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　ガン検診を受けられる方は増えていると思います。反面、ガンで亡くなられる方も増えています。
これって変だと思いませんか。ガン検診受診者が増えればガンで亡くなる方は減ってしかるべき
ではないでしょうか。だってガン死亡者を減らすためのガン検診のはずですから。いや、ガン検診
を受けている人はガン死亡率が、受けてない人より低いはずだ、という意見があるかもしれません
が、実はそれを証明するものはありません。つまりガン検診の有用性というのははっきりしてい
ないのです。（欧米ではそのためにガン検診なるものはありません）

　ガン検診で確かにガンは見つかっていると思います。問題はそれが治療になかなか結びつかな
いことです。典型例が肺がんです。胸部レントゲンで肺がんが見つかっても手遅れの場合がほと
んど。なぜなら進行ガンにならなければ検診では見つからないからです。つまりガンは見つかった、
しかし治療が難しい、というケースが多いのです。さらにガン手術の場合はたとえガンは摘出でき
たとしてもその後苦痛の多い不便な生活を強いられ、治療を受けて却って具合が悪くなったという
人があまりに多いのです（これに関しては後日詳細にご説明します）

　このようにいろいろ問題が多いガン検診ですが、大腸ガンに関してはよい面があります。それ
は大腸後半部のみ内視鏡検査をするガン検診です。大腸内視鏡検査は技術的に難しく検査を行える
医師が少なく、前処置（あらかじめ特殊な食事をしたり下剤を飲む）が大変と言われていますが、
無理して全部大腸を見る必要はないのです。大腸ガンの多くは直腸、Ｓ状結腸と呼ばれる大腸の後
半部にできるからです。そしてここを検査するだけなら浣腸だけでよいし、技術的にもそれほど難しくは
ないんです。Ｓ状結腸までだけの大腸内視鏡検査がもっと普及すれば大腸ガンの死亡者は確実に減
らせると思います。大腸ガンはその性質上、進行ガンであっても手術で完治する可能性が高く、手術
で大腸の一部を取っても胃がんの手術後のような不快な症状があまりありません。（人工肛門をつけ
る場合は別ですが）

　大腸ガン検診は便潜血検査のみの簡単なものか全大腸内視鏡検査まである大掛かりなものかのど
ちらかしかないのが普通です。中間のＳ状結腸内視鏡大腸ガン検診がもっと普及してしかるべきと
思うのですが。

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