| 小泉再訪朝アフォリズム |
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| 家族会の対応 あの日、家族会は荒れに荒れた。「最悪の結果」「子どもの使い」といった発言も出た。気持ちはわかるが・・・。じっと聞いていた首相の表情が印象的だった。あらためて日本には言論の自由があるのだな、と思った。北朝鮮なら即刻収容所送りだろう。それにしても上にたつ人というのはどんな罵詈雑言を浴びせられてもじっと耐えるだけの心の余裕が必要なのですな。一切の反論をせず、「すべては私の責任です」と言った首相に改めて敬意を表した。 中曽根元首相 中曽根元首相はかなり厳しい論評をした。「オレならもっと強硬にやってもうまくやれる」との自信からか、小泉首相に以前議員辞職の引導を渡されたことへの反発か。後者ならちょっとなさけない。中曽根氏のためにも前者と思うことにしよう。 男を下げた平沼赳夫 平沼赳夫は最初小泉再訪朝を痛烈に批判しながら世論がこれをけっこう評価していると見るや否や、風見鶏のごとく、その主張を変えた。あまりに露骨なその変化にはあきれた。その点安倍幹事長は首相の再訪問自体に反対していた時期から今まで、首相をうまくフォローしながら首相の意見に同調していった。やはりポスト小泉は安倍晋三しかいないかな。 左翼 イラク人質事件の時にあれだけ気炎を上げていた左翼も今回は沈黙。今だに北朝鮮は悪くない、と思っているのだろうか。でも将軍様自体が”拉致”を認めちゃってるしねえ・・・。いずれにせよこの事件に関しては左翼はかたなし。 一時帰国 もともとは二週間の一時帰国のつもりで帰国した曽我さん、地村御夫妻、蓮池御夫妻。そのまま永住となった決断はご本人たちの意向だったのか、政府の意向だったのか。いずれにせよあの金正日に逆らう決断であったのだからその苦悩はたいへんだったろう。 第一の目的 だから今回の小泉再訪朝の第一の目的はなんといっても残された家族の奪還にあったのである。小泉首相もそう思っていたからこそ異例の二回目の訪朝ということになったのであろう。あとの問題はトップ会談なしで少しづつ進めていく他はないであろう。 韓国の拉北問題 拉致された人には韓国人も大勢いる。しかし韓国政府はこの問題を解決するどころか金正日を懐柔することばかり考えている。韓国の対北外交は依然として国民個人の利益よりは国家の利益を優先している。その点日本の対北外交がまず拉致問題の解決を第一と考えているのと対照的である。どちらがよい国家か？ 言うまでもない。 核と共産主義 韓国が一番こわいのは北朝鮮の陸軍が国境を越えて攻めてくること、日本が一番こわいのが北朝鮮の核。それぞれの歴史と地政学的条件に拠っている。だから韓国がなかなか北朝鮮に強気で出られない気持ちもわかる。結局それぞれの一番の抑止力は在韓、在日米軍の存在だろう。 北朝鮮の核について 小泉首相が金正日に力説したように、北朝鮮は核を廃棄することが最大の国益であり、日本を含めた周辺国とうまくやっていくための絶対条件である。そんなことは金正日もわかってはいると思うが（金正日はアメリカからの核の先制攻撃を言うがそれは絶対にあり得ないことなのである）、それでも核を手放さないのはやはり核の放棄＝体制の崩壊と思っているからではないか。 核を持つべき国・持ってはいけない国 少なくとも米国は核を保有し続けなければならない。絶対に使うことはないから。北朝鮮、インド、イラクなどは持ってはいけない。ひょっとしたら使うかもしれないから。料理人に包丁は絶対必要だがやくざに刃物はいけない。核も包丁も使い方次第。危険だからと料理人から包丁を奪ったらうまい料理が食えない。米国から核がなくなったら世界の平和が保てない。 カダフィと金正日 カダフィは個人の権威で国を治めていける。しかし金正日は核や言論統制などがないと個人の権威が保てない。したがって金正日はカダフィのようには容易に核を手放さないであろう。 家族の絆 曽我さん、地村さんたち、蓮池さんたちの家族の絆ってすごいと思う。日本で普通に暮らしていても家族の絆を保つのは大変なのに数奇な運命に翻弄されながらもしっかりと家族の絆を大切にしている拉致家族の人たちを見ているとみんな見習わなきゃって思いませんか。 家族会は分裂する 蓮池透さんは事務局長を辞任するだろう。彼自身の家族の拉致問題は解決したわけだし、薫さん一家の日本での生活への支援が彼の今後のメインな問題となる。一方で残り１0人の家族たちはこれからも家族の安否を捜索し続けなければならない。彼にも仕事があるだろうし、自分に関係のなくなってしまった問題に事務局長としていつまでも関わり続けることはできないだろう。 １年７ヶ月は無駄ではなかったのでは？ 拉致被害者の方々は最初２０数年ぶりに祖国に戻って来たときは何となくぎこちない印象だった。ところが今ではすっかり日本に馴染み、仕事もされている。皆さん心も身体も（失礼！）丸くなられたようだ。今の状態でなら行政サイドの支援も得ながら、子供たちを新たに日本人として立派に教育していくことは可能であろう。もし家族全員が一年７ヶ月前に同時に帰国していたならば日本への馴化は大変であったろう。 やっぱり共産、社民はダメ この両党は特定船舶入港禁止法案に反対している。そんなに圧力をかけたら北朝鮮が硬化して拉致問題も解決しなくなる、とのことらしい。平和、平和、と念仏を唱えていれば世界は平和になるという空想からいまだに抜けられない御様子である。 小泉再訪朝は歴史が評価する 吉田外交、中曽根行革、ともにその当時は外野からやんや言われていた。しかし今ではともに戦後政治の傑作として評価されている。中曽根さんなんか今では神様みたいな扱いだが首相当時はよく新聞でいろいろ叩かれていたよね。小泉再訪朝もあと５年１０年と経ってみなければその評価は確立しない。クルマを動かすのに一番力がいるのは停車している状態から発進する時だ。小泉首相は北朝鮮という重いトラックを発進させることには成功した。あとはどの方向に運転していくか、である。 |
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