなければ給料ももらえないし、出世にも響くから必死になって覚えるのである。結局はおじさんたちは頭が硬いからパソコンが苦手であるのではなく、覚える必要がないからやらないだけなのだ。つまり甘えているのである。
年齢よりは興味と必要性が大事
私の知り合いにおじさんどころかもう70歳を越えていてしかもハンセン氏病による神経麻痺で指がほとんど動かないのにパソコンを流暢にあやつる人がいる。この人がパソコンを始めたのは60歳を過ぎてからで、文字通り６０の手習いで一から始めたのであった。それが今ではHTMLをあやつってホームページの請負までしているのだ。
その作成ファイルは2500以上、２５MB以上だという。（この方のサイトはhttp://www.try-net.or.jp/~k-ohta/です。興味ある方はごらんください。）
この人がパソコンを覚えたのはパソコンが好きだったからである。そして仕事柄、文章を書く機会が多いのに指が不自由なために普通の手書き文章を書くのが困難なためにどうしてもパソコンを使った文章作成が必須であったためである。つまり好きであること、必要であることがパソコンでは大事なのである。年齢なんぞは実は関係ないのだ。そしてこの人は一般のおじさんたちのようにめんどくさいことを若い人まかせにせず、自分でやったのである。つまり甘えていないのだ。
＜結語＞甘えるのはやめよう
おじさんになっても若い人に甘えるのはやめよう。パソコンを使えるかどうかに年齢は関係ない。必要ならば必死で覚えるしかない。人間というのはよくしたもので最初はあまり興味がなくても仕事の上でどうしても必要とあらばだいたいはどんな知識でも吸収してしまうものなのだ。キーボードアレルギーには今は「ゴルゴ１３」が登場するタイピングソフトまである時代である。何でも努力すればそれを助けてくれるソフトもあるし、人もいる。全国のおじさんたち、若い人に甘えることなく頑張ろうね！！
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