| 左翼の愚民論 |
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いわゆる左翼系の人たちは、今回の人質事件における事件解決後の世論調査において、政府方針を支持した人の率があまりに高いのがご不満のようである。（調査によって異なるがだいたい７０～９５％） なぜこれほど自衛隊を撤退させず、という政府方針の支持率が高かったのか。 理由は簡単、政府は犯人の要求に屈せずにイラクでの自衛隊駐留を維持し、なおかつ人質5人が特にケガもなく無事救出されたからである。すなわちこの種の誘拐事件としては異例ともいうべき１００％満足すべき解決がなされたからである。犯人の要求の拒絶と人質解放という二律背反をうまく処理できた稀有の例といえよう。（その背景には事件の犯人が結局はテロではなく、おどしの要素が強かったこと、したがって最初から人質の殺害は考えていなかったこと、などの幸運があった。なお、政府は犯人側が送りつけてきたビデオの分析から当初より本気で人質を殺すつもりはないという情報をつかんでいた。これは特筆すべきことといってよい。政府の強行方針にはこうした裏付けがきちんとあったのである） これほど事件処理がうまくいったのだから国民が政府方針を支持しないわけがないのである。この世論調査は当然の結果といえる。 ところで社民党、共産党を支持する左翼系の人たちは自分たちの考えは絶対に正しい、と思っている。ところが正しいと思うその意見が上記の世論調査のように今の日本では少数派である。一部の極左を除けばこうした左翼の人たちも民主主義そのものは否定していないので、自分たちの意見が少数派であるということはそれが日本人の民意とはなっていない、という事実を認めざるを得ないのである。ではなぜ正しいはずの自分たちの意見が少数派に甘んじているのか。彼らが考えている回答は以下の２つである。 ①国民の大多数はだまされている。政府のまちがったプロパガンダ、政府御用マスコミのまちがった影響などにより国民は正しい判断ができない状態にされている。 ②自分たちは他人よりよく勉強しており物事がよくわかっている。しかし国民の大多数はあまり勉強していないし、社会の出来事に無関心だから世の中の真実がわかっていない。だから多くの人は政府の言うことに盲従し、正しい意見が多数派となることができない。 要するに日本国民はバカだから政府からだまされたりして正しい世論形成をすることができない、というわけである。 これを称して”左翼の愚民論”とここでは名づけよう。 さて、ここで政界に眼を転じてみよう。今回の事件で脅しに屈して自衛隊を撤退させよ、と言いつづけたのは彼らのご本尊である社民党と共産党のみである。しかしはっきりいってこの両党はいまや風前の灯。左翼の言う”愚民”が選挙のたびに両党の議席を減らしつづけてきたためである。 はたしてこれは日本国民が愚かになりつつある結果なのであろうか・・・。 少数派である左翼のみなさんはなぜ自分たちが少数派に甘んじぜざるを得ない事態になっているのか、なぜ自分たちの考えが多くの国民から支持されないのか、を胸にじっと手をあてて考えてみたらよい。 日本国民は左翼の人たちが考えているようなバカではない。（バカだったら戦後の日本がこんなに発展したはずがない）自分たちだけが勉強していて日本をきちんとリードしていける、というのは思い上がりもはなはだしいし、それは右翼思想とも通ずるものである。 選挙のたびに社民党や共産党が隅に追いやられてきているのはその考えが日本の国益に合わないからである。彼らの主張する政策を行ってしまうと日本が滅びてしまうからである。日本人の大多数は本能的にそれがわかっている。 今の日本では有権者の半数強が自民党支持である。裏を返せば、政府自民党の政策をそのままでは支持できないという層が半分弱いるということ。しかしこの層もおそらくその半分以上は脅しに屈しての自衛隊撤退には反対した。そして事件が落着してしばらくたった現時点では半数近い国民が自衛隊の撤退を望んでいる。（米国のファルージャ攻撃などイラク情勢に変化が生じてきたため） つまりテロの脅しに屈すれば国益に反する、だから脅されたその時点では大部分の国民が政府方針を支持、しかし現時点ではイラク全体が危険地帯となってきており、自衛隊駐留はイラク特措法に反するのではと思う人が増えている・・・ということ。 これこそが健全な世論というものであろう。世論というのは状況によって変わりうるものだ。その変わりようが国益にかなっているのであればその国民は賢民である。 したがって今の日本人は賢民といえる。愚民とあおっているのは左翼だけである。もっとも司馬史観によれば日露戦争から大東亜戦争までの日本人は愚民ということになるのであるが・・・。 |
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